Old/New Testament
6 続いて主はモーセに命じました。 2-3 「借り物や預かり物、担保の品などを返さなかったり、盗んだり、脅し取ったり、落とし物を見つけながらも取った覚えはないと偽るなどして罪を犯した場合は、 4-5 その事実がはっきりした日に、取ったものを相手に返し、それに加えて二割の罰金を支払いなさい。また、幕屋に罪を償ういけにえを引いて来なさい。 6 その罪に見合ういけにえは、傷のない雄羊一頭である。それを祭司のところへ引いて来る。 7 祭司は主の前で罪の償いをし、その者は赦される。」
ささげ物の施行細則
8 主はモーセに命じました。 9 「アロンとその子らに、焼き尽くすいけにえについての決まりを示しなさい。焼き尽くすいけにえは、祭壇の上で一晩中、焼き続ける。 10 翌朝、祭司は亜麻布の下着と上着をつけ、その灰をすっかり集め、祭壇のそばに置く。 11 このあと着替えをし、灰を野営地の外のきよい場所に運ぶ。 12 祭壇の火はいつも燃やし続け、消してはならない。祭司は毎朝たきぎをくべて、毎日ささげる焼き尽くすいけにえを供え、和解のいけにえの脂肪を焼く。 13 祭壇の火は絶やしてはならない。
14 穀物の供え物の決まりは次のとおりである。アロンの子らは、祭壇の前に立ち、供え物を主の前にささげる。 15 なだめの香りとして、オリーブ油のかかった細かくひいた粉一つかみを、香料全部とともに祭壇で焼きなさい。わたしは喜んでそれを受けよう。 16 残りはアロンとその子らの食物となる。幕屋の庭で、パン種を入れずに焼いたパンにして食べなさい。 17 念を押すが、焼くときは絶対にパン種を入れてはならない。火で焼くささげ物のうち、この分は祭司に与える。罪の赦しのためのいけにえや、罪過を償ういけにえの場合と同じく、ささげられた全部がきよいとされる。 18 アロンの家系で祭司を務める者は、子々孫々に至るまで、これを食べることができる。火で焼く主へのささげ物は、祭司だけが食べられる。」
19-20 主はモーセに命じました。「アロンとその子らが油を注がれ、祭司の務めに就く日には、日々の穀物の供え物をささげなさい。細かくひいた上等の小麦粉二・三リットルを、朝と夕方に半分ずつ、 21 オリーブ油でこね、鉄板で焼いてささげる。わたしはそれを受け入れる。 22-23 祭司の子らは父の跡を継ぐ場合、油を注がれる任命式の日にこれと同じささげ物をする。これは永遠に変わらない定めである。このささげ物は全部を主の前で焼く。ほんの一口でも食べてはならない。」
24 主はモーセに告げました。 25 「次は、罪の赦しのためのいけにえについて、祭司が知っていなければならない決まりである。このいけにえは最もきよいものだから、焼き尽くすいけにえをほふる場所、主の前でほふる。 26 いけにえの儀式を行う祭司は、幕屋の庭でそれを食べる。
27 特別に選ばれ、きよくされた者、祭司だけしかその肉にさわれない。そのとき衣服に血がかかったなら聖所内で洗いきよめる。 28 煮沸するのに使った容器は、土の器なら壊し、青銅製ならきれいに磨き上げ、よくすすぐ。 29 祭司はみな、このささげ物を食べることができるが、それ以外の者は絶対に食べてはいけない。最も聖なるものだからだ。 30 しかし、聖所での罪の償いのためにささげるいけにえで、その血を幕屋の中に持って行くいけにえは、祭司といえども食べてはならない。それは、主の前で完全に焼きなさい。
7 罪過を償う最もきよいいけにえについての決まりは、次のとおりである。 2 いけにえの動物は、焼き尽くすいけにえと同じ場所でほふり、血は祭壇の回りに振りかける。 3 祭司は脂肪を全部、祭壇にささげる。背骨に沿ってついている脂肪、内臓を覆う脂肪、 4 二つの腎臓、腰のあたりの脂肪、胆のうなどをより分けて、いけにえとする。 5 それを、罪を償ういけにえとして祭壇で焼く。 6 祭司はみな、その肉を食べることができるが、それを神聖な場所で食べなければならない。最も聖なるいけにえだからだ。
7 罪の赦しのためのいけにえ、罪過を償ういけにえ、どちらの場合も、動物の死体は儀式を行う祭司の食物となる。 8 焼き尽くすいけにえの場合は皮が与えられる。 9 主への穀物の供え物をささげる祭司は、儀式に使った残りを全部与えられる。この規定は、供え物をかまどや鉄板で焼く場合も、なべで料理する場合も変わりはない。 10 ほかの穀物の供え物も、油を混ぜたものでも乾いたものでもすべて、アロンの子である祭司のものとなる。
11 次は、和解のいけにえとしてささげるいけにえについての決まりである。 12 それが感謝のささげ物の場合、いけにえのほかにパン種を入れていないドーナツ型のパン、オリーブ油を塗った薄焼きのパン、小麦粉をオリーブ油でこねて作ったパン、 13 さらに、パン種を入れたドーナツ型のパンを添える。 14 このうち一部を、儀式どおり祭壇の前で揺り動かしてささげる。それは、いけにえの血を注ぎかける祭司のものとなる。
15 感謝を表す和解のいけにえとして主にささげた動物の肉は、その日のうちに食べなさい。翌日まで残しておいてはならない。 16 感謝のいけにえでなく、誓願や任意のささげ物の場合は、その日に食べきれなければ、翌日まで残しておいてかまわない。 17-18 ただし、三日目まで残った分は焼き捨てなさい。三日目に食べるようなことがあれば、わたしはそのいけにえを受け入れない。いけにえとしての価値がなくなるからである。せっかくのいけにえも無効となり、肉を食べた祭司は罪を犯したことになる。それは主にとって汚れたものだからだ。食べた者は罪の償いをしなければならない。
19 礼拝規定で汚れているとみなされるものに触れた肉は、食べてはならない。焼き捨てなければならない。食用にする肉は、礼拝規定できよいとみなされる者だけが食べられる。 20 人が汚れている身でありながら和解のいけにえを食べるなら、もはやイスラエル国民ではない。神聖なものを汚したからだ。 21 だれでも、人であれ動物であれ、礼拝規定で汚れているとみなされるものに触れながら、和解のいけにえを食べるなら、イスラエル国民とはみなされない。神聖なものを汚したからだ。」
22 さらに主はモーセに命じました。 23 「イスラエル人は牛、羊、やぎの脂肪を食べてはならない。 24 死んだり野獣に裂き殺されたりした動物の脂肪は、何に使ってもかまわないが、食べることはできない。 25 火で焼くささげ物の脂肪を食べる者は、イスラエル国民とはみなされない。 26-27 どこであろうと、鳥や動物の血を食べてはならない。食べればイスラエル国民とはみなされない。」
28 神はモーセに告げました。 29 「人々に命じなさい。主への和解のいけにえは、本人の手でささげなければならない。 30 脂肪と胸の部分を持って来て祭壇の前で揺り動かし、主にささげるのだ。 31 脂肪は祭司が祭壇で焼き、胸肉はアロンとその子らのものになる。 32-33 右のもも肉は、いけにえの儀式を行う祭司がもらう。 34 胸とももは、国民から祭司へ納める物と決めたからである。祭司はいつも、いけにえのこの部分をもらう。 35 火で焼くいけにえのこの部分は、報酬として、主に仕える祭司、アロンとその子らのものとなる。 36 このことは、わたしが彼らに油を注いで祭司に任命する日から、必ず守らなければならない。子々孫々に至るまで変わらない彼らの権利である。」
37 以上が、焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、罪の赦しのためのいけにえ、罪過を償ういけにえ、祭司の任職式のいけにえ、和解のいけにえについての決まりです。 38 これが、シナイの荒野で主がモーセに教えた、いけにえのささげ方です。
再び神の国のたとえ話
25 神の国は、ランプを持って花婿を迎えに出た、十人の娘(花嫁の付き添い)のようです。 2-4 そのうちの五人は賢く、ランプの油を十分用意していましたが、残りの五人は愚かで、うっかり忘れていました。
5 花婿の到着が遅れたので、みな横になり寝入ってしまいました。 6 真夜中ごろ、ようやく、『花婿のお着きー。迎えに出なさーい』と叫ぶ声がします。
7-8 娘たちは飛び起きると、めいめい自分のランプを整えました。その時、油を用意していなかった五人の娘は、ランプが今にも消えそうなので、ほかの五人に油を分けてほしいと頼みました。
9 『ごめんなさい。分けてあげるほどはありません。それよりもお店に行って、買ってきたほうがいいのではないかしら。』
10 こう言われて、あわてて買いに行っているうちに、花婿が到着しました。用意のできていた娘たちは、花婿といっしょに披露宴に行き、戸は閉じられました。
11 そのあとで、例の五人が帰って来て、『ご主人様、戸を開けてください!』と叫びました。
12 ところが主人は、『私はあなたがたを知りません』と答えました。
13 こんなことにならないために、目を覚まして、いつでもわたしを迎える準備をしていなさい。わたしが来るその日、その時が、いつかわからないのですから。
14 天の御国はまた、他国へ出かけたある人のようです。彼は出発前に、使用人たちを呼び、『さあ、元手をやるから、これで留守中に商売をしなさい』と、それぞれにお金を預けました。
15 めいめいの能力に応じて、一人には五タラント(一タラントは六千日分の賃金)、ほかの一人には二タラント、もう一人には一タラントというふうに。こうして、彼は旅に出ました。 16 五タラント受け取った男は、それを元手にさっそく商売を始め、じきに五タラントもうけました。 17 二タラント受け取った男もすぐ仕事を始め、二タラントもうけました。
18 ところが、一タラント受け取った男は、地面に穴を掘ると、その中にお金を隠してしまいました。
19 だいぶ時がたち、主人が帰って来ました。すぐに使用人たちが呼ばれ、清算が始まりました。 20 五タラント預かった男は十タラントを差し出しました。『ご主人様。ごらんください。あの五タラントを倍にしました。』 21 主人は彼の働きをほめました。『よくやった。おまえはわずかなお金を忠実に使ったから、今度はもっとたくさんの仕事を任せよう。私といっしょに喜んでくれ。』
22 次に、二タラント受け取った男が来て、『ご主人様。ごらんください。あの二タラントを倍にしました』と言いました。
23 『よくやった。おまえはわずかなお金を忠実に使ったから、今度はもっとたくさんの仕事を任せよう。私といっしょに喜んでくれ。』主人はこの男もほめてやりました。
24-25 最後に、一タラント受け取った男が進み出て言いました。『ご主人様。あなたはたいそうひどい方でございます。私は前々からそれを知っておりましたから、せっかくお金をもうけても、あなたが取り上げてしまうのではないかと、こわくてしかたがなかったのです。それで、あなたのお金を土の中に隠しておきました。はい、これがそのお金でございます。』
26 これを聞いて、主人は答えて言いました。『なんという悪いやつだ! なまけ者めが! 私がおまえのもうけを取り上げるのがわかっていたというのか。 27 だったらせめて、そのお金を銀行にでも預金しておけばよかったのだ。そうすれば、利息がついたではないか。 28 さあ、この男のお金を取り上げて、五タラント持っている者にやりなさい。 29 与えられたものを上手に使う者はもっと多くのものが与えられ、ますます豊かになる。だが不忠実な者は、与えられたわずかなものさえ取り上げられてしまうのだ。 30 役立たずは、外の暗闇へ追い出してしまいなさい。そこで、泣きわめくなり、くやしがったりするがいい。』
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