Beginning
70 ああ神よ、お救いください。
急いで手を差し伸べてください。
2-3 私のいのちをねらう者どもが、
傷を負わせて楽しんでいるのです。
彼らが、おじ惑いますように。
恥をかかせてやってください。
私がいつまでも、
さげすまれることがないようにしてください。
4 しかし、神にお従いする者には喜びを下さい。
あなたの救いを喜ぶ者には、
「なんとすばらしい神でしょう」と叫ばせてください。
5 私は今、困り果てています。急いでください。
あなたしか助けてくださる方はいないのです。
主よ、さあ早く来てください。
71 主よ。あなたは私の隠れ場です。
私がくずおれないよう、お守りください。
2 不正を憎まれる方よ、この訴えに耳を傾け、
救いの手を差し伸べてください。
3 私を守る大きな岩となり、
いつでも私をかくまい、
あらゆる攻撃から守ってください。
4 ああ神よ、不正をする残忍な者どもの手から、
逃れさせてください。
5 ああ主よ、あなただけが頼りです。
私は幼いころからあなたに信頼してきました。
6 そうです、産声を上げた瞬間から、
あなたは私のそばにいて、
いつも助けてくださいました。
ですから、私はいつもあなたをほめたたえるのです。
7 あなたの強力な守りのおかげで、
私は人々が目をみはるほどの成功を収めたのです。
8 ああ神よ。私は一日中、あなたがしてくださった
数々のことを思い起こしては、
あなたを賛美し、栄誉をたたえています。
9 私は年老いて体力も衰えています。
どうか、お見捨てにならないでください。
10 敵はひそひそと話しています。
11 「神もあいつを見限ったのだ。もうじゃまは入らない。
今度こそ、打ち倒すことができる。」
12 ああ神よ、そんなに離れた所にいないでください。
急いで来て助けてください。
13 敵を痛めつけ、恥をかかせてください。
14 あなたが助けてくださると信じて待ちます。
ますますあなたをほめたたえます。
15 何度、あなたが、危ない目から助けてくださったか、
数えきれないくらいです。
会う人ごとに、あなたの恵み深さと、
日々とぎれることのない思いやりとを告げましょう。
16 主なる神の力をおびて歩き回り、
正しくて恵み深いお方はあなただけだと伝えましょう。
17 ああ、子どもの時から私を助けてくださった神よ。
私は機会あるごとに、あなたのすばらしいわざを、
人々に伝えてきました。
18 私は年をとり、髪は白くなりましたが、
どうか見捨てないでください。
神のすばらしい奇跡を
次の世代に伝えさせてください。
19 神よ。あなたの力と恵みは天の天にまで届きます。
あなたほどすばらしいことをなさった神が、
ほかにあるでしょうか。
20 あなたは私に難題を与え、
苦しみもがくようになさいました。
しかし、あなたは地中深くから私を引き上げ、
再び生き返らせてくださいます。
21 そして、以前にもまさる名誉を与え、
再び御顔を見せて慰めてくださるのです。
22 ああ、イスラエルのきよい神よ。
私は楽器をかなでてほめ歌を歌い、
あなたがどれほど約束に忠実なお方であるかを、
告げ知らせます。
23 あなたに救い出していただいた私は、歓声を上げて、
感謝の賛歌を歌います。
24 一日中、あなたの公正なさばきと温情とを、
人々に伝えます。
私に害を加えようとした者はみな、恥じ入り、
すっかり面目を失ったからです。
72 ああ神よ。王が、あなたが行うように政治を行い、
王子が神を恐れて暮らすように、助けてください。
2 王が、神の民にはもちろんのこと、
貧しい人にも公平であるように、助けてください。
3 王のすぐれた治世を反映して、
山や丘には草木が生い茂りますように。
4 王の手で貧しい者や困っている者が手厚く保護され、
虐待する者たちは容赦なく
懲らしめられるようにしてください。
5 貧しい者や困っている者が、
太陽や月が空にかかっている限り永久に、
いつも神に対して敬虔でありますように。
6 約束された王子は、牧草地に降る春の雨のように
おだやかに、世を治めますように。
地を潤す夕立のように、
人々を豊かにしますように。
7 彼の治世においては、正しい者が栄え、
永遠に平和を楽しみますように。
8 その支配は東の海から西の海に至るまで、
ユーフラテス川から地の果てにまで及びますように。
9 砂漠の遊牧民は彼の前にひれ伏し、
敵はひざまずくでしょう。
10 タルシシュや地中海に浮かぶ島々の首長、
シェバやセバの王侯はみな、貢ぎ物を納めるでしょう。
11 それどころか、全地の王が頭を下げ、
すべての人が彼に仕えるでしょう。
12 彼は、身寄りのない者や貧しい者を援護します。
13 弱っている者や困っている者を見ると、
いても立ってもいられず、助け上げるのです。
14 彼は、虐待されたり痛めつけられたりしている人を、
黙って見過ごしにはできません。
彼にとって、このような者たちのいのちは
とても大切なものなのです。
15 彼は長生きし、シェバから黄金を贈られます。
絶えず称賛を受け、
民も一日中祝福を祈ってくれます。
16 どうか、平野ばかりか高原にも、
豊作の恵みをもたらしてください。
レバノンのような実り多い地にしてください。
青々とした野原のように、
町を人々であふれさせてください。
17 この方の名は太陽のように永遠にあがめられます。
すべての人はこの方によって祝福され、
世界中の国々がこの方をほめたたえます。
18 イスラエルの神に栄光がありますように。
この方こそすばらしいことをしてくださるのです。
19 栄光に輝くこの方の御名を、
永遠にほめたたえなさい。
主の栄光が全世界を照らしますように。
アーメン。アーメン。
20 (エッサイの子ダビデの賛歌は、ここで終わります。)
73 神はイスラエルに対して、
なんと恵み深いことでしょう。
心のきよい人に対して、その恵みは行き渡ります。
2 しかし私は、崖っぷちに限りなく近づき、
危うく足をすべらせて
落ちてしまいそうになりました。
3 傲慢な者や悪党が栄えるのを、
ねたましく思ったからです。
4 彼らの人生には苦しみもなく、
何でもうまくいくのです。
顔はつややかで、体は肥えています。
5 彼らは、他の人のように悩むこともなく、深刻な問題で
頭をかかえ込んだりすることもありません。
6 そのため、きらきら光る首飾りのダイヤのように
高慢をちらつかせ、
残忍の糸で織ったかのような服を着ています。
7 この金持ちたちは、
欲しいものが何でも手に入るのです。
8 神をあざけり、神を信じる人々を脅す、
その口のきき方は、なんと横柄なことでしょう。
9 彼らは天を向こうに回していばり、
大手を振って地上を闊歩します。
10 その影響は神を信じる人々にもまともに及び、
多くの混乱ととまどいをもたらしました。
11 彼らは言います。
「いったい神は、地上でどんなことが起こっているか、
ご存じなのだろうか。
12 見るがいい。あのいばりくさった連中を。
努力もせず、楽な人生を送っている。
しかも、財産は増えていくのだ。」
13 私が今までしてきたことは、むだだったのでしょうか。
きよくあろうと苦しんだ日々は、何だったのでしょう。
14 神に従う生活から得たものは、
苦しみと災いだけです。
しかも、それは、くる日もくる日も、
朝から晩まで私につきまとうのです。
15 もし、本気でこう口にしたら、
私は神の民を裏切ることになったでしょう。
16 主を憎む者どもがこんなに栄えている現実を
どう説明したらいいのでしょう。
17 ところが、ある日、神の聖所で瞑想していた時、
これらの悪者どもの行き着く先を悟ったのです。
18 あの者たちは、
なんとすべりやすい道を歩いていることでしょう。
突然、神から崖っぷちに追いやられて、
足をすべらせ、滅びの底に落ちて行くのです。
19 こうして、その幸福も、あっけなく幕切れとなり、
永遠の恐怖にのみ込まれるのです。
20 彼らの今の暮らしぶりも、つかの間の夢にすぎません。
夢から現実の世界に引き戻される人のように、
いつかは真実を突きつけられるのです。
21 こう悟った時、私は動揺しました。
22 自分がどれほど愚かで無知であったかを
思い知らされたのです。
ああ神よ。私は獣のように見えたことでしょう。
23 しかし、それでもあなたは私を愛し、
私の右手をしっかりつかんでくださっています。
24 一生涯、神は知恵と助言を与えて
私を導いてくださることでしょう。
そしてついに、私は栄光の天へ入れられるのです。
25 天でも、あなた以外に私の神はなく、
地上でも、慕わしいお方はあなたひとりです。
26 やがて私の体は衰え、気力も弱ります。
しかし神は、いつまでも変わらず、
心の支えとなってくださいます。
永久に私の神でいてくださいます。
27 神をあがめない者は滅びます。
神は、ほかの神々に仕える者を滅ぼされるからです。
28 しかしこの私は、
できる限り神のお近くにいましょう。
神にお従いするのです。
会う人ごとに、
神のすばらしい救いのわざを告げましょう。
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