Book of Common Prayer
56 1-2 神よ、私をあわれんでください。
敵の軍勢が、夜も昼も押し寄せて来ます。
尊大にも私に襲いかかって、
私を制圧しようとしています。
3-4 恐れるとき、私はあなたに信頼します。
あなたの約束だけが頼りなのです。
神に信頼している私に、
ただの人間が手出しなどできるわけがありません。
5 彼らはいつでも私のことばをねじ曲げ、
どうしたら私を傷つけることができるかと
考えているのです。
6 彼らは計画を練り上げるために集まり、
道ばたに潜んでは、私をねらって待ち伏せています。
7 彼らは思いどおりに事を運ぶつもりでいるでしょう。
主よ。彼らの思いのままにはさせないでください。
どうか、怒りを燃やし、
彼らを地面に打ちつけてください。
8 あなたは、私が夜通し
寝返りを打っているのをご存じです。
あなたは、私の涙を一滴残さず、
びんにすくい集めてくださいました。
その一滴一滴は、余すところなく、
あなたの文書に記録されています。
9 私が助けを呼び求めると、
その日のうちに戦況は変わり、敵は逃げ惑います。
私にわかっているのは、ただこの一事、
神が味方だということだけです。
10-11 私は神への信頼を失いません。
ああ、神のすばらしいお約束!
人間ごときが何をしかけてこようと、私は恐れません。
そうです、神は約束を守ってくださるのです。
12 神よ。あなたへの約束は、きっと果たします。
助けていただいたことを心から感謝しています。
13 なぜなら、あなたは、
私が地上で御前を歩めるように、死から救い出し、
転ばないように支えてくださったからです。
57 ああ神よ、あなただけを頼りにしているこの私を、
あわれんでください。
嵐が過ぎ去るまで、御翼の陰に潜ませてください。
2 私は、天におられる神、
奇跡を行ってくださる神に叫びます。
3 すると、愛と真実の神は、
天から手を差し伸べて救ってくださいます。
私を亡き者にしようと、必死になっている
うそつきどもから、救ってくださるでしょう。
4 私は、獰猛なライオンに囲まれているかのようです。
彼らは、まるで槍や矢のように鋭い歯をして、
気炎を上げています。
その舌は、まさしく剣です。
5 主が、天より高くあがめられますように。
ご栄光を地上高く現してください。
6 敵が罠をしかけたので、
私は言いようのない恐怖にとらわれています。
彼らはまた、私の通る道に落とし穴を掘りました。
しかし、そこに落ちたのは彼らのほうだったのです。
7 ああ神よ。私の心は平安で、確信に満ちています。
あなたをたたえる歌が、自然に口をついて出ます。
8 私のたましいよ、目を覚ませ。
十弦の琴と竪琴よ、身を起こせ。
さあ、歌って夜明けを待とう。
9 私は国中を巡り、
人々の前で神に感謝をささげます。
諸国を行き巡り、あなたをたたえる歌を歌います。
10 あなたの恵みと愛は、天そのもののように広大無辺です。
あなたの真実は、空よりも高くそびえています。
11 ああ神よ。
あなたの名が天よりも高くあがめられますように。
ご栄光が全世界を照らしますように。
58 1-2 権力をふるう高慢なおまえたち政治家に、
正義ということばの意味がわかるのか。
おまえたちのうち、
公平のかけらでも持ち合わせている者がいるのか。
おまえたちの取り引きは不正だらけで、
わいろと引き替えに「正義」を売り渡している。
3 こんな者たちは生まれながらの罪人で、
最初に覚えたのがうそをつくことなのです。
4-5 彼らは毒蛇のように口に毒を含み、
熟練した蛇使いの声にさえ耳をふさぐ蛇のようです。
6 ああ神よ、彼らの牙を折り、
若いライオンの歯のようなその歯を
引き抜いてください。
7 乾ききった地に吸い込まれる水のように、
影も形もなくしてください。
彼らの手の武器を、へし折ってください。
8 塩をかけられて溶けるなめくじのように、
日の光を知らない死産の子のようにしてください。
9 神は、老いも若きもいっしょに掃き捨て、
あっという間に滅ぼされます。
10 神を敬う人は、ついには正義が勝つのを見て喜び、
殺された悪者どもの血のしたたる野原を歩きます。
11 こうして、地上には公平にさばく神がおられ、
善人に必ず報いてくださることが、
だれの目にも明らかになるのです。
64 1-2 神よ、この訴えに耳を傾け、
残忍な悪者どもの企みから守ってください。
3 彼らの舌は、剣のように研ぎすまされていて、
私をひどく傷つけます。
情け容赦ないことばを矢のように、
この胸に射かけてくるのです。
4 彼らは待ち伏せては、
罪のない者を不意打ちにしますが、
何かを恐れるということもありません。
5 彼らは互いに励まし、悪事を行うのです。
ひそかに示し合わせては罠をしかけ、
「まさか、気づかれるはずがない」と言っています。
6 目を光らせて悪事を重ねる機会をねらっているのです。
いくらでも時間をかけて、際限のない悪知恵を働かせ、
策略を巡らします。
7 しかし、神から不意に矢が飛んで来て、
彼らを突き刺します。
8 彼らはよろめいてのけぞり、
敵対していた相手の手によって、
息の根を止められるのです。
それを見ていた人々はみな、あざ笑います。
9 同時に、すべての人は恐れに取りつかれ、
神の奇跡の偉大さを口にするのです。
こうして、神は驚くべきことをなさるお方だと
思い知ります。
10 正しい人は主を信頼して喜び、
賛美のことばを惜しみません。
65 1-2 ああ、シオンに住まわれる神。
私たちは賛美を内に秘めながら、
あなたを待っています。
そして、私たちの誓いを果たします。
神は祈りに答えてくださるお方なので、
あらゆる人が願い事を携えて集まります。
3 たとえ私の心が罪に占領されていようと、
あなたはすべての罪を赦してくださいます。
4 聖い天幕の内庭で神とともに住むようにと
選ばれた人は、 なんと幸いなことでしょう。
そこには、すべての良いものに加えて、
大いなる喜びが待ちかまえているのです。
5 神は、恐怖におののかせるような行為や、
恐ろしい力を用いて、
私たちを敵から救い出してくださいます。
神は、世界中の人々にとって、唯一の望みです。
6 神は底知れない力で山々をお造りになりました。
7 また、怒濤さかまく海原を静め、
世界中の騒動を鎮圧なさいます。
8 地の果てに住む人々は、
神のまばゆいばかりの行いに驚き恐れます。
夜明けと日没は喜びの声を張り上げます。
9 神は水をまいて、肥沃な土地に変えられます。
神の川からは水がなくなることがありません。
また神は、ご自分の民のために大地を整え、
大豊作をもたらされます。
10 水路は十分な雨で潤います。
夕立が大地をやわらげ、土のかたまりをほぐして、
田畑はいっせいに芽吹くのです。
11-12 こうして、大地は緑の絨毯で覆われ、
荒れ地にはみずみずしい牧草が生い茂り、
小高い山の木々は嬉々として花を咲かせます。
13 牧草地には羊が群がり、
谷間には麦の穂が波打ちます。
全世界が喜びの声を張り上げて歌っています。
知恵について
7 良い評判を得ることは、
最高級の香水より値打ちがあり、
死ぬ日は生まれた日より大切である。
2 宴会に顔を出すより、
葬式に列席するほうがよい。
やがて死ぬわけだから、
生きているうちに死について考えるのは良いことだ。
3 悲しみは笑いにまさっている。
悲しみは、私たちの心から
不純物を取り除く効果があるからだ。
4 知恵ある者は死についてじっくり考えるが、
愚か者はどうしたら今
愉快に過ごせるかだけを考える。
5 愚か者からちやほやされるより、
知恵ある者に痛烈な批評を受けるほうが良い。
6 愚か者のお世辞は、火にくべた紙切れのように、
何の役にも立たない。
そんなものに心を動かすのは、
なんとむなしいことか。
7 知恵ある者も、わいろによって愚かな者になる。
わいろは人の判断力を麻痺させるからだ。
8 終わりは初めにまさっている。
忍耐は高慢にまさっている。
9 短気を起こしてはならない。
短気は愚か者の特徴だからだ。
10 過ぎ去った昔の栄光に未練を残してはいけない。
ほんとうに昔が今より良かったか、わからないからだ。
11 知恵ある者になることは、金持ちになるのと同じくらい
いや、それ以上の価値がある。
12 知恵からでも金銭からでも、
利益を上げることができる。
しかし賢くなることのほうが、
多くの利点がある。
13 神のすることに目を留め、それに従いなさい。神が決めたことを変えることなどできません。 14 順境のときには、できるだけ楽しみなさい。逆境が訪れたら、神は与えると同時に取り上げる方だと知りなさい。こうしてすべての人が、この世ではあらゆるものがむなしいと悟るのです。
パウロの嘆き
12 愛する皆さん。この点について、どうか私と同じ考えでいてください。私が初めて福音を伝えた時、あなたがたは私を軽蔑したりはしませんでした。 13 福音を伝えるきっかけとなったのは、私が病気になったためで、 14 その病気は人に不快感を与えるものであったにもかかわらず、あなたがたは、私を拒んだり、追い返したりしませんでした。それどころか、まるで天使かキリスト・イエスであるかのように迎え入れ、気づかってくれました。 15 あの時、お互いに味わった幸福感はどこに行ってしまったのでしょう。あなたがたは、私を助けるためなら、自分の目をえぐり出してもかまわないとさえ思ってくれたではありませんか。 16 それが今、真理を告げたために、私はあなたがたを敵に回したのでしょうか。 17 一生懸命あなたがたに取り入っている偽教師たちは、ほんとうに、あなたがたのためを思っているのではありません。ただ、もっと自分たちの取り巻きをふやすために、私たちから人々を引き離そうとしているだけです。 18 正しい動機と真実な心から親切にするなら、何も文句はありません。私がその場にいる時だけでなく、いない時にも、そんな態度を示してくれるなら、なおさらすばらしいことですから。
19 ああ、私の子どもたち。私はどんなに心配していることか。あなたがたがキリストに完全に支配される時をひたすら待ちながら、生まれて来る子どもを待つ母親のような苦しみを、もう一度味わっているのです。 20 今あなたがたのそばにいられたら、そして、こんな言い方をしなくてすんだらと、どんなにか願っています。これほど離れていては、正直言って、なすすべがないといった感じです。
21 イエスはその地方を去り、ツロとシドンに向かわれました。
数々の奇跡
22 この地方に住んでいるカナン人の女がイエスのところに来て、必死に願いました。「主よ。ダビデ王の子よ!お願いです。どうか、私をあわれと思ってお助けください。娘が悪霊に取りつかれて、ひどく苦しんでいるのです。」
23 しかし、イエスは堅く口を閉ざして、ひとこともお答えになりません。とうとう弟子たちが、「あの女に早く帰るように言ってください。うるさくてしかたがありません」と頼みました。
24 それでイエスは、「わたしが遣わされたのは、外国人を助けるためではありません。ユダヤ人を助けるためです」と説明なさいました。
25 それでも女は、イエスの前にひれ伏し、「主よ。どうかお助けください」と願い続けました。
26 イエスは、「子どもたちのパンを取り上げて、犬に投げてやるのはよくないことです」と言われました。
27 しかし、女はあきらめませんでした。「おっしゃるとおりです。でも、食卓の下にいる小犬でも、落ちたパンくずぐらいは食べさせてもらえます。」
28 そのことばにイエスは感心し、「あなたの信仰は見上げたものです。いいでしょう。願いをかなえてあげましょう」と言われました。その時から、彼女の娘は治りました。
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