Read the Gospels in 40 Days
離婚について
(マタイ19:1-12)
10 ガリラヤ湖沿いにあるカペナウムの町を出発したイエスは、ユダヤ地方に向かっていた。ヨルダン川を渡ったところで、また多くの人たちが集まって来たので、イエスは教え始めた。
2 パリサイ派の中にはイエスに近づき、何か悪いことを言わせようと企んでいる者がいた。彼らはイエスに尋ねた。「夫が妻と離婚する権利は、持っていますか?」
3 イエスは答えた。「モーセは、何を命じた?」
4 パリサイ派が言った。「夫が離婚状を書くならば、妻との離婚を許すとありますが・・・」——【申命記24:1より引用】
5 イエスは言った。「あぁ、妻を愛し続けないことで、神の教えに背くお前たちのためにモーセが記した掟だ! 6 だが、神がこの世界を創った時、『人を男と女とに創った。 7 だからこそ、男は父と母を離れ、自分の妻と結ばれる。 8 こうして、2人は1つになる』と。したがって、彼らは2人ではなく1つだ。 9 神がひとつに結び合わせたんだ。誰もそれを引き離してはならない」——【創世記2:24より引用】
10 その後、弟子たちとイエスが再び家にいた時、弟子はイエスに離婚の問題について尋ねた。 11 イエスは言った。「妻と離婚して他の女と結婚すれば、妻に対して過ちを犯すこととなる。それは不倫の罪を犯しているのだ。 12 そして、夫と離婚して他の男と結婚すれば、女性も不倫の罪を犯していることになる」
子供たちを歓迎するイエス
(マタイ19:13-15; ルカ18:15-17)
13 人々は幼い子供たちをイエスのもとに連れて行った。自分の子供に手を置いてもらい祝福を祈ってもらうためだった。しかし、弟子たちは人々を止めるよう言った。 14 イエスはこれを見て腹を立てた。そこでイエスは弟子たちに言った。「子供たちを通せ!彼らを止めるな!神の王国は子供たちのような人のためにある。 15 真実はこうだ!小さな子供が物事を受け入れるように、お前たちも神の王国をその様に受け入れなければならない。そうでなければ、そこへは入ることはできない!」 16 それからイエスは、子供たちを抱きかかえて彼らの上に手を置き、祝福されるように祈った。
イエスに従うことを拒否するお金持ち
(マタイ19:16-30; ルカ18:18-30)
17 イエスがその場から立ち去ろうとすると、ある男が駆け寄ってイエスの前にひざまづいて、聞いた。「素晴らしい先生!私が永遠の命を得るためには、私は何をしなければなりませんか?」
18 イエスは答えた。「なぜわたしのことを『素晴らしい』などと呼ぶんだ?神のみが素晴らしい。 19 それに、神の掟ぐらい知っているだろう?『殺さない、結婚した相手以外との性交渉をしない、盗まない、ウソをつかない、だまさない、父と母を敬う』と・・・」
20 男は言った。「先生!もちろんです!私は幼いころから全部!この掟を全て守り続けています!」
21 イエスは心から彼のことを思い、こう言った。「まだ1つ必要なことが残っている。自分の持っている物を全部売り払うんだ。貧しい人たちにお金を与えなさい!そうすれば、あなたは天で富を得る!その後、わたしについて来るんだ!」
22 男はすごくお金持ちだった。そのためイエスにお金を諦めるようにと言われた時、その男はすごく腹を立てた。こうして、彼は悲しくもその場から立ち去った。 23 イエスは、弟子たちの方へ振りかえって言った。「裕福な者が神の王国に入るのは、とても難しい!」
24 弟子たちはイエスが言ったことに驚いた。だが、彼はもう一度言った。「わたしの子たちよ、神の王国に入るのは、とても厳しいことなんだ。 25 裕福な者が神の王国に入るよりも、ラクダが針の穴を通る方が簡単だ!」
26 弟子たちはさらに驚いて、お互いに言った。「では、救われる人なんて本当にいるのか・・・?」
27 イエスは彼らを見て言った。「それは人間にはできないこと。しかし、神にはできる。神は何でもできるんだ!」
28 ペテロがイエスに言った。「俺たちは全部を置いてあなたについて来た!」
29 するとイエスは、「約束する!誰でもわたしのために、また、わたしの最高な知らせのために自分の家、兄弟や姉妹、母親や父親、子供たちや財産を置いていった者は、 30 彼らが置いてきた100倍以上のものを受けとる。そして、この世界で彼らはもっと多くの家、兄弟や姉妹、母親や子供、そして財産を手に入れるのだ。このために人は迫害を受けるだろう。しかし来るべき世界で、永遠のいのちの報酬を得るのだ! 31 いま、最も高い場所を得ている多くの人は、将来的には最低の場所を得るだろう。そして今、最低な場所を得ている人々は、最も高い場所を得ることになるのだ」
自分の死についてもう一度話すイエス
(マタイ20:17-19; ルカ18:31-34)
32 イエスは弟子と群衆の先頭に立って、神殿の都エルサレムに向かっていた。弟子たちは、後を追いながらこれから何が起こるのかと考えていた。そのまた後ろの群衆たちは、これから起こりうることを恐れつつも彼らについていった。イエスは12使徒を呼び集めた。歩きながら、彼らを近くに呼び寄せると、エルサレムでこれから起こることを伝えた。 33 イエスが言った。「俺たちは、これからエルサレムへ行く。が、まず人の子は祭司長や掟の学者たちの手に受け渡される。彼らは、人の子が死ななければならないと言って、俺を外国人の手に引き渡す。 34 その外国人たちは、人の子をバカにし、つばを吐きかける。そしてムチで打ち・・・殺すのだ!だが、3日目に人の子は復活する!」
イエスから特別な好意を求めるヤコブとヨハネ
(マタイ20:20-28)
35 ゼベダイの子である兄ヤコブと弟ヨハネが、イエスのところにやって来て言った。「先生・・・お願いがあるのですが・・・」
36 「ん、なんだ?」イエスは聞いた。
37 彼らは答えた。「あなたが王として持つことになる栄誉を俺たちにも分けてほしい!1人はあなたの右側に、もう1人はあなたの左側に!」と・・・。
38 イエスが言った。「お前たちは、自分が何を言っているのか分かっていない。俺が飲まなければならない苦しみの杯という名の試練を通ることができるのか?」
39 彼らは答えた。「も、もちろんッ!・・・です」
イエスは彼らに言った。「あぁ、確かにお前たちは、俺と同じ苦しみの杯を飲み、同じ洗礼を通る。 40 だとしてもだ。隣の座に座る人を決めるのは俺ではなく、神だ。神に選ばれた者がその座に付く!」
41 兄ヤコブと弟ヨハネがしたお願いは、他の10人の弟子の耳にまで入った。他の弟子たちはヤコブとヨハネの要望に激怒した。 42 その状況を知ったイエスは、みんなを呼び集めてこう言った。「ユダヤ人以外の者たちの間には権力者が居る。知ってのとおり、権力者は自分の力を見せつけるのが大好きだ。そして、その権力者に仕える指導者たちもまた、権力を振りかざすのがたまらなく好きだ。 43 いいか!お前たちはそうなってはいけない。上に立ちたいなら、喜んで彼らに仕えるんだ。 44 1番になりたければ召使いのように彼らに仕えるんだ。 45 人の子は仕えてもらうためにではなく、『仕えるために来た』のだ!それは、いのちと引き換えに多くの人が救われるためである!」
盲人を癒す
(マタイ20:29-34; ルカ18:35-43)
46 イエスと弟子たちは城壁の町エリコに到着した。イエスの後ろには、たくさんの人がついて来ていたので、あっという間に町は人であふれ返ってしまった。イエスたちが城壁の町エリコを出た時、道端にバルテマイという名の盲目の男が座っていた。彼は、いつもその場所で物乞いをしていた。 47 目の見えないバルテマイだが、自分がいつも座っているこの道を、ナザレ村のイエスが通ると周りの人たちから彼は聞いていた。すると突然、バルテマイは大声で叫んだ。「イエスー!ダビデの子よー!どうか、お助けを!」
48 そこにいた多くの人が、突然叫び始める盲目のバルテマイを黙らせようとした。が、黙るどころかさらに大声で叫ぶバルテマイ。「ダ〰ビデの子よ〰〰!どうかお助けを〰〰!」
49 ピタッ・・・イエスは、その場に立ち止まった。「彼にこっちへ来るように伝えてくれ!」
そこで彼らは盲人を呼んで言った。「よかったなーお前!立ちな!イエスが呼んでいるぞ!」 50 盲人はすぐに立ち上がった。彼は上着をバサッとその場に置いてから、イエスのところまで案内された。
51 イエスが男に聞いた。「わたしに何をしてほしいんだ?」
彼は答えた。「先生!もう一度、見えるようになりたい!」
52 イエスが言った。「よく信じた!そのおかげで治ったぞ。行け!」すぐに男は見えるようになった。彼は喜んで町の外までイエスについていった。
王のようにエルサレムに入って行くイエス
(マタイ21:1-11; ルカ19:28-40; ヨハネ12:12-19)
11 イエスとその弟子たちは神殿の都エルサレムまであと少しのところにいた。オリーブ山のふもとの村、ベテパゲとベタニヤに到着し、イエスは2人の弟子を呼び出した。 2 イエスは彼らに言った。「これからあの町へ行ってくれ。そこには、まだ誰も乗ったことのない若いロバがいる。その綱をほどき、俺のところに連れてくるんだ。 3 『なぜロバを連れて行く?』と聞いてくる人がいれば、『主人が必要で、すぐに戻します』と答えれば良い」
4 2人の弟子たちはその町に入った。すると、家のドア近くの道に若いロバがつながれているのを見つけて、その綱をほどいた。 5 その場に立っていた人たちが不思議そうに見ていた。「あんちゃんたち、ロバの綱をほどいてどうするんだい?」 6 弟子たちはイエスが言われた通りに答え、人々は弟子たちにロバを連れて行かせた。
7 2人はイエスのもとにロバを連れてきた。弟子たちが次々に上着を脱ぎ始めると、ロバにバサッと掛けた。そして、そこにイエスは座った。 8 イエスを迎えるために、群衆が道の上に自分の上着を敷き始めた。中には、小枝を切ってイエスの通り道の上に敷く者たちもいた。 9 ある人はイエスの前を歩き、ある人は後ろから後を追って歩いた。そして、人々はこう叫んだ。
「彼を讃えよ!
迎えよ!王である神の名によって来る方に、神の祝福を!
10 父ダビデの王国に神の祝福を!
その王国が来ている!
天にいる神を讃えよ!」
11 こうして、イエスは神殿の都エルサレムに入っていったのだ。それから、イエスは神殿の敷地内に入り、神殿にある全てのものを見渡すと、既に日も暮れていたので、12使徒と一晩休むために隣町のベタニヤに向かった。
イチジクの木に呪いをかける
(マタイ21:18-19)
12 翌日、イエスと弟子たちはベタニヤを発った。ぐぅぅぅ・・・イエスは腹の虫が鳴るほどお腹が空いていた。 13 イエスが遠くを見ると、遠くに葉のあるイチジクの木が見えた。イエスは実がなっているかどうかを確かめにその木に近寄った。しかし、実ができる季節ではなかったので、あるのは葉っぱのみ。 14 イエスが木に言った。「人は、もう二度とお前の実を口にすることはない」彼の弟子たちも、彼がこう言ったのが聞こえた。
神殿の敷地内をきれいにするイエス
(マタイ21:12-17; ルカ19:45-48; ヨハネ2:13-22)
15 イエスとその弟子が神殿の都エルサレムに着くと、さっそく神殿の敷地内に入っていった。すると、神殿の敷地内で商売をしている人たちを見てイエスの目の色が変わった。バンッ!バタンッ!チャリリリーンッ!イエスは両替人たちの机や、ハトを売っていた商売人たちの机を勢いよくひっくり返した。 16 イエスはこれ以上神殿で物を売ることを許さなかったのだ。神殿を商売の場所にしていたからである。 17 それからイエスは人々に教え始めた。「聖書でこう言われている。『わたしの神殿は全ての国の祈りの家と呼ばれる』と。だが、お前たちは『泥棒の隠れ場所』へと変えてしまった」
18 イエスが言ったことを耳にした祭司長と掟の学者たちは、イエスを殺す方法はないものかと考えていた。しかし、彼らはイエスを恐れていた。なぜなら、全ての人たちがイエスの教えに驚いていたからだ。 19 その夜、イエスは弟子たちを連れて、町を後にした。
イチジクの木と信仰、そして祈りと赦し
(マタイ21:20-22)
20 翌朝、イエスは弟子たちと歩いていると、彼らはイエスが前の日に呪ったイチジクの木を見た。その木は根元から枯れ、死んでいたのだ。 21 ペテロはその木を覚えていたので、イエスに言った。「先生!見てくれ!あんたの言ったとおりになってるよ!」
22 イエスは答えた。「神を信じるんだ。 23 お前たちがこの山に向かって海に入れと命じ、そうなると信じて疑わなければ神がそのとおりにする。 24 また、求めていることを神に祈り求め、それがすでに与えられたと確信するならば、その通りになるのだ! 25 だが、もし誰かを赦せずにいるのならば赦すのが先だ。そうすれば天にいるお父さんも、お前たちの過ちを赦してくれる! 26 もし、赦さないのなら天にいるあなたの父もあなたの過ちを赦すことはない」——【いくつかのギリシャ語訳では、この26節が付け加えられているものが存在する】
指導者たちはイエスの権威を疑う
(マタイ21:23-27; ルカ20:1-8)
27 またエルサレムにやって来たイエスと弟子たちは神殿の敷地内を歩いていた。すると、祭司長や掟の学者、長老たちがイエスのもとにやって来た。 28 彼らはイエスに言った。「答えなさい!あなたにどんな権限があるのですか?誰にその権限を与えられ、これらのことをしているのかと聞いているんですよ!」
29 イエスが答えた。「その前にわたしから質問があります。それにあなたたちが答えるなら、わたしも誰の権限で動いているかを教えましょう。 30 教えてください。洗礼者ヨハネが人に洗礼を授けていた時、彼の権限は神から来たものですか、それとも人から来たものですか、答えてください」
31 ユダヤの権力者たちはイエスの質問について話した。「もし『ヨハネの洗礼は神から来たもの』って答えたら、やつはきっと『ではなぜ、ヨハネを信じなかった?』なんて言うに違いない。 32 しかし、ヨハネの洗礼が人の権限によるものだなんて言いたくても言えませんよ」ユダヤの権力者たちは人々を恐れていた。人々はみんな、ヨハネが預言者だと信じていたからだ。
33 だから、彼ら権力者たちはイエスにこう答えた。「私たちにはわかりません」
すると、イエスが言った。「そうですか!それじゃあ、わたしも誰に権限を与えられて、これをしているのかは答えません」
ぶどう畑の話をするイエス
(マタイ21:33-46; ルカ20:9-19)
12 イエスは人々へ教えるために物語を使って話をした。「ある人がぶどう園を作ることにした。まず、園の周りに垣根を張り、ワインを作るための穴を掘ると、その上に見張り用のやぐらを建てた。彼は、何人かの農民を雇い、そのぶどう園を任せてから旅に出た。
2 やがて収穫の時期が来ると、農園長は自分の分け前を頂くために、雇われ農民たちのところへ使いを送った。 3 雇われている農民は、到着した使いに分け前を渡し感謝するべきところだが、やって来た使いを袋叩きにし、手ぶらで送り返した。 4 そこで農園長は別の使いを送ったが結果は変わらず、農民たちは敬意を示すどころか使いの顔をぶん殴って追いかえした。 5 それでも怒りをこらえた農園長は、また別の使いを送ったが、今度は殺されてしまった!農園長は農民たちのもとへ、何度も何度も使いを送ったが、使いはことごとく袋叩きにされると、みな殺されてしまった・・・
6 もはや、農園長には農民に送る残された使いは一人だけとなった。それは、彼が最も愛する自分の息子である。そこで、彼は『私の息子なら敬意を示してくれるはずだ』と思い、自分の息子を送ったのだ。
7 ところが・・・雇われた農民たちはとんでもないことを企み始めたのだ。『こいつは驚いた。園長のガキじゃねぇか!良いことを思いついたぞ!このぶどう園はいつか、跡取りのコイツのものになるはずだ。ならいっその事、コイツを殺しちまえばいいじゃねぇか。そうすりゃあ、このぶどう園は俺たちのものよ!ガハハハハ』 8 農民たちは彼を捕えて殺害し、その遺体をぶどう園の外に捨ててしまったのだ!
9 さぁその後、ぶどう園の園長はどうすると思う?さすがの園長も堪忍袋の緒が切れ、ぶどう園にすっ飛んで行き農民たちを殺すだろう。そして、他の人を責任者としてたてるだろう。 10 この聖書箇所を読んだことはあるだろう。
『大工が受け入れるのを拒否した石が、礎となった。
11 こうしたのは王である神であり、私たちにとって素晴らしいこと』」
12 ユダヤ人権力者たちがこの話を聞いた時、この話は自分たちのことについて話しているのだということが分かった。彼らはイエスを逮捕する方法を探していたが、群衆が何をしでかすかわからなかったので、それを恐れていた。そこで、彼らはその場を立ち去っていった。
イエスを罠にはめようとする指導者たちの企み
(マタイ22:15-22; ルカ20:20-26)
13 その後、ユダヤ人権力者たちはイエスを陥れるために、パリサイ派やヘロデ党からイエスのもとに数人を送り出した。 14 彼らはイエスのもとに行くと、こう言った。「先生、あなたは正直な方でおられることを存じ上げております。あなた様は他人の顔色をうかがうことなく、真っ直ぐに神の道を教えていらっしゃる。先生、ここで1つ尋ねたいことがありまして・・・ローマ帝王カイザルに税金は納めるべきでしょうか?」
15 しかし、彼らが自分をひっかけようとしてることに気付いていたイエスはこう答えた。「なぜ俺をはめようとする?わたしのところに銀貨を持ってきなさい。見せてほしい」 16 彼らが銀貨をイエスに渡したのでイエスは尋ねた。「この銀貨に描かれているのは誰の肖像だ?また、刻まれている名は誰だ?」彼らは答えた。「カイザル様の肖像と、カイザル様のお名前ですね」
17 それからイエスが彼らに言った。「カイザルのものはカイザルに返し、神のものは神に返しなさい」イエスの答えに、男たちは驚いた。
イエスを罠にはめようとする、あるサドカイ派の人々
(マタイ22:23-33; ルカ20:27-40)
18 その後、何人かのサドカイ派がイエスのもとにやって来た。(サドカイ派は、誰も死から復活することはないと信じている宗派)彼らはイエスに質問した。 19 「先生、モーセはこの様に書いております・・・結婚している男性が亡くなり子供がいない場合、その男の兄弟はその妻と結婚しなければならないと。その後、彼らは死んだ兄弟のためにその子供をつくります。 20 では、7人兄弟がいたとしましょう。1人目の兄弟がある女性と結婚したが亡くなり、彼には子供がいませんでした。 21 そこで、2人目の兄弟がその女性と結婚しましたが、彼も亡くなり子供もいませんでした。同じことが3人目の兄弟にも起きました。 22 兄弟の7人ともその女性と結婚をしましたが、みんな亡くなり、誰ひとりとして彼女との間に子供ができませんでした。そして、最後に彼女が亡くなったのです。 23 こうして、7人とも彼女と結婚しました。すると、人が死から復活した後、彼女は誰の妻になるのでしょうか?」——【申命記25:5-6より引用】
24 イエスは答えた。「どうしてそうなってしまうのだ?聖書が何を言っているのかをわかっていない。そして、あなた達は神の力について何もわかってはいない。 25 人が死から復活する時、そこに結婚は存在しない。人はお互いと結婚しないのだ。全ての人は天国にいる天使のようになるのだ。 26 死から復活することについて神が何と言っているかは読んでいるはずだ!?モーセが燃える柴について書いた本の中で、神はモーセにこう言ったと書かれている。『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』と。 27 神は生きている人たちの神である。つまり、その男たちは本当の意味では死んでいなかったのだ。お前たちサドカイ派は本当に間違っている」——【サドカイ派の人々は人が死ぬとその人の存在自体がなくなると信じている。しかし、イエスはたとえ人が死んでもその人は神と生き続けると教えている】
どの命令が最も重要ですか?
(マタイ22:34-40; ルカ10:25-28)
28 サドカイ派とパリサイ派がイエスに議論を投げかけているのを聞いていたある掟の学者は、イエスにこう尋ねた。「神の掟の中で最も重要な掟は、何ですか?」
29 イエスは答えた。「最も重要な命令はこれだ!『イスラエル人よ、聞くんだ!わたしたちの王である神が唯一の王だ。 30 心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの王である神を愛すのだ』
31 2番目に重要な命令はこれだ!『自分自身を愛しているのと同じように、隣人を愛すのだ!』これらの2つの命令が最も重要だ」
32 男が答えた。「先生、それは素晴らしい答えです。神が唯一の王であり、他に神は存在しないのは間違いありません。 33 そして、心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして神を愛さなければならない。それと、自分を愛するように他人を愛さなければならない。これらの命令は、神への全焼の捧げものや生贄よりももっと重要です」
34 イエスは男が賢く答えたのを見て、彼に言った。「あなたは、神の王国に近い!」その後、イエスにこれ以上の質問をするほどの勇気のある者はいなかった。
救い主はダビデの息子?
(マタイ22:41-46; ルカ20:41-44)
35 イエスは神殿の敷地内で教えていた。彼は尋ねた。「なぜ掟の学者たちは、救い主はダビデ王の子だと教える? 36 聖霊が、ダビデ王を通して言ったことはこうだ。
『♪王である神は私の王に言った。
右の座でわたしのそばに座れ、
そうすれば、あなたの敵をあなたの支配下に置く』——【詩篇110:1より引用】
37 ここでダビデは救い主を『私の王』と呼んだ。であれば、どうやってダビデの息子になりえる?」
大勢の群衆はイエスの教えを聞くのが好きだった。
掟の学者を批判するイエス
(マタイ23:6-7; ルカ11:43; 20:45-47)
38 さらに、イエスは教え続けた。「掟の学者や宗教家たちに気をつけるんだ。彼らは深々と頭を下げてあいさつされるのが好きで仕方がない。身分の高い服装を好んで着ては、人通りの多い場所をうろちょろする。 39 はたまた、ユダヤ集会所やパーティー会場では上座に座りたがる。 40 だが、裏では夫に先立たれた貧しい女たちの家をだまし取る。表面上では、長々と祈り、自分がいかにも信仰深い者なのかを見せびらかすが、そんな八方美人は神によってひどく罰せられるのがオチだ」
未亡人が見せてくれた本当の捧げる姿
(ルカ21:1-4)
41 イエスは神殿の献金箱の反対側に腰を掛け、献金を入れる人たちの様子を眺めていた。ジャリリリリン・・・多くの金持ちたちが大金を入れている音が聞こえる。 42 そこへ1人の貧しい未亡人が来た。チャリン、チャリン・・・1円にも満たない小さな銅貨を2枚入れた音がした。
43 イエスは嬉しそうに弟子たちを呼んで言った。「この貧しい未亡人は小さな銅貨を2枚だけ入れた。でもな、本当は彼女がどのお金持ちよりも多く捧げたのだ。 44 金持ちの彼らが捧げた額など、彼らにとっては余った不必要な額であっただろう。しかし、彼女は全てを捧げた。彼女が捧げたお金は彼女にとって生きるために必要なお金だったのだ」
Copyright © 2023 by Bible League International