Book of Common Prayer
50 全能の神である主は、東の果てから西の果てまで、
人々を呼び集めました。
2 シオンの山のうるわしい宮から、
神の栄光が輝きわたります。
3 神は焼き尽くす火をまとい、
雷とともに姿を現されます。
そのまわりには嵐が猛り狂っています。
4 ご自分の民をさばくためにおいでになった神は、
天と地にこうお叫びになります。
5 「祭壇にいけにえをささげた人々を捜し出せ。
わたしに忠誠を誓った民を集めよ。」
6 神は完全に公正な裁判官となって、
判決を下されます。
天も、神の正しさを証言します。
7 「民よ、耳を傾けなさい。
わたしはあなたがたの神である。
あなたがたには告発すべきことがある。
8 わたしは、祭壇にささげられたいけにえに
不満があるわけではない。
それは欠かさず供えられている。
9 しかし、真にわたしの求めているものは、
いけにえの雄牛や雄やぎではない。
10-11 野原や林の獣は、
もともとわたしのものなのだから。
千の丘で草をはむ家畜も、
山の鳥もみな、わたしのものである。
12 たとえ飢えても、あなたがたに頼ったりはしない。
全世界とその中のものはみな、
わたしのものなのだから。
13 あなたがたに、いけにえの肉と血を、
どうしてもささげてもらわなければならない
わけではない。
14-15 わたしが求めているのは、真心からの感謝、
わたしへの誓いを果たすことである。
苦難のとき、わたしを頼みとしてほしい。
そうすれば、わたしは助けの手を差し伸べ、
あなたがたはわたしをほめたたえるだろう。」
16 しかし、悪者に向かっては、
神はこう宣言なさいます。
「二度とわたしのおきてを口にしてはならない。
わたしがおまえに約束したかのように
思ってはいけない。
17 おまえはわたしの懲らしめを拒み、
おきてをないがしろにしたのだから。
18 おまえは、どろぼうを見ると手を貸し、
腹黒い者や不道徳な人間とつき合っている。
19-20 のろいのことばを吐き、うそをつき、
聞くに耐えないことばを口にする、
おまえのような人間は、
血を分けた兄弟の悪口さえ平気で言う。
21 今まではわたしも、じっと黙って見てきた。
おまえは、神は気にかけていないと思っていた。
しかしついに、罰の下る時がきた。
これらのことが、おまえの罪状だ。
22 神を忘れ去った者へ、最後のチャンスを与えよう。
わたしはおまえを引き裂こうとしている。
だれもおまえを助けることはできない。
23 心からの賛美は尊いささげ物。
それこそ、わたしの栄誉である。
わたしの道を進む人は救われる。」
ダビデ殺害を謀るサウル王の配下たちに包囲されたとき、ダビデが書いた詩(Ⅰサムエル19・11参照)。
59 ああ神よ、私を敵の手から救い出してください。
いのちをねらって押し寄せる者どもから
私を守ってください。
2 人殺しどもの手から守ってください。
3 腕っぷしの強い者が、
手ぐすねひいて待ち伏せています。
主よ。私は彼らに何も悪いことをしていません。
4 それなのに、彼らは私の息の根を止めようと、
意気込んでいるのです。
主よ、目を覚まして、よくごらんください。
そして助けの手を差し伸べてください。
5 天の軍勢の主であるイスラエルの神よ、
どうか周囲の異教の国々を罰してください。
こんな恥知らずの悪党どもを、
生かしておかないでください。
6 彼らは夕暮れになると様子をうかがい、
町の通りを犬のように嗅ぎ回ります。
7 「だれも聞いてなどいない」と高をくくり、
大声で悪態をついては、神をのろいます。
8 主よ、こんな連中を笑いものにしてください。
9 私の力の源である、神を賛美します。
神は、私の安全な隠れ家ですから。
10 神は、常に変わらない愛を注ぎ、
私を助けに来てくださいます。
また、敵を私の思いどおりにしてくださいます。
11 彼らに、まだとどめを刺さないでください。
私の国民の心に、貴重な教訓を刻みたいからです。
私たちの盾である主よ、お力で敵をよろめかせ、
ひざまずかせ、泥の中にはいつくばらせてください。
12-13 彼らはおごり高ぶり、うそをつき、
口汚なくののしります。
どうか、激しい怒りで彼らを滅ぼし、
一掃してください。
そして、神がイスラエルを支配し、
やがて全世界を治めるようになることを、
諸国民にも知らせてください。
14-15 こういう邪悪な者たちは、
夕方になると舞い戻って来て、夜通し町をうろつき、
犬のようにほえ、食べ物をあさるがよい。
16 しかしこの私は、
朝ごとに神の力と恵みを歌います。
悩みの日、神は危険を避ける高い塔、
安全な隠れ家となってくださったからです。
17 ああ、私の力そのものの神よ。
あなたをたたえて歌います。
あなたは、安全な高い塔、
恵みにあふれた神だからです。
ダビデがシリヤ(アラム)と戦い、戦況がまだはっきりしていなかったとき、司令官ヨアブが塩の谷でエドム人一万二千人を打ち殺した。その時のダビデの作。
60 ああ神よ。
あなたは私たちを拒み、その守りをもくずされました。
御怒りにふれて、私たちは見捨てられたのです。
主よ、もう一度、情けをかけてください。
2 あなたはこの国を恐怖で震撼させ、引き裂かれました。
主よ、深みまで揺るがされたこの地を今、
回復してください。
3 さんざんに打ちのめされて、
私たちの足はよろめいています。
4-5 しかし、あなたはこんな私たちを
奮起させるための旗を下さいました。
真理を愛する人々が、この旗のもとに集うためです。
そうしてこそ、あなたは愛する国民に
解放をもたらしてくださるのです。
どうか、力に満ちた右の手をふるって、
私たちを救い出してください。
6-7 神は、ご自分の名誉にかけて
救援を約束してくださいました。
私は大いに喜びました。
神はこう宣言なさいます。
「シェケム、スコテ、ギルアデ、マナセは、
依然としてわたしのものだ。
ユダからは継続して王が出、
エフライムからは勇士が誕生する。
8 モアブはわたしの召使となり、
エドムは奴隷となる。
わたしはまた、ペリシテを攻め取って、
勝利の声を上げよう。」
9-10 あの強固なエドムの町に、
この私を入城させてくださるのはどなたでしょう。
それは神です。
私たちを捨てて敵の手に渡された、その神です。
11 主よ、どうか敵の攻撃から守ってください。
人の助けなど、あてになりません。
12 神の助けがあれば、
私たちは強力な働きを進めることができます。
神が敵を踏みつけてくださるからです。
19 天は、神の栄光を物語る、神の手による傑作です。
2 天は、昼となく夜となく、神について語り続けます。
3-4 大空は、音もことばもなく静まり返っているのに、
大空が語っていることは全世界に知られます。
太陽は天の神の定めた場所に住んでいます。
5 太陽はその場所から出て、
結婚式の花婿のように晴れ晴れと、
また、競技を前にした選手のように、
意気揚々と大空を闊歩します。
6 天の端から端まで行き巡り、
その熱を免れるものは何一つありません。
7-8 主のおきては完全で、私たちを守り、
賢くし、喜びと光を与えます。
9 主のおきては純粋で正しく、変わることがありません。
10 また、金よりも慕わしく、
みつばちの巣からしたたるみつよりも甘いのです。
11 主のおきては、危険に近づかないように警告し、
従う者には祝福を約束します。
12 しかし人は、心にひそむ罪を
どうして知ることができましょう。
どうか、隠れた罪からきよめてください。
13 故意に悪に走ることからも引き止め、守ってください。
そうすれば、私は過ちを犯さず、
大きな罪からも逃れることができます。
14 私の口のことばと、秘めた思いが、
神に喜ばれますように。
ああ、私の岩、私の救い主、主よ。
46 神は私たちの隠れ家、また力、
苦難にあえぐときの確かな助けです。
2 ですから、たとえ全世界が破裂し、
山々が崩れ落ちて海に沈むようなことがあっても、
怖がることはありません。
3 海よ、鳴りとどろき、白くあわ立つがよい。
山よ、激しく揺れ動くがよい。
4 喜びの川が、
あらゆる神々にまさる神であられるお方の
聖なる住まいのある都を流れます。
5 神がそこにおられるので、
どんなことが起ころうと、都はびくともしません。
神はすばやく
助けの手を差し伸べてくださるのです。
6 国々は怒り狂い、わめき散らします。
しかし、神のひと言で大地は溶けて服従し、
王国はよろめき倒れます。
7 天の軍勢の主である神が、そばにいてくださいます。
このお方はヤコブの神で、
私たちを助けるために駆けつけてくださいました。
8 さあ、主がどんなにすばらしいことをなさるか、
よく見なさい。
主は全世界を灰とし、
9 世界のすみずみまで戦争をやめさせ、
武器という武器を残らず破壊し、焼き捨てられます。
10 「よく聞きなさい。
わたしこそ神であることを、よくよく知りなさい。
わたしは全世界でほめたたえられる。」
11 天の軍勢の主は、確かに私たちの味方です。
ヤコブの神であるこのお方が、
駆けつけて助けてくださいました。
ポティファルに仕えるヨセフ
39 さて、イシュマエル人の隊商に売り飛ばされたヨセフに話を戻しましょう。彼はエジプトに着くと、エジプト王ファラオに仕える役人の一人、ポティファルに買い取られました。 2 ヨセフはこの主人となった人の家の仕事をさせられましたが、いつも主が助けてくださるので、何をしてもうまくいきました。 3 ポティファルの目に、主がヨセフに特別よくしておられることは明らかでした。 4 ヨセフは主人の気に入り、家の管理と業務のすべてを任されるようになったのです。 5 すると、ポティファルの家は祝福され、万事がスムーズに運びました。収穫も、羊の群れも増える一方でした。 6 喜んだポティファルは、全財産の管理をヨセフに任せることにしました。ヨセフさえいれば、何の心配もありません。しかも、ヨセフはたいへん美青年でした。
7 そこで、困ったことが持ち上がりました。事もあろうに、ポティファルの妻がヨセフに目をつけて、彼を誘惑するようになったのです。 8 ヨセフはそれを拒みました。「ご主人は家のこといっさいを私にお任せになりました。 9 家では、私のすることに、決して口出ししたり、指図したりなさいません。あなた以外は何でも私の自由にさせてくださいます。これほどまでにしていただいて、どうして、そんな大それたことができましょう。ご主人ばかりか、神様にまで背くことなどできません。」
10 それでも彼女はあきらめません。毎日しつこく言い寄り、ヨセフが相手にしないと何とかして気を引こうとやっきになりました。
11 そんなある日のこと、ヨセフは家で仕事をしていました。たまたま周囲にはだれもいません。この時とばかり彼女がやって来て、ヨセフの袖をつかみました。 12-13 「ちょっと私の部屋に来ておくれ。」とんでもないと、ヨセフがその手を振り払って逃げようとしたところ、上着が脱げてしまいました。しかし彼はそのまま家の外へ逃げ出しました。彼女はそのうしろ姿を、残された上着を手にしたままじっと見つめていましたが、 14-15 突然叫び声を上げました。何事が起こったのかと、男たちが駆けつけると、彼女が興奮して泣いています。「私の主人が、あんなヘブル人(イスラエル人)の奴隷なんか連れて来るからいけないのよ。おかげで危ない目に会うところだったわ。とてもひどいことをしようとしたので、私、大声で叫んでやったわ。そうしたら、上着を置いたままあわてて逃げ出したのよ。」
16 彼女はヨセフの上着を手もとに置き、その夜、夫が家に帰ると、 17 昼間の出来事を話しました。「うちで仕事をさせている、あのヘブル人の奴隷ですが、今日私にひどいことをしようとしたのです。 18 大声を上げたから助かったものの、そうでなければ、どうなっていたかわかりませんわ。あの男ったら、あわてて上着を残したまま逃げ出して……。これがその上着です。」
19 主人がかんかんに怒ったのは、言うまでもありません。 20 真相をよく調べもせず、すぐさまヨセフを捕らえ、王の囚人が入れられる監獄に放り込みました。 21 しかし、主は監獄の中でさえヨセフとともにいて、何事にも心にかけてくださったので、ヨセフは看守長にとても気に入られました。 22 この男なら大丈夫と見抜いた看守長は、やがてすべての囚人の面倒を見るよう、監獄内の管理をいっさいヨセフに任せることにしました。 23 それからというもの、ヨセフが取り仕切ったので、看守長は何の心配もなくなりました。主がヨセフとともにおられるので、彼は何をしてもスムーズに事が運びました。
14 しかし、クリスチャンでない人は、聖霊が教えてくださる神の思いを理解することも、受け入れることもできません。彼らには愚かしく思えるのです。というのは、自分のうちに聖霊をいただいている人だけが、聖霊のお考えを理解できるからです。 15 聖霊をいただいている人は、すべてを見抜きます。ところが、聖霊をいただいていない人は全く理解できないので、まごつき、とまどうのです。 16 いったい、どうすれば彼らに聖霊がわかるというのでしょう。彼らは、主の思いを知ったこともなく、それを主と論じ合ったこともなく、また、祈りによって神の御手を動かしたこともないのです。しかし驚くべきことに、私たちクリスチャンは、まさにキリストの思いと心を共有しているのです。
自分を知者と思うな
3 愛する皆さん。私は皆さんに、クリスチャンの生活面について、まるで子どもに語るように書いてきました。実際あなたがたは、主に従わないで、好きかってにふるまっています。そんなあなたがたに、聖霊に満たされた人を相手にしているようには書けないからです。 2 つまり、堅い食物を避けてミルクを飲ませました。堅い食物の消化はむりだったからです。実は今でも、あなたがたはミルクしか飲めない状態です。 3 相変わらず、よちよち歩きもおぼつかないクリスチャンで、それは、あなたがたがねたみ合い、仲間割れをしていることからも明らかです。実際、あなたがたの態度ときたら、まるで主を信じていない人のようです。 4 「パウロとアポロとどちらが偉いか」などと口論して、教会を分裂させている現状では、主にあって少しも成長していないことをさらけ出しているようなものではありませんか。
5 私たちが争いの原因になるとは、いったい、私が何者だと言うのですか。アポロが何者ですか。ただ神に仕える者にすぎず、それぞれに特別の能力が与えられて、あなたがたが信じるための手助けをしたにすぎません。 6 私の仕事は、あなたがたの心に種をまくことでした。アポロの仕事は、それに水をやることでした。しかし、あなたがたの心の中でそれを成長させたのは神であって、私たちではありません。 7 まく者も、水をやる者も、さほど大切ではありません。大切なのは、成長させてくださる神なのです。 8 アポロも私も、同じ目標を目指して働いていますが、それぞれ、その労苦に従って報酬を受けるでしょう。 9 私たちは神の協力者にすぎません。あなたがたは私たちの畑ではなく、神の畑です。私たちの建物ではなく、神の建物です。
10 神様は恵みによって、私に、どうしたら腕のよい建築家になれるかを教えてくださいました。私が土台をすえ、アポロがその上に建物を建てました。しかし、その土台の上に建物を建てるには、細心の注意が必要です。 11 私たちがすでに持っている本物の土台、イエス・キリスト以外に、土台をすえることなどだれにもできないのです。 12 しかし、この土台の上には、いろいろの材料で建てることができます。金や銀や宝石を使う人もいれば、また木や草、わらなどを用いる人もあります。 13 やがて、すべてがテストされる、キリストのさばきの日が来ます。その時には、建築家が各自どんな材料で建てたかが明白になります。それぞれの仕事は火でテストされ、なお価値が変わらないかどうか、ほんとうに完璧な建物かどうかが、だれの目にも明らかになります。 14 そして、その土台の上に適切な材料を使って建てた人は、建物がちゃんと残るので報いがあります。 15 しかし、家が焼けてしまった人は、大損害をこうむります。その人自身は、炎の中をくぐり抜けるように、命からがら逃げて救われるでしょうが。
2 数日後、イエスはカペナウムに戻られました。すると、イエス来訪のニュースはたちまち町中に伝わり、 2 人々が大ぜい集まって来ました。家は足の踏み場もないほどで、外まで人があふれています。その人たちに、イエスは神の教えを語られました。 3 その時、四人の人が、中風(脳出血などによる半身不随、手足のまひ等の症状)の男をかついで運んで来ました。 4 しかしあまりの人に、群衆をかき分けて中へ入ることもできません。そこで、屋根にのぼり、穴をあけると、そこから病人を寝床のまま、イエスの前へつり降ろしました。 5 必ず治してもらえると、堅く信じて疑わない彼らの信仰をごらんになって、イエスは中風の男に、「あなたの罪は赦されました」と言われました。
6 ところが、その場にいた何人かのユダヤ人の宗教的指導者たちの心中は、おだやかではありませんでした。 7 「なんだと! 今のは神を汚すことばだ。いったい自分をだれだと思っているのか。罪を赦すなんて、神にしかできないことなのに。」
8 イエスはすぐに、彼らが心の中で理屈をこねているのを見抜かれました。「どうして、そう思うのですか。 9-11 この人に、『あなたの罪が赦されました』と言うのと、『起きて歩きなさい』と言うのと、どちらがやさしいですか。さあ、メシヤ(ヘブル語で、救い主)のわたしが罪を赦したという証拠を見せてあげましょう。」イエスは中風の男のほうに向き直り、「あなたはもうよくなりました。床をたたんで、家に帰りなさい」と言われました。
12 すると男は飛び起き、寝床をかかえ、あっけにとられている見物人を押し分けて、出て行ってしまいました。「こんなことは、見たこともない!」人々は口々に叫び、心から神を賛美しました。
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