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Chronological

Read the Bible in the chronological order in which its stories and events occurred.
Duration: 365 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
ルカの福音書 24

イエスは復活した

24 日曜日の明け方早く、待ちかねた女たちは香油を持って墓に急ぎました。 着いてみると、どうしたことでしょう。墓の入口をふさいであった大きな石が、わきへ転がしてありました。 中へ入って見ると、主イエスの体は影も形もありません。 「いったい、どうなってるのかしら。」女たちは途方にくれました。すると突然、まばゆいばかりに輝く衣をまとった人が二人、目の前に現れました。 女たちはもう恐ろしくて、地に伏したまま顔も上げられず、わなわな震えていました。その人たちは言いました。「なぜ生きておられる方を、墓の中で捜しているのです。 6-7 あの方はここにはおられません。復活なさったのです。まだガリラヤにおられたころ、何と言われましたか。メシヤは悪者たちの手に売り渡され、十字架につけられ、それから三日目に復活する、と言われたではありませんか。」 そう言われて女たちは、はっと思いあたりました。 そして、すぐさまエルサレムに取って返し、十一人の弟子やほかの人たちに一部始終を話しました。 10 そのとき墓へ行った女たちは、マグダラのマリヤとヨハンナ、ヤコブの母マリヤ、そのほか数人でした。 11 ところが、男たちには、この話がまるで物語のようで、とても現実のこととは思えません。だれも、まともに信じようとしませんでした。 12 しかしペテロは、それでも一応は確認しなければと墓へ行き、身をかがめて中をのぞき込みました。すると、どうでしょう。亜麻布のほかに何も見あたりません。それで、この出来事に驚いて家に戻りました。

13 この同じ日曜日のことです。二人の弟子が、エルサレムから十一キロほど離れたエマオという村へ急いでいました。 14 二人が道々話し合っていたのは、イエスの死のことでした。 15 そこへ突然、当のイエスが近づき、彼らと連れ立って歩き始めました。 16 しかし二人には、イエスだとはわかりません。神がそうなさったのです。 17 イエスが尋ねました。「何やら熱心にお話しのようですね。いったい何がそんなに問題なのですか。」すると二人は、急に顔をくもらせ、思わず足を止めました。 18 クレオパというほうの弟子があきれたように、「エルサレムにいながら、先週起こった、あの恐ろしい出来事を知らないとは。そんな人は、あなたぐらいのものでしょう」と言いました。 19 「どんなことでしょうか?」「ナザレ出身のイエス様のことをご存じないのですか。この方は、信じられないような奇跡を幾つもなさった預言者で、すばらしい教師でもあったのです。神からも人からも重んじられていたのですが、 20 祭司長やほかの宗教的指導者たちは、理不尽にもこの方をつかまえて、ローマ政府に引き渡し、十字架につけてしまったのです。 21-23 私たちは、この方こそ栄光に輝くメシヤで、イスラエルを救うために来られたに違いないと考えていたのですが。ところが、話はそれで終わらないのです。弟子仲間の女たちが、なんとも奇妙なことを言いだしたのです。処刑があった日から、今日で三日目になりますが、今朝がた早く、その女たちが墓へ行ったところ、イエス様のお体は影も形もなかったというではありませんか。しかもその場に天使が現れて、イエス様は生きておられると語ったとか……。 24 その話を聞いて、仲間のある者たちが墓へ駆けつけて確認したのですが、彼らも口をそろえて、墓は空っぽだったと証言しているのです。」 25 「ああ、どうしてそんなに、心が鈍いのですか。預言者たちが聖書に書いていることを信じられないのですか。 26 キリストは栄光の時を迎える前に、必ずこのような苦しみを受けるはずだと、預言者たちははっきり語ったではありませんか。」 27 それからイエスは、創世記から始めて、聖書(旧約)全体にわたって次々と預言者のことばを引用しては、救い主についての教えを説き明かされました。

28 そうこうするうち、エマオに近づきましたが、イエスはまだ旅を続ける様子です。 29 二人は、じきに暗くなるから、今晩はここでいっしょに泊まってくださいと熱心に頼みました。それでイエスもいっしょに家に入りました。 30 食卓に着くと、イエスはパンを取り、神に祝福を祈り求め、ちぎって二人に渡しました。 31 その瞬間、二人の目が開かれ、その人がイエスだとわかりました。と同時に、イエスの姿はかき消すように見えなくなりました。 32 二人はあっけにとられながらも、「そう言えば、あの方が歩きながら語りかけてくださった時も、聖書のことばを説明してくださった時も、不思議なほど私たちの心が燃えていたではないか」と語り合いました。 33-34 そして、すぐエルサレムへ取って返しました。戻ってみると、十一人の弟子たちやほかの弟子たちが迎え、「主は、ほんとうに復活された。ペテロがお会いしたのだからまちがいない」と話していました。 35 そこで二人も、エマオへ行く途中イエスと出会ったことや、パンをちぎられた時にはっきりイエスだとわかったことなどを話しました。

36 これらの話をしている時、突然イエスが現れ、みんなの真ん中に立たれたのです。 37 彼らは幽霊を見ているのだと勘違いし、ぶるぶる震えました。 38 「なぜそんなに驚くのですか。どうしてそんなに疑うのですか。 39 さあ、この手を、この足を、よくごらんなさい。わたしにまちがいないでしょう。さあ、さわってみなさい。これでも幽霊でしょうか。幽霊だったら、体などないはずです。」 40 イエスはそう言いながら、手を差し出して釘の跡を見せ、また、足の傷もお示しになりました。 41 弟子たちは、うれしいけれども、まだ半信半疑です。心を決めかねて、ぼう然としていました。それでイエスは、「何か食べ物がありますか」とお尋ねになりました。 42 焼き魚を一切れ差し上げると、 43 イエスはみんなの見ている前で召し上がりました。

44 イエスは言われました。「以前、いっしょにいた時、モーセや預言者の書いたこと、それに聖書の詩篇にあることは、必ずそのとおりになると話して聞かせたはずです。忘れてしまったのですか。」 45 イエスが弟子たちの心の目を開いてくださったので、彼らはやっと理解しました。 46 イエスは、さらに続けられました。「キリストは苦しめられ、殺され、そして三日目に復活することが、ずっと昔から記されていたのです。 47 悔い改めてわたしのもとに立ち返る人は、だれでも罪が赦されます。この救いの知らせは、エルサレムから始まり、世界中に伝えられるのです。 48 あなたがたはこのことの証人です。初めから何もかも見てきたのですから。 49 わたしは、父が約束してくださった聖霊をあなたがたに送ります。しかし、聖霊が来て、天からの力で満たしてくださるまでは、都にとどまっていなさい。」

50 それからイエスは、彼らをベタニヤまで連れて行き、手を上げて祝福してから、 51 彼らから離れて行かれました。 52 彼らは喜びに胸を躍らせて、エルサレムに戻り、 53 いつも宮にいて神を賛美していました。

ヨハネの福音書 20-21

イエスの復活

20 週の初めの日(日曜日)、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリヤは墓に行きました。見ると、入り口の石がわきにのけてあります。 驚いたマリヤは、息せき切ってシモン・ペテロと私のところに駆けつけ、「たいへんよ。だれかが主のお体を取って行ったわ! いったいどこに置いたのかしら」と叫びました。 3-4 私たちはそれを確かめようと、二人して墓に急ぎました。私はペテロより足が速かったので、先に着きました。 すぐさま身をかがめてのぞき込むと、亜麻布が見えます。しかし中には入りませんでした。 続いてシモン・ペテロが駆けつけ、ためらわず中に入りました。彼もやはり亜麻布と、 そこからやや離れた所に、イエスの頭に巻かれていた布が、そのままの形で置いてあるのを見ました。 私もあとから入り、この有様を見て、イエスが復活なさったことを信じました。 この時まで、イエスは必ず復活すると書いてある聖書のことばを、私たちはまだ理解していなかったのです。 10 二人は家に帰りました。

11 けれども、マリヤは墓に戻り、外に立って泣いていました。泣きながら身をかがめて墓の中をのぞき込むと、 12 イエスのお体があった場所の、頭と足にあたる所に、白い衣を着た天使が二人、座っているではありませんか。 13 「なぜ泣いているのですか。」天使たちがマリヤに尋ねました。「だれかが私の主を取って行ったのです。どこに持って行ったのか、わからないのです。」 14 こう答えてふり向くと、だれかが立っています。なんとイエスでした。しかし、マリヤはまだ気がつかないようです。 15 イエスはマリヤにお尋ねになりました。「どうかしましたか。泣いたりして……。だれを捜しているのですか。」マリヤは、イエスを園の管理人と勘違いしていたので、「あの方を運んだのはあなた? もしそうだったら、どこに置いたのか教えてください。私が引き取ります」と言いました。 16 「マリヤ。」イエスが呼びかけられました。その声にマリヤは、イエスのほうを向いて叫びました。「先生!」 17 「待ちなさい。すがりつくのはやめなさい。わたしはまだ父のもとに上っていないのですから。それよりも、してほしいことがあります。行ってわたしの兄弟たちに、『わたしは、わたしの父、またあなたがたの父であり、わたしの神、またあなたがたの神である方のもとに上って行く』と伝えてほしいのです。」 18 マグダラのマリヤはすぐに弟子たちのところへ帰って行き、主にお会いしたことを告げ、イエスが言われたとおりを話しました。

19 同じ日曜日の夕方のことです。弟子たちは、ユダヤ人を恐れて戸にしっかりかぎをかけ、肩を寄せ合うようにして集まっていました。その時、突然イエスが一同の中にお立ちになったのです。「平安があるように。」イエスはまず、こうあいさつされてから、 20 手とわき腹をお見せになりました。主を見た弟子たちの喜びは、どれほどだったでしょう。 21 イエスはもう一度言われました。「平安があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わします。」 22 そして一同に息を吹きかけ、また言われました。「聖霊を受けなさい。 23 あなたがたが赦すなら、だれの罪も赦されます。あなたがたが赦さない罪は赦されません。」

疑わずに信じなさい

24 十二弟子の一人のトマスは、その時、その場に居合わせませんでした。 25 それでみんなが、「ほんとうだ。主にお会いしたんだ」と口をすっぱくして話しましたが、本気にしません。頑としてこう言いはるばかりです。「主の御手に釘あとを見、この指をそこに差し入れ、この手を主のわき腹に差し入れてみなければ、信じない。」

26 八日たちました。その日も、弟子たちは集まっていました。今度はトマスもいっしょです。戸にはかぎがかかっていましたが、突然、前の時と同じようにイエスが一同の中に立ち、「平安があるように」とあいさつなさいました。 27 それからイエスは、トマスにおっしゃいました。「さあ、あなたの指をこの手に当ててみなさい。あなたの手をこのわき腹に差し入れてみなさい。いつまでも疑っていないで信じなさい。」 28 「ああ、わが主、わが神よ!」感きわまって、トマスは叫びました。 29 「わたしを見たから信じたのですか。しかし、見なくても信じる者は幸いです。」

30 私がこの書に記した奇跡のほかにも、もっと多くの奇跡をイエスが行われるのを、弟子たちは見ました。 31 しかし、これらのことを特に書いたのは、あなたがたがイエスは神の子キリストであると信じるため、またそう信じていのちを得るためです。

ガリラヤ湖畔で弟子に現れる

21 このことがあってから、ガリラヤ湖のほとりで、イエスはもう一度、弟子たちの前に現れました。その時のいきさつはこうです。

シモン・ペテロ、トマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、私の兄弟のヤコブ、それに私と、ほかに二人の弟子がいっしょにいました。 「漁に行くぞ」とシモン・ペテロが言いだしました。するとみんな、「それじゃあ、おれたちも」というわけで、そろって出かけました。小舟に乗り込み、漁が始まりました。ところが一晩中かかっても、小さな魚一匹とれません。 もう夜明けというころ、だれかが岸辺に立っているのが見えました。ぼんやりかすんでいるので、だれなのかはわかりません。 「魚はとれましたかー。」その人が声をかけてきました。「いやー、全然だめだよー。」 「では、舟の右側に網を下ろしてごらんなさい。きっと、たくさんとれますよ。」さっそくそのとおりにすると、どうでしょう。重くて引き上げられないほど、たくさんの魚がかかったのです。 その時、私ははっと気がつき、「おい、あの方は主だよ!」とペテロに言いました。それを聞くと、ペテロは裸だったので、あわてて上着をはおり、水に飛び込みました。 舟に残った私たちは、百メートルほど離れた岸辺まで、魚ではち切れんばかりの網を引いて、そろそろ進みました。 着いてみると、炭火がおこしてあります。その上では魚がいいぐあいに焼けており、パンもあります。 10 「今とった魚を少し持って来なさい。」 11 イエスにこう言われて、シモン・ペテロがまっ先に飛んで行き、網を陸に引き上げました。数えてみると、なんと大きな魚が百五十三匹もとれていて、しかも網はどこも破れていません。 12 「さあ、ここへ来て、朝ごはんにしなさい」とイエスはうながされます。「ほんとうに主ですか」とあえて尋ねる者は一人もいません。それほどはっきりわかったのです。 13 イエスはそばに来られ、パンと魚をめいめいに配ってくださいました。 14 死から復活されたあと、私たちに現れてくださったのは、これで三度目です。

15 食事がすむと、イエスはシモン・ペテロを見つめておっしゃいました。「ヨハネの子シモン。ほかのだれよりもわたしを愛しますか。」「はい、主よ。私があなたを愛することは、あなたがご存じです。」「それでは、わたしの小羊を養いなさい。」 16 イエスは、くり返しお尋ねになりました。「ヨハネの子シモン。ほんとうにわたしを愛していますか。」「はい、主よ。私があなたを愛することは、あなたがご存じです。」「それでは、わたしの羊の世話をしなさい。」 17 イエスはもう一度言われました。「ヨハネの子シモン。ほんとうにわたしを愛していますか。」三度こんな尋ね方をされたので、ペテロは心に痛みを感じながら答えました。「主よ。いっさいをご存じなのはあなたです。私があなたを愛することは、あなたがご存じです。」「それでは、わたしの羊を養いなさい。 18 あなたは若い時にはしたいことをし、行きたい所に行きました。だが、年をとると、そうはいかなくなります。あなたは自分の手を伸ばして差し出し、だれかほかの人が、行きたくもない所へあなたを引っぱって行くのです。」 19 こう言われたのには訳がありました。ペテロがどんな死に方をして、神の栄光を現すかを知らせようとなさったのです。それから、「わたしについて来なさい」と言われました。 20 ペテロがふり向くと、イエスに愛された弟子(使徒ヨハネ)がついて来るのを見ました。最後の夕食の席で、イエスに寄りかかって、「主よ。裏切る者はだれですか」と尋ねたあの弟子です。 21 すると、ペテロの好奇心が頭をもたげました。「主よ。彼はどうなんです? どういう死に方をするのですか。」 22 「もう一度戻って来るまで、彼に生きていてほしいとわたしが思ったとしても、あなたとは何の関係もないでしょう。人のことは気にしないで、ただわたしについて来ればいいのです。」 23 このことから、その弟子は死なないといううわさがクリスチャンたちの間に広まりました。しかし、イエスはそう断言なさったわけではありません。ただ、「もう一度戻って来るまで彼に生きていてほしいとわたしが思ったとしても、あなたとは何の関係もないでしょう」と言われただけなのです。

24 その弟子とは、実は私(筆者)のことです。私はこれらの出来事を、見たとおり、ここに記録しました。この記録が正確なことは、私たちみんなが知っています。

25 イエスのなさったことは、ほかにもたくさんあります。それをいちいち書き記すとしたら、きりがないでしょう。世界中が本であふれるほど書いても、それでもまだ足りないと思います。

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