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Old/New Testament

Each day includes a passage from both the Old Testament and New Testament.
Duration: 365 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
創世記 27-28

祝福をだまし取るヤコブ

27 イサクは年をとり、目がほとんど見えなくなりました。そんなある日、長男のエサウを呼びました。

「エサウかい?」

「はい。何ですか、お父さん。」

2-4 「私ももう年だ。いつお迎えが来るかわからない。これから鹿を取って来てくれないか。私の好きな鹿肉料理を知ってるな。あの、実にうまい、何とも言えない味の料理だ。あれを作って持って来てくれ。そして、死ぬ前に長男のおまえを祝福したいのだ。」

ところが、二人の話をリベカが立ち聞きしていたのです。 6-7 エサウが鹿を取りに出かけてしまうと、彼女は次男ヤコブを呼び、一部始終を話しました。

8-10 「さあヤコブ、言うとおりにするのです。群れの中から上等の子やぎを二頭引いておいで。それで私がお父さんの好きな料理を作るから、お父さんのところへ持ってお行き。食べ終わったら、お父さんは亡くなる前に、エサウではなく、おまえを祝福してくださるでしょう。」

11-12 「だけどお母さん、そんなに簡単にはいきませんよ。だいいち、兄さんは毛深いのに、僕の肌はこんなにすべすべです。お父さんがさわったら、すぐにばれてしまいます。そのあげく、お父さんはだまされたと思って、祝福するどころか、のろうに決まってます。」

13 「もしそんなことになったら、私が代わりにのろいを受けます。今は言うとおりにしなさい。さあ、何をぐずぐずしてるの。早く子やぎを引いておいで。」

14 ヤコブは言われたとおりにしました。連れて来た子やぎで、リベカは夫の好物の料理を作りました。 15 それから、家に置いてあったエサウの一番良い服を出して、ヤコブに着せました。 16 また、やぎの毛皮を手にかぶせ、首の回りにも毛皮を巻きました。 17 あとは、おいしそうなにおいのしている肉料理と焼きたてのパンを渡して、準備完了です。 18 ヤコブは内心びくびくしながら、それらを持って父親の寝室に入りました。

「お父さん。」

「だれだね、その声はエサウかい? それともヤコブかい?」

19 「長男のエサウです。お父さんのおっしゃるとおりにしました。ほら、お父さんが食べたがってたおいしい鹿の肉ですよ。起き上がって、座って食べてください。そのあとで、僕を祝福してください。」

20 「それはまた、ずいぶん早く鹿を捕まえたものだな。」

「ええ、主がすぐ見つけられるようにしてくださったのですよ。」

21 「それはそうと、こちらへおいで。おまえがほんとうにエサウかどうか、さわって確かめよう。」

22 そばへ行ったヤコブをイサクは手でなで回しながら、ひとり言のようにつぶやきます。「声はヤコブそっくりだが、この手はどう考えてもエサウの手だ。」

23 イサクはすっかりだまされてしまいました。そして、エサウになりすましたヤコブを祝福しようとしました。

24 「おまえは、ほんとうにエサウかい?」

「ええ、もちろん私ですよ。」

25 「では鹿肉料理を持っておいで。それを食べて、心からおまえを祝福しよう。」

ヤコブが料理を持って来ると、イサクは喜んで食べ、いっしょに持って来たぶどう酒も飲みました。

26 「さあここへ来て、私に口づけしてくれ。」

27-29 ヤコブは父のそばへ行き、頬に口づけしました。イサクは息子の服のにおいをかぎ、いよいよエサウだと思い込みました。「わが子の体は、主の恵みをたっぷり頂いた大地と野の快い香りでいっぱいだ。主がいつも十分な雨を降らせ、豊かな収穫と新しいぶどう酒を与えてくださいますように。たくさんの国がおまえの奴隷となるだろう。おまえは兄弟たちの主人となる。親類中がおまえに腰をかがめ、頭を下げる。おまえをのろう者はみなのろわれ、おまえを祝福する者はすべて祝福される。」

30 イサクがヤコブを祝福し、ヤコブが部屋を出て行くのと入れ替わるように、エサウが狩りから戻って来ました。 31 彼もまた父の好物の料理を用意し、急いで持って来たのです。「さあさあ、お父さん、鹿の肉を持って来ましたよ。起き上がって食べてください。そのあとで、約束どおり私を祝福してください。」

32 「何だと? おまえはいったいだれだ。」

「ええっ? 私ですよ。長男のエサウですよ。」

33 なんということでしょう。イサクは見る間にぶるぶる震えだしました。「では、ついさっき鹿の肉を持って来たのはだれだったのだ。私はそれを食べて、その男を祝福してしまった。いったん祝福した以上、取り消すことはできない。」

34 あまりのショックに、エサウは気が動転し、激しく泣き叫びました。「そんな、ひどいですよ、お父さん。私を、この私を祝福してください。ね、どうかお願いします、お父さん。」

35 「かわいそうだが、それはできない。おまえの弟が私をだましたのだ。そして、おまえの祝福を奪ってしまった。」

36 「ヤコブときたら、全く名前どおりだ。『だます者』〔ヤコブという名には『つかむ人』25・26以外に、この意味もある〕とは、よく言ったものだ。あいつは長男の権利も奪った。それだけでは足りず、今度は祝福までも盗んだってわけか。お父さん、念のため聞きますが、私のためには祝福を残してくれていないのですか。」

37 「すまんが、私はあれを、おまえの主人にしてしまった。おまえばかりではない。ほかの親類の者もみな、あれの召使になるようにと祈った。穀物やぶどう酒が豊かに与えられるとも保証してしまったし……、ほかにいったい何が残っているというのだ。」

38 「それでは、私にはもう何一つ祝福が残っていないとおっしゃるのですか。あんまりだ、お父さん。何とかならないのですか。どうか、どうか私も祝福してください。」

イサクは何と言ってよいかわかりません。エサウは声を上げて泣き続けました。 39-40 「おまえは一生苦労が絶えないだろう。自分の道を剣で切り開いていかなければならないのだから。ただ、しばらくは弟に仕えることになるが、結局はたもとを分かち、自由になるだろう。」

家を出るヤコブ

41 このことがあってからエサウは、ヤコブのしたことを根に持つようになりました。「お父さんも先は長くはない。その時がきたら、ヤコブのやつを必ず殺してやろう。」

42 ところが、このたくらみは感づかれてしまいました。直ちに、母リベカのところにその報告がきました。リベカは急いでヤコブを呼びにやり、エサウがいのちをねらっていることを教えました。 43 「いいね、ハランのラバン伯父さんのところへ逃げるのです。 44 ほとぼりが冷めるまで、しばらくお世話になるといいわ。 45 そのうち兄さんも、あなたのしたことを忘れるでしょう。そうなったら知らせるから。一日のうちに息子を二人とも失うなんて、とても耐えられません。」

46 そして、夫のイサクにうまく話を持ちかけました。「私はこのあたりの娘たちには我慢なりません。もういやけがさしました。もし、ヤコブがこの土地の娘と結婚することになったら、生きているかいもありません。」

28 そこで、イサクはヤコブを呼び寄せ、祝福して言いました。 「おまえはカナン人の女と結婚してはいけない。パダン・アラムに、ベトエルといってな、おまえのおじいさんの家がある。すぐにそこへ行きなさい。ラバン伯父さんの娘と結婚するのだ。 全能の神様がおまえを祝福し、たくさんの子どもを授けてくださり、たくさんの部族を持つ大きな国にしてくださるように。 おじいさんのアブラハムに約束されたすばらしい祝福が、おまえと子孫に受け継がれるように。私たちは今ここでは外国人だが、おまえの代になって、この地を手に入れることができるように祈る。神様がおじいさんに約束されたように。」

こうしてイサクは、ヤコブをパダン・アラムのラバンのもとへ送りました。アラム人ベトエルの子ラバンは、リベカの兄で、ヤコブの伯父に当たります。

6-8 エサウは、父親がこの土地の娘たちを快く思っていないこと、そして両親が、ヤコブの結婚相手をカナン人の女からではなくパダン・アラムで見つけるために、ヤコブを祝福したうえで送り出したことを知りました。ヤコブも両親の言いつけどおり出発したといいます。 それでエサウは、伯父イシュマエルの家へ行き、今いる妻のほかに、さらに妻をめとりました。アブラハムの子イシュマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテでした。

10 さて、ヤコブはベエル・シェバを出発し、ハランへ向かいました。 11 とある場所まで来ると、日がとっぷり暮れたので、野営することにしました。あたりに転がっている石を枕に、ごろんと横になりました。

12 その晩のことです。ヤコブは不思議な夢を見ました。目の前に天までも届く階段がそびえ、神の使いが上ったり下りたりしているのです。 13 ふと見ると、神がそばに立っておられます。「わたしは神、アブラハムの神、あなたの父イサクの神、主である。あなたがいま寝ている土地はあなたのものだ。それを、あなたとその子孫に与えよう。 14 子孫は地のちりのように多くなり、東西南北、あらゆる方角に増え広がり、この地全体に住みつくだろう。あなたとあなたの子孫によって、世界中の国々が祝福される。 15 あなたがどこへ行こうと、わたしはいつも共にいて、あなたを助ける。無事この地に帰れるように必ず守ろう。約束のものをすべて渡すまで、わたしはいつでも共にいる。」

16-17 そこで目が覚めました。「主はここにもおられる。気づかなかったが、ここは神様の家なのだ。おそれ多くも天国への入口だったのだ。」ヤコブは怖くなって思わず叫びました。 18 次の朝早く起き、枕にした石を立てて記念の柱とし、オリーブ油を注ぎかけました。 19 そして、そこをベテル〔「神の家」の意〕と名づけました。そのあたりは以前、ルズと呼ばれていました。

20 ヤコブは神に誓いました。「神様、もし主がこの旅で私を助け、守ってくださり、衣食にも不自由させず、 21 無事に父の家に帰してくださって、私の神様となってくださるなら、 22 この記念の柱を礼拝の場所とし、神様から頂いた物すべての十分の一を必ずおささげします。」

マタイの福音書 8:18-34

嵐を静める

18 イエスは、自分を取り巻く群衆の数がだんだんふくれ上がっていくのに気づき、湖を渡る舟の手配を弟子たちにお命じになりました。

19 ちょうどその時、ユダヤ教の教師の一人が、「先生。あなたがどこへ行かれようと、ついてまいります」と申し出ました。

20 しかし、イエスは言われました。「きつねにも穴があり、鳥にも巣があります。しかし、メシヤ(救い主)のわたしには、自分の家はおろか、横になる所もありません。」

21 また、ある弟子は、「先生。ごいっしょするのは、父の葬式を終えてからにしたいのですが」と言いました。

22 けれどもイエスは、「いや、今いっしょに来なさい。死んだ人のことは、あとに残った者たちに任せておけばいいのです」とお答えになりました。

23 それから、イエスと弟子たちの一行は舟に乗り込み、湖を渡り始めました。 24 すると突然、激しい嵐になりました。舟は今にも、山のような大波にのまれそうです。ところが、イエスはぐっすり眠っておられました。

25 弟子たちはあわてて、イエスを揺り起こし、「主よ。お助けください。舟が沈みそうです」と叫びました。

26 するとイエスは、「そんなにこわがるとは、それでも神を信じているのですか」と答えると、ゆっくり立ち上がり、風と波をおしかりになりました。するとどうでしょう。嵐はぴたりとやみ、大なぎになったではありませんか。 27 弟子たちは恐ろしさのあまり、その場に座り込み、「なんというお方だろう。風や湖までが従うとは」と、ささやき合いました。

28 やがて、舟は湖の向こう岸に着きました。ガダラ人の住む地方です。と、そこに二人の男がやって来ました。実はこの二人は悪霊に取りつかれ、墓場をねぐらにしている人たちでした。何をされるかわかったものではないので、だれもそのあたりには近寄りませんでした。

29 二人は、イエスに向かって大声でわめき立てました。「おれたちをどうしようというんだ。確かに、おまえは神の子だ。だが、今はまだ、おれたちを苦しめる権利はないはずだ。」

30 ところで、ずっと向こうのほうでは、豚の群れが放し飼いになっていました。 31 そこで悪霊たちは、「もし、おれたちを追い出すのなら、あの豚の群れの中に入れてくれ」と頼みました。

32 イエスが、「よし、出て行け」とお命じになると、悪霊たちは男たちから出て、豚の中に入りました。そのとたん、豚の群れはまっしぐらに走りだし、湖めがけていっせいにがけを駆け降り、おぼれ死んでしまいました。 33 びっくりした豚飼いたちが近くの町に逃げ込み、事の一部始終を知らせると、 34 町中の者が押しかけ、「これ以上迷惑をかけてもらいたくないから、この地を立ち去ってくれ」とイエスに頼みました。

Japanese Living Bible (JLB)

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