Old/New Testament
イスラエルの唯一の救い主
43 しかし、イスラエルよ。あなたを造った主は、
今こう言って慰めてくれます。
「恐れるな。わたしはあなたを買い戻したのだ。
わたしはあなたの名を呼んだ。
あなたはわたしのものだ。
2 たとえ水の中をくぐり、大きな困難にぶつかっても、
わたしは共にいる。
悩みの川を渡るときも、おぼれはしない。
迫害の火の手が上がり、
そこを通り抜けていくときも心配はない。
炎はあなたを焼き殺さないからだ。
3 わたしは主、あなたの神、あなたの救い主、
イスラエルの聖なる神だ。
わたしはあなたを自由の身とする代わりに、
エジプトとエチオピヤとセバを与えた。
4 あなたを生かすために他の者が犠牲になった。
あなたのいのちを買い戻すため、
他の者のいのちと交換した。
わたしにとって、あなたは高価で尊いからだ。
わたしはあなたを愛している。
5-6 恐れるな。わたしがついている。
わたしはあなたを東と西、南と北から集める。
地の果てから、私の子孫をイスラエルに連れ戻す。
7 わたしを神として礼拝する者はみな集まってくる。
わたしはそのような人たちを、
わたしの栄光のために造った。
8 わたしに呼ばれても、
目が見えず、耳が聞こえない者たちを、
わたしのもとに連れ戻せ。
9 すべての国々の民を集めよ。
どの偶像が、このようなことを前もって知らせたか。
どの偶像が、一日先のことでも予告できるか。
どこに、彼らのことばを少しでも聞いた証人がいるか。
そんな者は一人もいない。
だとしたら、預言できるのは神だけだと
認めないわけにはいかないだろう。
10 わたしには証人がいる。
イスラエルよ、あなたがたがわたしの証人、
わたしのしもべだ。
わたしを信じ、わたしだけが神であることを知るために
選ばれたのだ。
わたしのほかに神はいない。
今までも、またこれからも。
11 わたしが主であって、ほかに救い主はいない。
12 あなたがたが偶像を捨てるとき、
わたしは力を示した。
ただひと言で、あなたがたを救った。
あなたがたはわたしの救いをその目で見たのだから、
わたしの証人だ。
13 永遠から永遠まで、わたしは神である。
わたしが何かをしようと身を起こすとき、
その前に立ちはだかる者はだれもいない。」
神のあわれみとイスラエルの不誠実
14 あなたがたの救い主、イスラエルの聖なる神は、
こう告げます。
「わたしはあなたがたのために、
バビロンに軍隊を侵入させる。
それもほとんど無傷のままに。
おごり高ぶっていたバビロニヤ人は、
恐怖の叫びを上げる。
15 わたしは主、あなたがたの聖なる神、
イスラエルを造った、あなたがたの王である。
16 海の中に道を開き、海の底を進む道を造った主である。
17 わたしはエジプトの強力な軍隊を、
戦車や馬とともに海のもくずとした。
彼らのいのちは燈心のように吹き消された。
18 しかしこんなことは、
これからすることに比べれば物の数ではない。
19 わたしは新しいことをしようとしている。
いや、すでに手をつけた。あなたがたの目には見えないか。
わたしの民が故国へ戻るために、荒野に道を造り、
彼らの飲み水として荒野に川を開く。
20 野の獣、山犬、だちょうも、わたしに感謝する。
わたしに選ばれた民は、
この荒野の泉でのどをうるおし、元気づく。
21 わたしはイスラエルを自分のために造った。
この民は、いつかきっと、
人々の前でわたしをたたえるようになる。
22 だがイスラエルよ、
あなたはわたしに助けを求めなかった。
わたしにいや気がさしたのか。
23 いけにえの子羊を持って来なかったし、
供え物をささげて、わたしをあがめもしなかった。
わたしが自分からささげ物を要求したことは、
ほとんどない。あなたがたを奴隷扱いしたこともない。
24 それなのに、わたしのために
香りのよい香料を持って来ず、
いけにえの脂肪でわたしを喜ばせようともしなかった。
それどころか、贈り物といえば罪だけで、
ありとあらゆる欠点を見せつけ、わたしを煩わせた。
25 わたしは自分のために、あなたがたの罪をぬぐい去り、
それを二度と思い出さない。
26 ああ、この罪の赦しの約束を、わたしに思い出させよ。
あなたがたの罪について論じよ。
赦してほしければ、
あなたがたのほうから申し出なさい。
27 あなたがたの先祖は、最初からわたしに罪を犯し、
わたしの教えに背いた。
28 それで、わたしは祭司たちを免職し、
イスラエルを滅ぼし、
彼らを辱しめられるままにしておいたのだ。」
選ばれた者、イスラエル
44 「わたしのしもべイスラエル、
わたしの選んだ者たちよ。
わたしのことばを聞け。」
2 あなたを造り、あなたを助ける主は、
こう告げします。
「わたしのしもべよ、恐れるな。
わたしの選んだエルサレムよ、恐れるな。
3 渇いたのどと干上がった地をうるおす水を、
ふんだんに与えよう。
あなたの子どもたちには、
わたしの霊と祝福とを注ごう。
4 彼らは、水分を十分に吸った青草や
岸辺の柳のように繁栄する。
5 誇らしげに、『私は主のものだ』とか
『私はユダヤ人だ』と言い、
手にわたしの名かイスラエルの名を記す。」
偶像ではなく主を
6 イスラエルの王である主、
イスラエルを救う全能の主は、こう言います。
「わたしは初めであり、終わりである。
わたしのほかに神はいない。
7 わたし以外にだれが、
これから先何が起こるかを言いあてることができるか。
もしそのような者がいたら、遠慮なく名乗りを上げ、
大きな力があるところを見せてみよ。
わたしが昔からしてきたのと同じことをしてみよ。
8 恐れるな。決して恐れるな。
わたしは古くから、あなたを救うと言っていたではないか。
あなたがたはわたしの証人だ。
わたしのほかに神があろうか。断じていない。
わたしのほかに岩はない。」
9 偶像を造り、それを神にするとは、なんと浅はかな者でしょう。そんな者たちの希望はむなしい夢にすぎません。見ることも知ることもできない偶像を頼みにしているのですから。そんな偶像を拝む者が恥を見るのは当然です。 10 何のも頼りにもならない偶像を作る者は、愚か者と言われてもしかたありません。 11 偶像を拝む者はみな、顔を真っ赤にして主の前に立つことでしょう。自分は神を造ったと誇っていた大工も同じです。彼らは共に震えおののきながら主の前に立ちます。
12 金属細工師は斧を作るために炉のそばに立ち、焼けた鉄をかなとこの上で力いっぱいたたきます。そのうちのどが渇き、腹がへり、ふらふらになります。 13 それから、大工がその斧で偶像を造るのです。木切れの寸法を測り、しるしをつけ、人の形に彫ります。こうして、一歩も歩けないのに見かけは美しい偶像ができ上がります。 14 彼は杉を切り、糸杉や樫を選びます。森に月桂樹を植えれば、雨が育ててくれます。 15 こうして大きくなった木の一部をたきぎにして暖をとり、またパンを焼きます。その残りはどうするのでしょう。なんと、それで人々が拝む偶像を造るのです。人々は偶像にひれ伏して祈ります。 16 その木の一部で体を暖め、肉をあぶって満腹感を味わってから、 17 その残り物で神を造るのです。彫って造った偶像を拝み、「私をお救いください。あなたは私の神です」と願うのです。
18 こんな愚かなことがあっていいのでしょうか。神は、見えないようにと彼らの目をふさぎ、理解できないようにと心を鈍くしました。 19 彼らはよく考えようともしません。「これはただの木片ではないか。同じ木で体を暖め、パンを焼き、肉をあぶった。その残りが神ということがありえるだろうか。木片にひれ伏すなど、ばかげている」と自問自答することもありません。 20 人にだまされている哀れな者は灰を食べます。何の助けにもならないものを頼りにしているからです。彼はまともな考え方ができません。「この手に握っている偶像は偽の神ではないか」と自分に問うことができないのです。
21 「わたしのしもべイスラエルよ、注意して聞くのだ。
わたしがあなたを造った。
だから、どんなことがあってもあなたを助ける。
22 わたしは、あなたの罪をすっかり消した。
それは、昼になると朝もやが消えてなくなるように、
影も形もなくなった。
さあ、わたしのもとに帰って来なさい。
あなたを自由にする代価は支払いずみだ。」
23 天よ、喜び歌え。
主がこんなにもすばらしいことを
なさったのだから。
地よ、喜び叫べ。
山々も森も木々も歌声を響かせよ。
主がイスラエルを買い戻し、
あがめられているからです。
エルサレムは人が住むようになる
24 あなたを造り、あなたを買い戻した主は、
次のように言います。
「わたしはこの手ですべてのものを造った。
わたしひとりで、天を引き伸ばし、
地とその中にあるすべてのものを造った。
25 わたしは、偽預言者の予想をくつがえし、
彼らが大うそつきであることを証明する。
知恵ある者に見当違いの助言をさせ、
愚か者にする。
26 しかしわたしは、
わたしの預言者が語ることは必ず実現させる。
彼らが、エルサレムは敵の手から救い出され、
ユダの町々に再び人が住むようになると言うと、
そのとおりになる。
27 わたしが川に、『干上がれ』と言うと、水はかれる。
28 クロスに向かって、『わたしの羊飼いだ』と言うと、
彼はわたしが言ったとおりのことをする。
こうしてエルサレムは再建され、
神殿は元どおりになる。
わたしがそう言ったからだ。」
2 愛する皆さん。私たちの訪問があなたがたに及ぼした大きな意義については、認めてくれることでしょう。 2 皆さんは、私たちがそちらに行く前に、ピリピでどんな目に会い、どれほど苦しんだか、よく知っているはずです。しかし、神から勇気を与えられた私たちは、四方八方、敵に囲まれながらも、大胆に神の福音を伝えることができました。 3 ですから、私たちが不純な動機や目的からではなく、神への信仰に動かされて伝道したことを確認してほしいのです。
伝道者としての確信
4 私たちは、神から任命された伝道者として真理だけを語るのであって、聞く者の好みに合わせて内容を変えることなど絶対にしません。 5 よくご存じのとおり、私たちはこれまで、何かをもらいたくて人にへつらったことなど一度もありません。それは神が証人になってくださいます。 6 また、私たちはキリストの使徒として、当然賞賛されてもいい権利を持っています。しかし、あなたがたからはもちろん、ほかのだれからも、そのような名誉を求めたことはありませんでした。 7 それどころか、子どもを養い、世話をする母親のように、やさしくふるまってきました。 8 心からあなたがたを愛していた私たちは、ただ神の教えを伝えるだけでなく、いのちさえ喜んで与えたいと思うほどでした。それほどまでに愛したのです。
9 愛する皆さん。私たちが、生活費のために、どれほど苦労して働いたか覚えているでしょう。そちらにいた時も、夜昼休みなく、汗水流して働きました。それは、神の福音を伝えるにあたって、だれにも経済的な負担をかけたくないと思ったからでした。 10 一人一人に対して、私たちが純粋な気持ちで、だれからも非難されないように行動したことは、神だけでなく、あなたがたも証人となってくれるはずです。 11 父親が子どもをさとすように一人一人に勧め、また、励ましてきました。それを忘れてはいないでしょう。 12 また、あなたがたの日々の生活が、あなたがたを御国と栄光とに招いてくださった神の御心にかない、喜ばれるものとなるようにと教えてきました。
13 私たちは、神に感謝せずにはいられません。私たちが伝道した時、あなたがたはそのことばを人間の口から出たものと見ず、神のことばとして聞いてくれたからです。事実、この神のことばは、信じる者の生活を一変させるものです。
14 皆さん。あなたがたはユダヤの諸教会と同じ苦しみを味わっています。つまり、彼らが同胞のユダヤ人に苦しめられたように、あなたがたも同国人に迫害されているからです。 15 ユダヤ人たちは、自分たちの預言者を殺したばかりか、主イエスさえも手にかけてしまいました。そして今は、私たちにも激しい迫害の手を伸ばし、追い出してしまったのです。その上、神にも人間にも敵対して、 16 外国人への伝道を妨害しています。彼らは、外国人はだれも救われてほしくないのです。このようにして罪に罪を重ねた彼らに対して、神の怒りがついに爆発しました。
17 兄弟たち。あなたがたのもとを離れてかなりたつので〔もっとも、心はいつもそばにいるのですが〕、もう一度、ぜひ会いたいと願っていました。 18 それで私たちは、何とかしてそちらへ行こうと努力したのです。特にこのパウロは何度も試みたのですが、そのつど、悪魔にじゃまされて果たせませんでした。 19 私たちに希望と喜びを与え、誇りの冠となってくれるものは、いったい何でしょうか。それはまさに、あなたがたなのです。そうです。主イエス・キリストが再び来られる時、御前で大きな喜びをもたらしてくれるのは、あなたがたなのです。 20 あなたがたこそ、私たちの勝利のしるしであり、また喜びなのです。
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