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Japanese Living Bible (JLB)
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歴代誌Ⅱ 18-20

ミカヤの預言とアハブの死

18 財産が増え、評判のよいヨシャパテ王でしたが、イスラエルの王アハブの娘を息子の嫁に迎え、アハブと縁を結びました。 数年して彼がサマリヤにアハブを訪ねると、アハブ王は大宴会を開き、たくさんの羊や牛を料理してふるまいました。そのあとでアハブはヨシャパテに、ラモテ・ギルアデでの対シリヤ攻撃に加わらないかと持ちかけました。

3-5 ヨシャパテ王は答えました。「よろしいですとも。どこまでも、あなたについて行きますよ。わが軍はあなたの指揮下にあるようなものです。それにしても、まず主に伺いを立ててみようではありませんか。」そこでアハブ王は、おかかえの異教の預言者四百人を集め、「ラモテ・ギルアデへ攻め上るべきだろうか、それとも、やめるべきだろうか」と尋ねました。「行きなさい。勝利は間違いありません。」と、彼らは口々に答えました。

6-7 しかし、ヨシャパテは満足しませんでした。「ここには、まことの主の預言者はいないのですか。主の預言者にも、同じ質問をしてみたいものです。」アハブは答えました。「一人だけいます。あまり好きになれない男ですが。イムラの子でミカヤといいますが、いつも悪いことばかり預言するのです。」「ま、そんなことは言わず、彼の言うことも聞いてみましょう」とヨシャパテは言いました。 そこで、イスラエルの王は側近の一人を呼び、「急いで、イムラの子ミカヤを呼んで来るように」と命じました。

王服をまとった二人の王が、威儀を正してサマリヤの門の入口にある広場の玉座に着くと、その前で、「預言者」たちが次々に預言しました。 10 その一人、ケナアナの子ゼデキヤは、作ってきた鉄の角を取り出し、「主のお告げです。あなたはこれらの角でシリヤを突き、せん滅させます」と預言しました。 11 ほかの預言者たちもみな、同じように預言しました。「さあ、ラモテ・ギルアデに攻め上りなさい。勝利は間違いありません。」

12 ミカヤを呼びに行った使いの者は、今起こっていることを告げ、すべての預言者たちが、「この戦争は王の勝利に終わる」と預言したことをミカヤに話しました。使いの者は、思いきって彼に言いました。「あなたも、ほかの預言者たちに合わせて、王様のお気に召すようなことを話してくれませんか。」

13 ミカヤはきっぱり答えました。「主にかけて誓います。私は神様がおっしゃることを、そのまま話します。」

14 ミカヤが王の前に出ると、王はさっそく尋ねました。「ミカヤ。ラモテ・ギルアデに攻め上るべきだろうか、それとも、やめるべきだろうか。」

「攻め上るがよろしい! 大勝利は間違いありません。」

15 すると、王は語気を強めて言いました。「いったい、何度、主がお語りになること以外はしゃべるな、と私に言わせるつもりか。」

16 「私は幻の中で、すべてのイスラエル人が、まるで羊飼いのいない羊のように、山々に散らされているのを見ました。その時、主は、『彼らの主人は殺されたから、彼らを家に連れ帰れ』と仰せになったのです。」

17 アハブ王は、ヨシャパテ王に吐き捨てるように言いました。「お話ししたとおりでしょう。いつも、彼は私に悪いことしか預言しないのです。」

18 ミカヤはことばを続けました。「主のお告げはまだあります。私は、主が御使いの大軍に囲まれて御座に着いておられるのを見ました。 19-20 その時、主はおっしゃったのです。『だれか、アハブ王をラモテ・ギルアデでの戦いに誘い出し、戦死させるようにする者はいないのか。』いろいろな提案が出されましたが、ある霊が進み出て、『私にやらせてください』と言いました。主が、『どういうふうにやるのか』とお尋ねになると、 21 彼は答えました。『王のすべての預言者にうその預言をさせます。』主は、『それはよい。そのようにせよ』とおっしゃいました。 22 それで、ごらんのとおり、あなたの預言者はうその預言をしたのです。実際は、正反対のことを主は告げておられるのです。」

23 すると、ケナアナの子ゼデキヤは、つかつかとミカヤに歩み寄って彼の頬をなぐり、「この大うそつきめ! いつ、主の霊が私を離れて、おまえに乗り移ったというのか」と言いました。

24 「あなたが奥の間に隠れるようになった時、ほんとうのことがわかります。」

25 イスラエルの王は、こう言いました。「この男を捕らえて、市長アモンとわが子ヨアシュに渡し、 26 『この男を牢に入れ、戦いから無事に戻って来るまで、わずかなパンと水をあてがっておけ、と王が命じた』と言いなさい。」

27 ミカヤは答えました。「もし、あなたが無事お戻りになるようなことがあるなら、主は私を通して語られならなかったことになります。」それから、回りの人々に向かって、「私が今言ったことをよく覚えておきなさい」と言いました。

28 こうして、イスラエルの王とユダの王は、それぞれの軍を率いてラモテ・ギルアデに攻め上りました。 29 イスラエルの王はヨシャパテ王に、「私はだれにも気づかれないように変装しますが、あなたはちゃんと王服を着ていてください」と言いました。二人は、そのとおりに出陣しました。 30 一方、シリヤの王は、このような指示を戦車隊に与えていました。「目標はイスラエルの王ただ一人だ! ほかのだれにも手を出すな!」

31 シリヤ軍の戦車隊は、王服を着たユダの王ヨシャパテを見つけると、彼こそ目あてのイスラエルの王に違いないと思って襲いかかりました。ヨシャパテは大声で主に助けを求めました。それで主がシリヤ軍の戦車隊に人違いだと気づかせたので、彼らはヨシャパテ王から離れました。 32 イスラエルの王でないとわかったので、すぐに追うことをやめたのです。 33 ところが、シリヤ軍の兵士の一人が、何気なくイスラエル軍に矢を放つと、それがなんとイスラエルの王の胸当てと草摺りとの間を射抜いたのです。王は戦車の御者に、苦しい息づかいの中で言いました。「ここから抜け出させてくれ。深手を負ってしまった。」 34 その日、戦闘はますます激しさを増しました。アハブ王は戦車の背に寄りかかったままシリヤと戦いましたが、日が西の空に沈むころ、息を引き取りました。

エルサレムでのヨシャパテ

19 ユダの王ヨシャパテが無事自分の家に戻ると、 ハナニの子で預言者エフーが出向いて来て、言いました。「悪者を助けていいのですか。主を憎む者を愛すべきなのでしょうか。あなたがそのようになさったので、主の怒りが下ります。 しかし、あなたには幾つかの良い点があります。この地からアシェラ像を一掃して、神に忠誠を尽くそうと努力してきたことがそれです。」

その後、ヨシャパテは二度とイスラエルを訪問することもなく、エルサレムにおとなしくとどまっていました。のちに、王はもう一度、ベエル・シェバからエフライムの山地まで巡回し、その地の人々に父祖の神を礼拝するよう指導しました。 国中の大きな町には裁判官を置き、 こう訓示しました。「あなたがたを任命したのは、私ではなく神である。だから、自分の行動に注意しなさい。神が一人一人のそばに立って、あなたがたの前に持ち出されるすべての訴訟に、正しい裁きができるよう手を貸してくださる。 神の御旨に反するような判決を下さないよう、注意しなさい。神のもとでの裁きには、不正も不公平も収賄もあってはならないからである。」

王はエルサレムにも裁判所を設けて、レビ人、祭司、氏族長から裁判官を任命し、 彼らにも訓戒を与えました。「あなたがたは、いつも神を恐れ、誠意を込めて行動しなければならない。 10 各地の裁判官から、殺人事件や神の教えへの違反などについて訴訟が持ち込まれたら、事実を確かめ、彼らが正しく裁けるよう助けてやりなさい。神の怒りが、あなたがたにも、彼らにも下ることがないためだ。このようにすれば、あなたがたの責任を果たしたことになる。」

11 それから王は宗教上の問題を扱う裁判の最高責任者として大祭司アマルヤを任命しました。また、民事を扱う裁判の最高責任者として、イシュマエルの子でユダ族の長ゼバデヤを任命し、レビ人を補佐役にあてました。王は、最後にこう言いました。「それぞれの職務に対し、恐れることなく誠心誠意当たりなさい。どうか、神があなたがたを用いて、正しい者の味方としてくださるように。」

ヨシャパテの勝利

20 そののち、モアブ人とアモン人、それにメウニム人の王の率いる連合軍が、ヨシャパテとユダの民に宣戦布告しました。 ヨシャパテに届いた情報は、「大軍が、死海の向こうのシリヤから押し寄せて来ます。もうハツァツォン・タマル、つまりエン・ゲディまで来ています」というものでした。 あわてふためいた王は、主の助けを仰ぐよりほかないと判断し、全国民が神の前に悔い改め、断食して祈りに打ち込むよう命じました。 人々は各地からエルサレムに集まり、心を一つにして主に助けを求めました。

ヨシャパテは、神殿の新しい庭に集まった人々の中に立って祈りました。 「私たちの父祖の神、主よ。天におられ、地上のすべての王国を支配しておられる神よ。あなたの測り知れない力に、だれも立ち向かうことはできません。 私たちの神よ、あなたの民がこの地に入った時、あなたはこの地に住んでいた異教徒を追い出し、この地を永久に、あなたの友アブラハムの子孫のものとされたではありませんか。 あなたの民はここに根を下ろし、あなたのためにこの神殿を建てました。 戦争、疫病、ききんなどの災いに会ったなら、あなたのおられるこの神殿、つまりあなたの御前に立って祈れば、祈りは聞かれ、あなたは私たちを救ってくださると信じています。

10 今、アモンとモアブ、セイル山の人々がやっていることをごらんください。あなたは、先祖がエジプトを出て来た時、彼らの国に侵入するのをお許しになりませんでした。それで私たちは、彼らの国を避けて通り、彼らを滅ぼさないでおいたのです。 11 ところが今、彼らは何をしようとしているでしょうか。あなたが私たちに下さった地から、私たちを追い出そうとして攻め寄せて来るのです。 12 神よ、彼らの来襲をとどめてください。私たちには、このような大軍から身を守るすべなどありません。どうしたらよいのか見当もつきません。ただあなたに助けを求めるばかりです。」

13 ユダの各地から集まった人々は、妻子や幼児たちといっしょに主の前に立っていました。

14 その時、主の霊が、そこに立っていたレビ人ヤハジエルに臨んだのです。彼はアサフの子孫の一人で、マタヌヤの子エイエルの子ベナヤの子ゼカリヤの子でした。 15 ヤハジエルは大声で語りだしました。「ユダとエルサレムのすべての人々、またヨシャパテ王よ、よく聞きなさい! 主はこう言われます。『恐れてはならない。この大軍を見ておじけてはならない。この戦いはあなたがたの戦いではなく、わたしの戦いだ。 16 明日、エルエルの荒野に通じる谷の出口で、ツィツの坂を上って来る敵と会うから、こちらから攻撃をしかけよ。 17 あなたがたは戦わなくてよい。持ち場を守り、黙って、わたしのすばらしい救いを見よ。ユダとエルサレムの人々よ、恐れたり、意気消沈したりしてはならない。わたしがついている。明日、出陣するのだ。』」

18 ヨシャパテは地にひれ伏しました。ユダのすべての民とエルサレムの住民も、同じように主を礼拝しました。 19 それから、ケハテ氏族とコラ氏族のレビ人が立ち上がり、力強く高らかに主を賛美しました。

20 翌朝早く、ユダ軍はテコアの荒野へ兵を進めました。途中、ヨシャパテは立ち止まって指示を与えました。「私の言うことを聞き、主を信じなさい。そうすれば、勝利は間違いない! 預言者のことばを信じなさい。そうすれば、すべてはうまくいく。」

21 それから民の指導者と相談して、聖歌隊を編成しました。聖歌隊は聖なる衣服をまとい、行軍の先頭を進みながら、「主のいつくしみは、とこしえまで」と歌って主をたたえ、主に感謝をささげました。 22 彼らが賛美をし始めた時、主は、アモン人、モアブ人、セイル山の人々の間で同士討ちを引き起こさせました。それで彼らは、互いに殺し合うことになったのです。 23 まずアモン人とモアブ人がセイル山から来た軍を襲い、一人残らず殺しました。それが終わると、今度はアモン人とモアブ人がぶつかり合ったのです。 24 それで、ユダ軍が荒野を見下ろす物見の塔に着いた時には、見渡す限り、あたり一面に死体が転がっていました。逃げ延びた敵兵は一人もいませんでした。 25 ヨシャパテ王とユダの民は、遺体から金、武具、宝石などをはぎ取りました。その数があまりにも多かったので、全部運ぶのに三日もかかるほどでした。 26 四日目に彼らは、今でもベラカ(祝福)の谷と呼ばれている谷に集まり、心から主をたたえました。 27 それから王を先頭に、彼らは意気揚々とエルサレムに凱旋しました。主が信じられないような方法で救い出してくれたので、彼らの心は喜びでいっぱいでした。 28 彼らは琴、竪琴、ラッパの奏楽とともにエルサレムに入城し、神殿に入りました。 29 そして以前にもあったように、近隣の国々は、主がイスラエルの敵と戦ったと聞いて、神への恐れに包まれました。 30 こうして、神が王に安息を与えたので、ヨシャパテの王国は安泰を保ちました。

ヨシャパテの治世の終焉

31 ヨシャパテ王の生涯を略述すると、三十五歳でユダの王となり、二十五年間エルサレムで統治。母はシルヒの娘のアズバ。 32 父アサ王のように主の前に良い王で、いつも主に従おうとしました。 33 しかし、高台にある偶像の宮を取り壊すことだけはしなかったので、人々に、父祖の神に従うことを決心させるまでには至りませんでした。

34 ヨシャパテ王のその他の業績は、『イスラエル諸王の年代記』に挿入されている、ハナニの子エフーの書いた言行録に記されています。

35 しかし王は、晩年になって、悪名高いイスラエルの王アハズヤと同盟を結びました。 36 彼らは、タルシシュ行きの船団をエツヨン・ゲベルでつくりました。 37 その時、マレシャ出身のドダワの子エリエゼルがヨシャパテに対して預言し、「あなたがアハズヤと同盟を結んだので、主はあなたの計画を壊します」と言いました。それで、船は難破し、タルシシュへ行くことはできませんでした。

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