Old/New Testament
祝福とのろい
26 偶像を造ってはならない。彫像だろうが、石像だろうが、石の柱だろうが、偶像を拝んではならない。わたしがあなたがたの神、主だからだ。 2 安息日の定めを守り、幕屋(神がイスラエルの民と会う聖所)を重んじなさい。わたしは主である。
3 わたしのおきてに従って歩むなら、 4-5 季節ごとに雨を降らせ、豊作をもたらす。麦の脱穀はぶどうの時期までかかり、ぶどうの取り入れは次の種まきの時まで続く。不自由なく安心して暮らせるだろう。 6 少しの心配もない平和な毎日を送ることができる。危険な野の獣はわたしが追い払おう。戦争で国土を荒らされることもない。 7 あなたがたは敵を追い払い、さんざん打ちのめす。 8 五人で百人を、百人で一万人を追い散らし、敵の息の根を完全に止める。 9 わたしは契約どおり、あなたがたを増やし、心にかける。 10 刈り入れ時がきても、まだ前の収穫が残っていて困るほどになるだろう。 11 わたしはあなたがたと共に住む。あなたがたを嫌ったりはしない。 12 共に歩み、あなたがたの神となる。そして、あなたがたはわたしの民となる。 13 わたしがあなたがたをエジプトから救い出し、奴隷の鎖を断ち切ったのだ。だから、胸を張って堂々と歩きなさい。
14 しかし、わたしの言うことを聞かず、従おうともせず、 15 おきてを無視するなら、 16 あなたがたを罰する。突然、恐怖が襲いかかり、結核や熱病が猛威をふるうだろう。目は衰え、生きる気力もなくなる。種をまいても、収穫は全部、敵が横取りする。 17 わたしの責任ではない。敵に追い散らされても助けはしない。あなたがたは憎しみに燃えた敵に支配され、追いかけられもしないのに逃げ出す。
18 それでもなお従わないなら、七倍の罰を加える。 19 自分の力に頼ろうとする思い上がりを、粉々に砕く。思い知るがいい。天は鉄のように、地は青銅のようになり、一滴の雨も降らず作物も実らない。 20 いくら耕し、手入れをしても、収穫は全くない。
21 それでもなお従わず、言うことを聞かないなら、さらに七倍の災害で苦しめる。 22 野の獣を放って子どもたちや家畜を殺させ、人口を減らす。こうしてイスラエルは荒れ果てる。
23 しかしなお行いを改めず、反抗し続けるなら、 24 わたしは黙ってはいない。その罪の重さを、いやと言うほど思い知らせる。この手で七倍も強く打ちのめす。 25 契約の違反は戦争で罰する。町に逃げ込んでも、町中に疫病がはやり、結局は敵に征服されてしまう。 26 食べ物は底をつき、十家族分のパンを焼くのに、一つのかまどで間に合うほどになる。配給はわずかで、とうてい腹を満たすことはできない。
27 しかしなお聞き従わないなら、 28 もう容赦はしない。さらに七倍も重い罰を加える。 29 あなたがたを、わが子の肉まで食べるほどに飢えさせる。 30 あなたがたが偶像として拝む山の祭壇を打ち壊し、香の祭壇を切り倒す。偶像に混じって、あなたがたの死体がそこここに転がり、腐り果てていくのを黙って眺めよう。わたしはあなたがたを忌み嫌う。 31 町々を廃墟とし、礼拝所を打ち壊す。ささげ物でなだめようとしても、ふだんは受け入れる香りさえ嗅ぐ気もしない。 32 国はすっかり荒れ果て、代わって住みついた敵でさえ、あまりのひどさに驚き恐れるだろう。
33 あなたがたは散り散りに国外へ逃げ、行く先々でも戦いに敗れる。国はすっかり荒れ果て、町々は廃墟と化す。 34-35 こうして、ようやく土地を休ませることができる。あなたがたが利用できるだけ利用し尽くした土地を、敵の捕虜となっている間、ずっと休ませよう。あなたがたが住んでいた時、七年ごとに一年の休みを与えなかった分を、まとめて取り戻す。
36 生き残った者は、捕虜や奴隷として遠い国へ連れて行かれる。外国でおびえながら暮らすのだ。風に舞う木の葉の音にもおびえ、剣で追い立てられるように逃げ惑う。追いかけられもしないのに倒れる。 37 戦いで弱気を起こし、敵前を逃げ惑うように、追いかけられもしないのに力なく恐怖におののく。 38 あげくの果ては敵地であえない最期を遂げる。 39 運よく生き残った者も、自分と先祖たちの犯した罪の重さに耐えきれず、見る影もなくやつれ果てるだろう。
40-41 しかし最後には、自分たちの裏切りを認める。苦しい思いをするのも、元はと言えばわたしに反抗したからだ。それで、わたしも黙ってはおらず、あなたがたを敵の手に渡した。だが、みなが悪かったと反省し、素直に罰を受けるなら、 42 アブラハム、イサク、ヤコブと結んだ契約を思い出し、荒れ果てたイスラエルをもう一度心に留めよう。 43 その間に国土は十分に地力を回復する。一方、国民は神のおきてを破り、定めを軽んじた罰を受け入れるようになる。 44 彼らの行状は目に余ったが、わたしは誠実に契約を守り、完全に滅ぼすことはしなかった。わたしは彼らの神、主だからだ。 45 わたしは彼らの先祖と結んだ契約を思い出す。彼らの神となるという契約である。周囲の国々が驚き見守る中で、彼らの先祖をエジプトから救い出したのは、このわたしだ。わたしは彼らの神、主である。」
46 以上は、シナイ山で神がモーセに語った、イスラエルの民の守るべきおきて、定め、指示です。
ささげ物の評価
27 1-2 主はまた、モーセに命じました。「人々に言いなさい。主に身をささげるという誓願を立てる者は、その代価として次の額を納める。 3-4 二十歳から六十歳までの男子は銀五十シェケル(一シェケルは十一・四グラム)、女子は三十シェケル。 5 五歳から二十歳までの少年は二十シェケル、少女は十シェケル。 6 一か月から五歳までの男児は五シェケル、女児は三シェケル。 7 六十歳以上の男子は十五シェケル、女子は十シェケル。 8 貧しくて全額を払いきれない者は祭司に申し出ること。事情を話し合ったうえで、祭司が決めた額を払えばよい。
9 主にささげると誓ったいけにえの家畜は、そのとおりささげなければならない。 10 一度誓った以上、むやみに変えてはいけない。良い家畜を悪いものに取り替えることはもちろん、悪いものを良いものに取り替えるのもいけない。もしそうするなら、両方とも主のものになる。 11-12 ささげ物がいけにえにできない汚れた家畜の場合、持ち主は祭司に申し出て適当な値をつけてもらい、その金額を代わりに支払う。 13 いけにえにできる家畜の場合でも、買い戻したいときは、祭司がつけた値の二割増しを支払えばよい。
14-15 家を主にささげたが買い戻したくなったときは、祭司が評価した額の二割増しを支払いなさい。そうすれば、また自分のものになる。
16 畑の一部を主にささげるときは、まく種の量で評価する。大麦の種二三〇リットルをまける広さの土地は、銀五十シェケル。 17 ヨベルの年に畑をささげる場合は、評価額の全額を支払う。 18 ヨベルの年以後は、次のヨベルの年まであと何年あるかによって決める。 19 買い戻したいときは、祭司が決めた評価額の二割増しを支払う。それでまた自分のものになる。 20 ただし買い戻さないと決めるか、すでに人手に渡っている場合はもう取り戻せない。 21 その畑はヨベルの年に、主にささげられた土地として祭司のものになる。
22 もともとの所有地でなく、買った土地の一部を主にささげる場合は、 23 祭司が決めたヨベルの年までの評価額を直ちに支払わなければならない。 24 ヨベルの年には、土地は元の持ち主に戻る。 25 代金はすべて通貨で支払う。
26 牛や羊の初子をささげてはならない。初めから主のものだからだ。 27 いけにえにできない家畜の初子の場合は、祭司がつけた評価額の二割増しを支払う。持ち主に買い戻すつもりがないなら、祭司はほかの者に売ってかまわない。
28 しかし、人であれ家畜であれ畑であれ、主に完全にささげたものは、売ることも買い戻すこともできない。それは主のもので、最も神聖なものだからだ。 29 死刑を宣告された者は、代わりに罰金を支払って免れることはできない。必ず死刑となる。
30 穀物でも果実でも、農産物の十分の一は主のもので、神聖なものである。 31 十分の一の穀物や果実を買い戻したいときは、評価額の二割増しを支払わなければならない。 32 牛であれ羊であれ、家畜はすべて十頭ずつ数え、十頭目が主のものとなる。 33 質の良し悪しで選んではならない。取り替えてもいけない。取り替えた場合は両方とも主のものになる。もちろん買い戻すこともできない。」
34 以上は、シナイ山で主がモーセに告げた、イスラエルの民への命令です。
2 数日後、イエスはカペナウムに戻られました。すると、イエス来訪のニュースはたちまち町中に伝わり、 2 人々が大ぜい集まって来ました。家は足の踏み場もないほどで、外まで人があふれています。その人たちに、イエスは神の教えを語られました。 3 その時、四人の人が、中風(脳出血などによる半身不随、手足のまひ等の症状)の男をかついで運んで来ました。 4 しかしあまりの人に、群衆をかき分けて中へ入ることもできません。そこで、屋根にのぼり、穴をあけると、そこから病人を寝床のまま、イエスの前へつり降ろしました。 5 必ず治してもらえると、堅く信じて疑わない彼らの信仰をごらんになって、イエスは中風の男に、「あなたの罪は赦されました」と言われました。
6 ところが、その場にいた何人かのユダヤ人の宗教的指導者たちの心中は、おだやかではありませんでした。 7 「なんだと! 今のは神を汚すことばだ。いったい自分をだれだと思っているのか。罪を赦すなんて、神にしかできないことなのに。」
8 イエスはすぐに、彼らが心の中で理屈をこねているのを見抜かれました。「どうして、そう思うのですか。 9-11 この人に、『あなたの罪が赦されました』と言うのと、『起きて歩きなさい』と言うのと、どちらがやさしいですか。さあ、メシヤ(ヘブル語で、救い主)のわたしが罪を赦したという証拠を見せてあげましょう。」イエスは中風の男のほうに向き直り、「あなたはもうよくなりました。床をたたんで、家に帰りなさい」と言われました。
12 すると男は飛び起き、寝床をかかえ、あっけにとられている見物人を押し分けて、出て行ってしまいました。「こんなことは、見たこともない!」人々は口々に叫び、心から神を賛美しました。
13 イエスはまた湖畔に行き、集まって来た群衆にお教えになりました。 14 岸辺を歩いておられると、税金取立て所にアルパヨの子レビ(マタイ)が座っていました。「ついて来て、わたしの弟子になりなさい。」イエスの呼びかけに、レビはさっと立ち上がり、あとに従いました。
15 その夜、レビはイエスを夕食に招待しました。その席には、取税人仲間や、評判の悪い人たちも多く招かれていました。イエスに従う者には、こういう人々も多かったのです。 16 これを見たパリサイ派(特に律法を守ることに熱心なユダヤ教の一派)の律法学者は、弟子たちに詰め寄りました。「おまえたちの先生は、どうして、こんなどうしようもない連中といっしょに食事をするのか。」 17 彼らの非難に、イエスはこうお答えになりました。「丈夫な者に医者はいりません。病人こそ医者が必要なのです。わたしは、自分を正しいと思っている人たちのためにではなく、罪人を神に立ち返らせるために来たのです。」
パリサイ人の非難
18 バプテスマのヨハネの弟子やパリサイ人たちは、断食のおきてを守っていました。ある時、彼らが来て、「どうして先生のお弟子さんたちは断食しないのですか」と問いただしました。 19 イエスは、こうお答えになりました。「花婿の友人は、披露宴の席で、ごちそうに手をつけなかったり、嘆き悲しんだりはしません。 20 しかし、やがて花婿が彼らから引き離される日が来ます。その時には断食するのです。 21 こう言えばわかるでしょう。水洗いしていない新しい布で、古い着物の継ぎ当てをしてごらんなさい。どうなりますか。当て布は縮んで着物を破り、穴はますます大きくなってしまうでしょう。 22 新しいぶどう酒を古い皮袋に入れることもしません。そんなことをしたら、皮袋は張り裂け、ぶどう酒はこぼれ、どちらもだいなしでしょう。新しいぶどう酒には、新しい皮袋が必要なのです。」
23 ある安息日(神の定めた休息日)のこと、イエスと弟子たちは麦畑の中を歩いていました。すると、弟子たちが麦の穂を摘んで、食べ始めました。 24 これを見たパリサイ人たちは、「お弟子さんたちがあんなことをするなんて! 安息日に刈り入れをするのは違反なのをご存じのはずでしょう」と、イエスに抗議しました。
25-26 しかし、イエスはお答えになりました。「アビヤタルが大祭司のころ、ダビデ王とその家来たちが空腹でがまんできなかった時、神殿に入って、祭司以外が食べてはいけない特別のパンを食べたというのを、読んだことがないのですか。それもおきてに反することでしょうか。 27 いいですか。安息日は人間のためにつくられたのであって、人間が安息日のためにつくられたのではありません。 28 メシヤ(救い主)のわたしには、安息日に何をしてよいかを決める権威もあるのです。」
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