M’Cheyne Bible Reading Plan
イサクの結婚
24 アブラハムは神の祝福を豊かに受けて、何不自由なく暮らしていましたが、もうかなりの高齢になっていました。 2 そんなある日、アブラハムは家を管理させていた最年長の召使に言いました。 3 「天と地を治める神、主にかけて誓ってくれ。私の息子をカナン人の娘と結婚させてはならない。 4 私の故郷に住む親類のところへ行き、嫁を見つけて来てはくれまいか。」
5 「そうおっしゃいましても、何分、あまりにも遠い所でございます。ここまで嫁に来ようという娘さんがいるかどうか……。もし見つからなかったら、どういたしますか。イサク様をあちらへお連れして、ご親類の方たちといっしょに住むようにいたしましょうか。」
6 「いいや、だめだ。どんなことがあっても、それだけはできない。 7 天の神様から、私はご命令を受けたのだ。あの土地と親族から離れるようにと。それに、私と私の子孫にこの土地を与えるというお約束もある。そう言われる以上、神様が天使を遣わして、どうすればよいか教えてくださるはずだ。息子の嫁はきっと見つかる。 8 だが、どうしてもうまくいかない場合は……しかたがない、その時は一人で帰って来なさい。ただ、どんなことがあっても、息子をあそこへ連れて行くことだけはならない。」
9 召使は、指示どおりにすると心から誓いました。 10 さっそく、旅行の準備にかからなければなりません。まず、らくだを十頭選びました。また、贈り物として最上の物を幾つかより分けました。それを全部らくだに積み終えると、一行はナホル(アブラハムの兄弟)の住むアラム・ナハライム地方(現在のイラクの一地域)へ向かったのです。 11 いよいよ目的地に着くという時、アブラハムの召使は、町はずれの泉のそばにらくだを座らせました。ちょうど夕方で、女たちが水くみに来る時刻でした。
12 彼は祈りました。「私の主人アブラハムの神様、どうぞご主人様に恵みをお与えください。また、私がこの旅の目的を果たせますよう、お助けください。 13 いま私は、この泉のかたわらで、娘たちが水をくみに来るのを待っています。 14 そこで、こうしていただけないでしょうか。娘たちに水を下さいと頼むつもりですが、その時もし、『ええ、どうぞ。らくだにも飲ませましょう』と言ってくれたら、その娘さんこそイサク様の妻となるべき娘だ、ということにしてください。そうすれば、主人アブラハムへの神様のお恵みを知ることができます。」
15-16 このように祈っていると、リベカという美しい娘が水がめを肩にのせ、泉にやって来ました。そして、水がめに水をいっぱい入れました。彼女の父親はベトエルと言い、アブラハムの兄弟ナホルと妻ミルカの息子でした。 17 アブラハムの召使はさっそく彼女に走り寄って、水を飲ませてほしいと頼みました。 18 「どうぞ、どうぞ」と、その娘はすぐに水がめを下ろし、彼が飲み終わるのを見はからって、 19 こう言いました。「そうそう、らくだにもたっぷり飲ませてあげましょう。」 20 彼女は水をおけにあけると、また小走りでくみに行き、 21 すべてのらくだに飲ませたのでした。召使は、はたして彼女が自分の探していた娘なのかどうか見きわめようと、無言のまま、じっと彼女のかいがいしい仕事ぶりを見守っていました。 22 そして、らくだが水を飲み終わる頃合に、金の鼻輪と、金の腕輪を二つ、彼女に渡して尋ねました。 23 「つかぬことを伺いますが、お父様のお名前は何とおっしゃるのですか。それに、できれば今夜、お宅に泊めていただくわけにはまいりませんでしょうか。」
24 「父はベトエルです。ナホルとミルカの息子ですよ。もちろん、ご遠慮はいりません。どうぞお泊まりください。 25 らくだのためのわらや餌も十分ありますし、お客様用のお部屋もございます。」
26 老召使は立ったまま頭を垂れ、その場で主を礼拝しました。 27 「主人アブラハムの神様、ありがとうございます。なんというお恵みでしょう。主人への約束を、こんなにもすばらしい方法でかなえてくださるとは。主人の親族にこんなに早く会えるとは思ってもみませんでした。何もかもあなたのお引き合わせです。ほんとうにありがとうございます。」
28 一方、娘は家へ駆け戻り、家族に客のことを話しました。 29-30 話を聞いたリベカの兄ラバンは、鼻輪と腕輪を見ると、大急ぎで泉に駆けつけました。老人はまだそこにいて、らくだのそばに立っていました。 31 「ここにおいででしたか。お話は伺いました。これも、主の特別の祝福に違いありません。さあさあ、こんな町はずれに立っていないで、どうぞ家へおいでください。部屋はお越しを待つばかりになっていますし、らくだを休ませる場所もあります。」
32 勧めに従い、老召使はラバンについて行きました。ラバンは、らくだにわらと餌を与え、供の者たちにも足を洗う水を出しました。 33 やがて夕食の時間になりました。いよいよ話を切り出す時です。老召使は言いました。「お食事を頂く前に、ぜひともお聞き願いたいことがあります。どういうわけで私がここにまいったか、その用向きをお話ししなければなりません。」
「かまいませんとも。そのご用向きを伺いましょう」と、ラバンが促します。
34 「実は、私の主人はアブラハムと申しまして、 35 主に特別な祝福を頂いております。土地の人々からも大いに尊敬されるりっぱな人です。家畜も多く、金銀をはじめ、多くの財産もあります。奴隷も大ぜいおり、らくだやろばもたくさんいます。 36 奥様はたいへん年を取ってからお子さんに恵まれ、主人は全財産をこの息子さんに譲りました。 37 ところで、主人が申しますには、息子イサク様をカナンの地の女と結婚させてはならない、というのでございます。 38 どうしてもこの遠い国まで来て、ご兄弟の親族の中から花嫁を連れて帰れというご命令で。 39 私は万一の場合を考えまして、『もし、いっしょに来るという娘さんが見つからなかったらどういたしましょう』と尋ねました。 40 すると主人は、そんな心配はいらない、と申します。『必ず見つかる。これまで私は主のお心に背いたことはない。大丈夫、主が天使を遣わして、必ずうまくいくようにしてくださる。だから、私の親類から嫁を見つけて来なさい。 41 必ずそうすると誓ってもらう。それでも万一、娘をこんな遠くにはよこせないと断られたら、その時はしかたがない。そのまま一人で帰って来てよい』と、そう申すのでございます。
42 そのようなわけで、今日の午後、泉にたどり着いた時、私はこう祈りました。『主人アブラハムの神様、もしも私が使命を無事に果たせるようにお助けくださるのでしたら、どうぞこのようにしてください。 43 私はちょうど泉のそばにおりますから、水をくみに来る娘さんに、「水を飲ませてください」と頼みましょう。 44 そして、もし娘さんが、「ええ、どうぞ。らくだにも飲ませましょう」と答えたら、その娘さんこそ、神様がご主人の息子の嫁として選んだ人だ、ということにしてください。』
45 こうお祈りしている最中に、リベカさんがいらしたのです。水がめを肩に載せ、泉に降りると、なみなみと水をくんでいらしたので、『すみませんが、水を飲ませてください』とお願いしました。 46 うれしいことに、リベカさんはすぐ水がめを下ろして、飲ませてくださるではありませんか。そればかりではありません。『そうそう、らくだにもたっぷり飲ませましょう』と言って、そのとおりなさったのです。 47 私ははやる気持ちをぐっと抑えて尋ねました。『失礼ですが、どなたの娘さんですか?』『ナホル家の者です。父はベトエルといい、ナホルとミルカの息子です』とおっしゃるのを聞いて、もう間違いないと思いました。それでさっそく、鼻輪と腕輪を差し上げたわけです。 48 私は頭を垂れ、主人アブラハムの神様のすばらしいお引き合わせに、心からお礼を申し上げました。こんなにも早く、主人のご兄弟と縁続きの娘さんにお会いできるとは、思いもよらなかったものですから。 49 と、こういうわけなのです。いかがなものでしょう。率直にお気持ちを聞かせていただけないでしょうか。私の主人の願いをお聞き届けくださるなら、願ってもないことです。いずれにしましても、ご返事を頂ければ、私は進む方向を決めることができます。」
50 「神様があなたを送って来られたのは明らかですから、私たちが何を言えましょう」とラバンとベトエルは答え、ベトエルが続けました。「とすれば、お断りするわけにもまいりません。 51 どうぞ娘リベカを連れて行ってください。神様のお示しになったとおり、ご主人の息子さんの妻となさってください。」
52 答えを聞くと、アブラハムの召使はひざまずいて主を礼拝しました。 53 それから、純金や純銀の台にはめ込んだ宝石や美しい衣装を取り出して、リベカに与え、母親と兄にも、たくさんの高価な贈り物をしたのです。
54 ようやく一段落ついたところで夕食をとり、その晩、老召使は供の者たちといっしょに泊まりました。そして次の朝早く、彼は言いました。「どうもお世話になりました。そうゆっくりもできませんので、主人のところへ帰らせていただきたいのですが。」
55 「それはまた急なお話で……。せめて十日ばかりはよろしいではありませんか。リベカもいろいろ準備があることですし、これから先、もう会えないかもしれません。ゆっくり名残を惜しんでからにしていただくわけにはいきませんか。」母親と兄は、何とか引き止めようとします。
56 しかし召使は、「おことばを返すようですが、やはり帰らせてください。主のおかげで用向きも無事に果たせたことですし、一刻も早く帰って主人に報告したいのです。」
57 「そうまでおっしゃるのですか。では、こうしたらいかがでしょう。娘を呼んで本人の気持ちを直接聞きましょう。」
58 二人はリベカを呼んで尋ねました。「どうだ、今すぐこの方といっしょに行くかね。」
「はい、まいります。」
59 本人が承知した以上、断る理由もありません。リベカが小さい時からの乳母をつけて送り出すことにしました。 60 別れる時、彼らはリベカを祝福しました。「妹よ。数えきれないほど多くの国民の母となるように。おまえの子孫が、すべての敵に打ち勝つように。」
61 こうしてリベカと使用人の少女たちは、らくだに乗り、老召使といっしょに出発しました。
62 一方、このころイサクはネゲブに住んでいましたが、ちょうどベエル・ラハイ・ロイから帰って来たところでした。 63 夕暮れの野を散歩しながら物思いにふけっていた時です。ふと目を上げると、向こうかららくだの一行が来るのが見えます。 64 リベカもイサクに気づき、すぐにらくだから降りました。 65 リベカは老召使に尋ねました。「あそこにいらっしゃる方はどなたですの? 私たちを迎えにいらしたのかしら。」「おお、あれが若だんな様でございますよ。」そう言われて、彼女はあわててベールをかぶりました。 66 老召使はイサクにこれまでの一部始終を話しました。
67 イサクはリベカを、亡き母サラが使っていたテントに連れて行きました。こうして二人は結婚したのです。イサクは妻を心から愛し、母親を亡くした悲しみも、妻を得たことで慰められました。
偽善者のまちがい
23 イエスは、群衆と弟子たちにお語りになりました。 2 「ユダヤ人の指導者やパリサイ人たちが、あまりにたくさんの戒めを作り上げているので、あなたがたは、彼らをまるでモーセのようだと思っているでしょう。 3 もちろん、彼らの言うことは、みな実行すべきです。言っていることは良いことなのですから。だが、やっていることだけは絶対にまねてはいけません。彼らは言うとおりに実行していないからです。 4 とうてい実行できないような命令を与えておいて、自分では、それを守ろうとしないのです。
5 彼らのやることと言ったら、人に見せびらかすことばかりです。幅広の経札(聖書のことばを納めた小箱で、祈りの時に身につける)を腕や額につけたり、着物のふさ(神のおきてを思い出すために着物のすそにつけるように命じられていた)を長くしたりして、あたかも聖者であるかのようにふるまいます。 6 また、宴会で上座に着いたり、会堂の特別席に座ったりするのが何より好きです。 7 街頭でていねいなあいさつを受けたり、『ラビ』(へブル語で、教師)とか『先生』とか呼ばれることも大好きです。 8 だがあなたがたは、だれからもそう呼ばれないようにしなさい。なぜなら、神だけがあなたがたのラビであって、あなたがたはみな同じ兄弟だからです。 9 またこの地上で、だれをも『父』と呼ばないようにしなさい。天におられる神だけが『父』と呼ばれるにふさわしい方だからです。 10 それに、『先生』と呼ばれてもいけません。あなたがたの先生は、ただキリストひとりです。
11 人に仕える人が最も偉大な者です。ですから、まず仕える者になりなさい。 12 われこそはと思っている人たちは、必ず失望し、高慢の鼻をへし折られてしまいます。一方、自分から身を低くする者は、かえって高く上げられるのです。
13 ああ、いまわしいパリサイ人、ユダヤ教の指導者たち。あなたがたは偽善者です。神の国に入ろうとしている人たちのじゃまをし、自分でも入ろうとはしないのです。 14 町の大通りで、見栄のための長い祈りをし、聖者のようなふりをしながら、未亡人の家を食いものにしています。偽善者たち。
15 そうです。あなたがたのような偽善者こそいまわしいものです。たった一人の改宗者(ユダヤ教に転向する人)をつくるために、どんな遠くへでもせっせと出かけて行くが、結局その人を、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうのです。
16 自分の目が見えないのに人の手引きをしようとする者たち。あなたがたの規則では、『神殿にかけて』と誓った誓いは何でもないが、『神殿の黄金にかけて』と誓った誓いは果たさなければならないと言います。 17 愚かな人たち。黄金と、黄金を神聖なものにする神殿と、いったいどちらが大切なのですか。 18 また、『祭壇にかけて』と誓った誓いは破ってもいいが、『祭壇の上の供え物にかけて』と誓った誓いは果たさなければならないと言います。 19 愚かな人たち。祭壇の上の供え物と、その供え物を神聖なものにする祭壇自体と、いったいどちらが大切なのですか。 20 『祭壇にかけて』と誓うことは、祭壇の上のすべてのものにかけて誓うことにもなり、 21 『神殿にかけて』と誓うなら、神殿と、そこにおられる神にかけて誓うことになるのです。 22 また、『天にかけて』と誓うなら、神の御座と神ご自身にかけて誓うことになるのです。
23 パリサイ人、ユダヤ教の指導者たち。あなたがたは偽善者です。自分の畑でとれる、はっかの葉の最後の一枚に至るまで、実にきちょうめんに十分の一をささげているのに、律法の中ではるかに大切な正義と思いやり、信仰はおろそかにしています。もちろん十分の一はささげるべきですが、もっと大切なことをなおざりにしては何にもなりません。 24 自分の目が見えないのに、他人の手引きをしようとする者たち。あなたがたは、小さなぶよは気にして取り出しながら、大きならくだは丸ごとのみ込んでいるのです。
25 いまわしい人たちよ。パリサイ人、ユダヤ教の指導者たち。あなたがたは偽善者です。杯の外側はきれいにみがき上げるが、内側はゆすりと貪欲で汚れきっています。 26 目の見えないパリサイ人たち。まず杯の内側をきれいにしなさい。そうすれば、杯全体がきれいになるのです。
27 ああ、いまわしいパリサイ人、ユダヤ教の指導者たち。あなたがたは美しく塗り立てた墓のようです。外側がどんなにきれいでも、中は死人の骨や汚らわしいもの、腐ったものでいっぱいです。 28 自分を聖人らしく見せようとしているが、その外見とは裏腹に、心の中はあらゆる偽善と罪で汚れているのです。
29 いまわしいパリサイ人、ユダヤ教の指導者たち。あなたがたは偽善者です。先祖が殺した預言者の記念碑を建てたり、先祖の手にかかった、神を敬う者たちの墓前に花を飾ったりして、 30 『私たちには、先祖がしたような、こんな恐ろしいまねはとてもできません』と言っています。
31 そんなことを言うこと自体、自分があの悪人たちの子孫だということを、自分で証言するようなものです。 32 あなたがたは先祖の悪業を継いで、それを完成させているのです。 33 蛇よ。まむしの子らよ。あなたがたは、地獄の刑罰を逃れることはできません。
34 わたしがあなたがたのところに、預言者や、聖霊に満たされた人、神のことばを書き記す力を与えられた人たちを遣わすと、あなたがたは彼らを十字架につけて殺したり、会堂でむち打ったり、町から町へと追い回して迫害したりします。
35-36 こうして、義人アベルから、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの子ザカリヤに至るまで、正しい人たちが流したすべての血について、あなたがたは有罪とされます。そうです。何世紀にもわたって積み重ねられてきたこれらの報いは、今この時代の者たちの上に一度に降りかかってくるのです。
37 ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、神がこの都のために遣わされたすべての人を石で打ち殺す町よ。わたしは、めんどりがひなを翼の下に集めるように、何度、あなたの子らを集めようとしたことでしょう。それなのに、あなたがたはそれを拒んでしまったのです。 38 ですから、あなたがたの家は荒れ果てたまま見捨てられます。 39 はっきり言っておきます。神から遣わされた方を喜んで迎えるようになるまで、あなたがたは二度とわたしを見ることはありません。」
ネヘミヤの最後の改革
13 その日、モーセの律法の書が朗読されましたが、その中に、アモン人やモアブ人は神殿で礼拝してはならないと書いてあることがわかりました。 2 というのは、彼らがイスラエルに対して友好的でないばかりか、バラムを雇って、のろいをかけようとさえしたことがあったからです。神は、こののろいを祝福に変えてくださったのでした。 3 この規定が読み上げられると直ちに、外国人は一人残らず集会から追放されました。
4 このことが起こる前の話ですが、神殿の倉庫の管理者で、トビヤと親しかった祭司エルヤシブが、 5 トビヤのために倉庫を豪華な客間に改造するということがありました。この倉庫には以前、穀物のささげ物、香料、器物、穀物や新しいぶどう酒やオリーブ油の十分の一税が保管されていました。モーセは、これらのささげ物はレビ人や聖歌隊員や門衛に支給すると定めていました。このほか、祭司のためのささげ物も保管されていました。 6 ちょうどその時、私はエルサレムにいませんでした。アルタシャスタ王の第三十二年に、バビロンへ帰っていたのです。再び許可を得てエルサレムに戻ると、 7 帰着早々、この悪事を知らされたのです。 8 私は激しい憤りを覚え、トビヤの持ち物を全部外へ放り出しました。 9 そして、部屋をきよめさせ、神殿の器物、穀物のささげ物、香料を、元どおりそこに戻したのです。
10 私はまた、生活費の支給が打ち切られたため、礼拝の務めをする聖歌隊員ともども、おのおのの農地に引き揚げてしまったレビ人のことも聞かされました。 11 そこですぐ、指導者たちとじかに会い、「どうして、神殿をないがしろにするのだ」と談判しました。そのようにして、レビ人をみな呼び戻し、本来の職務に就かせたのです。 12 ユダの人々はみな再び、穀物やぶどう酒やオリーブ油の十分の一のささげ物を神殿の宝物倉に持って来るようになりました。 13 私は、祭司シェレムヤ、学者ツァドク、レビ人ペダヤに倉庫の管理を任せ、マタヌヤの孫でザクルの子ハナンを補佐役にしました。みな評判のよい人々です。彼らの仕事は、仲間のレビ人に適正な配給をすることでした。 14 神様、この私の忠実な行いを心にお留めください。私が神殿のためにしたすべてのことを、お忘れにならないでください。
15 ある日、私は畑で、安息日だというのに、ぶどうを絞ったり、麦束を運んだりしている者や、ぶどう酒、ぶどう、いちじくなどの産物をろばに積んで、エルサレムに運び込もうとしている者たちを見つけました。私は彼らを、公衆の面前でしかりつけました。 16 ツロから来た商人も、魚などの商品を持って来て、安息日にエルサレムで売っていました。 17 私は、ユダの指導者たちに尋ねました。「よくも安息日を汚してくれたものだ。 18 元はといえば、私たちの先祖がこんなことをしたから、私たちもこの都も、災難をこうむったのではなかったか。こんなことを続けていたら、もっと大きな御怒りを招くことになる。」
19 それ以来、私は金曜日の日没に都の門を閉め、安息日が終わるまで開かないようにと命じました。そして、従者に門を監視させ、安息日に商品が持ち込まれないようにしたのです。 20 商人や業者が、エルサレムの外にテントを張ったことが一、二回ありましたが、 21 私は彼らをしかって言いました。「いったい、どういうつもりなのか。城壁の回りでうろうろしてはならない。二度とこんなまねをしたら、即刻逮捕する。」それ以後、彼らは安息日に姿を見せなくなりました。 22 それから、レビ人に命じて、身をきよめさせ、安息日をきよく保つために門を守らせました。神様、このような、あなたをお喜ばせする行いを心にお留めください。大いなる愛で私を包んでください。
23 このころ、ユダヤ人の中には、アシュドデ人やアモン人やモアブ人の女と結婚している者があり、 24 ユダヤのことばが全くわからない子どもが大ぜいいることに気づきました。 25 そこで、その親たちを非難してのろい、数人をなぐり倒し、髪の毛を引き抜きました。こうして、子どもを外国人とは絶対に結婚させないと、神に誓わせたのです。 26 「そもそも、ソロモン王はこの問題でつまずいたのではないか。彼の右に出るような王はいなかった。神から愛され、イスラエルの王として立てられたあのソロモンが、外国の女にそそのかされ、偶像礼拝に陥ったではなかったか。 27 おまえたちのしたことは、それほど罪深いことなのだ。見過ごしになどできるだろうか。」
28 また、大祭司エルヤシブを父に持つエホヤダの子の一人が、ホロン人サヌバラテの娘を嫁にしていることがわかったので、彼を神殿から追放しました。 29 神様、どうかこの者たちを忘れないでください。祭司職を汚し、祭司やレビ人の契約と誓約を破ったからです。
30 私は外国人を追放し、祭司とレビ人に務めを割り当て、各自の仕事を徹底させました。 31 彼らは、定められたとおり祭壇にたきぎを運び、いけにえや初物のささげ物の管理に当たりました。神様、どうか私をあわれみ、心にお留めください。
23 パウロは議会の面々をじっと見つめ、口を開きました。「皆さん。私はいつでも神の前で、少しも良心に恥じない生活を送ってまいりました。」
2 これを聞いただけで、大祭司のアナニヤは、パウロのそばに立っている者たちに、「やつの口を打て」と命じました。
3 パウロは、しっかりアナニヤを見すえて言いました。「神に罰せられるのは、あなたのほうだ。うわべだけは取りつくろっても、自分で律法を破っている。私を打てとは、なんという裁判官か。」
4 「それが大祭司様に対することばか!」そばにいた者たちが叫びました。
5 「あの人が大祭司ですって? それは知りませんでした。聖書には確かに、『指導者の悪口を言ってはならない』と書いてありますが。」
6 そう言ってパウロは、議会にはサドカイ人もいれば、パリサイ人もいることに気づき、こう叫びました。「皆さん。私は先祖代々のパリサイ人です。私が今ここでさばかれているのは、死者の復活を信じているからなのです。」
7 このことばで、議会はパリサイ派とサドカイ派に真っ二つに分かれてしまいました。 8 サドカイ派が復活も天使も信じず、永遠に生きる霊もないと主張する一方、パリサイ派は、それらを全部信じていたからです。
9 議会は大混乱に陥りました。ユダヤ人の指導者の中にも、パウロは正しいと論じる人が現れて、彼らは大声で言いました。「この人は別に悪いことなんかしていない。たぶんダマスコへ行く途中で、何かの霊か天使が語りかけたのだろう。」
10 叫び声はますます大きくなり、人々はパウロを両方から奪い合おうとします。パウロが引き裂かれるのではないかと心配になった司令官は、兵士たちに、力ずくでパウロを人々から引き離させ、兵営に連れ帰りました。
11 その夜、主がパウロのそばに立って、こう言われました。「パウロよ。心配はいらない。あなたは、このエルサレムでと同じように、ローマでもわたしのことを人々に証言するのだ。」
12-13 翌朝、四十名以上のユダヤ人が集まり、パウロを殺すまでは飲み食いをしないと誓い合いました。 14 彼らは、祭司長と長老たちのところへ行ってその決意を告げ、 15 「もう少しパウロを尋問したいと言って、彼をもう一度議会に立たせるよう、司令官に頼んでいただけないでしょうか。あとは私たちが途中で待ち伏せて、うまく始末します」と願い出ました。
16 ところが、この陰謀を、パウロの甥が知ったのです。彼は急いで兵営に駆け込み、このことをパウロに知らせました。
17 パウロは士官の一人を呼び、「この青年を、司令官に会わせてやってください。重大な報告があるそうですから」と頼みました。
18 士官はすぐに、青年を連れて司令官のところへ行き、「囚人のパウロが、この青年をお引き合わせするようにと申しております。何か報告があるそうで……」と伝えました。
19 司令官は青年の手を取り、だれもいないところへ連れて行って、「いったいどんな用件か」と尋ねました。
20 「ユダヤ人たちが、もう少し取り調べたいことがあるようなふりをして、明日パウロをもう一度議会に呼び出すことを願い出ます。 21 しかし、どうか許可なさいませんように。四十名以上の者が、パウロを襲い、殺そうと待ち伏せているからです。彼らは、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い合っています。今、彼らは外で、あなたの許可が下りるのを待っているのです。」
22 司令官は、「このことはだれにも口外するな」と言い含めて、青年を帰しました。 23-24 それからすぐ彼は、士官を二人呼び、「今夜九時、カイザリヤに向けて出発できるよう準備せよ。兵士は二百名だ。それと槍兵二百名、騎兵七十名も同行させよ。パウロを馬に乗せ、総督ペリクス閣下のもとへ無事に送り届けるのだ」と命じました。
25 このとき司令官が総督に送った手紙は、次のようなものでした。 26 「クラウデオ・ルシヤから、総督ペリクス閣下に、ごあいさつを申し上げます。 27 この者は、ユダヤ人に捕らえられ、危うく殺害されるところを、本官が兵を率いて駆けつけ、救出した者でございます。それというのも、れっきとしたローマ市民であったからです。 28 その後、議会で真相を調べましたところ、 29 問題はユダヤ人の信仰上のことであり、この者を投獄したり、死刑にしたりするような事件ではないことが判明いたしました。 30 しかし、この者のいのちをねらう陰謀が巡らされているとの情報をつかみましたので、彼の身柄を閣下のもとに送ることにいたします。また、この者を訴えたければ、以後は閣下の前で訴えるようにと、その旨指示しておきました。」
31 その夜のうちに、兵士たちは命令どおりパウロをアンテパトリスまで護送し、 32 翌朝、そこからカイザリヤまでは騎兵隊に任せて、兵営に引き返しました。
33 カイザリヤに着くと、騎兵隊は、司令官からの手紙といっしょにパウロを総督に引き渡しました。 34 手紙を読み終えた総督が出身地を尋ねたので、パウロはキリキヤだと答えました。
35 総督は、「おまえを訴える者たちが来てから、くわしく取り調べよう」と申し渡し、ヘロデの官邸内の牢獄に、パウロを入れておくよう命じました。
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