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Read the Gospels in 40 Days

Read through the four Gospels--Matthew, Mark, Luke, and John--in 40 days.
Duration: 40 days
Japanese Bible: Easy-to-Read Version (JERV)
Version
マルコ 4-6

種まきをする農家の話

マタイ13:1-9; ルカ8:4-8

イエスはまた別の時に、湖のほとりで教え始めた。そこでは大勢の人が彼の周りに集まった。湖の方から座って教えられるようにと、イエスは小舟に乗った。そして人々は水ぎわの岸に残っていた。 イエスは、物語ストーリーを使って多くのことを彼らに教えた。その中の教えの1つにこのような話があった。

「聞いてくれ!農夫が種まきに出かけたんだ。 彼が種をまくと、いくつかの種が道ばたに落ちた。するとどうだ。そこに鳥たちがやって来て、その種を全て食べてしまった。 他の種は、土の足りない岩だらけの地へ落ちた。すぐに発芽したが土が深くなかったので、 太陽が昇るとその植物は枯れてしまった。深い根を張っていなかったために死んでしまったのだ。 他の種はトゲのある雑草が植わった土地の中に落ちた。雑草が育ち密集すると、良い植物を窒息させた。こうして、その植物は実を結ぶことができなかった。

だが、ある一部の種は良い地に落ちた!すると、その植物は成長し実をつけた!ある種は30倍、60倍、100倍もの実を結んだのだ!」

そして、イエスはこう言った。「私のことばが聞こえる人たちは、聞きなさい!」

なぜ、イエスは教える時に物語ストーリーを使うのか?

マタイ13:10-17; ルカ8:9-10

10 その後、人々が集まっている場所からイエスが離れると、12使徒と他の弟子たちが、さっきの物語ストーリーについてイエスに質問した。

11 するとイエスは、「神はお前たちに神の王国についての秘密の真理を知ることをお許しになった。だが、他の人たちには物語ストーリーを使って話すのだ。 12 それは、聖書のイザヤ書にあるとおりだ!

『彼らは目を凝らして見ようとするが、見えない。
何度も聞こうとはするが、理解ができない。
しかし、もし理解すれば、わたしの方へ向きを変えるかもしれない。
そして、わたしは彼らをゆるそう』」

種の物語ストーリーの解説

マタイ13:18-23; ルカ8:11-15

13 そしてイエスは弟子たちに言った。「さっきの物語ストーリーの意味は理解できたか?もしあれがわからないというのであれば、どんな物語ストーリーならわかると言うんだ? 14 農夫とは、神の教えを種まきのように広める人のことだ。 15 いいか、時には種が道ばたに落ちることだってある。これは神の教えを聞く人のことで、彼らは話は聞くが、すぐさま駆けつけて来た悪魔サタンにその植えられた教えを取り去られてしまうということだ。

16 他の人は、岩場で植えられた種のようで、彼らは教えを聞けばすぐに受け入れて喜ぶ。 17 しかし、自分たちの人生にそれを深く入れようとはせず、短い期間だけそれを握りしめる。しかし、受け入れたその教えが原因で自分の身に困難や迫害がやって来ると、すぐにそれを捨て諦めてしまう。

18 他の人は、トゲのある雑草の間に植えられた種のようだ。彼らは教えを聞く。 19 しかし、彼らの人生は他の事でいっぱいになるのだ。人生の不安、お金への愛、欲しいものへの執着心しゅうちゃくしん。全てが他のものでいっぱいになるのだ。これらは教えの成長を遅らせる。よって、彼らの人生には良い結果が生まれないのだ。

20 他の人は、良い土地に植えられた種のようで、彼らは教えを聞き、それを受け入れる。その後、成長して良い作物を生み出すのだ。その数は30倍、時には60倍、時には100倍だ!」

光に注目しよう

ルカ8:16-18

21 イエスは彼らに言った。「ランプを取って、そのランプを器やベッドの下に隠したりしないよな?ランプはランプ台にのせるはずだ! 22 隠されているものは全て明らかにされる。全ての秘密は明らかにされるのだ。 23 私のことばが聞こえる人は、聞いてくれ! 24 その耳に聞こえていることについて深く考えてほしい。注意を払えば払うほど、理解力が増すようになる。そして、お前たちにはもっと与えられる。 25 ある一定のことであっても理解していればより多くを受け取るようになる。しかし、その理解が少なければ、持っているわずかな量さえもその分を失ってしまうのだ」

種についての物語ストーリーを使う

26 それからイエスが言った。「神の王国キングダムは畑に種を植える男のようだ。 27 なぜ、どのようにして成長したかなどさっぱりな農夫をよそに、種は昼も夜も成長する。農夫が寝ていようが、起きていようが関係ない。 28 大地は、人の助けがなくても穀物を実らせる。最初に種はなえになって、がなり、の中には多くの実がなる。 29 穀物が実をつけた時、人はその実を刈り取る。これぞ収穫の時だ!」

神の王国キングダムはどんな国?

マタイ13:31-32, 34-35; ルカ13:18-19

30 それからイエスが言った。「神の王国キングダムを表すのに何が使えるかな?何と比べらることが出来るだろうか? 31 神の王国キングダムは、からし種のようだ。この地で植える種の中でどの種よりも小さい。 32 だが、お前たちがその種を植える時、自分の庭にあるどの植木うえきよりも大きく育つ!鳥たちが木陰こかげに巣を作れるほどの十分な大きさの枝がなるのだ!」

33 イエスはこのような多くの例え話を使って人々に教えたが、ほとんどの人がこれらの例え話を理解できなかった。 34 イエスはいつも物語ストーリーを使って人に教えたが、弟子たちだけになると、彼らに全ての物語ストーリーの解説をしたのだ。

イエスが嵐を止める

マタイ8:23-27; ルカ8:22-25

35 その夜、イエスは弟子たちに「湖を渡ろう」と言った。 36 そこで彼ら弟子たちは、群衆を後にしてすでに舟の中に戻っていたイエスと合流した。イエスの乗っていた舟の周りには数隻すうせきの舟が一緒に浮かんでいた。 37 すると湖に強風が吹いてきた・・・波が舟の横側から勢いよく入ってくると、舟は水でいっぱいになってしまった。 38 一方、イエスは舟の後ろにいて、枕に頭をのせて寝てZzz・・いた。弟子たちはイエスを起こして言った。「イ、イエズッ!俺たちのこと気にしてねぇのかよ?このままじゃ、おぼれちゃうって!」

39 イエスは立ち上がって、風と水に命じた。「静かにしろ!静まれ!」すると、風が止んで、湖が静まった!

40 イエスは弟子たちに言った。「お前たちは何を怖がっているんだ?まだ信仰を持てないというのか?」

41 彼らは足をガクガクと震わせながら、お互いに話してこう言った。「こ、こ、この方って・・・いったいどんな人なんだ?風や水までもが、彼に従ってるぞ!」

人を悪霊から解放するイエス

マタイ8:28-34; ルカ8:26-39

イエスと弟子たちは湖を越えて、ゲラサ人の住む地域に向かった。 イエスが小舟から降りた時、死者が埋葬まいそうされている洞窟から男がやって来た。この男の中には悪霊が取りいていた。 男は死者の洞窟に住んでいたのだ。誰も彼を縛り付けることができなかった。それが鎖であってもだ・・・ 人々は何度も、男の手と足に鎖をつけたが、彼はその度に鎖を壊した。誰にも彼を止めるほどの力がなかったのだ。 ギィャア゛ァァァ・・・ガリ、ガリガリ・・・男は昼も夜も、ほら穴の近くや丘の上で寝泊まりし、叫び声をあげて自分の体を石で傷つけていた。

イエスがまだ彼から遠く離れたところにいるのにも関わらず、その男はイエスを見つけるとイエスに駆け寄り、イエスの前で膝まずいた! 7-8 イエスは「悪霊めが~!この男から出て行け!」と言った。すると、男は大声で叫んだ。「モ、最モ偉大ナ神、イエスゥゥゥ!イッ一体、ワダシヲドウナザルオツモリデスガァァァ?ドウカ、ワダシヲヒィドイ目ニ遭ワセナイト、神ノ名ニヨッテオ誓イクダザィーー!」

すると、イエスはその男に、「お前の名前は何だ?」

「大勢イマスユエ、私タチハ、ローマ軍団レギオント申ジマズゥ!」 10 男の中にいる悪霊たちは、そこから追い出されないようにと、イエスに何度も何度もお願いした。——【ローマ軍では、6000人の軍隊=1レギオンとしていた】

11 すると、その近くの丘でブタの群れが草を食べていた。 12 悪霊たちはイエスにお願いをした。「アソコニイルブタノ群レニ、取リカセテ下サイ〰〰!」 13 イエスがそれを認めると、悪霊たちは男から出て行き、ブタの群れに次々と入っていった。「ッ!!!ブ、ブヒィィィーー」ブタの群れは一気に丘を下って次々と湖に突っ込んで行き、全員おぼれてしまった。群れには約2000匹ものブタがいた。

14 ブタを飼育していた男たちはその場から急いで逃げだし、町へ走り、畑へ走ると、みんなにこの出来事を伝えた。それを聞いた人々はそれを見に行くために出かけて行った。 15 彼らがイエスのもとに来ると、もはや悪霊に取りかれていない男の姿を見た。彼は服を着て座っていたのだ。彼は正常に戻っていた。彼らはこれを見て怖くなった。 16 イエスのしたことを見た人たちは、悪霊デーモンたちに支配されていた男に何が起こったのか、またブタに何が起きたのかを他の人々に伝えていった。 17 すると、人々は自分たちの地域から出て行くように、イエスにお願いをし始めた。

18 イエスは小舟に乗って出発する準備をしていた。悪霊デーモンたちに支配されていた男がイエスと共に行きたいとお願いしたが、 19 イエスはそれを認めなかった。そして男に言った。「自分の家族と友人のもとに帰りなさい。王である神があなたのためにしてくれた全てを伝えるんだ。そして、王である神がどう良くしてくれたのかを!」

20 そこでその男はその場を去り、その地方にある10の町の人々に、イエスが自分のためにした素晴らしいことについて話したのだ。それを聞いた全ての人は驚いた。

死んだ少女にいのちを与え、病気の女性をいや

マタイ9:18-26; ルカ8:40-56

21 イエスたちは舟に乗り、湖の反対側へ戻った。岸には大勢の人が集まっていた。 22 ユダヤ集会所シナゴグの会堂長であるヤイロがやって来ると、イエスを見てイエスの足元にひざまづいた。 23 彼は何度もイエスに、「私の幼い娘が死にかけているのです。どうか、お願いです。娘の上に手を置いてくれませんか。そうしたら、娘は死なずに生きてくれる」と頼み込んだ。

24 そこでイエスはヤイロと一緒に向かった。大勢の群衆がイエスの後を追い、全方向からひしめき合う圧力がイエスにかかっていた。

25 その人々の中には、12年間、出血が止まらない病を負った女性がいた。 26 彼女はすごく苦しんでいて、多くの医者が彼女を助けようとした。彼女は自分の持っていたお金を全部使いきったが、良くならなかった。そればかりか、彼女の病気はますます悪くなっていったのだ。

27 その女性はイエスのことを聞くと、他の人たちと一緒にイエスを追いかけ、イエスの上着のすそに触れた。 28 「イエスの服に触ることさえできれば!それだけで私をいやすのには十分なはず!」と彼女は思っていたのだ。 29 彼女がイエスの上着に触ると、すぐに彼女の出血が止まった。彼女の体から全ての苦しみが消え、彼女はいやされたのを感じた。

30 イエスはすぐに、力が自分から流れ出ていったのを感じると、彼は立ち止まり、後ろを振り返った。「わたしの服に触ったのは誰だ?」彼は尋ねた。

31 イエスの弟子たちは彼に言った。「こんなにもたくさんの人が押し合っているのに、触ったのは誰だって、どういうこと・・・?」

32 しかし、イエスは自分に触った人を探し続けた。 33 女性は自分がいやされていることを知っていたので、イエスの足元に来てひれ伏した。彼女は恐怖で震えていた。彼女はイエスに全ての事情を話した。 34 イエスは彼女に言った。「娘よ、あなたが治ったのは、あなたがそうなると信じたからだよ!安心して。もう苦しむ必要はないよ」

35 イエスがまだ話している途中、何人かの男たちがユダヤ集会所シナゴグの会堂長であるヤイロの家からやって来てこう伝えた。「はっ、はっ・・・ヤ、ヤイロさん!ざ、残念なお知らせが・・・お嬢さんが先ほど息を・・・息を引き取られました。もう、先生の手をわずらわせる必要はないかと・・・」

36 しかし、イエスは男たちが言ったことを耳にして、ユダヤ集会所シナゴグの会堂長に言った。「ヤイロ、恐れるな!ただ信じろ!」

37 イエスは、ペテロと兄のヤコブ・弟のヨハネだけを一緒に来させた。 38 会堂長の家に行くと・・・うわぁーんっ。ひっくひっく・・・うぇーん・・・ずずっ、グゾぉぉぉ・・・多くの人が大声で泣いているのを見た。たくさんの混乱がそこにはあった。 39 イエスは家に入ってこう言った。「なぜあなた達は泣いて、こうも騒がしくする?この子は死んじゃいない。眠っているだけだ」 40 しかし、誰もがイエスを笑った。

イエスは人々に家から出るように言った。そして彼は、子供のいる部屋に入った。彼は子供の父親と母親、また3人の自分の弟子と一緒に部屋に入った。 41 それからイエスは少女の手を握って、「タリタお嬢ちゃんクミ起きるんだ!」と言った。 42 女の子はすぐに立ち上がって歩き始めた。(彼女は12歳だった)父親と母親、そして弟子たちは驚きのあまり口が塞がらなかった。 43 イエスはこれについて人々には決して言わないようにと父親と母親に忠告すると、少女に何か食べ物を与えるようにと言った。

自分の故郷に帰るイエス

マタイ13:53-58; ルカ4:16-30

イエスはそこを去り、故郷に帰った。彼の弟子たちも一緒だった。 休日サバスの日・・・イエスはユダヤ集会所シナゴグで教えていた。そして、彼のメッセージを聞いた人たちは驚いた。彼らは言った。「お、おい、誰だあいつ?あれ全部、どこから学んできたんだ?あんな知恵をどっからもらってきたんだ?誰があいつに?奇跡を起こす力もどこで得たんだろう? えーでも、アイツ、俺らが知ってる大工じゃねぇか!あのマリアのとこの息子で、兄弟はヤコブとヨセフ、それにユダとシモンだろ?妹たちだってまだこの村に住んでるよな?」そのため、地元の人たちにとって彼を受け入れることは簡単ではなかった。

それからイエスは彼らに言った。「人々が預言者を敬わない唯一の場所は、その人の故郷であり、彼自身の親戚と家族だ」 イエスはその場所で、何人かの病気の人たちに手を置いていやすことを除いては、奇跡という奇跡を起こすことができなかった。 彼はそこの人々が信仰を持っていなかったことに驚いた。

使徒をミッションに送り出す

マタイ10:1, 5-15; ルカ9:1-6

イエスは次々と村の人々に教えて回った。 ある日、イエスは12使徒を呼び集めると、彼らを2人1組のチームに分け始めた。「受けとれーー!」12使徒は、イエスから悪霊を追い払う力を与えられた。 イエスは彼らにこう伝えた。「いいか、旅には何も持っていくんじゃない。食料、かばん、お金もだ。まあ長旅になるだろうから、杖ぐらいはいいが。 あ、くつも履いていいぞ!だが着替えはなしだ。 10 町に着き、誰かが宿やどを貸してくれるなら、その町を出るまではその家にとどまりなさい。 11 もし、その町の住民が誰も受け入れてくれず、お前たちの話に耳を傾けないのなら、その町をさっさと去るんだ。そして、彼らの間違いに警告を与え、足のちりを完全に払い落とすんだ」

12 こうして、使徒たちは他の町や村へ行き、出会う人に話しかけては、心を入れ替え、生き方を変えるようにと教えていった。 13 また、次々に悪霊デーモンたちを追い出し、病人にはオリーブオイルを塗り、病気も治していったのだった。——【当時、オリーブオイルは薬として用いられていた。また、この行為はイエスと弟子たちに、聖霊ホーリースピリットを通して与えられたいやしの力を象徴していた】

イエスが洗礼者バプティストヨハネだと思っているヘロデ総督

マタイ14:1-2; ルカ9:7-9

14 たちまちイエスは国中で有名になり、そのうわさがヘロデ王の耳にまで届くほどになった。「あの洗礼者バプティストヨハネに違いない!ヨハネが死からよみがえったんじゃなければ、そんな奇跡は行えないはずだ!」

15 他の人が言った。「いや、預言者エリヤだ!」また他の人はこう言った。「預言者じゃ・・・それも伝説の預言者たちのような・・・」

16 ヘロデ王はイエスについてこれらのうわさを聞くと、「ヨハネの首ならはねた・・・そのヨハネが死から復活した!」と言った。

洗礼者バプティストヨハネが捕まり殺された一部始終

マタイ14:3-12; ルカ3:19-20

17 ヘロデは自ら兵士に命令を出すと、ヨハネを逮捕させ、刑務所に入れるように命じた。ヘロデは妻ヘロデヤを喜ばせるためにこのことをしたのだ。ヘロデヤは最初、ヘロデ王の兄弟であるピリポと結婚していたが、その後ヘロデ王が彼女と結婚したのだ。 18 ヨハネはヘロデに言った。「王よ、あなたの兄弟の妻との結婚ですが、これはよくない事です!」 19 そんな事があり、ヘロデの妻であるヘロデヤは、ヨハネを憎んでいたのだ。彼女はヨハネの死を望んでいたが、ヘロデを説得して彼を殺すことはできなかった。 20 ヘロデはヨハネを殺すことを恐れたのだ。彼が神に仕える義人であることを知っていたからだ。そのためヘロデはヨハネを守っていた。ヨハネが言った事に対して非常に多くのことを考えさせられていたが、ヘロデはヨハネからいろいろなことを聞くのが好きだったのだ。

21 ある時、妻ヘロデヤのもとにヨハネの死を引き起こす絶好の機会が訪れた・・・それは、ヘロデ王の誕生日のことであった。ヘロデ王は、自身の誕生日を祝うために、政府高官や軍の司令官、またガリラヤ地方の権力者など、位の高い者を招いて宴会を開いていた。 22 そんな中、宴会に来ていたヘロデヤの娘は踊りを披露していたのだ。彼女の踊りに、ヘロデ王と一緒に食事をしていた人々は大変喜んでいた。

そこでヘロデ王は少女に言った。「これは素晴らしい!褒美として、お前の欲しいものは何でもやろう!」 23 彼は彼女に約束した。「お前が求めるものはなんでも、この国の半分でさえも与えよう!」

24 少女は母親のところに行き、「ヘロデ王に何を頼むべきですか?」と尋ねた。

すると、彼女の母親はこう答えた。「洗礼者バプティストヨハネの首をお願いして!」

25 そこで、少女はすぐに王のもとに戻った。そして、彼女は王に言った。「洗礼者バプティストヨハネの頭をください。今すぐ皿の上にのせて持って来てください」

26 ヘロデ王は非常に悲しかったが、彼は招待客たちの前で彼女にした約束を破りたくなかった。 27 そこで彼は兵士を送って、ヨハネの頭を切り落とし、持って来いと命令した。兵士は出て行くと、刑務所でヨハネの頭を切り落とした。 28 兵士が頭を皿にのせて持って来ると、少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。 29 ヨハネの弟子たちがヨハネの身に起きたことを聞くと、ヨハネの死体を回収して墓に埋葬まいそうした。

5000人以上を養う奇跡

マタイ14:13-21; ルカ9:10-17; ヨハネ6:1-14

30 イエスが送り出した使徒たちが戻ってきた。それぞれがしてきたことや、起きた事を互いに語り、久々の再会を楽しんでいた。 31 そんな彼らの周りには、いつものように人がぞくぞくと押し寄せる。こんなことではゆっくり食事をすることもできない。イエスが彼らに言った。「こっちに来い。静かなとこに場所を移すぞ!そこなら休める」

32 イエスと弟子たちは湖に停めていた小舟に乗り込み、ひとけのない場所へ向かおうとした。 33 しかし、それを見ていた人たちは行くてを予測し先回りした。 34 イエスが小舟から降りると、すでにわんさかと人が集まっていた。(これほど飢えているというのに、誰も見てあげないなんて・・・まるで羊飼いのいない羊じゃないか・・・)放っておけないイエスは休むのを二の次にして、彼らに多くの事を教えたのだった。

35 辺りが薄暗くなり時間が経ったころだった・・・イエスのもとに弟子たちが来て言った。「もう日も暮れてきた・・・みんなここら辺に住んでる人じゃないし・・・ 36 今ならまだ近くの農家や町に行って、食べ物を確保する時間もあるだろうから、そろそろ解散するのはどうだろう・・・」

37 だがイエスが答えた。「お前たちが食べさせてあげたらどうだ!」

彼らはイエスに言った。「こんだけの人たちを食べさせるだけのパンを買いに行けと?それだけのパンを買うなら、俺たち全員で1ヵ月は働かないといけないよ!」

38 イエスが彼らに聞いた。「今、いくつのパンがある?ちょっと見てきな!」

弟子たちは手持ちの食料を数えに行った。(えーと、1、2・・・)そこで彼らはイエスのもとに来て言った。「イエス、パン5つと魚2匹はあったよ・・・」

39 それからイエスが彼らに言った。「ならみんなをグループに分けて、しばの上に座らせてくれ!」 40 こうして、全ての人はグループに別れて座った。各グループには、およそ50人から100人がいた。

41 イエスは5つのパンと2匹の魚を持つと、天を見上げ、食べ物のために神へ感謝を捧げた。それから彼はパンをちぎって弟子たちに渡し、そして人々に配った。その後、イエスは2匹の魚をそこにいる全員に分けたのだ。

42 「あー、無理!もー、食べられん!」誰もが満腹になった! 43 みんなが食べ終わり、残りのパンと魚を集めてみた・・・すると12コのかごが一杯に! 44 その場には、男だけでも5000人以上いたというのに!

水の上を歩く

マタイ14:22-33; ヨハネ6:16-21

45 それからイエスは、先に小舟に乗って湖の向こう側にあるベツサイダの町に行くようにと弟子たちに指示を与えた。1人残ったイエスは、周りにいた人たちにも家へ帰るようにと促した。 46 みんなにさよならをすると、イエスは1人、祈るために山へと登って行った。

47 その夜・・・イエスの弟子たちを乗せた小舟が湖の真ん中にさしかかった頃だった・・・未だイエスは1人で陸に残っていた。 48 (ふむ・・・)イエスはきしから遠く離れた小舟を見つけた。弟子たちが逆風の中で必死に小舟をいでいるのが見える。時間にすると午前3時から6時ごろにこの出来事は起きた・・・イエスが湖の上をすいすい歩き、小舟を通り過ぎようとしていたのだ! 49 「お、おい・・・」目ん玉が飛び出るほど驚いたイエスの弟子たちは、湖の上に幽霊がいるのかと思った。 50 その姿を見て全員が驚いた。だが、イエスが彼らに話しかけた。「おい、おい、怖がるなよ。俺だよ、俺!」 51 イエスは小舟に手をつけると、よぃっと!なんでもないかのように乗り込んだ。すると、同時に風がピタッと止んだ!弟子たちは完全に驚いた。 52 パンを配った時の奇跡に続き、たった今起きた出来事を目の当たりにした弟子たちは、なお、イエスが何者なのか理解に苦しんでいた。

多くの病人をいや

マタイ14:34-36

53 イエスと弟子たちは、湖を渡った先にあるゲネサレ平原の岸に小舟を停めた。 54 もちろんここでもイエスは有名人。 55 そのため、彼らは小走りでその地域を駆け巡り、神のことばを伝えていった。イエスが次から次へと進んで行くと、人々はイエスがどこにいるのかをすぐに発見し、病人を布団ふとんの上に乗せて連れてきたのだ。 56 イエスが町や村を訪れると、決まって住民たちが病人をつれて市場に集まり、イエスの服の端っこでもいいから触れさせてほしいとイエスに頼み込んだのだ。そして触れた全員がいやされた。

Japanese Bible: Easy-to-Read Version (JERV)

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