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Japanese Living Bible (JLB)
Version
出エジプト記 13-15

初子をささげる規定・種なしパンの祭りの規定

13 1-2 主はモーセに告げました。「イスラエル人の長男と家畜の初子とはみな、わたしにささげなさい。それはわたしのものだから。」

モーセは人々に言いました。「この日こそ、永遠に記念すべき日、エジプトの奴隷の鎖から解放された日だ。主がすばらしい奇跡を起こして救い出してくださったのを、忘れないようにしよう。だから、毎年この出来事を記念する日には、パン種を使ってはならない。 4-5 毎年、一月半ば(太陽暦の三月末)のこの日を、エジプト脱出の記念日としよう。今日から主があなたがたをカナン人、ヘテ人、エモリ人、ヒビ人、エブス人の国、つまり先祖たちに約束された乳とみつの流れる国へ導いてくださるのだ。 6-7 七日間は、種なしパンしか食べてはならない。イスラエルの領土ではどこでも、家の中にパン種も、パン種が入ったパンもあってはならない。七日目は主のための祭りを行う。 毎年その祭りのたびに、子どもたちに祭りの意味を説明しなさい。これはエジプトを脱出する時、主がどんなにすばらしいことをしてくださったかを記念する祭りだからである。 毎年この一週間を記念することによって、自分たちが特別な民であることを心に刻もう。われわれが主のものだというしるしに、民の手や額に焼き印を押すようなものである。 10 この祝祭は、毎年定められた時に行わなければならない。

11 主がずっと昔に先祖たちに約束された地、今カナン人が住んでいる地に導いてくださった時には、 12 どの家の長男も、どの家畜の初子も、それが雄であればみな主にささげなさい。それらは主のものだということを忘れてはならない。 13 ただし、ろばの初子の場合は身代わりに子羊や子やぎをささげることができる。そうしない場合はろばは殺す。しかし人間の場合、長男の身代わりをささげて、必ず買い戻さなければならない。 14 子どもたちが将来、『これはどういう意味ですか』と聞いてきたら、こう教えなさい。『主がすばらしい奇跡を行って、私たちを奴隷生活から救い出してくださったのだよ。 15 エジプトの王はなかなか行かせてくれなかった。それで主は、エジプト中の家の長男と家畜の初子をみな殺した。だから私たちもこうして、最初の男の子は家畜も含めて、すべていけにえとして主にささげるのだ。ただ人間の場合はいけにえにするわけにいかないので、必ず身代わりのいけにえをささげて、長男を買い戻すのだよ。』

16 もう一度言おう。この祭りを守ることによって、あなたがたが主の民であることがはっきりする。神の焼き印が額に押されるのと全く同じことである。祭りを守ることによって、主の偉大な力でエジプトから救い出された出来事を、毎年新たに思い起こすのだ。」

雲の柱、火の柱

17-18 このようにしてついに、エジプトの王ファラオはイスラエル人を行かせることになりました。

さて、エジプトから約束の地へ行くには、ペリシテ人の地を通るのが最も近道でしたが、神は別の道を通るようにしました。人々はエジプトを出る時、一応は武装していましたが、道中ずっとペリシテ人と戦うのはつらいことです。みな勇気を失って、またエジプトへ帰ってしまうかもしれません。そこで神は、紅海を通る荒野の道へ行かせたのです。

19 モーセはヨセフの遺骨を持って出ました。神の御力によってエジプトから救い出される時には必ず持って行くようにと、ヨセフが神の前で、イスラエル(ヤコブ)の子たちに約束させたからです。この日がくることを、ヨセフは確信していたのです。

20 一行はスコテを出たあと、荒野のはずれにあるエタムに野営しました。 21 神が昼間は雲の柱、夜は火の柱を立て、進む道をはっきり示してくれたので、彼らは昼も夜も旅を続けることができました。 22 雲の柱と火の柱は、その後もずっと、見えなくなることはありませんでした。

海を渡る

14 神はモーセに告げました。 「引き返して、ミグドルと海との間、バアル・ツェフォンに面したピ・ハヒロテに向かいなさい。そこの岸辺にテントを張るのだ。 ファラオはきっと、『イスラエル人どもは砂漠と海の間で立ち往生しているに違いない』と考えるだろう。 そして、またも意地になって、あとを追いかけて来る。すべてわたしの思うつぼだ。ファラオとその軍隊に、はっきりとわたしの力と栄光を見せよう。エジプト人も今度こそ、わたしが主であることを認めるようになる。」

イスラエル人はそのとおりにしました。

三日たってもイスラエル人がエジプトへは戻ろうとせず、そのまま逃げ出すつもりらしいという知らせが届くと、王と家臣たちはまた気が変わりました。「あの奴隷どもをみな逃がすとは、なんと愚かなことをしてしまったのだ。」 このまま放ってはおけないと、ファラオは戦車に跳び乗り、先頭に立って追跡の指揮をとりました。 あとにはエジプト戦車隊の精鋭六百と将校の戦車が続きます。 こうして追跡が始まりました。みすみすエジプトの富を持って行かせるのは、何としても許せません。 馬、戦車、騎手、歩兵と、王の全機動部隊が追跡作戦に駆り出されました。エジプト軍は、バアル・ツェフォンの手前、ピ・ハヒロテの岸辺に野営していたイスラエル人に追いつきました。

10 イスラエル人が見ていると、はるかかなたからエジプト軍がやって来ます。彼らはだんだんスピードを増して近づいて来るのです。人々はすっかり震え上がり、主に助けを求めました。 11 そして、ついにはモーセに泣きごとを言うのでした。「エジプトには墓が足りないので、こんな砂漠まで連れ出して死なせようというのですか。これでは、何のためにエジプトから逃げ出したかわかりません。 12 そもそも初めからおかしいと思ったのです。だからあの時も、このまま放っておいてくれと言ったのに。こんな荒野で死ぬくらいなら、エジプトで奴隷になっていたほうがまだましです。」

13 しかし、モーセは言いました。「みんな、怖がってはいけない。今いる場所にしっかり腰をすえて、今日、主がすばらしい方法で救ってくださるのを、よく見ようではないか。あのエジプト人を見るのも、今日が最後だ。 14 主が代わりに戦ってくださる。だから、みんなは指一本、動かす必要もない。」

15 主はモーセに命じました。「いつまでもわたしに叫び求めないで、人々を前進させなさい。 16 杖を海(紅海)の上に差し伸べると、水が分かれて道ができる。その乾いた土の上を歩いて海を渡りなさい。 17 わたしはエジプト人の心をかたくなにさせ、彼らにあなたがたのあとを追わせる。だがその時、ファラオとその全軍勢、戦車や騎手たちをわたしは滅ぼす。そしてわたしの栄光を現す。 18 全エジプトは、わたしが主であることを知る。」

19 その時、いつも人々の前を進んでいた神の使いがうしろに移ったので、雲の柱も、 20 ちょうどイスラエル人とエジプト軍の間に立ちふさがるように、うしろに移りました。突然、真っ黒な雲が垂れ込めました。あたりは夜のように暗くなり、エジプト人にはイスラエル人が見えなくなってしまったのです。

21 モーセが杖を海に差し伸べると、主は海の真ん中に道を作りました。両側には水の壁がそそり立ち、強い東風が一晩中吹きつけて、海の底に乾いた地が現れたのです。 22 イスラエル人は、その乾いた道を進みました。

23 エジプト軍もあとを追ってどっと海の中の道へなだれ込みました。ファラオの馬、戦車、騎手など全部です。 24 明け方になって、主は火と雲の柱の間からエジプトの軍勢をごらんになり、彼らを攪乱しました。 25 車輪がはずれて、戦車は海の真ん中で、動きが取れなくなってしまったのです。「逃げろ! ぐずぐずするなっ。とてもかなわない。やつらには主がついている!」あちこちから叫び声が上がります。

26 主はイスラエル人がみな無事に渡り終えたのを確かめると、モーセに言いました。「もう一度、手を海の上に差し伸べなさい。そうすれば水が戻って、エジプト軍の戦車と騎手に覆いかぶさるだろう。」 27 モーセはそのとおりにしました。たちまち水の壁はくずれ、海は元どおりになりました。何事もなかったように、朝日を受けて波がきらきら輝いています。エジプト軍は迫る水から逃げようとしましたが、海の中に引きずりこまれました。 28 ついさっきまで道だった所も、エジプト軍の戦車も騎手も、みな海の底に沈みました。あとを追って海に入ったエジプト軍の中でいのちが助かった者は、一人もいませんでした。

29 イスラエル人は、両側に水の壁がそそり立つ中を歩いて、海の中の乾いた地を渡ったのです。 30 こうして主はその日、イスラエル人をエジプト軍の手から救い出されました。イスラエル人は岸に流れついたエジプト人の死体を見ました。 31 主はなんという大きな奇跡を起こして助けてくださったのでしょう。人々はあまりに大きな主の力を見て、主を恐れ、主とそのしもべモーセとを信じました。

勝利の歌

15 その時、モーセとイスラエル人は主をたたえる歌をうたいました。

「主の勝利をたたえ、心から喜び歌おう。主は馬も人も、海に投げ込んだ。
主は私の力、私の歌、私の救いだ。私は、私の神、主をたたえよう。先祖の神、主をあがめよう。
主は兵士。まことに主と呼ぶにふさわしい。
主はエジプト王の戦車と軍勢を滅ぼした。えり抜きの将校たちもおぼれ死んだ。
水にのまれ、石のように海の底へ沈んだ。
おお、主の右の手は力と栄光に満ち、敵を粉みじんに打ち砕く。
その輝かしい御力によって、主は立ち向かう敵をすべて滅ぼした。主の怒りの火は激しく、彼らはわらのように燃え尽きた。
主が息を吹きかけると、水は真っ二つに分かれた! 水は壁となってそそり立ち、海を二つに分けた。
敵は言った。『あとを追え。彼らを滅ぼせ。剣のえじきにし、戦利品を分け合おう。』
10 だが、それもつかの間、風が巻き上がり、海が彼らをのみ込んだ。彼らは大海に沈んだ、まるで鉛のように。
11 主のような神がほかにいるだろうか。主のようにすばらしく、聖なる方がほかにいるだろうか。奇跡を行われる主のようにたたえられ、恐れられる神がほかにいるだろうか。
12 主が手を伸ばすと、大地は彼らをのみ込んだ。
13 自ら買い取った国民を、主は導いてくださった。聖なる地に優しく導いてくださった。
14 国々はこの話を聞いておののく。ペリシテ人は恐れ、
15 エドムの王たちは驚きまどい、モアブの君たちは震え上がり、カナン人は恐怖のとりことなった。
16 だれもが驚き恐れた。主の大きな力を恐れ、敵もわれわれを襲わない。主が買い取った国民は、何の心配もなく外国人の間を通る。
17 主はその国民を導き、神の山に植えてくださる。畏れ多くも、主ご自身の地、われわれのために備えてくださった聖なる地に。
18 主は永遠に世界を治める。」

19 ファラオの馬と騎手と戦車が、海の中を進もうとした時、水の壁はくずれ、彼らの頭上に覆いかぶさったのです。しかしイスラエル人は、乾いた地を渡りました。

20 アロンの姉で女預言者のミリヤムが、タンバリンを手に、女たちの先頭に立って踊り始めました。

21 ミリヤムは歌いました。

「主の勝利をたたえ、心から喜び歌おう。
主は馬も人も海に投げ込んだ。」

マラの水

22 このあとモーセは人々を率いて、紅海からさらにシュルの荒野へ出ました。三日間、水のない日が続きました。 23 やっとマラに着きましたが、水はあるものの苦くてとても飲めません。それで、マラ〔「苦い」の意〕という名がついたのです。 24 人々はモーセに不平を言い立てました。「何とかしてくれ! のどが渇いて死にそうだ。」

25 モーセは主に助けを求めました。すると、主は彼に一本の木を示し、それを水に投げ入れなさいと命じるのです。そのとおりにすると、水は甘くなりました。

このマラで、主はモーセを試みました。 26 「もしもあなたがわたしに従い、正しいことを行うなら、エジプト人を悩ませた病気であなたが苦しまなくてすむようにしよう。わたしはあなたを癒やす主である。」

27 こうして一行がエリムに着くと、そこには泉が十二と、なつめやしの木が七十本ありました。その泉のそばで、彼らは野営しました。

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