Old/New Testament
49 1-2 身分の高い者も低い者も、金持ちも貧しい人も、
世界中の人々に、私のことばに耳を傾けてほしい。
3 この口から出ることばは、
人の心の奥まで見通すことができ、
知恵に満ちているのです。
4 竪琴の伴奏に合わせ、
奥深い人生の問いに答えて歌いましょう。
5 悩みが訪れ、敵に囲まれようと、
少しも恐れることはありません。
6 彼らは金に信頼し、
財産を誇っています。
7 しかし、王に負けないくらい裕福な彼らも、
兄弟の罪を帳消しにすることはできません。
罪の赦しは金では買えないのです。
8-9 たましいはあまりにも高価なので、
この世の富をいくら積んでも買い戻せません。
世界中の金をかき集めても、
ただ一人分の永遠のいのちも買い与えられません。
地獄から救い出すことはできないのです。
10 あなたがた金持ちも、傲慢な者も、賢い者も、
結局、同じように死ぬ運命にあります。
愚かで、無知な者たちより
長生きできるわけではありません。
しかも、わずかな金すら持って死ねはしないのです。
11 あなたがたは、まるで
永久にその土地に住めるかのように、
自分の名をつけています。
12 しかし、どんなに栄華をきわめた人間でも、
死ぬ時は動物とそう変わりません。
13 全く、取るに足りない存在なのです。
それなのに、そういう人々は死後も、
非常に賢い人物として
引き合いに出されたりもします。
14 死が全人類を飼い慣らしています。
異なる世界に目覚めたその朝、
邪悪な者たちは正しい人々の奴隷となるのです。
死んでしまえば、
金の力により頼むことはできなくなります。
金を持って死ぬことはできないのですから。
15 しかし、神は私のたましいを
死の力から買い戻してくださいます。
私を迎え入れてくださるのです。
16 ですから、悪者が金持ちになっても、
りっぱな邸宅を構えていても、
気を落とすことはありません。
17 死ぬ時には、名誉はおろか、
何一つ持って行けないのですから。
18 生きている間中、幸せ者だと自負し、
世間からも称賛されるような人でも、
19 やがてはみなと同じように死に絶え、
永遠の闇に沈んでいくのです。
20 どんなに華やかな生涯を送ろうと、
人は動物と変わりなく死を迎えるのです。
50 全能の神である主は、東の果てから西の果てまで、
人々を呼び集めました。
2 シオンの山のうるわしい宮から、
神の栄光が輝きわたります。
3 神は焼き尽くす火をまとい、
雷とともに姿を現されます。
そのまわりには嵐が猛り狂っています。
4 ご自分の民をさばくためにおいでになった神は、
天と地にこうお叫びになります。
5 「祭壇にいけにえをささげた人々を捜し出せ。
わたしに忠誠を誓った民を集めよ。」
6 神は完全に公正な裁判官となって、
判決を下されます。
天も、神の正しさを証言します。
7 「民よ、耳を傾けなさい。
わたしはあなたがたの神である。
あなたがたには告発すべきことがある。
8 わたしは、祭壇にささげられたいけにえに
不満があるわけではない。
それは欠かさず供えられている。
9 しかし、真にわたしの求めているものは、
いけにえの雄牛や雄やぎではない。
10-11 野原や林の獣は、
もともとわたしのものなのだから。
千の丘で草をはむ家畜も、
山の鳥もみな、わたしのものである。
12 たとえ飢えても、あなたがたに頼ったりはしない。
全世界とその中のものはみな、
わたしのものなのだから。
13 あなたがたに、いけにえの肉と血を、
どうしてもささげてもらわなければならない
わけではない。
14-15 わたしが求めているのは、真心からの感謝、
わたしへの誓いを果たすことである。
苦難のとき、わたしを頼みとしてほしい。
そうすれば、わたしは助けの手を差し伸べ、
あなたがたはわたしをほめたたえるだろう。」
16 しかし、悪者に向かっては、
神はこう宣言なさいます。
「二度とわたしのおきてを口にしてはならない。
わたしがおまえに約束したかのように
思ってはいけない。
17 おまえはわたしの懲らしめを拒み、
おきてをないがしろにしたのだから。
18 おまえは、どろぼうを見ると手を貸し、
腹黒い者や不道徳な人間とつき合っている。
19-20 のろいのことばを吐き、うそをつき、
聞くに耐えないことばを口にする、
おまえのような人間は、
血を分けた兄弟の悪口さえ平気で言う。
21 今まではわたしも、じっと黙って見てきた。
おまえは、神は気にかけていないと思っていた。
しかしついに、罰の下る時がきた。
これらのことが、おまえの罪状だ。
22 神を忘れ去った者へ、最後のチャンスを与えよう。
わたしはおまえを引き裂こうとしている。
だれもおまえを助けることはできない。
23 心からの賛美は尊いささげ物。
それこそ、わたしの栄誉である。
わたしの道を進む人は救われる。」
ローマの愛する皆さんへ
1 キリスト・イエスに仕える者であり、伝道者として選ばれ、神の福音(キリストによる救いの知らせ)を伝えるために遣わされたパウロが、この手紙を送ります。 2 この福音は、神が預言者(神に託されたことばを語る人)を通して旧約聖書の中で約束しておられたもので、 3 神のひとり子、主イエス・キリストに関するものです。この方は、人の子として、ダビデ王の家系にお生まれになりました。 4 しかも、死んでのち復活することにより、神のきよい性質を備えた、力ある神のひとり子であることが証明されたのです。 5 このキリストを通して、今や、神のすべての恵みが、それを受ける資格のない罪人の私たちに、あふれるばかり注がれています。そして今、私たちは、神がなしてくださったことを全世界の人々に知らせるために、キリストから遣わされているのです。それは、すべての人がキリストを信じ、従うようになるためです。
6-7 ローマの愛する皆さん。あなたがたも、キリストに深く愛されているのです。また、イエス・キリストに招かれて、神ご自身のもの、つまり神の聖なる民とされているのです。どうか、私たちの父なる神と主イエス・キリストから、豊かな恵みと平安が、あなたがたに与えられますように。
正しい人は信仰によって生きる
8 まず言っておきたいのは、どこへ行っても、あなたがたの評判を耳にするということです。神を信じるあなたがたの信仰は、世界中に知れ渡っているからです。私はこの評判を聞くたびに、イエス・キリストによって、どんなに神に感謝していることでしょう。 9 あなたがたのために私がどれほど祈っているかは、神がご存じです。私は神のひとり子についての福音を人々に伝えながら、全力でお仕えしている神に、あなたがたに必要なものが与えられるよう昼も夜も祈っています。 10 また、神が許してくださるなら、いつかあなたがたを訪ねたいといつも祈っています。 11-12 どうしても行きたいと望むのは、信仰をいくらかでも分かち、あなたがたの教会が、主にあって強められるために役立ちたいからです。それだけでなく、私も皆さんの助けが必要です。あなたがたの信仰によって、私も力づけてもらいたいのです。こうして、私たちは互いに励まし合えるでしょう。
13 愛する皆さん。私がこれまでに何度も、あなたがたのところへ行こうとしたことをぜひ知っていただきたいのです。ほかの国の諸教会と同じように、あなたがたのところでも成果を得たいと思ったのです。しかし、その計画は妨げられてきました。 14 私はあなたがたにも、また、ほかのすべての人にも、ギリシヤのような文明の進んだ国の人にもそうでない国の人にも、教育のある人にもない人にも、大きな借りがあります。 15 ですから、何とかして、ローマにいるあなたがたのところにも福音を伝えたいと、心の底から願っているのです。
16 私は、この福音を少しも恥じてはいません。福音は、それを信じる人をだれでも天国に導く、神の力ある手段です。福音は最初、ユダヤ人だけに伝えられていました。しかし今では、すべての国の人が同じ方法で神のもとに招かれているのです。 17 この福音は、私たちがキリストを信じる時、神が私たちを天国に入るにふさわしい者、すなわち、神の目から見て正しい者としてくださることを教えています。それは、初めから終わりまで、信仰によって達成されるのです。「正しい人は信仰によって生きる」(ハバクク2・4)と、聖書に書いてあるとおりです。
信じない人には何が待っているのか
18 しかし、真理を押しのける、罪深い邪悪な人々には、神の怒りが天から下ります。 19 なぜなら、彼らは神の真理について本能的に知っているからです。神が、この知識を彼らの心にお与えになったのです。 20 世界が創造されてからこのかた、人々は、天地や、神がお造りになったすべてのものを見て、神の存在とその偉大な永遠の力をはっきり知っていました。ですから、彼らには弁解の余地がありません。 21 彼らは、確かに神を知っているのです。けれども、そのことを認めず、神を礼拝せず、日々神に守られていることを感謝しようともしません。やがて彼らは、神がどのようなお方か、また自分たちに何を求めておられるかについて、愚かなことを考えるようになりました。その結果、彼らの心はくもり、訳がわからなくなったのです。 22 「神なんか信じなくてもいい、自分は賢いのだ」と主張しながら、実際には、全くの愚か者になってしまいました。 23 そして、栄光に輝き、永遠に生きておられる神を礼拝する代わりに、木や石で、鳥や獣や蛇あるいは滅ぶべき人間の偶像を造り、それを神としたのです。
24 そこで神は、彼らがその欲望によって性的な罪に深入りするに任せました。彼らは互いの肉体で、汚らわしく罪深い行為にふけったのです。 25 彼らは、神の真理を知っていながら信じようとせず、あえて偽りを信じる道を選びました。そして、神によって造られた物を拝みながら、それらをお造りになった神には従いませんでした。すべてのものの創造主である神こそ、永遠にほめたたえられる方です。アーメン。
26 こういうわけで、神は彼らを放任し、したいままにさせられました。そのため、女は定められた自然の姿に逆らって同性愛にふけるようになり、 27 男も、女との正常な関係を捨てて、同性どうしで情欲を燃やし、恥ずべきことを行いました。その結果、当然の報いを受けているのです。
28 このように彼らが神を認めようともしなかったので、神は、してはならないことを彼らが行うのをそのままにしておかれました。 29 それで彼らの生活は、あらゆる悪と罪に染まり、むさぼりや憎しみ、ねたみ、殺意、争い、偽り、非情、陰口に満ちた者となりました。 30 彼らは人の悪口を言い、神を憎み、横柄で、高慢で、大ぼらを吹き、次々と悪事をたくらみ、親に反抗し続けました。 31 また、わきまえがなく、平気で約束を破り、情け知らずで不親切な者となりました。 32 そのような罪を犯せば、神から死の刑罰を受けなければならないことをよく知った上で、自分でそれを行うだけでなく、他の人まで引きずり込んでいるのです。
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