Revised Common Lectionary (Semicontinuous)
王のようにエルサレムに入って行くイエス
(マタイ21:1-11; マルコ11:1-11; ヨハネ12:12-19)
28 イエスがこれらのことを話した後、彼はエルサレムに向かって旅を続けた。 29 彼はオリーブ山と呼ばれる丘の近くにある、ベテパゲの町とベタニヤの町の近くまでやって来た。その後、イエスは2人の弟子を送り出した。 30 イエスは彼らにこう言った。「これからあの町へ行ってくれ。そこには、まだ誰も乗ったことのない若いロバがいる。その綱をほどき、俺のところに連れてくるんだ。 31 『なぜロバを連れて行く?』と聞いてくる人がいれば、『先生が必要で』と答えるといい」
32 2人の弟子は町に入った。彼らはイエスが言ったとおりロバを見つけた。 33 そこで彼らはロバの綱をほどくと、持ち主が出てきてこう聞いた。「君たち、なんでうちのロバの縄をほどいてるんだ?」
34 弟子たちは答えた。「先生が必要で」 35 こうして、弟子たちはロバをイエスのもとに連れてきた。彼らは上着をロバの背に掛け、イエスをその上に乗せた。 36 イエスはエルサレムへ向かう道を進んだ。弟子たちはイエスの進む道に次々と上着を敷いた。
37 イエスがエルサレムに近づいてきた。オリーブ山から道を下り始めると、弟子の大群が大声で神を讃え、歌い始めた。彼らは自分たちが今まで見てきた力強い出来事を思いながら喜んでいた。 38 彼らは言った。
「ようこそ!王である神の名によってやって来た王に祝福を~♫
平和は天から始まり、栄光は神のもの!」
39 すると、あるパリサイ派の者たちがイエスにこう言った。「先生!今すぐに口を閉じるようにあなたの弟子に伝えなさい!」
40 だが、イエスは答えた。「もしわたしの弟子たちが黙れば、代わりにこれらの石が叫びだすだろう!」
身分に捕らわれない姿勢
5 イエス・キリストの考え方なのだから見習いなさい。
6 ♪~イエスは全ての面で神と同じであった。
しかし、イエスは神と同等であっても、
そのことを自分のために使おうとは一切思わなかった。
7 それどころか、神に値する全ての権利を放棄したのだ。
そしてイエスは奴隷の地位を受け入れると、
人間として生き、その生涯を歩んだのだ。
8 イエスは自らを低くし、全身全霊で神のために尽くしたのだ。
そう!彼は死を迎え、十字架で死なれた時でさえも神に従い尽くした。
9 だからこそ、神はイエスの地位を頂点まで引き上げ、
この世の全ての名の中で最も優れた名を与えたのだ。
10 こうして全ての人間が、イエスを見てひれ伏し、イエスに敬意を表すのだ。
それは地上にいるものはもちろん、天にいる者も地の下にいる者さえも、イエスを拝むのだ。
11 そして彼らは口をそろえてこう言う。「イエス・キリストは王だ」と。
こうしてこのことが父である神に栄光を与えることとなるのだ♫~
最後の晩餐(聖餐式)
(マタイ26:26-30; マルコ14:22-26; 1コリント11:23-25)
14 彼らが過越しの食事を食べる時、イエスと使徒たちは一緒の食卓に着いた。 15 イエスは彼らに言った。「死ぬ前に俺は、お前たちと一緒にこの過越しの食事をしたいと願っていた。 16 俺は、この過越しの食事が神の王国で完全な意味を成し遂げるまで、決して過越しの食事を再び取ることはない」
17 それからイエスは、1杯のワインを取った。彼はそれを神に感謝し、こう言った。「この杯を取りなさい。みんなにそれを回すんだ。 18 神の王国が来る日まで、俺がもう一度ワインを飲むことはない」
19 それからイエスはパンを取り、神に感謝した。彼はちぎって、それを使徒たちに渡してこう言った。「このパンは俺の体だ。これを食べる時に俺を思い出してくれ」 20 同じように夕食後、イエスは1杯のワインを取って、次のように言った。「このワインは、神が自分の国民と交わす新しい契約を意味する。この新しい契約は、俺の血がお前たちのために注がれる時に始まるのだ」
誰がイエスに背を向ける?
21 イエスが言った。「だが、俺を敵に引きわたす人の手がこの食卓にはある。 22 人の子は神が計画したように死ぬだろう。だが、人の子を引きわたす者にとっては最悪な結末となる」
23 それから使徒たちは互いに尋ねた。「俺らの中で誰がそんなことを・・・?」
召使いのようになる
24 その後、使徒たちは彼らのうちの誰が最も重要な存在なのかを議論し始めた。 25 この世の王たちは国民を支配する。彼らの様に権力で他の者を押さえつける人々は、「人のために大きな活躍をした者」と言われることを望んでいる。 26 しかし、お前たちはそうであってはならない!お前たちの中で最も権威のある者は、まるで誰よりも立場が低いかのように行動しなければならないのだ。誰かをリードする人は、仕える人のようでなければならない。 27 食事の時、その手伝いをして仕えている者と、食卓に座り仕えられている者、どちらの方が重要な人であると言えるだろうか?もちろん、仕えられている人だと思うだろう。だが、俺は仕える者としてお前たちと共にいた。
28 「お前たちは多くの苦難を抱えながら、俺と共に踏み止まっている。 29 だから、俺はお前たちに与えよう。父さんが俺に与えてくれた王国で俺と共に治める権威だ。 30 お前たちはその神の王国の食卓で食べたり飲んだりする。お前たちは王座に座り、イスラエルの12部族を裁くのだ。
イエスを否定するペテロについて
(マタイ26:31-35; マルコ14:27-31; ヨハネ13:36-38)
31 シモン、シモン!聞いてくれ!悪魔はお前たち1人1人を試したいと願っている。悪魔は、農夫が自分の小麦からもみ殻を取るように、ふるいにかけることをお前たちにやりたがっている。 32 シモン!俺はお前のために祈っておいた。お前の信仰が完全になくならないようにと!お前が俺のもとに戻ったら、お前の兄弟たちが強くなるように助けてあげるんだ」
33 だが、ペテロはイエスに言った。「師匠、俺はあなたと一緒に刑務所に入る準備だってできている。あなたと一緒なら死ぬことだってできる。その覚悟だ!」
34 しかし、イエスが言った。「ペテロ、お前は明日の朝、雄鶏が鳴くまでに俺のことを知らないと3度言うだろう・・・」
トラブルに備える
35 それから、イエスは使徒たちに言われた。「お金やバッグ、サンダルを持たせずにお前たちを送り出した時のことを覚えているか?その時に何か困ったことはあったか?」
使徒たちは言った。「いいえ、何も・・・」
36 イエスは彼らに言った。「だが、今回はお金やカバンを一緒に持っていけ。もし剣がなければ、上着でも売ってそれらを買っておくんだ。 37 聖書でこう言っている。『彼は犯罪者とみなされた』この聖書箇所は実現しなければならない。それは俺について書かれていて、今それが実行されている」
38 弟子たちが言った。「師匠!見てくれ!剣は2本ここにある」
イエスは彼らに言った。「もうこれ以上、そういうことは話さないでくれ!」
1人で祈りにいくイエス
(マタイ26:36-46; マルコ14:32-42)
39-40 イエスは街を出てオリーブ山に行った。弟子たちも一緒に向かった。この場所はイエスがよく行っていた場所だった。彼は自分の弟子たちに言った。「誘惑に対する強さを祈るんだ!」
41 それからイエスは彼らから50歩ほど離れた場所で膝まずいて祈った。 42 「お父さん、もしそう思うのであれば、この杯を俺に飲ませないでほしい。でも・・・俺が望むことではなく、あなたが望むことをしてくれ・・・」 43 すると、天から天使が助けに来た。 44 イエスは祈りの中で一層もがいていた。血のしずくが地面に落ちるように、彼の顔からは汗がぽたぽたと落ちていた。 45 イエスが祈り終えると、彼は弟子たちのもとへ戻った。するとイエスは、悲しみのあまり疲れ果てて寝ている彼らの姿を見た。 46 イエスは彼らに言った。「お前たちはなぜ寝ているんだ?起きて誘惑に対する強さを祈れ」
逮捕されるイエス
(マタイ26:47-56; マルコ14:43-50; ヨハネ18:3-11)
47 イエスが話していると、武装をした集団がやってきた。先頭で案内していたのは、12使徒の1人であるあのユダだ。ユダはイエスに近寄ると、ほっぺに口づけのあいさつをした。
48 しかし、イエスは彼に言った。「ユダよ、お前は友への口づけを使って人の子を敵に引きわたすのか?」 49 イエスの弟子たちもそこに立っていた。その場にいた弟子たちはイエスに言った。「先生、剣を使いましょうか?」 50 そして、そのうちの1人が剣を使って大祭司の召使いの右耳を切り落とした。
51 イエスは言った。「やめろ!」そして、その召使いの耳に触って彼を癒した。
52 イエスは自分を捕らえに来た集団に話しかけた。彼らは祭司長たちや長老たち、神殿警察の隊長たちであった。イエスは彼らにこう言った。「なんのために剣やこん棒を持ってきたのですか?わたしのことを犯罪者だとでも思っているですか? 53 神殿の境内で毎日あなた方と一緒にいただろうに。なぜ、その時に捕まえなかったのですか?とにかく、今はあなた達の時であり、闇が支配をする時だ」
イエスを知らないと言うペテロ
(マタイ26:57-58, 69-75; マルコ14:53-54, 66-72; ヨハネ18:12-18, 25-27)
54 武装集団はイエスを捕まえ、そのまま大祭司の屋敷へとイエスを連行した。ペテロは距離を保ちながらイエスの後をつけていた。 55 大祭司の中庭の真ん中では人々が焚き火を始め、ペテロもそこに紛れて一緒に座った。 56 すると、召使いの少女はそこに座っているペテロの姿を見た。炎の明かりで照らされたことで、少女はペテロの顔を見ることができたのだ。彼女はペテロの顔をより近くで確かめると「この人!あの男と一緒にいましたよ」と言った。
57 しかし、ペテロは「何を言っているんだ。俺はあいつのことなんか知らん!知らない!」と否定した。 58 少し経つと、また別の者がペテロを見てこう言った。「お前もあのグループの1人だろ?」
だが、ペテロは言った。「いやいや違うって!俺は関係ない!」
59 それから約1時間後・・・別の男が言った。「いや、そうだろ!こいつは確かにあいつと一緒にいたよ!ガリラヤ出身のヤツだ」
60 だがペテロは言った。「おい、お前たちはいったい何を言ってるんだ!俺には知らん!」
するとその時・・・コケコッコ~~~~!雄鶏が鳴いた。 61 そして王であるイエスは振り返り、ペテロの目をじっと見た。そこでペテロはイエスが言ったことを思い出した・・・「朝、雄鶏が鳴くまでにお前は俺のことを知らないと3度言う」 62 それからペテロは外に出て号泣した。
イエスを虐待する見張り番
(マタイ26:67-68; マルコ14:65)
63 イエスの見張り番たちは、イエスをからかって痛めつけた。 64 彼らはイエスに目隠しをして見えなくすると、ビシッ!ボコッ!ゴキッ!イエスを殴りつけ、こう言った。「預言者だろ~?誰が殴ったか当ててみろよ!」 65 彼らは色んな侮辱の言葉をイエスに浴びせた。
宗教指導者たちの前にいるイエス
(マタイ26:59-66; マルコ14:55-64; ヨハネ18:19-24)
66 夜明けに、長老、祭司長、掟の学者たちが集まった。彼らはイエスを最高審議会へと連れて行った。 67 彼らは言った。「あなたが救い主であるなら、答えなさい!」
イエスが彼らに言った。「わたしが誰であるかを答えたとしても、あなた方はわたしを信じない。 68 そして、わたしがあなたに質問をしてもあなたは答えない。 69 しかし、今から人の子は全能の神の右側に座るのだ!」
70 彼らは口を揃えてこう言った。「それでは、あなたは神の子ですか?」イエスが答えた。「あなた方こそ、わたしが神の子であると言っています」
71 彼らは言った。「もう証人なんて必要ない。やつが言ったことをみんなも聞いただろう!」
イエスに質問するピラト総督
(マタイ27:1-2, 11-14; マルコ15:1-5; ヨハネ18:28-38)
23 それからグループ全体が立ち上がり、イエスをピラト総督のもとへと連れて行った。 2 彼らはイエスを責め始め、ピラト総督に言った。「この男は、我々の伝統的な考えを変えようとしているので捕まえました。この男はカイザル様に税金を納めるべきではないと言い、また自分のことを救い主であり、王であると言うのです!」
3 ピラトはイエスに聞いた。「お主は、ユダヤ人の王なのか?」
イエスが答えた。「そうとも言えます」
4 ピラトは祭司長たちの方を向いて言った。「この男は何も悪いことはしていないではないか」
5 だが、彼らは言い続けた。「この男の教えは、ユダヤ全体で問題を引き起こしているんです!始めはガリラヤ地方、そして今、彼はこんな場所にまで・・・!」
ヘロデ王にイエスを送るピラト
6 これを聞いたピラトは、ガリラヤ出身なのかとイエスに尋ねた。 7 イエスがヘロデ王の管轄下であることを知ったピラトは、エルサレムを訪問中だったヘロデ王にイエスを送った。
8 ヘロデ王はイエスに会えてとても喜んでいた。ヘロデはイエスのことを全て聞いていて、ずっと会いたいと思っていたのだ。ヘロデ王はイエスが奇跡を見せてくれるのではと、それを期待していた。 9 ヘロデ王はイエスに多くの質問をしたが、イエスは何も言わなかった。 10 祭司長や掟の学者たちはその場に立っていて、イエスに対して大声で叫んでいた。 11 それからヘロデ王とその兵士たちは、イエスのことを笑った。王に似せたガウンをイエスに着せてバカにしたのだ。その後、イエスをピラト総督のもとへ送り返した。 12 以前まで、ピラト総督とヘロデ王はずっと対立していたが、彼らはその日から仲良くなった。
イエスを釈放しようとするピラト
(マタイ27:15-26; マルコ15:6-15; ヨハネ18:39–19:16)
13 それからピラト総督は、祭司長、他のユダヤ指導者たちを一斉に呼び集めた。 14 ピラトは彼らに言った。「お前たちはこの男を私の元に連れてきた。そして、彼が人々を変えようとしていると言った。しかし、私はお前たち全員の前で彼を詳しく調べさせてもらったが、お前たちが言う罪を彼の中で見つけることが出来なかった。 15 ヘロデも同じ結論を出し、彼を有罪にせずに私たちのところへ送り返してきた。見てみろ、彼は死刑に値するような悪いことはしていない。 16 よって、軽く罰したあと釈放することとする!」 17 ピラトは毎年、過越祭の時に囚人を一人釈放していた。——【いくつかのギリシャ語訳では、この17節が付け加えられているものが存在する】
18 だが、彼らは全員でこう叫んだ。「そいつを殺してバラバを釈放しろ〰!」 19 (バラバとは街で暴動を起こした殺人犯である)
20 ピラトはイエスを釈放したかった。そこでピラトは彼らにイエスを釈放すると言った。 21 しかし、彼らはまた叫んだ。「殺せ〰!十字架で殺せ〰!」
22 3度目にピラト総督は人々に言った。「なぜだ?彼が何をしたというのだ?こやつは無罪だ。死刑にする理由を見つけることができない!軽く罰を与えたら、彼を釈放する!」
23 しかし、人々は叫び続けた。イエスが十字架で殺されることを求めたのだ。彼らの叫びがより激しくなったので、 24 ピラト総督は彼らの望みを叶えることにした。 25 彼らの望みは暴動と殺人の罪で牢屋にいるバラバを釈放してほしいということだった。そこでピラトはバラバを釈放した。そして、イエスを死刑囚として引き渡した。これは人々が望んだことだったのだ。
イエスが十字架に釘付けにされる
(マタイ27:32-44; マルコ15:21-32; ヨハネ19:17-27)
26 兵士たちがイエスを連行した。ちょうどその時、クレネ人・シモンが畑から街にやって来ていた。兵士たちは、そのシモンに無理やりイエスの十字架を背負わせて、イエスの後ろを歩かせた。
27 大勢の人たちがイエスの後を追った。女性たちの中には悲しく泣いている者もいた。イエスのことをかわいそうに思っていたのだ。 28 だが、イエスは彼らの方に向いてこう言った。「エルサレムの女性たち、わたしのために泣かないでくれ。むしろ、自分自身と自分の子供たちのために涙を流してくれ。 29 その時が近づいています・・・『子供を産めない女性こそ、神が祝福している者たちです。世話をする子供がいないことは本当に祝福なことなのです』と、人々が言う時が来ているのです。
30 その時、人々は山に向けてこう言うでしょう。『私たちの上に崩れ落ちてきて!』そして、丘にはこう言うでしょう。『私たちをおおって!』と・・・ 31 善良な人にさえこれが起きるなら、有罪な者にはいったい何が起きるのか?」
32 また、イエスの他に2人の犯罪者が死刑にむけて連行されていた。 33 彼らは頭がい骨という場所に連れていかれた。そこで兵士たちはイエスを十字架の上に釘付けにした。彼らはまた、共にいた犯罪者をイエスの右に1人、左にも1人、釘づけにした。
34 そして、イエスは言った。「お父さん、彼らは自分たちでもいったい何をしてるのか分かっていないのです。赦してやってください!」
兵士たちはイエスの服を分け合うために、サイコロを振っていた。 35 人々はそこで立ちながら全てを見ていた。ユダヤ指導者たちはイエスを見て笑い、こう言った。「彼がもし本当に救い主であり、神に選ばれた者なら自分で自分を救えばいい。ハッハッハ・・・他の人のことは救ったと聞いたぞ?」
36 兵士でさえイエスを笑い、からかった。兵士たちはそこにやって来てイエスに酸っぱいワインを差し出した。 37 彼らは言った。「もし、お前がユダヤ人の王なら、自分で自分を救ってみろよ!」 38 十字架の上には、このような言葉が書かれていた——「ユダヤ人の王」——。
39 そこで、十字架に架かった犯罪者の1人がイエスを侮辱して叫んだ。「お前は救い主なんだろ?それなら自分を救って俺らも救えよ!」
40 だが、もう一方の犯罪者は彼の話をさえぎり、こう言ったのだ。「俺らは・・・もう・・・死ぬんだぞ?お前・・・神を恐れろよ・・・ 41 お前も、俺も、有罪だ。罪を犯してしまったから、死んでも仕方がない。でも・・・この方は何も悪いことをしてねぇんだ」 42 それから彼は言った。「イエスさん、あなたが王として支配をする時、どうか・・・どうか、俺のことを思い出してくれ!」
43 すると、イエスが彼に言った。「約束する。お前は今日、俺といっしょにパラダイスに行く」
イエスの死
(マタイ27:45-56; マルコ15:33-41; ヨハネ19:28-30)
44 正午になると辺りが暗くなり、午後3時までその暗闇が国中を包んだ。 45 太陽が光ることを止めたからだ。そして、ビリビリビリーー!人と神の存在を分け隔てていた神殿の幕が真っ2つに裂けた! 46 イエスが叫んだ。「お父さん、俺のいのちを・・・いのちをあなたに委ねる!」ガクンッ・・・その言葉を言った直後、イエスは息を引き取った。
47 そこにいた百人隊長はその光景を見て、神を讃えて言った。「この方は善良な人だった!」
48 多くの人々がこれを見るために街から出てきていた。彼らはその出来事を見た後、申し訳ない気持ちを持ちながら、その場を去っていった。 49 イエスの親しい友人たちもまたその場にいた。ガリラヤ地方からイエスの後を追ってきた女性たちもそこにいた。彼ら全員は、十字架から遠く離れたところに立って、これらの出来事を見ていたのだ。
埋葬されるイエス
(マタイ27:57-61; マルコ15:42-47; ヨハネ19:38-42)
50-51 ユダヤ地方のアリマタヤ出身のヨセフという男がそこにいた。彼は善良な人で、神が望むように生きる人だった。彼は神の王国が来るのを待ち望んでいたのだ。ヨセフはユダヤ最高審議会の議員だったが、他のユダヤ権力者たちがイエスを殺すことを決めた時、彼は他のリーダーたちの意見には同意しなかったのだ。 52 彼はピラト総督のところに行き、イエスの遺体の引き取りを願い出た。 53 ヨセフは遺体を十字架から降ろし、布に包んだ。それから彼は、岩壁に掘り出された墓にイエスの遺体を埋葬した。 54 この日は休日に入る準備の日であり、その日も終わりに近づいていた。そして、日没とともに休日が始まるのであった。
55 イエスと一緒にガリラヤから来た女性たちはヨセフについて行った。彼女らは墓を見て、ヨセフがイエスの体をその墓の中のどこに置いたのかを確認した。 56 その後、彼女たちは遺体に塗る甘い香りの香料を用意しに家へと帰って行った。
休日になると、彼らはモーセの掟どおりに休みを取った。
イエスに質問するピラト総督
(マタイ27:1-2, 11-14; マルコ15:1-5; ヨハネ18:28-38)
23 それからグループ全体が立ち上がり、イエスをピラト総督のもとへと連れて行った。 2 彼らはイエスを責め始め、ピラト総督に言った。「この男は、我々の伝統的な考えを変えようとしているので捕まえました。この男はカイザル様に税金を納めるべきではないと言い、また自分のことを救い主であり、王であると言うのです!」
3 ピラトはイエスに聞いた。「お主は、ユダヤ人の王なのか?」
イエスが答えた。「そうとも言えます」
4 ピラトは祭司長たちの方を向いて言った。「この男は何も悪いことはしていないではないか」
5 だが、彼らは言い続けた。「この男の教えは、ユダヤ全体で問題を引き起こしているんです!始めはガリラヤ地方、そして今、彼はこんな場所にまで・・・!」
ヘロデ王にイエスを送るピラト
6 これを聞いたピラトは、ガリラヤ出身なのかとイエスに尋ねた。 7 イエスがヘロデ王の管轄下であることを知ったピラトは、エルサレムを訪問中だったヘロデ王にイエスを送った。
8 ヘロデ王はイエスに会えてとても喜んでいた。ヘロデはイエスのことを全て聞いていて、ずっと会いたいと思っていたのだ。ヘロデ王はイエスが奇跡を見せてくれるのではと、それを期待していた。 9 ヘロデ王はイエスに多くの質問をしたが、イエスは何も言わなかった。 10 祭司長や掟の学者たちはその場に立っていて、イエスに対して大声で叫んでいた。 11 それからヘロデ王とその兵士たちは、イエスのことを笑った。王に似せたガウンをイエスに着せてバカにしたのだ。その後、イエスをピラト総督のもとへ送り返した。 12 以前まで、ピラト総督とヘロデ王はずっと対立していたが、彼らはその日から仲良くなった。
イエスを釈放しようとするピラト
(マタイ27:15-26; マルコ15:6-15; ヨハネ18:39–19:16)
13 それからピラト総督は、祭司長、他のユダヤ指導者たちを一斉に呼び集めた。 14 ピラトは彼らに言った。「お前たちはこの男を私の元に連れてきた。そして、彼が人々を変えようとしていると言った。しかし、私はお前たち全員の前で彼を詳しく調べさせてもらったが、お前たちが言う罪を彼の中で見つけることが出来なかった。 15 ヘロデも同じ結論を出し、彼を有罪にせずに私たちのところへ送り返してきた。見てみろ、彼は死刑に値するような悪いことはしていない。 16 よって、軽く罰したあと釈放することとする!」 17 ピラトは毎年、過越祭の時に囚人を一人釈放していた。——【いくつかのギリシャ語訳では、この17節が付け加えられているものが存在する】
18 だが、彼らは全員でこう叫んだ。「そいつを殺してバラバを釈放しろ〰!」 19 (バラバとは街で暴動を起こした殺人犯である)
20 ピラトはイエスを釈放したかった。そこでピラトは彼らにイエスを釈放すると言った。 21 しかし、彼らはまた叫んだ。「殺せ〰!十字架で殺せ〰!」
22 3度目にピラト総督は人々に言った。「なぜだ?彼が何をしたというのだ?こやつは無罪だ。死刑にする理由を見つけることができない!軽く罰を与えたら、彼を釈放する!」
23 しかし、人々は叫び続けた。イエスが十字架で殺されることを求めたのだ。彼らの叫びがより激しくなったので、 24 ピラト総督は彼らの望みを叶えることにした。 25 彼らの望みは暴動と殺人の罪で牢屋にいるバラバを釈放してほしいということだった。そこでピラトはバラバを釈放した。そして、イエスを死刑囚として引き渡した。これは人々が望んだことだったのだ。
イエスが十字架に釘付けにされる
(マタイ27:32-44; マルコ15:21-32; ヨハネ19:17-27)
26 兵士たちがイエスを連行した。ちょうどその時、クレネ人・シモンが畑から街にやって来ていた。兵士たちは、そのシモンに無理やりイエスの十字架を背負わせて、イエスの後ろを歩かせた。
27 大勢の人たちがイエスの後を追った。女性たちの中には悲しく泣いている者もいた。イエスのことをかわいそうに思っていたのだ。 28 だが、イエスは彼らの方に向いてこう言った。「エルサレムの女性たち、わたしのために泣かないでくれ。むしろ、自分自身と自分の子供たちのために涙を流してくれ。 29 その時が近づいています・・・『子供を産めない女性こそ、神が祝福している者たちです。世話をする子供がいないことは本当に祝福なことなのです』と、人々が言う時が来ているのです。
30 その時、人々は山に向けてこう言うでしょう。『私たちの上に崩れ落ちてきて!』そして、丘にはこう言うでしょう。『私たちをおおって!』と・・・ 31 善良な人にさえこれが起きるなら、有罪な者にはいったい何が起きるのか?」
32 また、イエスの他に2人の犯罪者が死刑にむけて連行されていた。 33 彼らは頭がい骨という場所に連れていかれた。そこで兵士たちはイエスを十字架の上に釘付けにした。彼らはまた、共にいた犯罪者をイエスの右に1人、左にも1人、釘づけにした。
34 そして、イエスは言った。「お父さん、彼らは自分たちでもいったい何をしてるのか分かっていないのです。赦してやってください!」
兵士たちはイエスの服を分け合うために、サイコロを振っていた。 35 人々はそこで立ちながら全てを見ていた。ユダヤ指導者たちはイエスを見て笑い、こう言った。「彼がもし本当に救い主であり、神に選ばれた者なら自分で自分を救えばいい。ハッハッハ・・・他の人のことは救ったと聞いたぞ?」
36 兵士でさえイエスを笑い、からかった。兵士たちはそこにやって来てイエスに酸っぱいワインを差し出した。 37 彼らは言った。「もし、お前がユダヤ人の王なら、自分で自分を救ってみろよ!」 38 十字架の上には、このような言葉が書かれていた——「ユダヤ人の王」——。
39 そこで、十字架に架かった犯罪者の1人がイエスを侮辱して叫んだ。「お前は救い主なんだろ?それなら自分を救って俺らも救えよ!」
40 だが、もう一方の犯罪者は彼の話をさえぎり、こう言ったのだ。「俺らは・・・もう・・・死ぬんだぞ?お前・・・神を恐れろよ・・・ 41 お前も、俺も、有罪だ。罪を犯してしまったから、死んでも仕方がない。でも・・・この方は何も悪いことをしてねぇんだ」 42 それから彼は言った。「イエスさん、あなたが王として支配をする時、どうか・・・どうか、俺のことを思い出してくれ!」
43 すると、イエスが彼に言った。「約束する。お前は今日、俺といっしょにパラダイスに行く」
イエスの死
(マタイ27:45-56; マルコ15:33-41; ヨハネ19:28-30)
44 正午になると辺りが暗くなり、午後3時までその暗闇が国中を包んだ。 45 太陽が光ることを止めたからだ。そして、ビリビリビリーー!人と神の存在を分け隔てていた神殿の幕が真っ2つに裂けた! 46 イエスが叫んだ。「お父さん、俺のいのちを・・・いのちをあなたに委ねる!」ガクンッ・・・その言葉を言った直後、イエスは息を引き取った。
47 そこにいた百人隊長はその光景を見て、神を讃えて言った。「この方は善良な人だった!」
48 多くの人々がこれを見るために街から出てきていた。彼らはその出来事を見た後、申し訳ない気持ちを持ちながら、その場を去っていった。 49 イエスの親しい友人たちもまたその場にいた。ガリラヤ地方からイエスの後を追ってきた女性たちもそこにいた。彼ら全員は、十字架から遠く離れたところに立って、これらの出来事を見ていたのだ。
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