Read the Gospels in 40 Days
72人の弟子を送り出すイエス
10 その後、イエスはさらに72人の弟子を選んだ。そして、イエスは彼らを2人1組にして送り出したのだ。イエスは自分が行くことを計画していた全ての町と場所に、彼らを先に送り出した。 2 イエスは彼らに言った。「こんなにも大きな収穫がある。人を迎え入れる大きな収穫が。しかし、彼らを連れて来る肝心な働き手がほんのわずかしかいない。収穫は神のもの。だから、神の収獲を助ける働き手をもっと送ってくれるように神に頼むんだ!」
3 「よ~し!もう行ってよい!だが、聞いてくれ!俺がお前たちを送るのは、羊を狼の群れに放つようなものだ。 4 お金やかばん、予備の靴は持って行くんじゃない。とにかく目的地に向かい、途中で誰かに話しかけられても足を止めず歩き続けるんだ! 5 家に入る前には『この家に祝福があるように』と祈るんだ。 6 そこに住む人たちが友好的であれば、お前の平和の祝福はその一家に留まる。しかし、もしそうでなければ、お前の平和の祝福はお前に返ってくる。 7 その家に泊まり、そこの家が出してくれる飲み物や食べ物をいただくんだ。働く者は自分の報酬をもらうべきだ。他の家から誘いがあっても、泊めてもらっている家を出るんじゃない。
8 お前たちが入ったその町の人が歓迎してくれるなら、出されたご飯をありがたく頂きなさい。 9 そして、町の病人を治し、『神の王国があなた方の近くにある!』と伝えろ!
10 だが、入った町の人が歓迎してくれないのなら、町の通りに出て、こう言うんだ。 11 『あなた方の町で付いた足のホコリでさえも、警告を込めて振り払おう。あなた方がしたことが過っているという警告だ。だが忘れるな!神の王国はあなた方のすぐ近くにある!』と・・・ 12 言っておくが、最後の判決の日、その町は邪悪な都市ソドムよりも最悪なことになる!」
イエスを否定する人への警告
(マタイ11:20-24)
13 「コラジンの町、ベツサイダの村にとって恐ろしいことになるぞ!俺の起こすたくさんの奇跡を見てきたにも関わらず、お前たちは変わることを拒んだ。滅ぼされた港の都ツロやシドンで、もし同じ奇跡が行われていたら、彼らでさえとうの昔に心を入れ替え、生き方を改めただろうに。そして、彼らは荒布をまとい、灰の上に座ると、自分たちの犯した過ちを悔やんだことだろう。 14 最後の判決の時、港の都ツロとシドンの市民よりもひどいことになる! 15 都市カペナウムはどうだ、お前たちは天国に上げられるか?いいや、お前たちは死の場所に投げ込まれる!
16 誰でも俺の弟子から話を聞いている人は、俺から話を聞いていることとなる。しかし、お前たちを歓迎しない人がいれば、それはつまり俺の歓迎を拒んでいるということだ。誰かが俺の歓迎を拒むなら、俺を送ってくれた方をも歓迎していないということだ!」
悪魔が落ちる
17 72人の弟子たちが彼らの旅から戻って来ると、彼らはとても喜んでいた。そして彼らは言った。「師匠、俺たちがあなたの名前を使った時、悪霊でさえ俺らに従ったんだ!」
18 イエスは彼らに言った。「俺も悪魔が空からカミナリのように落ちていくのを見た! 19 ヤツは敵だが、ヤツが持つ以上の力をお前たちに与えたのは俺であることを忘れるな!俺はお前たちに、ヤツのヘビやサソリを足で踏み潰す力を与えた。お前たちを傷つけるものはない。 20 そうだ!霊でさえお前たちに従う。お前たちは大いに喜べ。しかし、その力を持っていることに喜ぶのではない。お前たちの名が天に書かれていることに喜ぶのだ!」
父親に祈るイエス
(マタイ11:25-27; 13:16-17)
21 それから聖霊はイエスを喜びで満たした。イエスは言った。「お父さん!天と地の神よ!ありがとう!あなたは賢く頭の良い者から、これらの素晴らしい真理を隠してくれた。しかし、子供のような人たちにはそれを見せてくれた!お父さん、これこそあなたが本当に望んでいたことだ!」
22 「お父さんは、俺にあなたの全てを教えてくれた。お父さんだけが息子を知る唯一の方なのだ。そして、息子だけがどんなお父さんなのかを知っている唯一の存在だ。そして、お父さんを知る人々こそが唯一、伝えるために選ばれた人々なんだ!」
23 それからイエスは自分の弟子たちに振り向いてこう言った。「今、お前たちが目にしているものは、お前たちにとって祝福なことだ。 24 言っておくが、多くの預言者や王たちが、今、お前たちが見ているものを心から見たいと思っていた。しかし、それは叶わなかったのだ。そして、お前たちがいま聞いていることは、彼らがどれだけ聞きたくても聞くことができなかったものなのだ」
私の隣人は誰ですか?
25 それから、一人の掟の学者が立ち上がってイエスを試すために言った。「私が永遠のいのちを得るためには何をしなければならないですか?」
26 イエスは彼に言った。「掟には何が書かれていますか?それを読んで何がわかりましたか?」
27 男は答えた。「『心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなた方の王である神を愛しなさい』また、『自分を愛するように、隣人を愛しなさい』とある」
28 イエスが言った。「それは正しい答えです。それを実行すれば、永遠のいのちが得られます」
29 だが、その男は既に自分がその全てを行っているんだと分からせるためにイエスにこう言った。「えへん!お言葉ですが、私の隣人とは誰ですか?」
30 この質問に答えるため、イエスはこう答えた。「ある男がエルサレムからエリコへの道を歩いていた。その道中、その男は強盗たちに囲まれ、彼らに服を引きはがされると、ボコボコにされてしまった。そして彼らは、横たわって死にそうなその男を置き去りにしその場を離れた。
31 さて、そこに偶然、一人の祭司が通りかかった。祭司は倒れているその男を見ると、立ち止まって助けるかと思いきや、そのまま素通りしていった。 32 次に、レビ人がその近くを通り、ケガをしている男を見たのだ。しかし、彼もまた立ち止まらず通り過ぎ、助けることをしなかった。
33 そこへ、旅をしていたサマリア人が通りかかった。当時、ユダヤ人はサマリア人を敵として見ていた。しかし、サマリア人は死にかけたその男を見て胸を痛めた。 34 すぐにその男のもとにかけより、オリーブオイルとぶどう酒を傷口に付け、包帯を巻いた。そして、ケガしているその男を自分のロバに乗せると、近くの宿に連れて行って看病した。 35 次の日、そのサマリア人は銀貨2枚を宿の主人に渡すと、『私はこれで失礼するが、あの人を数日間、看病してあげてください。足りない分は、帰りに寄ってお返ししますから』と言って去っていった」
36 それからイエスが言った。「さて、この3人の内、強盗に襲われた男の本当の隣人となったのは誰だ?」
37 掟の専門家が答えた。「彼を助けた人です」
イエスが言った。「では、同じようにしてきなさい!」
マリアとマルタを訪ねるイエス
38 イエスと弟子たちが旅をしていると、彼は町へと入って行った。その町にはマルタという婦人がいて、彼女は宿代わりにとイエスを家へと迎え入れた。 39 彼女にはマリアという妹がいた。マリアはイエスの足元に座り、イエスの教えを聞いていた。 40 しかし、マリアの姉であるマルタは、やらなければいけないことが沢山あり、忙しくバタバタしていた。マルタは彼らの中へ割り込むと、こう言い放った。「先生!妹が私に全てをやらせようとしていることに何とも思わないんですか?手伝うようにと妹に言ってください!」
41 だが、イエスは彼女にこう言って答えた。「マルタ、あれこれ心配しすぎだ。 42 重要なものは一つ。マリアは正しい選択をした。それを彼女から取り上げては絶対にいけないよ!」
祈りについて教える
(マタイ6:9-15)
11 ある日、イエスは祈るために外に出て行った。祈り終わると、弟子の1人が言った。「先生、ヨハネが彼の弟子たちに教えたように、俺たちにも祈り方を教えてよ」
2 イエスは弟子たちに言った。「このように祈るんだ。
『天のお父さん、
あなたの名がいつも讃えられるように
あなたの王国よ、ここに来て、
3 今日の必要を満たして、
4 他の人を赦したように、私たちの過ちも赦して
誘惑から守って』」
必要なものを神に求める
(マタイ7:7-11)
5 それからイエスが彼らに言った。「お前たちの中の誰かが真夜中に友人の家を訪ねてこう言ったとする。『パンを3つくれないか? 6 俺の友人が遠くから訪ねて来てくれたんだが、出してあげるものがないんだ』と。 7 すると、友人は家の中からこう言うんだ。『帰れ!いま何時だと思ってんだ!もう戸締りもして子供たちも寝ているんだ。こんな時間にあげるものなんてない!』 8 いいか!友達ってだけではベットから起きてもくれないし、パンだってくれやしないだろう。だが、粘り強く頼めば重たい腰を起こし、必要な物を分けてくれるはずだ。 9 結論はこうだ!求め続けろ!そうすれば神が与えてくれる。探し続けろ!そうすれば見つかる。叩き続けろ!そうすればお前のために扉は開かれるだろう。 10 そうだ!求め続ける者には与えられ、探し続ける者には導きがあり、叩き続ける者には開かれた扉が用意される。 11 子持ちはいるか?子供が魚を食べたいと言ったのに、蛇を出す親はいるか? 12 卵が欲しいと言われて、サソリを出す親はいるか?そんなことはない! 13 どんなに悪いヤツだって自分の子供に良いものをあげることぐらいにわかっている!ということは、お前たちの天のお父さんは、神に求める人に聖霊をどう与えるかなんて、当然のごとく知っているはずだ!」
神からくるイエスの力
(マタイ12:22-30; マルコ3:20-27)
14 ある日のこと・・・イエスは悪霊に取り憑かれてしゃべれない男から悪霊を追い出した。悪霊が出ると、男は正常にしゃべり始めた。集まっていた人たちは感激のあまり、言葉を失った。 15 だが、ある人たちはこう言った。「悪霊の支配者である悪魔がこの人に悪霊を人から追い出す力を与えてるんだ!」
16 イエスのことを試したいと思っていた人たちもその場にいた。彼らは神からのしるしとして奇跡を起こせとイエスに迫った 17 しかし、イエスは彼らが何を考えているのかを知っていた。そこで彼らに言った。「内戦をする全ての国は壊滅する。内輪でもめ事を起こす家族はバラバラになる。 18 あなた方は悪魔がわたしに悪霊を追い出す力を与えていると言うのか。もしそれが本当なら、悪魔は悪霊である自分自身と戦っていることになる。彼の王国は生き残らないだろう。 19 それから、もし、わたしが悪魔の力で悪霊を追い出しているのなら、お前たちが悪霊を追い出す時には何の力を使っていると言うんだ?すなわち、お前たちを称賛する人々は、お前たちが間違いをおかしているのだと証明してくれるだろう。 20 しかし、わたしは神の力によって悪霊を追い出す。これは、神の王国があなた方のもとに来たことを示している。
21 多くの武器を持った強い男が自分の家を守る時、その人の家の中のものは安全だ。 22 しかし、その家の主よりもさらに強い男がやって来て彼を倒したとしよう。より強い男は最初、その男が持つ武器を奪うだろう。そして、その男のものを自分の使いたいように使うだろう。
23 わたしの味方をしない人は、わたしと敵対している。そして、わたしと共に働かない者は、わたしの邪魔をしようとしている」
空っぽであることの危険性
(マタイ12:43-45)
24 「人から悪霊が出てくると、その悪霊は乾燥した場所をめぐり、休息する場所を探す。だが、休息する場所が見つからないと、こう言うだろう。『家に戻ろう!』 25 そうして悪霊がもともといた場所に戻ってきた時、その家は整頓され、キレイになっていることに気が付く。 26 それからもう一度悪霊は出て行くと、自分よりも凶悪な悪霊7匹を連れて戻ってくる。こうして、全員でそこに住み始め、その人の状態は以前よりもさらに悪化する」
神が祝福する人々
27 イエスがこれらのことを話している最中、人々の中にいた女性がイエスに呼びかけた。「あなたを産んで育てた女性に神からの祝福を!」
28 しかし、イエスが言った。「神の教えを聞いて、従う人々こそ神の祝福を持っている人々だ!」
イエスの権威を疑う人もいる
(マタイ12:38-42; マルコ8:12)
29 イエスの周りには人々がどんどん集まり、彼は言った。「なんて自己中心的な時代だ。神からのしるしとして、奇跡を起こしてくれとしつこいが、あなた方に証明するためだけに奇跡は起きはしない。あなた達にあげるしるしは、ヨナに起きた奇跡くらいのものだ。 30 ヨナは、ニネベの町に住む人へのしるしだったように、人の子もこの時代のしるしとなる!
31 最後の判決の日、この時代は、南の女王と比較される。あなた達がどれだけひどいことをしたか、彼女本人が証人となる。なぜこんなことを言うかって?彼女は遥か彼方から国宝級の贈り物を持ってやって来た。ソロモン王の知恵を聞くためだけにだ。なのにどうだ、あなた達は知恵の王ソロモンよりはるかに偉大な者を前にして、全く話を聞こうとしない!
32 最後の判決の日、この時代の人はニネベの町人とも比較される。あなた達がどれだけひどいことをしたか、彼らが証人となる。ニネベの町人は、ヨナの言葉を聞いて心を入れ替え、生き方を改めた。なのにどうだ、あなた達は、ヨナよりもはるかに偉大な者を前にして、変わろうともしない!
この世のための光になって
(マタイ5:15; 6:22-23)
33 明かりをとってランプのろうそくに火をつけ、それにフタをかぶせたりする人がいるか?いや、人が入ってきたら、部屋がよく見えるようにその明りをランスプスタンドの上に置くだろう。 34 あなた達が人々をどのように見るかであなた達の本当の姿が分かる。自分中心に人々を見ていないのであれば、あなた達は光に満ちている。しかし、人々を欲望の目で見るならば、あなた達は闇に満ちている。 35 そう!だから、あなた達の光が闇にならないよう気を引き締めていなさい! 36 もし、あなた達が光に満ちていて、あなた達に何ひとつ暗い部分がないのなら、あなた達は明るく輝くだろう!それはまるでランプの明るさを反射しているかのようになるのだ」
宗教指導者を批判するイエス
(マタイ23:1-36; マルコ12:38-40; ルカ20:45-47)
37 イエスが会衆に話し終えると、パリサイ派の者がイエスを食事に誘った。誘いにのったイエスは、食卓についた。 38 だが、パリサイ派の者は、イエスが食事の前に手を洗っていないのを見て驚いた。——【当時は、食事の前に手からひじまでを洗う、清めの儀式を行うことがしきたりとなっていた】 39 イエスは彼に言った。「パリサイ派が行う手洗いは、まるで、食器の外側だけを洗っているかのようですね。ふたを開けてみれば、私利私欲という名の汚れがとれていない八方美人じゃないですか。 40 おかしな人たちです!外見を作った方は、中身も作ったのです。 41 それならば、あなたが自分自身のために取っておきたいと願っている物を貧しい人に与えなさい。そうすれば、あなたは完全に清くなる。 42 パリサイ派はなんて残念なんだ。せっかく、わずかな収入でも細かく計算し、1/10の収入を捧げているのに、重要なことを忘れている。それは人を平等に扱い、神を愛することだ!もちろん、その他のことにも絶えず励むことだ」
43 「パリサイ派の人々はなんて残念なんだ。あなた達は、ユダヤ集会所の上座に座っている自分が大好きだ。また、人が集まるところに出かけては、頭を下げて挨拶されることが何よりの楽しみになっているじゃないか。 44 なんて可哀そうなんだ。あなた達たちはまるで誰にも気づかれない隠された墓のようじゃないか」
45 掟の専門学者がイエスに言った。「先生、パリサイ派の方々にそんな口の聞き方をするのは、我々を侮辱すること同然ですぞ!」
46 イエスは答えた。「掟の学者も掟の学者です。あなた達は守れもしない厳しい決まりを作り、人々に無理やりそれらを負わせる。そして、あなた達は彼らがそのような重い荷物を運んでいても、何の手助けもしません。 47 掟の学者は、なんて残念なんだ。あなた達は預言者たちの記念碑を建てているが、これらはあなた達の先祖が殺した預言者たちだ! 48 そして今、あなた達は、あなたの先祖がしたことを人々の前で認めている。彼らは預言者たちを殺し、その殺した殺人者たちを記念碑と共にまつり上げているのだ。 49 だからこそ、神は知恵と共にこう言った。『わたしは預言者や使徒たちをわたしの代弁者として送る。だが、多くは悪人に殺され、生き延びた者たちもひどい目に遭うだろう』
50 だから、この時代に生きるあなた達は、世の始まりから今に至るまで犠牲になった全ての預言者たちの責任を負わされる。 51 アベルから始まり、あの祭壇と神殿の間で殺されたザカリヤに至るまでの殺人罪によって有罪判決を言いわたされるのだ。そうだ。あなた達は全てのことに対して罰せられることになるのだ!——【アベルからザカリヤ。ヘブル語の旧約聖書の中で、殺害された最初と最後の人々】
52 掟の学者は、なんて残念なんだ。何も学ぶことはないほど賢くなったと思い上がり、神を学ぶことから離れ、頭が麻痺している。自分が学ばないのは勝手だが、他人の学ぶ機会まで奪わないでもらいたい!」
53 これ以来、掟の学者とパリサイ派の人々は、イエスに対してより一層、言いがかりをつけるようになった。彼らはイエスにたくさんの質問に答えさせようとした。 54 イエスの口からどうにかボロを出して、訴えようと無駄なことに精を出すようになったのだった。
パリサイ派の人のようになるな
12 数千人もの人がイエスの元に集まり、押し合うような状態だった。イエスは、集まった民衆と話す前に弟子たちを集めて忠告した。「パリサイ派のイースト菌には注意しろ!良い顔した腹黒い偽善者だからだ! 2 だが、その下心を隠し通すことはできない。やがてそれは、パン生地の中のイースト菌のようにふくれ始め、隠しきれなくなる。隠されたものは全て公になり、秘密は全て明かされる! 3 陰で言ったことは公にされ、閉ざされた部屋で言ったことも明らかにされるのだ!」
人を恐れず、神を恐れる
(マタイ10:28-31)
4 それからイエスは人々に言った。「友のみんな、人間を恐れるんじゃない!彼らはあなた達の体を殺せても、その後あなた達を傷つけることはできない。 5 俺が何に恐れるべきなのかを教えよう。それはあなた達を殺すことができ、地獄へ落とすことができる方・・・それは神である。神こそがあなた達が恐れるべき存在だ。
6 だが安心しろ。5羽合わせても小銭の価値にしかならない雀すら、神は一羽も見捨てない。 7 神はあなた達の髪の毛の数さえ知っているのだ。だから恐れるな、どんなに雀をかき集めても、比べものにならないほどの価値があなた達にはある!」
自分の信仰を恥じるな
(マタイ10:32-33; 12:32; 10:19-20)
8 「人前で胸をはって俺を信じると言う者は俺の仲間だ!俺も天使たちの前で、胸をはって彼らは俺の仲間だと言おう。 9 人前で俺を知らないふりをするのなら、その人は俺の仲間じゃない。俺も天使の前できっぱりと知らないと言おう。 10 人の子に逆らっても赦そう。だが、聖霊の働きに逆らうのなら、赦されることはない!
11 たとえ、重役や権力者の前に連れて行かれ、圧力をかけられたとしても、どうしようかなどと心配しなくて良い! 12 伝えるべき事は、伝えるべき時に聖霊が教えてくれる!」
わがままな思いに対して警告
13 群衆の1人がイエスに言った。「先生!どうか親父の遺産を分けるよう、兄貴に言ってください!」
14 しかし、イエスは彼に言った。「いつ、わたしがお前たちの裁判官や仲介人になった?」
15 それからイエスは彼らに言った。「気をつけろ!あらゆる種類の貪欲さから自分を守るんだ!人は溢れるような自分の持ち物からいのちを得ることなどない」
16 それからイエスはこの物語を使って話をした。「いくつかの土地を持っているお金持ちがいた。彼の畑からは非常に良い作物が育った。 17 そこで彼は思った。『こりゃ困った!全部の作物を保管する場所がない!』
18 そして、彼は言った。『そうだ!今ある倉庫を取り壊し、新しいもっと大きな倉庫を建てればいい!こうして全部の麦と良い物すべてをその倉庫に納めよう。 19 そしたら自分で自分にこう言うさ!“良いものがたくさん集まったな。当分の間は困らないほど蓄えられただろう。だからあとは休んで、食って、飲んで、人生を楽しもうじゃないか~♪”』
20 しかし、彼を見て神はこう言った。『この愚かものめ!今夜、お前は死んでしまうのだ。では、今まで自分のために準備してきたものはどうなる?いったい誰のものになるのだ?』
21 これが自分のためだけに財産を築きあげる人の姿だ。人の目には豊かでも、神の目には貧しい。天国に来たら一文無しだからだ」
神の王国を1番に
(マタイ6:25-34; 6:19-21)
22 イエスは彼の弟子たちに言った。「だからお前たちに言おう!生きるために必要なものは心配しなくていい。何を食べようか、何を着ようかなんて心配するな! 23 人生は食べる以上に価値があり、お前たちは着る物よりも価値がある。 24 カラスを見てみろ!種を植えたり、収穫をしたり、家に食べ物を保管したりしていない。けれど、神が彼らの餌を与えている。そして、お前たちは鳥よりもはるかに大切な存在だ! 25 それにそんなことを心配したところでお前たちの寿命は1ミリたりとも伸びやしない。 26 それに小さなことすらできないのなら、どうやってもっと大きなことを心配できるのか?
27 野の花がどう成長するかを考えてみろ!彼らは自分のために仕事も服も作ったりしない。偉大で豊かな王ソロモンでさえも、これらの花ほど美しく着飾ってはいなかった。 28 もし野原で育つものを神が美しくできるなら、神はお前たちのためにどれほどのことをしてくれると思う?神が美しくしたのはただの草だ。1日だけ生き、次の日には火に投げ込まれる様な草だ。しかし、そんな草にさえ、神はそれを美しくするためにきちんと気を配っている。神はお前たちのためなら必ずより多くのことをしてくれるはずだ。お前たちはもっと神を信じる必要がある!
29 だから、何を口にしようかなんてことに気を取られるな。心配するんじゃない。 30 それは、神を知らないこの世の人たちが常に考えていることだ。そして、お前たちのお父さんはお前たちにとって、これらのものが必要なものであることぐらい分かっている。 31 神の王国を1番にすることで、お前たちに必要なこれらのものは神が与えてくれる!」
お金を信頼するな
32 「少数派だからってどうした?恐れるな!お父さんは、お前たち息子と娘に神の王国を分かち合いたいと思っている! 33 だから持ちものを売り払って、人を助けろ!これが財産を失わない唯一の方法だ。泥棒には盗まれず、虫にも食われず、永久に朽ちない天に蓄えることが出来るんだ! 34 お前たちの宝があるところにお前たちの心があるのだ!」
いつも準備万端に
(マタイ24:42-44)
35 「さぁ、備えるんだ!身なりを整え、灯りをともしておけ! 36 結婚式から帰ってくる主人を待つ召使いのように気を引き締めろ!召使いたちは、主人が扉をノックしたらすぐにその扉を開けて迎えることができる。 37 自分の帰りを万全な状態で待っている召使いを主人が見た時、この時こそ召使いにとって幸せな日だ。間違いなく言えるのは、主人自らが食事の用意をし、召使いを座わらせると、主人はその召使いに自ら施すということだ! 38 こういった召使いは、時として、主人の帰りを深夜遅くまで待たなければならないこともある。だが主人が、遅くまで自分の帰りを心待ちにする召使いの姿を見た時、この時こそ召使いたちにとっても良かったと心から思える瞬間になるだろう!
39 泥棒がいつ入ってくるのかさえ分かっていれば、その一家はそうさせまいと、ありとあらゆる対策を取って待ち構えるだろう。 40 これと同じように用心をしておけ!人の子は思いがけない時にやって来るからだ!」
信頼できる召使いは誰?
(マタイ24:45-51)
41 ペテロが言った。「師匠・・・この話は俺たちのためかい?それとも、みんなにそうしろと?」
42 王であるイエスが言った。「想像してみてくれ!主人の留守中、召使いたちを束ねる責任を任されたリーダーの召使いがいるとする。主人に認めてもらうには、彼はどうすればいい? 43 主人が戻ってきた時、そして任せたことを全て行った姿を見た時、その召使いにとっては喜ばしい日となるだろう! 44 間違いなく、主人はその召使いを選び、全財産の管理を任せるはずだ! 45 だが、もしその召使いが悪いヤツだったらどうなる?主人がすぐには家に帰らないと甘く見ていたその召使いは、他の召使いたちを男女構わず殴り倒し、こき使い、飲んだり、食べたりと、どんちゃん騒ぎをするだろう。 46 そして、予期せぬ時に帰って来た主人は、この有様を見るのだ。もちろん召使いは準備が出来ていない。主人はその召使いを八つ裂きにし、その後、不忠実な召使いたちが収容されている牢屋に投げ込むだろう。
47 その召使いは知っていたんだ。彼の主人が何をしてほしいのかを。それなのに、彼は準備をおこたり、または自分の主人が望んでることをしようとしなかった。だからこそ、その召使いは大きな罰を受けるのだ! 48 じゃあ、主人が望んでいることを知らなかった召使いはどうなる?サボっていたことには変わりない。だから罰は受ける。だが、主人の望みを知りながらサボった者と比べれば軽い。誰であれ多く与えられた人は、多くの責任を持つ。多く与えられた人には、もっと多くのことが求められるのだ!」
イエスについて行くことは困難をもたらす
(マタイ10:34-36)
49 イエスは話を続けた。「俺はこの世に炎を持ってくるために来た。もうすでに燃えていたらいいのにと願うばかりだ。 50 俺には苦しみを通ることで受けなければならない洗礼がある。それが終わるまで俺の胸騒ぎはおさまらない。 51 俺がこの世に平和を与えるために来たと思うか?いや、俺はこの世を分断させるために来たのだ! 52 今からは5人家族が、3対2に、または2対3に分かれるのだ!
53 父親は息子に反対し、
息子は父親に反対する。
母は娘に反対し、
娘は母に反対する。
姑は義理の娘に反対し、
義理の娘は姑に反対するようになる」——【ミカ書7:6より引用】
時代を理解する
(マタイ16:2-3)
54 それからイエスは人々に言った。「西の方で雲が大きくなるのを見ると、『嵐が来るぞ』と言い、すぐに雨が降り始める。 55 南から風が吹けば、『暑い日になるぞ』と言ってその通りになる。 56 あなた達は偽善者だ!天候を見て、気象は読めるくせして、この時代に起ころうとしていることは分からないと言うのか?」
自分の問題を解決する
(マタイ5:25-26)
57 「なぜ、何が正しいのかを判断することができないのだ? 58 誰かがあなた達を訴えていたとしよう。あなた達を訴える人と裁判所に向かう途中、その人と和解できるように尽くすんだ。でなければ、あなた達は裁判官の前まで引きずられ、裁判官は役人にあなた達を引き渡し、役人があなた達を牢にぶち込む。 59 そうなれば、定められた保釈金を支払い終わるまで、あなた達はそこから出られなくなる」
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