Previous Prev Day Next DayNext

New Testament in a Year

Read the New Testament from start to finish, from Matthew to Revelation.
Duration: 365 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
ヨハネの福音書 12:1-26

イエスに香油を注ぐマリヤ

12 過越の祭りの始まる六日前に、イエスはベタニヤにお着きになりました。イエスが死から生き返らせた、あのラザロがいる村です。 さっそく晩餐が用意されました。マルタは給仕にいとまがありません。ラザロはイエスといっしょに食卓に着いています。 そこへマリヤが、香油のつぼを手に入って来ました。それはナルドから作った純粋な香油で、とても高価なものでした。マリヤはイエスのそばに歩み寄ると、驚いたことに、その香油をイエスの足に注いだのです。それから、ていねいに自分の髪でぬぐいました。たちまち家中に香油の香りがたちこめました。 ところが、弟子の一人でイエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが、非難がましく言いました。 「やれやれ、この香油はひと財産ものだよ。売って、その代金を貧しい人たちに恵んでやればよさそうなものを。全くもったいない話だ。」 こう言ったのは、彼が貧しい人たちのことを心にかけていたからではなく、会計を任されているのをいいことに使い込みを重ねていたからです。 イエスはお答えになりました。「そのままにさせておきなさい。マリヤはわたしの葬りの準備をしてくれたのです。 貧しい人たちはいつでも助けてあげられますが、わたしはもう、それほど長くいっしょにはいられないからです。」

エルサレムの市民は、イエスがおられると聞いて、どっとラザロの家に押しかけました。イエスに会うためばかりではありません。一度死んで生き返ったラザロを一目見たいと思ったのです。 10 これには祭司長たちも頭をかかえ込み、いっそのことラザロも殺してしまおうと相談しました。 11 ラザロのことで、大ぜいのユダヤ人がユダヤ教から離れ、イエスをメシヤと信じるようになったからです。

エルサレムでの最後の宣教

12 翌日、イエスがエルサレムに向かわれるというニュースが町中をかけ巡りました。過越の祭りで上京した人々は、 13 イエスを迎えようと、手に手にしゅろの枝を振りかざして駆けつけました。沿道はたちまち人の波、波、波……。あちこちで大歓声が上がりました。「救い主! イスラエルの王様ばんざーい! 神の大使ばんざーい!」 14 イエスはろばの子に乗っておられました。こうして預言どおりのことが起こったのです。

15 「イスラエルの民よ。
あなたがたの王を恐れるな。
王は柔和で、ろばの子に乗って、
来られるのだから。」ゼカリヤ9・9

16 〔この時、弟子たちには、この出来事が預言どおりに起こったこととは思えませんでした。しかし、イエスが天にある栄光の座に帰られたあと、「そういえば、あのことも聖書にあるとおりだった。このことも預言どおりだった」と思い出したのです。〕 17 群衆の中には、イエスがラザロを生き返らせた現場を目撃した人たちもかなりいて、彼らはその出来事を一部始終、人々に伝えていました。 18 こんなに大ぜいの人がイエスを出迎えたのも、実を言えば、そのすばらしい奇跡のことを聞いたからでした。 19 この有様にパリサイ人たちは動転し、言いました。「なんてことだ! 見ろ。みんな、あいつについて行ったじゃないか!」

20 さて、過越の祭りに加わろうとエルサレムに来ていた数人のギリシヤ人が、 21 ベツサイダ出身のピリポのところへ来て、「先生。ぜひともイエス様にお会いしたいのですが」と頼み込みました。 22 ピリポはアンデレにそのことを話し、二人でお願いしようということになりました。 23 イエスはお答えになりました。「いよいよ、わたしが天の栄光の座に帰る時が来ました。 24 よく言っておきます。畑にまかれる一粒の麦のように、わたしも地に落ちて死ななければなりません。そうしなければ、いつまでたっても一人のまま、一粒の種のままです。しかし、死ねば多くの新しい実が生じ、新しいいのちが豊かに実を結ぶことになります。 25 この地上のいのちを愛するなら、結局はそれを失うだけです。しかし、地上のいのちに執着しなければ、代わりに永遠の栄光を受けるのです。 26 わたしの弟子になりたい者は、わたしについて来なさい。わたしに仕える者は、わたしのいる所にいなければならないのですから。わたしに従う者に、父は報いてくださるのです。

Japanese Living Bible (JLB)

Copyright© 1978, 2011, 2016 by Biblica, Inc.® Used by permission. All rights reserved worldwide.