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Beginning

Read the Bible from start to finish, from Genesis to Revelation.
Duration: 365 days
Japanese Bible: Easy-to-Read Version (JERV)
Version
マルコ 6-7

自分の故郷に帰るイエス

マタイ13:53-58; ルカ4:16-30

イエスはそこを去り、故郷に帰った。彼の弟子たちも一緒だった。 休日サバスの日・・・イエスはユダヤ集会所シナゴグで教えていた。そして、彼のメッセージを聞いた人たちは驚いた。彼らは言った。「お、おい、誰だあいつ?あれ全部、どこから学んできたんだ?あんな知恵をどっからもらってきたんだ?誰があいつに?奇跡を起こす力もどこで得たんだろう? えーでも、アイツ、俺らが知ってる大工じゃねぇか!あのマリアのとこの息子で、兄弟はヤコブとヨセフ、それにユダとシモンだろ?妹たちだってまだこの村に住んでるよな?」そのため、地元の人たちにとって彼を受け入れることは簡単ではなかった。

それからイエスは彼らに言った。「人々が預言者を敬わない唯一の場所は、その人の故郷であり、彼自身の親戚と家族だ」 イエスはその場所で、何人かの病気の人たちに手を置いていやすことを除いては、奇跡という奇跡を起こすことができなかった。 彼はそこの人々が信仰を持っていなかったことに驚いた。

使徒をミッションに送り出す

マタイ10:1, 5-15; ルカ9:1-6

イエスは次々と村の人々に教えて回った。 ある日、イエスは12使徒を呼び集めると、彼らを2人1組のチームに分け始めた。「受けとれーー!」12使徒は、イエスから悪霊を追い払う力を与えられた。 イエスは彼らにこう伝えた。「いいか、旅には何も持っていくんじゃない。食料、かばん、お金もだ。まあ長旅になるだろうから、杖ぐらいはいいが。 あ、くつも履いていいぞ!だが着替えはなしだ。 10 町に着き、誰かが宿やどを貸してくれるなら、その町を出るまではその家にとどまりなさい。 11 もし、その町の住民が誰も受け入れてくれず、お前たちの話に耳を傾けないのなら、その町をさっさと去るんだ。そして、彼らの間違いに警告を与え、足のちりを完全に払い落とすんだ」

12 こうして、使徒たちは他の町や村へ行き、出会う人に話しかけては、心を入れ替え、生き方を変えるようにと教えていった。 13 また、次々に悪霊デーモンたちを追い出し、病人にはオリーブオイルを塗り、病気も治していったのだった。——【当時、オリーブオイルは薬として用いられていた。また、この行為はイエスと弟子たちに、聖霊ホーリースピリットを通して与えられたいやしの力を象徴していた】

イエスが洗礼者バプティストヨハネだと思っているヘロデ総督

マタイ14:1-2; ルカ9:7-9

14 たちまちイエスは国中で有名になり、そのうわさがヘロデ王の耳にまで届くほどになった。「あの洗礼者バプティストヨハネに違いない!ヨハネが死からよみがえったんじゃなければ、そんな奇跡は行えないはずだ!」

15 他の人が言った。「いや、預言者エリヤだ!」また他の人はこう言った。「預言者じゃ・・・それも伝説の預言者たちのような・・・」

16 ヘロデ王はイエスについてこれらのうわさを聞くと、「ヨハネの首ならはねた・・・そのヨハネが死から復活した!」と言った。

洗礼者バプティストヨハネが捕まり殺された一部始終

マタイ14:3-12; ルカ3:19-20

17 ヘロデは自ら兵士に命令を出すと、ヨハネを逮捕させ、刑務所に入れるように命じた。ヘロデは妻ヘロデヤを喜ばせるためにこのことをしたのだ。ヘロデヤは最初、ヘロデ王の兄弟であるピリポと結婚していたが、その後ヘロデ王が彼女と結婚したのだ。 18 ヨハネはヘロデに言った。「王よ、あなたの兄弟の妻との結婚ですが、これはよくない事です!」 19 そんな事があり、ヘロデの妻であるヘロデヤは、ヨハネを憎んでいたのだ。彼女はヨハネの死を望んでいたが、ヘロデを説得して彼を殺すことはできなかった。 20 ヘロデはヨハネを殺すことを恐れたのだ。彼が神に仕える義人であることを知っていたからだ。そのためヘロデはヨハネを守っていた。ヨハネが言った事に対して非常に多くのことを考えさせられていたが、ヘロデはヨハネからいろいろなことを聞くのが好きだったのだ。

21 ある時、妻ヘロデヤのもとにヨハネの死を引き起こす絶好の機会が訪れた・・・それは、ヘロデ王の誕生日のことであった。ヘロデ王は、自身の誕生日を祝うために、政府高官や軍の司令官、またガリラヤ地方の権力者など、位の高い者を招いて宴会を開いていた。 22 そんな中、宴会に来ていたヘロデヤの娘は踊りを披露していたのだ。彼女の踊りに、ヘロデ王と一緒に食事をしていた人々は大変喜んでいた。

そこでヘロデ王は少女に言った。「これは素晴らしい!褒美として、お前の欲しいものは何でもやろう!」 23 彼は彼女に約束した。「お前が求めるものはなんでも、この国の半分でさえも与えよう!」

24 少女は母親のところに行き、「ヘロデ王に何を頼むべきですか?」と尋ねた。

すると、彼女の母親はこう答えた。「洗礼者バプティストヨハネの首をお願いして!」

25 そこで、少女はすぐに王のもとに戻った。そして、彼女は王に言った。「洗礼者バプティストヨハネの頭をください。今すぐ皿の上にのせて持って来てください」

26 ヘロデ王は非常に悲しかったが、彼は招待客たちの前で彼女にした約束を破りたくなかった。 27 そこで彼は兵士を送って、ヨハネの頭を切り落とし、持って来いと命令した。兵士は出て行くと、刑務所でヨハネの頭を切り落とした。 28 兵士が頭を皿にのせて持って来ると、少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。 29 ヨハネの弟子たちがヨハネの身に起きたことを聞くと、ヨハネの死体を回収して墓に埋葬まいそうした。

5000人以上を養う奇跡

マタイ14:13-21; ルカ9:10-17; ヨハネ6:1-14

30 イエスが送り出した使徒たちが戻ってきた。それぞれがしてきたことや、起きた事を互いに語り、久々の再会を楽しんでいた。 31 そんな彼らの周りには、いつものように人がぞくぞくと押し寄せる。こんなことではゆっくり食事をすることもできない。イエスが彼らに言った。「こっちに来い。静かなとこに場所を移すぞ!そこなら休める」

32 イエスと弟子たちは湖に停めていた小舟に乗り込み、ひとけのない場所へ向かおうとした。 33 しかし、それを見ていた人たちは行くてを予測し先回りした。 34 イエスが小舟から降りると、すでにわんさかと人が集まっていた。(これほど飢えているというのに、誰も見てあげないなんて・・・まるで羊飼いのいない羊じゃないか・・・)放っておけないイエスは休むのを二の次にして、彼らに多くの事を教えたのだった。

35 辺りが薄暗くなり時間が経ったころだった・・・イエスのもとに弟子たちが来て言った。「もう日も暮れてきた・・・みんなここら辺に住んでる人じゃないし・・・ 36 今ならまだ近くの農家や町に行って、食べ物を確保する時間もあるだろうから、そろそろ解散するのはどうだろう・・・」

37 だがイエスが答えた。「お前たちが食べさせてあげたらどうだ!」

彼らはイエスに言った。「こんだけの人たちを食べさせるだけのパンを買いに行けと?それだけのパンを買うなら、俺たち全員で1ヵ月は働かないといけないよ!」

38 イエスが彼らに聞いた。「今、いくつのパンがある?ちょっと見てきな!」

弟子たちは手持ちの食料を数えに行った。(えーと、1、2・・・)そこで彼らはイエスのもとに来て言った。「イエス、パン5つと魚2匹はあったよ・・・」

39 それからイエスが彼らに言った。「ならみんなをグループに分けて、しばの上に座らせてくれ!」 40 こうして、全ての人はグループに別れて座った。各グループには、およそ50人から100人がいた。

41 イエスは5つのパンと2匹の魚を持つと、天を見上げ、食べ物のために神へ感謝を捧げた。それから彼はパンをちぎって弟子たちに渡し、そして人々に配った。その後、イエスは2匹の魚をそこにいる全員に分けたのだ。

42 「あー、無理!もー、食べられん!」誰もが満腹になった! 43 みんなが食べ終わり、残りのパンと魚を集めてみた・・・すると12コのかごが一杯に! 44 その場には、男だけでも5000人以上いたというのに!

水の上を歩く

マタイ14:22-33; ヨハネ6:16-21

45 それからイエスは、先に小舟に乗って湖の向こう側にあるベツサイダの町に行くようにと弟子たちに指示を与えた。1人残ったイエスは、周りにいた人たちにも家へ帰るようにと促した。 46 みんなにさよならをすると、イエスは1人、祈るために山へと登って行った。

47 その夜・・・イエスの弟子たちを乗せた小舟が湖の真ん中にさしかかった頃だった・・・未だイエスは1人で陸に残っていた。 48 (ふむ・・・)イエスはきしから遠く離れた小舟を見つけた。弟子たちが逆風の中で必死に小舟をいでいるのが見える。時間にすると午前3時から6時ごろにこの出来事は起きた・・・イエスが湖の上をすいすい歩き、小舟を通り過ぎようとしていたのだ! 49 「お、おい・・・」目ん玉が飛び出るほど驚いたイエスの弟子たちは、湖の上に幽霊がいるのかと思った。 50 その姿を見て全員が驚いた。だが、イエスが彼らに話しかけた。「おい、おい、怖がるなよ。俺だよ、俺!」 51 イエスは小舟に手をつけると、よぃっと!なんでもないかのように乗り込んだ。すると、同時に風がピタッと止んだ!弟子たちは完全に驚いた。 52 パンを配った時の奇跡に続き、たった今起きた出来事を目の当たりにした弟子たちは、なお、イエスが何者なのか理解に苦しんでいた。

多くの病人をいや

マタイ14:34-36

53 イエスと弟子たちは、湖を渡った先にあるゲネサレ平原の岸に小舟を停めた。 54 もちろんここでもイエスは有名人。 55 そのため、彼らは小走りでその地域を駆け巡り、神のことばを伝えていった。イエスが次から次へと進んで行くと、人々はイエスがどこにいるのかをすぐに発見し、病人を布団ふとんの上に乗せて連れてきたのだ。 56 イエスが町や村を訪れると、決まって住民たちが病人をつれて市場に集まり、イエスの服の端っこでもいいから触れさせてほしいとイエスに頼み込んだのだ。そして触れた全員がいやされた。

神のおきてと人間の伝統

マタイ15:1-20

ある日、パリサイ派とおきての先生たちが神殿のみやこエルサレムからはるばるイエスのもとへやって来ると、 イエスの弟子が、ユダヤ人のしきたりを守らずに食事をしているのを見た。 パリサイ派を含むユダヤ人にとって、ある決まった手順で手を洗うなどをしてから食事をするのは、先祖代々受け継がれている常識であった。 また、市場から戻ると食事の前には必ず自分の体を洗い、容器や水差し、鍋を洗うといったしきたりも守っていた。

パリサイ派とおきての学者たちがイエスに言った。「あなたのお弟子さんは、手を洗わずして食事をしておりますが?」

イエスが答えた。「あなた方が伝統を重んじているのは自分を良くみせたいがためじゃないのか!預言者イザヤが書き記した通りだ。

『口ではわたしを敬う彼らだが、
心はわたしから遠く離れたところにある。
彼らはわたしを拝んでいるが、全く無意味。
彼らの教えは人の手によって作られたおきてにすぎないからだ』と。

あなた達は神に従う以上に、人によって作られた伝統を大事にしてしまっている」

そして、イエスは続けた。「あなた方は自分の教えに忠実に従うことが出来るよう、神が命じたことを避ける技をあらわにしていらっしゃる! 10 モーセは、『あなたの父と母を敬いなさい』と言い、『父親や母親に悪いことを言う人は誰でも殺さなければなりません』とまで言っている。 11 でも、あなた方はもし父と母が助けを求めてきたとしても、神に捧げると誓った額を捧げきるまでは、助けなくていいと教えている。 12 その供え物を用いれば、両親を助けることができるのにだ! 13 だから、あなた方は神が言われたことをするのはそんなに重要ではないと教えているのだ。こうして、あなた方は自分が持っている伝統を守り、それを他の人に伝えることが重要だと思っている。そして、あなた方は他にも多くの同じことをしているのだ」——【イザヤ書29:13; 申命記5:16; 出エジプト記20:12より引用】

14 すると、イエスはもう一度自分のもとに人々を集めてこう言った。「いいか、俺が今から言う事をしっかり聞いて悟りなさい! 15 人は口にするものによってではなく、内側から出るものによって汚される!」 16 「聞く耳のある人は聞きなさい」——【いくつかのギリシャ語訳では、この16節が付け加えられているものが存在する】

17 こうしてイエスはその場を去り、弟子たちと共に家に入った。弟子はイエスに、「あのさ~先生、さっき言ってたことって・・・どういう意味?」と尋ねた。 18 イエスは言った。「まだ分かんないのか・・・!?神は、人が口にするものを理由に、その人を清くない、または悪であるなどと決めつけることはないのだ!分かるだろう! 19 食べ物は人の心には入らない。それは胃の中に入る。そして、その後は体から出る」(どんな食べ物を食べても良いという意味で、イエスはこう言った)

20 そして、イエスは続けた。「人々が行うものの中で、神を嫌がらせることとは・・・人々の考え方から来るものだ。 21 悪い考え、性的な問題、盗み、殺人、 22 結婚した相手以外との性交渉、欲張り、悪い行い、嘘、勝手気まま、ねたみ、侮辱ぶじょく、高慢、愚かな生き方というのは、全て心の内から始まる。 23 これらの過ちにより、人は汚されて、神に背を向けさせるのだ」

ユダヤ人以外の女性にも手を差し伸べるイエス

マタイ15:21-28

24 それから、イエスはツロ地方に向かった。自分がいることを町の人々に知られたくなかったので、こっそりある家に入った。しかし、気付かれるまでにそう時間はかからなかった。 25 イエスがその家にいるといううわさを聞いた女性は、ある悪霊に取りかれてしまった娘を連れて来たのだ。イエスの居場所をつきとめた彼女は飛んで行って、イエスの足元にひれ伏した。 26 「娘をどうか・・・助けてください!」彼女はユダヤ人ではなく、シリアにあるフェニキヤ州出身の外国人であった。

27 イエスが女性に言った。「子供たちからパンを取り上げて、犬に与えるなんて正しくない。犬よりも最初に子供たちが食べるべきだろう?」

28 彼女は答えた。「先生、おっしゃる通りです!でも、食卓の下にいる犬にも子供たちの食べこぼしたパンくずを食べる権利はあります!」

29 すると、イエスは彼女に言った。「あぁ、よく言った!さあさあ、早く娘さんのもとへ行きなさい!もう悪霊デーモンは出て行きましたよ!」

30 母親が急いで家に帰って娘のそばに駆け寄ると、そこには気持ちよさそうに眠っている娘の姿が・・・!悪霊デーモンが彼女から出て行ったのだ。

耳の聞こえない人をいや

31 イエスはツロ地方を去り、港のみやこシドンからデカポリス地方を通ってガリラヤ湖に戻った。 32 「お願いします・・・!」そんな時、耳が聞こえずはっきりと喋れない男が、彼の身内などに連れられてやって来た。彼らは彼の上に手を置いて治してほしいとイエスに頼んだのだ。

33 イエスは耳の聞こえない男をつれて2人きりになると、彼の両耳に指を入れた。次に、指にペッとつばを吐きその指を男の舌に乗せた。 34 イエスは天を見上げ、大きく息を吐いて言い放った。「エパタ開け!」 35 キィーーンッ・・・男は一瞬にして耳が聞こえるようになったかと思うと、はっきり喋ることまでできるではないか!

36 イエスはこの出来事を他人に話さないようにと彼の身内を含めて忠告した。が、注意すればするほど彼らはこの話を広めていった! 37 彼らはみんな驚いた。彼らは言った。「あの方はやる事、なす事、とんでもなく素晴らしいんだッ!耳の聞こえない人が聞こえるようになって、はっきりしゃべれなかった人がはっきり話せるようになったんだぜ!」

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