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Chronological

Read the Bible in the chronological order in which its stories and events occurred.
Duration: 365 days
Japanese Bible: Easy-to-Read Version (JERV)
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マタイ 26

イエスを殺す計画

マルコ14:1-2; ルカ22:1-2; ヨハネ11:45-53

26 話を終えたイエスは、自分の弟子だけに向かって口を開いた。 明後日あさって過越すぎこしだ。その日、人の子は十字架で殺されるために敵の手に渡る」

一方その頃・・・「うまく殺す手立てはないのですか?」大祭司カヤパの家では祭司長たちや長老たちが集まり、 人に見られることなくイエスを逮捕し、殺す方法はないものかと話し合う会議が行われていた。 彼らは言った。「ちっ、祭りの最中にイエスを捕まえることはできません。民衆の怒りを買い、暴動が起きるでしょうからね」

イエスを敬う女性

マルコ14:3-9; ヨハネ12:1-8

イエスはベタニヤの村に住む、重い皮膚病ツァラアト患者シモンの家を訪れていた。 そこに一人の女が入ってきた。その手には石膏せっこうで出来たつぼがあった。そのつぼには、純粋なナルド油で作られた非常に高価な香油こうゆが入っていた。すると、女は食事をするイエスの頭に香油こうゆを注いだ。

女の大胆な行動に弟子たちはカンカン。彼らは言った。「もったいない! 売れば、貧しい人たちを助けることもできたというのに!」

10 しかし、イエスが言った。「やめろッ!俺のためによくしてくれたっていうのになぜ彼女を責める? 11 貧しい人たちはいつも身近にいる。彼らを助けることはいつだってできるが、俺はいつまでも一緒にいるわけじゃない・・・ 12 彼女は俺のために最善をつくし、俺の埋葬まいそうに備えて体に香油こうゆを注いでくれたんだ。 13 約束する、最高な知らせグッドニュースが世界中に広まるとともに、彼女がした事が世界に知れ渡る!彼女の行為は永遠に忘れられない!」

イエスの敵に加担するユダ

マルコ14:10-11; ルカ22:3-6

14 その後、12弟子の1人であるイスカリオテ人のユダは、なぜか1人で祭司長たちのもとへと向かっていく・・・ 15 彼は言った。「イエスをあなた達の手に引き渡しましょう!ただそれに対する報酬は・・・?いくらだ?」銀貨30枚をユダに手渡した祭司たち。 16 それからのユダはイエスと共にいながらも、脳裏のうりではイエスを引き渡すチャンスをうかがっていた。

過越すぎこしの食事

マルコ14:12-21; ルカ22:7-14, 21-23; ヨハネ13:21-30

17 さて、酵母イースト菌なしパン祭りの初日、【種なしパン:酵母を入れないパン】イエスの弟子たちがイエスを尋ねに来た。「過越すぎこしの食事を用意したいんですが、食事はどちらで調達しましょう?」

18 イエスは答えた。「町へ行って、俺の知人のもとを訪れろ。そしたら、『神が俺のために定めた時は近い。弟子と一緒にあなたのところで過越すぎこしの食事をとる』と伝えるんだ」 19 イエスに言われた通り行動した弟子たちは、過越すぎこしの食事の準備をした。

20 夕方になり、イエスは12弟子と楽しく過越すぎこしの食事をしていた。 21 彼らが食事をしていると、イエスが言った。「今、食事を共にしているうちの1人が、俺を敵の手に引き渡す!」

22 「なッ!」イエスの言葉を聞いて、弟子たちに衝撃が走った。そして弟子がみな口を揃えてこう言った。「先生、絶対に俺じゃないよ!」

23 イエスは答えた。「俺と同じ器にパンをひたしている者・・・俺を裏切るのは、その男だ・・・ 24 人の子は聖書にあるとおりこの世を去る。しかし、人の子を裏切って敵の手に渡し、死に追いやられるほど無残な者はいない!彼はいっそのこと生まれてこない方がましだった」

25 「先生!もちろん、私ではないですよね?」ユダが尋ねた。

イエスが答えた。「いや、お前だ!」

最後の晩餐ばんさん(聖餐式)

マルコ14:22-26; ルカ22:15-20; 1コリント11:23-25

26 それから、食事を続けるイエスはパンを取ると、神に感謝を捧げてからパンを裂き、弟子たちに配った。「このパンは俺の体、さぁ、取って食べるんだ」

27 次に、ワインの入った1つのさかずきを取り、神に感謝を捧げると、同じように弟子たちにそのさかずきを渡した。「みんな、このさかずきから飲んで、次へと回すんだ・・・ 28 このワインは、多くの人の過ちをゆるし、神と人が新しい契約を結ぶために流される俺の血だ。 29 神の王国キングダムで新しくなったワインを飲むその日まで、俺がワインを口にすることはない」

30 それから、神を讃えて声を大にして歌い、オリーブ山へと向かった。

イエスを否定するペテロについて

マルコ14:27-31; ルカ22:31-34; ヨハネ13:36-38

31 イエスは弟子たちに言った。「今夜、お前たちが俺に抱く信頼は崩れる。聖書にこうある。

『わたしが羊飼いを殺す。
そして、羊は走って逃げる』

32 だが、俺が殺された後、俺は死から復活し、ガリラヤ地方へ行く。そこでお前たちを待つ!」

33 ペテロが答えた。「たとえ、他の誰があなたを見捨てようとも、俺が持つあなたへの信頼は絶対だ!」

34 イエスが答えた。「真実はこうだ。今夜お前は俺を知らないと言う。

雄鶏ニワトリが鳴く前に三度、お前は俺を拒絶する」

35 すると、ペテロは言った。「俺がイエスを拒絶する?とんでもない!!俺はイエスの為なら死ぬ覚悟だってできてんだッ!」他の弟子も続けざまに同じようなことを言ったのだった。

1人で祈りにいくイエス

マルコ14:32-42; ルカ22:39-46

36 イエスと弟子たちがゲツセマネと呼ばれる場所に行くと、「祈ってくるから、ここに座っていてくれ」 37 イエスは弟子たちにそう告げたが、ペテロとゼベダイの2人の息子には一緒に来いと言った。・・・イエスは思い悩み、悲しみ始めた。 38 「悲痛のあまり、心が張り裂けそうだ。眠らずに、ここで待っていてくれ・・・」イエスはペテロとゼベダイの息子2人にそう告げた。

39 その後、イエスは少しだけ離れて、その場にひれ伏して祈り始めた。「お父さん・・・俺がこの苦しみの杯サカズキを飲まなくても、すむようにしてほしい・・・だけど・・・俺の思いじゃなく、お父さんの思いのままにしてくれ」 40 そしてイエスが、弟子たちのもとへ戻ると、「zzZ・・・」弟子たちは寝ているではないか。イエスはペテロを見て言った。「おい、お前たちは1時間たりとも共に起きていられないのか! 41 目を覚まして、誘惑におちいらない力を祈り求めるんだ。霊は正しくありたくても、体は弱いのだから」

42 イエスはもう一度その場を離れ、祈りのために向かっていった。「お父さん!この苦しみの杯サカズキが俺に与えられ、逃げ道もないのなら、どうかあなたの思い通りになるように」

43 イエスが弟子たちのもとに戻ってくると、またも睡魔に負けた3人が寝ているではないか。 44 イエスは彼らをそのままにし、またその場を離れて同じことを祈った。

45 さぁ、3度目の正直。イエスが戻ってくると3人は寝息を立てている。イエスは諦め、ため息をついた。「まだ寝てるのか・・・人の子が闇の手に落ちる時が来た。 46 立て!時は満ちた。裏切り者のご登場だ」

逮捕されるイエス

マルコ14:43-50; ルカ22:47-53; ヨハネ18:3-12

47 イエスが話し終わらないうちに12弟子の1人イスカリオテ人のユダが、つるぎやこん棒を持った武装集団をしたがえてイエスに近づいてきた。彼らは祭司長やおきての学者、また長老たちに派遣されたグループだった。 48 「いいか、俺が口づけの挨拶をする人を捕まえるんだ」イエスを裏切った弟子は、あらかじめ武装集団にイエスを見分けるためのサインを伝えていた。 49 「あ、先生!」ユダは笑顔でイエスに近づくと、口づけの挨拶をしながら、心の中で不気味な笑みを浮かべていた。

50 イエスが答えた。「友よ、目的を果たすがいい」

イエスが答えると、武装集団はイエスを捕えて押さえつけた。 51 その時!・・・スパっ・・・イエスの弟子の一人がつるぎを引き抜き、勢いよく振りかざした。ぼとッ・・・地面に落ちたのは大祭司のつかいの者の耳だ。

52 イエスが弟子に言った。「つるぎをしまえ!つるぎを抜く者はつるぎで死ぬ! 53 俺がお父さんに求めれば、何万という天使の軍を送ってくれることぐらいわかるだろう! 54 しかし、それでは聖書にあることが全うされない。つまり、起こるべきして起きているということだ」

55 続けてイエスはこう言った。「なぜ犯罪者を捕まえるかのように、つるぎやこん棒を持ってきた?わたしは逃げも隠れもせず、毎日、神殿で教えていたじゃないか。なぜそのときに捕まえない? 56 まあいい、聖書で預言者が記したことがすべて全うされるために起きたまでだ」その後、イエスの弟子はみなイエスを置き去りにして走って逃げていったのだ。

宗教指導者たちの前にいるイエス

マルコ14:53-65; ルカ22:54-55, 63-71; ヨハネ18:13-14, 19-24

57 イエスを捕まえた武装集団は、イエスを大祭司カヤパの家に連行した。そこにはおきての学者、長老たちなどが集まっていた。 58 そのころペテロはというと、距離を保ちながら、イエスの後をつけていた。そして大祭司の庭に入り、これから起こることをその目で見るために看守たちの中にこっそりとまぎれ込んでいた。

59 祭司長や最高審議会の議員たちはイエスの汚点をさっさと見つけて、死刑にする気満々だった。イエスは過ちを犯していた!とウソでもいい、そんな証言をする者を探しまわった・・・ 60 しかし、ウソの証言を並べる者はたくさんいるものの、根拠が全くなく、最高審議会はイエスを死刑に処すだけの理由を見つけられずにいた。そんな中2人の者が現れ、 61 こう証言した。「この人は一度、神殿を壊し、それを3日で建て直すと言っておりました!」

62 すると、大祭司が立ち上がりイエスに言った。「彼らがあなたにとって不利な証言をしていますが。これらの訴えに対し、何か反論はございますか?それとも彼らの言っていることはまことですか?」 63 「・・・・・・」イエスは黙ったまま、一向に口を開かない。大祭司はまたイエスに言った。「生ける神に誓って真実を述べなさい。あなたは神の子、選ばれし王なのですか?」

64 イエスは答えた。「そう呼びたければどうぞ。ですが言っておきましょう。あなた方はいずれ、人の子が全能である神の右の座に腰をすえている姿を見る。そして、天の雲に乗ってやって来るのを目の当たりにします」

65 「んなッ、なんでずどォォォーー!」ビリビリビリィィィーー!大祭司は怒り狂って、自分の服を引き裂いた!「え゛ーーぃ!もう十分だ。これ以上の証言はいらん!みなさんも聞きましたね。今まさにこの耳で、この人が神を侮辱ぶじょくするのを! 66 これを聞いたみなさんの考えを述べなさい」

ユダヤ指導者たちは答えた。「間違いなく有罪!死刑です!」

67 ペッ、ペッ!そのうちの何人かがイエスの顔に向かってツバを吐きかけた。ビシッ、ボコッ、ゴキ!さらには拳で殴る者もいれば、平手でたたく者もいた。 68 そこでこう言った。「預言者なら当ててごらん!いま殴ったのは誰だ?!ははは!」

イエスを知らないと言うペテロ

マルコ14:66-72; ルカ22:56-62; ヨハネ18:15-18, 25-27

69 そのころ、ペテロは大祭司の庭に座っていた。そこへ召使いの少女がやって来ると、ペテロを見て言った。「あなた!あなたは、あのガリラヤ地方から来たイエスと一緒にいた人でしょ?」

70 「お前は何を言ってるんだ?俺は知らん」ペテロはそこにいるみんなに対してこう言って否定した。

71 今度は中庭を出たところで別の女がペテロを見つけ、そこにいる人たちに言った。「ねぇ!この人、ナザレ村のイエスと一緒にいた人だ」

72 「か、神に誓って、俺はそんな男は知らない!」ペテロは再び否定し、イエスと一緒にいたことはないと言った。

73 その直後のこと・・・周りに立っていた者がペテロのもとに詰め寄ってくる・・・「間違いない!しゃべり方からしてあの男と一緒にいた男だ!」

74 それからペテロは叫んだ。「ふざけるな!神に誓って、俺はあんな男なんか知らない!もし俺がうそをついてるって言うんだったら、神が俺に罰を食らわせたらいい!」ペテロがそう断言するとすぐ、・・・コッケコッコォォォ~・・・雄鶏ニワトリが鳴いた。 75 すると、イエスに言われたことを思い出したペテロは、「雄鶏ニワトリが鳴く前に俺を三度、イエスを知らないと言う・・・」「う、ゔわぁぁぁ〰〰〰〰〰〰!」と口にし、彼は外へ飛び出して、泣き崩れた・・・

マルコ 14

イエスを殺す計画

マタイ26:1-5; ルカ22:1-2; ヨハネ11:45-53

14 過越祭すぎこしさい酵母イースト菌なしパン祭りの2日前のこと。祭司長やおきての学者たちは、人に見られることなくイエスを逮捕する方法はないものかと話し合っていた。 彼らは言った。「祭りの最中にイエスを捕まえることはできない。民衆の怒りを買い、暴動が起きるだろうから・・・」

イエスを敬う女性

マタイ26:6-13; ヨハネ12:1-8

イエスは、恐ろしい皮膚病ツァラアトに苦しんでいたシモンの家があるベタニヤの村にいた。そこで彼が食事をしていると、手に石膏せっこうつぼを持った1人の女性が彼のもとにやって来た。そのつぼには、純粋なナルド油で作られた非常に高価な香油こうゆが入っていた。彼女はイエスに近づくとポンッとつぼを開け、敬意と感謝の意を持ってイエスの頭にツーッと香油こうゆを注いだ。

そこにいる何人かの人は、この行為に対してムカッとくると、そろって文句を言った。「え?高級な香油こうゆだろ?もったいねぇ! それだけで年収ぐらいはするよ。それを売っていれば、貧しい人たちにお金を配れたはずなのに!」彼らはガミガミと女性に向かって言った。

するとイエスは、「やめろ!俺のために良くしてくれたというのに、なぜ彼女を責めるのだ? 貧しい人たちはいつも身近にいる。彼らを助けることはいつだってできるはずだ!だが、俺はいつまでも一緒にいるわけじゃない。 彼女は俺のために最善をつくし、俺の埋葬まいそうに備え、体に香油こうゆを注いでくれたのだ。 約束する。最高な知らせグッドニュースが世界中に広まる時、彼女がした事も同様に世界に知れ渡る!彼女は、永遠に忘れられることがない!」 と言った。

イエスの敵に加担するユダ

マタイ26:14-16; ルカ22:3-6

10 それから、12使徒の1人であるイスカリオテ人のユダは祭司長たちの所に行くと、イエスを引き渡すことについて彼らと話し合いを持った。 11 その提案こそ願ったり叶ったりだった祭司たちは、喜んで彼に報酬を支払うことを約束した。こうして、ユダはイエスを彼らに引き渡す絶好の機会をうかがっていた。

過越すぎこしの食事

マタイ26:17-25; ルカ22:7-14, 21-23; ヨハネ13:21-30

12 酵母イースト菌なしパン祭りの初日・・・この日は過越すぎこしの日ということで、子羊が殺されていた。イエスの弟子が彼のところに来るとこう尋ねた。「俺らはイエスが過越すぎこしの食事を食べるために、全ての準備をしに行くよ!どこで食事を取りたいですか?」

13 そこでイエスは2人の弟子を町につかわし、彼らにこう言った。「町に行くと、水瓶みずがめを持っている男がお前たちの所に来る。そしたら彼の後について行くんだ。 14 水瓶みずがめを持った男が家に入ったら、『お供と一緒に過越すぎこしの食事をする部屋を見せてほしいと先生から頼まれた』と、家の主人に伝えればいい。 15 主人は俺たちのために用意された2階にある広い部屋へと案内してくれるはずだ。そこで、食事の準備を整えてくれ!」

16 弟子たちが町に着くと、全てイエスの言った通りに事が進んだ。こうして、彼らはその家で過越すぎこしの食事の準備をした。

17 夕方になると、イエスは12使徒を連れて、その家に入った。 18 食事の最中に、イエスが言った。「今、食事を共にしているうちの1人が、俺を敵の手に引き渡す!」

19 弟子たちはこれを聞いてとても悲しくなった。彼らは1人1人、イエスに言った。「絶対に俺じゃない!」

20 イエスが答えた。「俺を裏切るのは、12人のうちの1人。そう、俺と同じ器にパンをひたしている者だ。 21 人の子は聖書に記されている通り、苦しみを受けることになる。だが人の子を裏切って、殺すために敵の手に引き渡すことなんて非常に悪い事だ!そいつは生まれてこなかった方がまだましだった・・・」

最後の晩餐ばんさん(聖餐式)

マタイ26:26-30; ルカ22:15-20; 1コリント11:23-25

22 それからイエスは食事を続け、パンを取ると神に感謝を捧げて、そのパンを裂いて弟子たちに配った。「このパンは俺の体だ。さあ取って食べるんだ」

23 次に、ワインの入ったさかずきをひとつ取り、神に感謝を捧げると、同じように弟子たちに回していった。 24 それから彼は言った。「このワインは、神と人が新しい約束を結ぶために流される俺の血だ。 25 言っておくが、神の王国キングダムで新しくなったワインを飲むその日まで、俺が再びワインを口にすることはない」

26 それから、イエスと弟子たちは歌を歌い♪~♫~♪~♫、オリーブ山に向けて出発した。

イエスを否定するペテロについて

マタイ26:31-35; ルカ22:31-34; ヨハネ13:36-38

27 その後、イエスが弟子たちに言った。「お前たちが俺に抱く信頼は崩れる。聖書にはこうある。

『わたしは羊飼いを殺す、
そして、羊は逃げる』

28 だが、俺は殺された後、死から復活し、ガリラヤ地方へ行く。その後、俺はそこでお前たちを待つ!」

29 ペテロが言った。「たとえ他の誰かが裏切ろうとも、この俺は決してあなたを裏切ったりしない!」

30 イエスが答えた。「・・・真実はこうだ!今夜お前は俺のことを知らないと言う。雄鶏ニワトリが2回鳴く前に、3度俺のことを知らないと言うだろう」

31 だが、ペテロは強くそれに反論した。「俺は絶対に!絶対に、イエスを知らないなんて言わない!俺はイエスと共に死ぬ覚悟だってできてる!」他の弟子たちも続けざまに同じことを言った。

1人で祈りにいくイエス

マタイ26:36-46; ルカ22:39-46

32 イエスと弟子たちはゲツセマネと呼ばれている場所に行った。イエスは彼らに言った。「祈ってくるから、ここに座っていてくれ」 33 しかしイエスは、ペテロ、兄ヤコブと弟ヨハネだけには一緒に来るようにと言った。ゔッ・・・・・イエスは苦しみのあまりなげき悲しんでいた。 34 そこでイエスが彼らに言った。「俺は悲痛のあまり、心が張り裂けそうだ。目を覚まして、ここで待っていてくれ」

35 イエスは弟子から少し離れたところまで行くと、その場にひれ伏して祈り始めた。 36 イエスは言った。「アバお父さん、あなたにできないことはない。俺がこの苦しみの杯サカズキを飲まなくても済むようにしてほしい・・・でも俺の望むことじゃなくて、アバお父さんの望むことをしてくれ」——【アバ:アラム語で「父」】

37 イエスが弟子たちのもとに戻ると、zzZ・・・彼らはぐっすり眠っていた。そこで、イエスはペテロに言った。「おい、シモン!なぜ寝ている?俺と一緒に1時間も起きていられないのか? 38 しっかりと目を覚まして、誘惑に負けることがないように祈るんだ。霊が正しくありたくても、人間の体は弱い!」

39 イエスは、再び弟子たちから離れて、同じことを祈った。 40 イエスが弟子たちのところに戻ってくると、また彼らは寝ているではないか。彼らは目を開け続けることができなかった。彼らはイエスに言うべき言葉が見つからなかった。

41 イエスが3度目に祈った後、イエスは再び彼らのところへ戻った。イエスは彼らに言った。「お前たちはまだ寝て休んでいるのか?もういい、人の子が闇の手に落ちる時がきた。 42 立て!行かなきゃならない。わたしを引き渡そうとしている男がやってきた・・・」

逮捕されるイエス

マタイ26:47-56; ルカ22:47-53; ヨハネ18:3-12

43 イエスの話しが終わらないうちに、12弟子の1人、イスカリオテ人のユダがつるぎやこん棒を持った武装集団を引き連れながらやって来た。彼らは、祭司長やおきての学者たちをはじめとした長老たちに派遣されたのだ。

44 イエスを裏切ったこの弟子は、どの人がイエスなのかを伝える合図を送ることを事前に話していた。ユダは言った。「いいか、俺が口づけのあいさつをする人を捕まえるんだ。連行する時は逃がさないよう注意しろよ・・・」 45 そこでユダはイエスのところに行き言った。「あ、先生!」それからイエスに口づけのあいさつをした。 46 すると、武装集団がイエスを取り押さえた。 47 にゃろォォォ・・・スパッ・・・イエスの近くにいた弟子の1人が自らのつるぎを抜くと、武装した男に向かってつるぎを振りかざした。ぼとッ・・・地面に落ちたのは大祭司の召使いの耳だった。

48 すると、イエスが彼ら連中たちに言った。「なぜ犯罪者を捕まえるかのように、つるぎやこん棒を持ってきた? 49 俺は逃げたり隠れたりすることもなく、毎日神殿の敷地内しきちないで教えていたじゃないか。なぜそのときに捕まえない?・・・まあいい、聖書に記されたことが完全になされるために起きたまでだ」 50 イエスが捕まると、弟子たち全員は一目散にその場から逃げていった。

51 イエスの弟子の中の一人である青年は、亜麻布あまぬのの服しか着ていなかったが武装集団に服をつかまれたため、 52 服をさっと脱ぎ捨てると裸のまま逃げていった。

宗教指導者たちの前にいるイエス

マタイ26:57-68; ルカ22:54-55, 63-71; ヨハネ18:13-14, 19-24

53 イエスを捕えた武装集団は、イエスを大祭司のもとに連行した。そこには祭司長たちや長老たち、そして、おきての学者など宗教関係の首領ドンたちが集結していた。殺したくてたまらないイエスの顔を拝みに来ていたのだ。 54 そのころ、ペテロはというと・・・距離を保ちながら、イエスの後をつけていた。そして大祭司の庭に入り、き火で体を温めている看守たちにこっそりまぎれ込んでいた。

55 祭司長や最高審議会の議員たちは、イエスの汚点をさっさと見つけて、死刑にする気満々だった。しかし、十分な証拠が全くもって見つからない。 56 ウソの証言をする連中が大勢集まってきたが、彼ら全員の言うことはばらばらで一致しなっかったのだ。

57 すると、そこにいた数人がザッと立ち上がり、ウソにウソを重ねて作られたウソの証言を言いだした。 58 「私たちは、この人が『私は人の手で造られたこの神殿を壊し、3日目に人の手を一切借りることなく、別の神殿を建てる』と言ったのを確かに聞きました!」 59 しかし、彼らの話もまたもや食い違う。

60 それから大祭司はみんなの前に立ってイエスに言った。「彼らがあなたにとって不利な証言をしていますが。これらの訴えに対し何か反論はありますか?それとも彼らの言っていることはまことですか?」 61 しかし、質問に答える気配が全くないイエスに、大祭司は別の質問をした。「君は神の子、救い主メシアなのですか?」

62 イエスが口を開いて答えた。「その通りです。みなさんはいずれ、神の子が全能である神の右の座に腰をすえている姿を見る。そして、人の子が雲に乗ってやって来る光景を目の当たりにする」——【ダニエル書7:13より引用】

63 「んなッ、ナニィーー!」ビリビリビリィィィーー!大祭司は怒り狂って、自分の服をひき裂いた・・・!「もう十分だ!これ以上の証言はいらん! 64 我々は聞いた!今まさにこの耳で!この男が神を侮辱ぶじょくするのを!異論ある者はいるか?どう思う?」

そこにいた人全員がイエスは有罪であり、殺されるべきだと思っていた。 65 ペッ、ペッ!そのうちの何人かは、イエスに向かって唾を吐きかけた。ビシッ、ボコッ、ゴキ・・・・・彼らはイエスに目隠しをしてイエスを殴った!彼らは言った。「てめぇが本当に預言者なら、誰が殴ったか当ててみろよ!」看守たちはイエスを連れ去り、さらに殴りつけたのだ。

イエスを知らないと言うペテロ

マタイ26:69-75; ルカ22:56-62; ヨハネ18:15-18, 25-27

66 そのころペテロはというと、まだ大祭司の庭のき火のそばで体を温めていた。そこへ大祭司の召使いである少女がやって来た。 67 彼女は火のそばで体を温めているペテロを見ると、彼の顔を近くで確認し、こう言った。「ナザレ村のイエスと一緒にいた人ですよね?」

68 「なに意味の分からないこと言ってるんだ!俺は知らん!」そう言うと、ペテロは彼女の言葉を否定し、慌ててその場を去り庭の出口へと向かって行った・・・コケッコッコーー!雄鶏ニワトリが鳴いた。

69 ペテロを見た召使いの少女は、そこに立っていた周りの人たちに再び言った。「ねぇ!あの人、あの男の弟子ですよ!」

70 すると、もう一度ペテロはそれは真実じゃないと言った。「違うって言ってんだろ!」

すると、周りに立っていた人たちの目線が一斉にペテロに向いた。「間違いない!あの男の仲間だ。ガリラヤ出身の!」

71 それからペテロは呪いの言葉を発して言った。「ふざけるな!神に誓って言うが、あいつのことなんて俺は知らん!」

72 ペテロがそう言うとすぐに、雄鶏ニワトリが2回目の鳴き声を上げた。コッケコッコォォォ・・・・・・ハッ!そして、ペテロはイエスが言っていたことを思い出した。「雄鶏ニワトリが二度鳴く前に、イエスを三度知らないと言う」と・・・。そして、ペテロは泣き始めた・・・

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