Book of Common Prayer
8 ああ私たちの主よ。
御名の威厳と栄光は全地に満ち、
天にみなぎっています。
2 あなたは幼子たちに、
あなたを真心からほめたたえよと教えられました。
その子どもたちの姿に、
敵が恥じ入って、口をつぐみますように。
3 夜空を仰いで、
あなたが造られた月や星を眺めると、
4 なぜ、取るに足りないちっぽけな人間を
心に留め、目をかけてくださるのか不思議です。
5 ところがあなたは、
御使いにほんの少し及ばないだけの者として
人を造り、栄光と誉れの冠を与えられました。
6 あなたは、お造りになった万物を、
人の手にゆだねられ、
いっさいのものは人の支配下にあります。
7 牛も羊も、また野獣も、
8 鳥、魚、すべての海の生物も。
9 私たちの主よ。
御名の威厳と栄光は全地に満ちています。
138 主よ。
私は心の底から感謝し、
御使いたちの前でほめたたえます。
2 礼拝するたびにあなたの宮に向かい、
そのすべての恵みと真実を思い起こして
感謝をささげます。
あなたは、ご自身の名にかけて、
約束を守るお方ですから。
3 あなたは必ず私の祈りに答えて、力を与え、
励ましてくださいます。
4 主よ。
この世の王はみな御声を聞き、感謝をささげます。
5 彼らは、栄光に輝く主の道をたたえて歌います。
ご栄光の偉大さに圧倒されるからです。
6 この上なく偉大な主は、
謙遜な人を重んじ、高慢な人を寄せつけません。
7 たとえ、四方八方を苦しみに取り巻かれても、
私は無事に救い出していただけます。
怒り狂った敵には、
あなたのこぶしが振り下ろされるのです。
8 私のためのご計画は、次々に実現していきます。
主の恵みは絶えることがないからです。
どうか、私を置き去りにしないでください。
私はあなたの手で造られた者ですから。
蛇の誘惑
3 さて、主なる神が造ったものの中で、蛇が最も賢い動物でした。蛇は女に、ことば巧みに話を持ちかけました。「ほんとうにそのとおりなんですかね? ほかでもない、園の果実はどれも食べてはいけないという話ですよ。神様は、これっぽっちも食べてはならないと言ったっていうじゃないですか。」
2-3 「そんなことないわ。食べるのは少しもかまわないのよ。ただね、園の中央にある木の実だけは、食べてはいけないの。そればかりか、さわってもいけないんですって。さもないと死んでしまうって、神様はおっしゃったわ。」
4 「ほおーっ。でも、それはうそっぱちですよ。死ぬだなんて、でたらめもいいところだ。 5 神様はわかっているんです。その実を食べたら、善と悪の見分けがついて神様のようになってしまうってことを。」
6 言われてみれば、そう思えないこともありません。それに、その実はとてもきれいで、おいしそうなのです。「あれを食べたら何でもよくわかるようになるんだわ。」女はそう思いながら見ていると、もう我慢できなくなり、とうとう実をもいで食べてしまいました。そばにいたアダムにも分け与えたので、彼もいっしょに食べました。 7 はっと気がつくと、なんと、二人とも裸ではありませんか。急に恥ずかしくなって、とっさにいちじくの葉をつなぎ合わせ、腰の回りを覆いました。
8 その日の夕方のことです。主なる神が園の中を歩いておられる気配がしたので、二人はあわてて木陰に隠れました。 9 神の呼ぶ声が聞こえます。「アダム、なぜ隠れるのだ。」
10 「あなたがおいでになるのに私は裸だったからです。こんな姿はお見せできません。」
11 「裸だということを、いったいだれが教えたのか。あれほど食べるなと言ったあの木から実を取って食べたのか。」
12 「は、はい。でも、あなたが私といっしょにしてくださったこの女がくれたので……。」
13 そこで神は女に尋ねました。「いったいどうして、こんなことをしたのだ。」
「蛇がいけないのです。私はただ、だまされただけです。」
14 それを聞いて、神は蛇に言いました。「おまえがそんなことをした罰だ。いいか、あらゆる家畜、野生の動物の中で、おまえだけがのろわれるようになる。生きている間中、ちりの中をはい回るがいい。 15 これからのち、おまえと女は敵対するようになる。おまえの子孫と女の子孫も同じだ。女はおまえを恐れるだろう。子孫同士も、互いに相手を敵視するようになる。おまえは彼(キリストを暗示する)のかかとにかみついて傷を負わせるが、彼に頭を踏み砕かれてしまうのだ。」
アダムの罪とキリストの救い
12 アダムが罪を犯した時、罪が世界に入り込みました。アダムの罪によって死が全人類に広まり、すべての人は死ぬように定められました。それというのも、すべての人が罪を犯したからです。 13 これらの原因がアダムの罪にあることを、私たちは知っています。アダムからモーセまでの時代にも人々は罪を犯しましたが、神はそのころ、罪を犯したからといって、彼らに死刑を宣告したりはなさいませんでした。神はまだ、彼らに律法を与えておらず、また、彼らにどんなことを望んでおられるか告げてもいなかったからです。 14 そういうわけで、彼らの肉体の死はアダムの罪によるもので、彼らの罪のせいではありませんでした。アダムは人類を代表するという意味で、やがて来られるキリストの原型ですが、両者はなんと対照的でしょう。
15 人間の罪と神の赦しとの間には、なんと大きな違いがあることでしょう。アダム一人の罪によって多くの人に死がもたらされました。しかし、イエス・キリスト一人によって、多くの人に赦しがもたらされたのです。 16 つまりアダムの一つの罪が、多くの人に死の罰をもたらしました。一方、キリストは、無償で多くの罪を取り除き、その代わりにすばらしいいのちを下さるのです。 17 アダム一人の罪により、死はすべての人を支配するようになりましたが、神から、罪の赦しと無罪放免という無償の贈り物をいただく人はみな、イエス・キリスト一人によって、いのちに支配されるようになります。 18 アダムの罪はすべての人に刑罰をもたらしましたが、キリストの義は、人々を神の前に正しい者とするのです。それで、人々は生きることができるのです。 19 神に従わなかったアダムは多くの人を罪人にしましたが、神に従ったキリストは、多くの人を神に受け入れられる者としてくださいました。
20 律法が与えられてから、すべての人は、自分がいかに神のおきてに従えない存在か、よくわかるようになりました。しかし、私たちは、自分の罪深さを知れば知るほど、赦してくださる神の満ちあふれる恵みが、いっそうわかるようになるのです。 21 以前は、罪がすべての人を支配し、死に導きました。しかし今では、恵みが私たちを支配するようになり、主イエス・キリストによって、私たちに神の前での正しい身分を与え、永遠のいのちへと導くのです。
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