Old/New Testament
23 そんな時、悪の霊に取り憑かれた男がユダヤ集会所にやってきたかと思うと、突然叫びだすではないか! 24 「ナザレのイエスめ、何の用でこんなところに来た?さては俺たちを滅ぼしに来たのか?お前の正体などすでにお見通しだぞ。神の聖なる者め」
25 イエスは警告と共に語った。「黙れ、彼から出て行け!」
26 悪霊は男の体をブルブルと震わせ、叫び声を上げて出て行った。
27 それを見た人たちは恐怖のあまり心臓が止まりそうだった。「いったい、何が起きてるんだ?こんなの見たことも聞いたこともないぞ!あの方の言葉にはとてつもない権威がある!悪霊さえも従うなんて・・・!」 28 こうして、イエスの評判はガリラヤ中に爆発的に広まっていったのだ。
ペテロの義理の母を癒すイエス
(マタイ8:14-15; ルカ4:38-39)
29 イエスと弟子たちは、シモンとアンデレ兄弟の家に行くため、ユダヤ集会所を後にした。もちろんヤコブ、ヨハネ兄弟も一緒だ。 30 彼らが到着するとすぐ、イエスはシモンの義理の母が高熱でうなされていることを聞いた。 31 すると、イエスは彼女のそばに行き、彼女の手を取るとスッと立たせた。彼女から熱が引くと、彼女は弟子たちをもてなし始めた。
多くを癒すイエス
(マタイ8:16-17; ルカ4:40-41)
32 夕方、日が沈んだ後、人々は病気の人や悪霊に取り憑かれた人をイエスのもとへと連れて来た。——【当時、日の沈みを境に日付が変わった。また、致命傷以外の治療は仕事としてみなすユダヤ人が多くいたため、休日の終わりを待つしかなかった】 33 町の人たちがその家のドアに集まった。 34 イエスはさまざまな種類の病人を癒し、また多くの悪霊を人々から追い出した。悪霊を追い出す際、イエスは悪霊たちの口を開かせなかった。なぜなら悪霊たちは知っていたからだ。イエスがどんな方かということを。——【悪霊はイエスが神の子であり、救い主だと知っていた】
他の町々を訪れるイエス
(ルカ4:42-44)
35 翌朝、一人で祈るためにイエスは家を出た。外はまだ暗くて涼しい。 36 イエスの姿が見えなくなってからだいぶ時間が経ち、何の音沙汰もなかったため、シモンは弟子を連れてイエスを探しに出かけていった。 37 イエスを見つけた彼らは「みんな探してたんですよ!」 と言った。
38 イエスは答えた。「今から近くの町や村へ行って、最高な知らせを伝えるぞ。俺はそのために来たからな!」 39 こうして、イエスはガリラヤ地方にあるユダヤ集会所をくまなく回り、最高な知らせを伝え、悪霊に取り憑かれた人たちを解放してあげたのだった。
病人を癒すイエス
(マタイ8:1-4; ルカ5:12-16)
40 ドスッ!ある時、重い皮膚病に侵された男がイエスの前に来て、ひざまづいた。「あなたには私を治す力があります!あなたが望むのなら、どうか・・・!」
41 イエスは心を打たれた・・・。「もちろんじゃないか!さあ、よくなれ!」 42 イエスが彼に触れると、皮膚病はスーっと治っていった。
43 イエスはその男を帰らせると、周りの人にどう振る舞うべきかについて彼に強く忠告を与えた。 44 「いいか、このことはだれにも話してはいけない。だが、自分の体を祭司に診てもらい、神へ捧げものをするんだ。そうすれば、あなたが完治したことが誰の目にもはっきり分かるだろう!」皮膚病が治った男は、感謝して別れのあいさつをした。 45 しかし、その男はそこを去った後、この目でイエスが自分の体を癒したのを見た!とみんなに伝えてしまったのだ。それにより、イエスについての噂が広まってしまった。そのため、イエスは人目を引くようになり、スムーズに町へと入ることができなくなってしまった。こうしてイエスは、誰も住んでいない場所に滞在するようになった。しかし、人々はイエスの噂をかぎつけ、町という町の全ての人が彼に会おうと押し寄せた。
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