Revised Common Lectionary (Semicontinuous)
王のようにエルサレムに入って行くイエス
(マタイ21:1-11; ルカ19:28-40; ヨハネ12:12-19)
11 イエスとその弟子たちは神殿の都エルサレムまであと少しのところにいた。オリーブ山のふもとの村、ベテパゲとベタニヤに到着し、イエスは2人の弟子を呼び出した。 2 イエスは彼らに言った。「これからあの町へ行ってくれ。そこには、まだ誰も乗ったことのない若いロバがいる。その綱をほどき、俺のところに連れてくるんだ。 3 『なぜロバを連れて行く?』と聞いてくる人がいれば、『主人が必要で、すぐに戻します』と答えれば良い」
4 2人の弟子たちはその町に入った。すると、家のドア近くの道に若いロバがつながれているのを見つけて、その綱をほどいた。 5 その場に立っていた人たちが不思議そうに見ていた。「あんちゃんたち、ロバの綱をほどいてどうするんだい?」 6 弟子たちはイエスが言われた通りに答え、人々は弟子たちにロバを連れて行かせた。
7 2人はイエスのもとにロバを連れてきた。弟子たちが次々に上着を脱ぎ始めると、ロバにバサッと掛けた。そして、そこにイエスは座った。 8 イエスを迎えるために、群衆が道の上に自分の上着を敷き始めた。中には、小枝を切ってイエスの通り道の上に敷く者たちもいた。 9 ある人はイエスの前を歩き、ある人は後ろから後を追って歩いた。そして、人々はこう叫んだ。
「彼を讃えよ!
迎えよ!王である神の名によって来る方に、神の祝福を!
10 父ダビデの王国に神の祝福を!
その王国が来ている!
天にいる神を讃えよ!」
11 こうして、イエスは神殿の都エルサレムに入っていったのだ。それから、イエスは神殿の敷地内に入り、神殿にある全てのものを見渡すと、既に日も暮れていたので、12使徒と一晩休むために隣町のベタニヤに向かった。
王のようにエルサレムに入って行くイエス
(マタイ21:1-11; マルコ11:1-11; ルカ19:28-40)
12 翌日、過越祭のために神殿の都エルサレムに集まっていた多くのユダヤ人たちは、イエスがこの神殿の都エルサレムに来るという話を聞き、 13 ヤシの木の枝を持って、イエスを王として歓迎するために外に出かけていた。彼らは叫んでこう言った。
「神を讃えよ~♪
歓迎しよう。王である神の名によって来る方に、神の祝福があるように~♪
イスラエルの王に、神の祝福を~♪」
14 旧約聖書にあるとおり、子供のロバを見つけ、イエスはそれにまたがった。
15 「シオンの都よ、恐れるな
見よ!お前の王が来た
彼は子ロバに乗ってやってくる」
16 この時、弟子たちはまだこの出来事が預言どおりに起きているとは理解していなかった。彼ら弟子たちは、イエスが栄光に満ちて天にのぼった後、この出来事が聖書の預言どおりだったことに気が付くのだ。
身分に捕らわれない姿勢
5 イエス・キリストの考え方なのだから見習いなさい。
6 ♪~イエスは全ての面で神と同じであった。
しかし、イエスは神と同等であっても、
そのことを自分のために使おうとは一切思わなかった。
7 それどころか、神に値する全ての権利を放棄したのだ。
そしてイエスは奴隷の地位を受け入れると、
人間として生き、その生涯を歩んだのだ。
8 イエスは自らを低くし、全身全霊で神のために尽くしたのだ。
そう!彼は死を迎え、十字架で死なれた時でさえも神に従い尽くした。
9 だからこそ、神はイエスの地位を頂点まで引き上げ、
この世の全ての名の中で最も優れた名を与えたのだ。
10 こうして全ての人間が、イエスを見てひれ伏し、イエスに敬意を表すのだ。
それは地上にいるものはもちろん、天にいる者も地の下にいる者さえも、イエスを拝むのだ。
11 そして彼らは口をそろえてこう言う。「イエス・キリストは王だ」と。
こうしてこのことが父である神に栄光を与えることとなるのだ♫~
イエスを殺す計画
(マタイ26:1-5; ルカ22:1-2; ヨハネ11:45-53)
14 過越祭と酵母菌なしパン祭りの2日前のこと。祭司長や掟の学者たちは、人に見られることなくイエスを逮捕する方法はないものかと話し合っていた。 2 彼らは言った。「祭りの最中にイエスを捕まえることはできない。民衆の怒りを買い、暴動が起きるだろうから・・・」
イエスを敬う女性
(マタイ26:6-13; ヨハネ12:1-8)
3 イエスは、恐ろしい皮膚病に苦しんでいたシモンの家があるベタニヤの村にいた。そこで彼が食事をしていると、手に石膏の壺を持った1人の女性が彼のもとにやって来た。その壺には、純粋なナルド油で作られた非常に高価な香油が入っていた。彼女はイエスに近づくとポンッと壺を開け、敬意と感謝の意を持ってイエスの頭にツーッと香油を注いだ。
4 そこにいる何人かの人は、この行為に対してムカッとくると、そろって文句を言った。「え?高級な香油だろ?もったいねぇ! 5 それだけで年収ぐらいはするよ。それを売っていれば、貧しい人たちにお金を配れたはずなのに!」彼らはガミガミと女性に向かって言った。
6 するとイエスは、「やめろ!俺のために良くしてくれたというのに、なぜ彼女を責めるのだ? 7 貧しい人たちはいつも身近にいる。彼らを助けることはいつだってできるはずだ!だが、俺はいつまでも一緒にいるわけじゃない。 8 彼女は俺のために最善をつくし、俺の埋葬に備え、体に香油を注いでくれたのだ。 9 約束する。最高な知らせが世界中に広まる時、彼女がした事も同様に世界に知れ渡る!彼女は、永遠に忘れられることがない!」 と言った。
イエスの敵に加担するユダ
(マタイ26:14-16; ルカ22:3-6)
10 それから、12使徒の1人であるイスカリオテ人のユダは祭司長たちの所に行くと、イエスを引き渡すことについて彼らと話し合いを持った。 11 その提案こそ願ったり叶ったりだった祭司たちは、喜んで彼に報酬を支払うことを約束した。こうして、ユダはイエスを彼らに引き渡す絶好の機会をうかがっていた。
過越の食事
(マタイ26:17-25; ルカ22:7-14, 21-23; ヨハネ13:21-30)
12 酵母菌なしパン祭りの初日・・・この日は過越の日ということで、子羊が殺されていた。イエスの弟子が彼のところに来るとこう尋ねた。「俺らはイエスが過越しの食事を食べるために、全ての準備をしに行くよ!どこで食事を取りたいですか?」
13 そこでイエスは2人の弟子を町に遣わし、彼らにこう言った。「町に行くと、水瓶を持っている男がお前たちの所に来る。そしたら彼の後について行くんだ。 14 水瓶を持った男が家に入ったら、『お供と一緒に過越しの食事をする部屋を見せてほしいと先生から頼まれた』と、家の主人に伝えればいい。 15 主人は俺たちのために用意された2階にある広い部屋へと案内してくれるはずだ。そこで、食事の準備を整えてくれ!」
16 弟子たちが町に着くと、全てイエスの言った通りに事が進んだ。こうして、彼らはその家で過越しの食事の準備をした。
17 夕方になると、イエスは12使徒を連れて、その家に入った。 18 食事の最中に、イエスが言った。「今、食事を共にしているうちの1人が、俺を敵の手に引き渡す!」
19 弟子たちはこれを聞いてとても悲しくなった。彼らは1人1人、イエスに言った。「絶対に俺じゃない!」
20 イエスが答えた。「俺を裏切るのは、12人のうちの1人。そう、俺と同じ器にパンを浸している者だ。 21 人の子は聖書に記されている通り、苦しみを受けることになる。だが人の子を裏切って、殺すために敵の手に引き渡すことなんて非常に悪い事だ!そいつは生まれてこなかった方がまだましだった・・・」
最後の晩餐(聖餐式)
(マタイ26:26-30; ルカ22:15-20; 1コリント11:23-25)
22 それからイエスは食事を続け、パンを取ると神に感謝を捧げて、そのパンを裂いて弟子たちに配った。「このパンは俺の体だ。さあ取って食べるんだ」
23 次に、ワインの入った杯をひとつ取り、神に感謝を捧げると、同じように弟子たちに回していった。 24 それから彼は言った。「このワインは、神と人が新しい約束を結ぶために流される俺の血だ。 25 言っておくが、神の王国で新しくなったワインを飲むその日まで、俺が再びワインを口にすることはない」
26 それから、イエスと弟子たちは歌を歌い♪~♫~♪~♫、オリーブ山に向けて出発した。
イエスを否定するペテロについて
(マタイ26:31-35; ルカ22:31-34; ヨハネ13:36-38)
27 その後、イエスが弟子たちに言った。「お前たちが俺に抱く信頼は崩れる。聖書にはこうある。
『わたしは羊飼いを殺す、
そして、羊は逃げる』
28 だが、俺は殺された後、死から復活し、ガリラヤ地方へ行く。その後、俺はそこでお前たちを待つ!」
29 ペテロが言った。「たとえ他の誰かが裏切ろうとも、この俺は決してあなたを裏切ったりしない!」
30 イエスが答えた。「・・・真実はこうだ!今夜お前は俺のことを知らないと言う。雄鶏が2回鳴く前に、3度俺のことを知らないと言うだろう」
31 だが、ペテロは強くそれに反論した。「俺は絶対に!絶対に、イエスを知らないなんて言わない!俺はイエスと共に死ぬ覚悟だってできてる!」他の弟子たちも続けざまに同じことを言った。
1人で祈りにいくイエス
(マタイ26:36-46; ルカ22:39-46)
32 イエスと弟子たちはゲツセマネと呼ばれている場所に行った。イエスは彼らに言った。「祈ってくるから、ここに座っていてくれ」 33 しかしイエスは、ペテロ、兄ヤコブと弟ヨハネだけには一緒に来るようにと言った。ゔッ・・・・・イエスは苦しみのあまり嘆き悲しんでいた。 34 そこでイエスが彼らに言った。「俺は悲痛のあまり、心が張り裂けそうだ。目を覚まして、ここで待っていてくれ」
35 イエスは弟子から少し離れたところまで行くと、その場にひれ伏して祈り始めた。 36 イエスは言った。「アバ、あなたにできないことはない。俺がこの苦しみの杯を飲まなくても済むようにしてほしい・・・でも俺の望むことじゃなくて、アバの望むことをしてくれ」——【アバ:アラム語で「父」】
37 イエスが弟子たちのもとに戻ると、zzZ・・・彼らはぐっすり眠っていた。そこで、イエスはペテロに言った。「おい、シモン!なぜ寝ている?俺と一緒に1時間も起きていられないのか? 38 しっかりと目を覚まして、誘惑に負けることがないように祈るんだ。霊が正しくありたくても、人間の体は弱い!」
39 イエスは、再び弟子たちから離れて、同じことを祈った。 40 イエスが弟子たちのところに戻ってくると、また彼らは寝ているではないか。彼らは目を開け続けることができなかった。彼らはイエスに言うべき言葉が見つからなかった。
41 イエスが3度目に祈った後、イエスは再び彼らのところへ戻った。イエスは彼らに言った。「お前たちはまだ寝て休んでいるのか?もういい、人の子が闇の手に落ちる時がきた。 42 立て!行かなきゃならない。わたしを引き渡そうとしている男がやってきた・・・」
逮捕されるイエス
(マタイ26:47-56; ルカ22:47-53; ヨハネ18:3-12)
43 イエスの話しが終わらないうちに、12弟子の1人、イスカリオテ人のユダが剣やこん棒を持った武装集団を引き連れながらやって来た。彼らは、祭司長や掟の学者たちをはじめとした長老たちに派遣されたのだ。
44 イエスを裏切ったこの弟子は、どの人がイエスなのかを伝える合図を送ることを事前に話していた。ユダは言った。「いいか、俺が口づけのあいさつをする人を捕まえるんだ。連行する時は逃がさないよう注意しろよ・・・」 45 そこでユダはイエスのところに行き言った。「あ、先生!」それからイエスに口づけのあいさつをした。 46 すると、武装集団がイエスを取り押さえた。 47 にゃろォォォ・・・スパッ・・・イエスの近くにいた弟子の1人が自らの剣を抜くと、武装した男に向かって剣を振りかざした。ぼとッ・・・地面に落ちたのは大祭司の召使いの耳だった。
48 すると、イエスが彼ら連中たちに言った。「なぜ犯罪者を捕まえるかのように、剣やこん棒を持ってきた? 49 俺は逃げたり隠れたりすることもなく、毎日神殿の敷地内で教えていたじゃないか。なぜそのときに捕まえない?・・・まあいい、聖書に記されたことが完全になされるために起きたまでだ」 50 イエスが捕まると、弟子たち全員は一目散にその場から逃げていった。
51 イエスの弟子の中の一人である青年は、亜麻布の服しか着ていなかったが武装集団に服を掴まれたため、 52 服をさっと脱ぎ捨てると裸のまま逃げていった。
宗教指導者たちの前にいるイエス
(マタイ26:57-68; ルカ22:54-55, 63-71; ヨハネ18:13-14, 19-24)
53 イエスを捕えた武装集団は、イエスを大祭司のもとに連行した。そこには祭司長たちや長老たち、そして、掟の学者など宗教関係の首領たちが集結していた。殺したくてたまらないイエスの顔を拝みに来ていたのだ。 54 そのころ、ペテロはというと・・・距離を保ちながら、イエスの後をつけていた。そして大祭司の庭に入り、焚き火で体を温めている看守たちにこっそり紛れ込んでいた。
55 祭司長や最高審議会の議員たちは、イエスの汚点をさっさと見つけて、死刑にする気満々だった。しかし、十分な証拠が全くもって見つからない。 56 ウソの証言をする連中が大勢集まってきたが、彼ら全員の言うことはばらばらで一致しなっかったのだ。
57 すると、そこにいた数人がザッと立ち上がり、ウソにウソを重ねて作られたウソの証言を言いだした。 58 「私たちは、この人が『私は人の手で造られたこの神殿を壊し、3日目に人の手を一切借りることなく、別の神殿を建てる』と言ったのを確かに聞きました!」 59 しかし、彼らの話もまたもや食い違う。
60 それから大祭司はみんなの前に立ってイエスに言った。「彼らがあなたにとって不利な証言をしていますが。これらの訴えに対し何か反論はありますか?それとも彼らの言っていることは誠ですか?」 61 しかし、質問に答える気配が全くないイエスに、大祭司は別の質問をした。「君は神の子、救い主なのですか?」
62 イエスが口を開いて答えた。「その通りです。みなさんはいずれ、神の子が全能である神の右の座に腰をすえている姿を見る。そして、人の子が雲に乗ってやって来る光景を目の当たりにする」——【ダニエル書7:13より引用】
63 「んなッ、ナニィーー!」ビリビリビリィィィーー!大祭司は怒り狂って、自分の服をひき裂いた・・・!「もう十分だ!これ以上の証言はいらん! 64 我々は聞いた!今まさにこの耳で!この男が神を侮辱するのを!異論ある者はいるか?どう思う?」
そこにいた人全員がイエスは有罪であり、殺されるべきだと思っていた。 65 ペッ、ペッ!そのうちの何人かは、イエスに向かって唾を吐きかけた。ビシッ、ボコッ、ゴキ・・・・・彼らはイエスに目隠しをしてイエスを殴った!彼らは言った。「てめぇが本当に預言者なら、誰が殴ったか当ててみろよ!」看守たちはイエスを連れ去り、さらに殴りつけたのだ。
イエスを知らないと言うペテロ
(マタイ26:69-75; ルカ22:56-62; ヨハネ18:15-18, 25-27)
66 そのころペテロはというと、まだ大祭司の庭の焚き火のそばで体を温めていた。そこへ大祭司の召使いである少女がやって来た。 67 彼女は火のそばで体を温めているペテロを見ると、彼の顔を近くで確認し、こう言った。「ナザレ村のイエスと一緒にいた人ですよね?」
68 「なに意味の分からないこと言ってるんだ!俺は知らん!」そう言うと、ペテロは彼女の言葉を否定し、慌ててその場を去り庭の出口へと向かって行った・・・コケッコッコーー!雄鶏が鳴いた。
69 ペテロを見た召使いの少女は、そこに立っていた周りの人たちに再び言った。「ねぇ!あの人、あの男の弟子ですよ!」
70 すると、もう一度ペテロはそれは真実じゃないと言った。「違うって言ってんだろ!」
すると、周りに立っていた人たちの目線が一斉にペテロに向いた。「間違いない!あの男の仲間だ。ガリラヤ出身の!」
71 それからペテロは呪いの言葉を発して言った。「ふざけるな!神に誓って言うが、あいつのことなんて俺は知らん!」
72 ペテロがそう言うとすぐに、雄鶏が2回目の鳴き声を上げた。コッケコッコォォォ・・・・・・ハッ!そして、ペテロはイエスが言っていたことを思い出した。「雄鶏が二度鳴く前に、イエスを三度知らないと言う」と・・・。そして、ペテロは泣き始めた・・・
イエスに質問するピラト総督
(マタイ27:1-2, 11-14; ルカ23:1-5; ヨハネ18:28-38)
15 早朝、祭司長や長老たち、また掟の学者たちや最高審議会の議員たちは、イエスを処刑すると決めていた!彼を縛って、さっそくピラト総督のもとへイエスを連行した。
2 ピラト総督がイエスに聞いた。「聞くところによると、お主はユダヤ人の王なのか?」
イエスが答えた。「そうとも言うことができる」
3 祭司長たちは多くのことでイエスを訴えた。 4 それを知ったピラト総督はイエスにもう1つ質問をした。「これだけ多くの者が訴えておるというのに、お主は黙っているのか?」
5 弁解どころか、気にもしてないイエスの様子に、なおさら驚いたピラト総督であった。
イエスを釈放しようとするピラト
(マタイ27:15-31; ルカ23:13-25; ヨハネ18:39–19:16)
6 毎年、過越祭の日には人々が選んだ囚人を1人、釈放する習慣があった。 7 監獄には、バラバという名の囚人がいた。バラバは、彼の仲間とともに殺人を犯した罪状で牢屋に入れられている悪党であった。
8 人々がピラト総督のもとにきて、いつものように囚人を解放するようにと頼んだ。 9 ピラト総督は群衆に尋ねた。「俺にユダヤ人の王を釈放してほしいか?」 10 ピラトは察していた。イエスが連行されたのは祭司長たちの嫉妬心のみが原因だと。 11 とんでもない!と慌てた様子で祭司長たちは、イエスではなく悪党バラバを釈放するようにと民衆に促した。「バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ・・・・・・!」
12 ピラト総督は群衆にもう一度聞いた。「それならお主らは、このユダヤ人の王という男をどうしてほしいのだ?」
13 群衆は叫んだ。「十字架で殺せぇ〰〰〰〰!」
14 ピラト総督は聞いた。「なに?なぜだ?こやつが一体何をしたと言うのだ?」
しかし、群衆はさらに大きな声で叫んだ。「じゅ〰じ〰か!じゅ〰じ〰か!!じゅ〰じ〰か!」
15 ピラト総督は人々を喜ばせたかったので、悪党バラバの釈放を承認した。そして、イエスをムチで打ち、極悪人にのみが受ける十字架で処刑することを兵士に命じた。
16 ピラトの兵士たちは、イエスをピラトの官邸へ連行した。そして、仲間の兵士たちを全員呼び集めた。 17 イエスに紫色のガウンを着せ、鋭いトゲのイバラで冠を作り、頭にかぶせた。
18 彼らはイエスにあいさつをし始めた。「おーこれは、これは!ユダヤの王様、敬礼!プ・・・ブワッハッハッハァ!」 19 そして、兵士はイエスの頭を何度も棒で殴り倒し、ペッと唾を吐きかけた!それから兵士らは、イエスの前にひざまづいて見せた。まるで、王にひざまづくかのように皮肉ったのだ。 20 イエスをからかい終えた後、紫のガウンを脱がせ、元々着ていたイエスの服を着せた。そして、イエスを十字架で処刑するために、官邸から連れ出した。
イエスが十字架に釘付けにされる
(マタイ27:32-44; ルカ23:26-43; ヨハネ19:17-19)
21 その近くをアレキサンドルとルファスの父親であるシモンというクレネ人の男が田舎から町に向かって歩いていた。すると突然、クレネ人のシモンは、兵士たちにイエスの十字架を背負うようにと命令された。 22 兵士たちがイエスたちに向かわせていたのは、ゴルゴダと呼ばれる場所だった。(ゴルゴダとは「頭がい骨の地」という意味) 23 そこで兵士らは、麻酔の効果があると言われていた没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに差し出したが、イエスはそれを飲むことを断った。 24 カンッ、カンッ、カンッ・・・・・・兵士たちは、イエスの体を釘で打ち付けて十字架にはりつけた。それから兵士らは、イエスが着ていた服を切り分け、誰がどの部分を貰うかをサイコロで決めていた。
25 兵士たちがイエスを十字架に架けたのは、朝の9時ごろだった。 26 イエスの頭の上には、イエスの罪状を記した看板が取り付けられていた。そこには——「ユダヤ人の王」——と書かれていた。 27 また、イエスの両側には犯罪者が2人、同じようにして十字架にかけられていた。 28 「その方は犯罪者と一緒に置かれた」という聖書のことばが実現したのだ。——【いくつかのギリシャ語訳では、この28節が付け加えられているものが存在する】
29 その場を通りがかる人はイエスに近寄っては侮辱してあざ笑い、「あらら、あんたは神殿を壊して、3日で建て直せるんじゃなかったの? 30 だったらその前に自分を助けてみたら?その十字架から降りてきなよ!」
31 そこにいた祭司長や掟の学者たちは、お腹を抱えてイエスをあざ笑うと、こう口にした。「あいつは他の人を救ったのに、自分は救えないんだな! 32 もし、あいつが本当に救い主で、イスラエルの王なら、今すぐその十字架から降りるはずだろ。それさえ見ることができたら、俺らはお前を信じてやるよ!」さらに、イエスの横ではりつけられていた犯罪者たちもイエスを侮辱した。
イエスの死
(マタイ27:45-56; ルカ23:44-49; ヨハネ19:28-30)
33 ブオオオオオ・・・・・・正午になると、国中が暗闇に包まれた。そして、その暗闇は3時ごろまで続いた。 34 3時になった時、イエスは力をふりしぼって叫んだ。「エロイ!エロイ!ラマ、サバクタニ?」
35 その声は、そこらに立っていた人たちにも聞こえた。彼らは言った。「おい聞けって・・・こいつ、エリヤを呼んでる!」——【その場にいた人々は、イエスが言った「エロイ」が、紀元前850年頃に活躍した伝説の預言者「エリヤ」の名前を叫んでいるのかと思った】
36 1人の男が慌てて走り出したかと思うと、スポンジを手に取り、水を混ぜた酸味のあるワインを吸わせて棒に結びつけた。そして、はりつけられたイエスへその棒を伸ばし、それを飲ませようとした。そしてその男は、「おい、待て!預言者エリヤが彼を救いに来るかどうか、確かめてみよう・・・!」と言った。
37 その後、イエスは大声で叫ぶと、そのまま息を引き取った。
38 バ、バリバリバリィーー!イエスが死ぬと同時に、神の存在と人とを分け隔てていた神殿の幕が上から下まで勢いよく真っ2つに裂けた! 39 十字架の正面に立っていた軍の将校は、イエスの死に様を見て確信した。「こ、こ、この方は、ほ、ほ、本当に神の子だった!」
40 その一部始終を離れた所から見守っていたのは、イエスの仲間であった女たちだった。その中にはマグダラのマリア、サロメ、そして若いヤコブの母とヨセのマリアがいた。 41 イエスがガリラヤ地方にいた時、いつも面倒を見ていたのは彼女たちだ。またその他にも、イエスと一緒に神殿の都エルサレムに来た女たちが大勢いた。
埋葬されるイエス
(マタイ27:57-61; ルカ23:50-56; ヨハネ19:38-42)
42 前夜祭の日・・・すなわち休日の前日である金曜日。太陽が沈み始め、辺りが暗くなりはじめた頃のこと・・・ 43 アリマタヤ出身のヨセフという男が、勇敢にもピラト総督にイエスの体を引き取らせてほしいと願い出た。彼は、最高審議会でも重役である議員の1人で、何よりも神の王国を待ち望んでいる男だった。
44 ピラト総督は、イエスがすでに息を引き取ったと聞いて驚いた。そこで彼は将校を呼び、イエスがすでに死んでいるかどうかを確認させた。 45 ピラト総督がイエスの死の報告を将校から聞くと、ヨセフに体を引き取らせる許可を与えた。
46 ヨセフは即座に高価な亜麻布を購入し、彼は遺体を十字架から降ろし、購入した布にイエスの遺体を包んだ。それから、山の側面を掘って造られた立派な墓に遺体を持って行き、そこに埋葬した。最後に、墓の扉となる大きな岩をゴロゴロと転がし、入り口をふさいだ。 47 この時、マグダラのマリアとヨセの母マリアは、イエスが入れられた墓を見た。
イエスに質問するピラト総督
(マタイ27:1-2, 11-14; ルカ23:1-5; ヨハネ18:28-38)
15 早朝、祭司長や長老たち、また掟の学者たちや最高審議会の議員たちは、イエスを処刑すると決めていた!彼を縛って、さっそくピラト総督のもとへイエスを連行した。
2 ピラト総督がイエスに聞いた。「聞くところによると、お主はユダヤ人の王なのか?」
イエスが答えた。「そうとも言うことができる」
3 祭司長たちは多くのことでイエスを訴えた。 4 それを知ったピラト総督はイエスにもう1つ質問をした。「これだけ多くの者が訴えておるというのに、お主は黙っているのか?」
5 弁解どころか、気にもしてないイエスの様子に、なおさら驚いたピラト総督であった。
イエスを釈放しようとするピラト
(マタイ27:15-31; ルカ23:13-25; ヨハネ18:39–19:16)
6 毎年、過越祭の日には人々が選んだ囚人を1人、釈放する習慣があった。 7 監獄には、バラバという名の囚人がいた。バラバは、彼の仲間とともに殺人を犯した罪状で牢屋に入れられている悪党であった。
8 人々がピラト総督のもとにきて、いつものように囚人を解放するようにと頼んだ。 9 ピラト総督は群衆に尋ねた。「俺にユダヤ人の王を釈放してほしいか?」 10 ピラトは察していた。イエスが連行されたのは祭司長たちの嫉妬心のみが原因だと。 11 とんでもない!と慌てた様子で祭司長たちは、イエスではなく悪党バラバを釈放するようにと民衆に促した。「バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ・・・・・・!」
12 ピラト総督は群衆にもう一度聞いた。「それならお主らは、このユダヤ人の王という男をどうしてほしいのだ?」
13 群衆は叫んだ。「十字架で殺せぇ〰〰〰〰!」
14 ピラト総督は聞いた。「なに?なぜだ?こやつが一体何をしたと言うのだ?」
しかし、群衆はさらに大きな声で叫んだ。「じゅ〰じ〰か!じゅ〰じ〰か!!じゅ〰じ〰か!」
15 ピラト総督は人々を喜ばせたかったので、悪党バラバの釈放を承認した。そして、イエスをムチで打ち、極悪人にのみが受ける十字架で処刑することを兵士に命じた。
16 ピラトの兵士たちは、イエスをピラトの官邸へ連行した。そして、仲間の兵士たちを全員呼び集めた。 17 イエスに紫色のガウンを着せ、鋭いトゲのイバラで冠を作り、頭にかぶせた。
18 彼らはイエスにあいさつをし始めた。「おーこれは、これは!ユダヤの王様、敬礼!プ・・・ブワッハッハッハァ!」 19 そして、兵士はイエスの頭を何度も棒で殴り倒し、ペッと唾を吐きかけた!それから兵士らは、イエスの前にひざまづいて見せた。まるで、王にひざまづくかのように皮肉ったのだ。 20 イエスをからかい終えた後、紫のガウンを脱がせ、元々着ていたイエスの服を着せた。そして、イエスを十字架で処刑するために、官邸から連れ出した。
イエスが十字架に釘付けにされる
(マタイ27:32-44; ルカ23:26-43; ヨハネ19:17-19)
21 その近くをアレキサンドルとルファスの父親であるシモンというクレネ人の男が田舎から町に向かって歩いていた。すると突然、クレネ人のシモンは、兵士たちにイエスの十字架を背負うようにと命令された。 22 兵士たちがイエスたちに向かわせていたのは、ゴルゴダと呼ばれる場所だった。(ゴルゴダとは「頭がい骨の地」という意味) 23 そこで兵士らは、麻酔の効果があると言われていた没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに差し出したが、イエスはそれを飲むことを断った。 24 カンッ、カンッ、カンッ・・・・・・兵士たちは、イエスの体を釘で打ち付けて十字架にはりつけた。それから兵士らは、イエスが着ていた服を切り分け、誰がどの部分を貰うかをサイコロで決めていた。
25 兵士たちがイエスを十字架に架けたのは、朝の9時ごろだった。 26 イエスの頭の上には、イエスの罪状を記した看板が取り付けられていた。そこには——「ユダヤ人の王」——と書かれていた。 27 また、イエスの両側には犯罪者が2人、同じようにして十字架にかけられていた。 28 「その方は犯罪者と一緒に置かれた」という聖書のことばが実現したのだ。——【いくつかのギリシャ語訳では、この28節が付け加えられているものが存在する】
29 その場を通りがかる人はイエスに近寄っては侮辱してあざ笑い、「あらら、あんたは神殿を壊して、3日で建て直せるんじゃなかったの? 30 だったらその前に自分を助けてみたら?その十字架から降りてきなよ!」
31 そこにいた祭司長や掟の学者たちは、お腹を抱えてイエスをあざ笑うと、こう口にした。「あいつは他の人を救ったのに、自分は救えないんだな! 32 もし、あいつが本当に救い主で、イスラエルの王なら、今すぐその十字架から降りるはずだろ。それさえ見ることができたら、俺らはお前を信じてやるよ!」さらに、イエスの横ではりつけられていた犯罪者たちもイエスを侮辱した。
イエスの死
(マタイ27:45-56; ルカ23:44-49; ヨハネ19:28-30)
33 ブオオオオオ・・・・・・正午になると、国中が暗闇に包まれた。そして、その暗闇は3時ごろまで続いた。 34 3時になった時、イエスは力をふりしぼって叫んだ。「エロイ!エロイ!ラマ、サバクタニ?」
35 その声は、そこらに立っていた人たちにも聞こえた。彼らは言った。「おい聞けって・・・こいつ、エリヤを呼んでる!」——【その場にいた人々は、イエスが言った「エロイ」が、紀元前850年頃に活躍した伝説の預言者「エリヤ」の名前を叫んでいるのかと思った】
36 1人の男が慌てて走り出したかと思うと、スポンジを手に取り、水を混ぜた酸味のあるワインを吸わせて棒に結びつけた。そして、はりつけられたイエスへその棒を伸ばし、それを飲ませようとした。そしてその男は、「おい、待て!預言者エリヤが彼を救いに来るかどうか、確かめてみよう・・・!」と言った。
37 その後、イエスは大声で叫ぶと、そのまま息を引き取った。
38 バ、バリバリバリィーー!イエスが死ぬと同時に、神の存在と人とを分け隔てていた神殿の幕が上から下まで勢いよく真っ2つに裂けた! 39 十字架の正面に立っていた軍の将校は、イエスの死に様を見て確信した。「こ、こ、この方は、ほ、ほ、本当に神の子だった!」
40 その一部始終を離れた所から見守っていたのは、イエスの仲間であった女たちだった。その中にはマグダラのマリア、サロメ、そして若いヤコブの母とヨセのマリアがいた。 41 イエスがガリラヤ地方にいた時、いつも面倒を見ていたのは彼女たちだ。またその他にも、イエスと一緒に神殿の都エルサレムに来た女たちが大勢いた。
埋葬されるイエス
(マタイ27:57-61; ルカ23:50-56; ヨハネ19:38-42)
42 前夜祭の日・・・すなわち休日の前日である金曜日。太陽が沈み始め、辺りが暗くなりはじめた頃のこと・・・ 43 アリマタヤ出身のヨセフという男が、勇敢にもピラト総督にイエスの体を引き取らせてほしいと願い出た。彼は、最高審議会でも重役である議員の1人で、何よりも神の王国を待ち望んでいる男だった。
44 ピラト総督は、イエスがすでに息を引き取ったと聞いて驚いた。そこで彼は将校を呼び、イエスがすでに死んでいるかどうかを確認させた。 45 ピラト総督がイエスの死の報告を将校から聞くと、ヨセフに体を引き取らせる許可を与えた。
46 ヨセフは即座に高価な亜麻布を購入し、彼は遺体を十字架から降ろし、購入した布にイエスの遺体を包んだ。それから、山の側面を掘って造られた立派な墓に遺体を持って行き、そこに埋葬した。最後に、墓の扉となる大きな岩をゴロゴロと転がし、入り口をふさいだ。 47 この時、マグダラのマリアとヨセの母マリアは、イエスが入れられた墓を見た。
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