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打ち場での出来事

ある日、ナオミはルツに話しかけました。「ねえ、ルツや。そろそろあなたも良いお婿さんを見つけて幸せにならなければね。 実は、これはと思っている人がいるの。あのボアズさんよ。あの方はとっても親切にしてくださったし、近い親戚でもあるからね。たまたま耳にしたんだけど、今夜、あの方は打ち場で大麦をふるい分けるって話よ。 さあ、私の言うとおりにしておくれ。体を洗って香油を塗り、きれいな服を着て、打ち場へお行き。ただし、あの方が夕食をすますまでは気づかれないようにね。 あの方がお休みになる場所をちゃんと見届けてから、そっと入って行き、足もとの覆いをまくって横になりなさい。あとはあの方が、あなたがどうすべきかを教えてくださるでしょう。」

「わかりました。おっしゃるとおりにします。」

6-7 ルツはしゅうとめに教えられたとおり、その夜、打ち場に出かけて行きました。ボアズは食事をすますとすっかり心地よくなって、積み重ねてある麦のそばにごろりと横になり眠ってしまいました。そこで、ルツはそっと忍び寄り、ボアズの足もとの覆いをまくって横になりました。 真夜中に目を覚ましたボアズは、びっくりして跳び起きました。なんと、足もとに女が寝ているではありませんか。

「だれだ、おまえは!」とボアズが問いただすと、ルツは答えました。「ボアズ様、私ルツでございます。どうぞ、神様の律法に従って私を妻にしてください。あなた様はその権利がある親類ですから。」

10 「ルツよ。あなたのようなすばらしい女性は見たことがない。こんなにまでしてナオミに尽くしているとは。貧しくてもまだ若いのだから、若い男に心をひかれても不思議ではないのに、そんな気持ちよりも、買い戻しの権利を持つ私と結婚してナオミのために世継ぎを残そうというのか。 11 ルツよ、何も心配はいらないよ。望みどおりにしてあげよう。あなたがすばらしい女性だということは、だれもが知っているのだから。 12 ただ、一つだけ問題がある。確かに私は近い親戚には違いないが、もっと近い親戚がいるのだ。 13 とにかく今夜はここで休みなさい。朝になったら、その人と話をつけることにしよう。もしその人があなたを妻に迎えるというなら、そのようにしてもらおう。義務を果たさせるまでだ。だが、もし断ったら、私が責任を果たそう。今ここで、はっきり主に誓うよ。さあ安心して、朝までここで休みなさい。」

14 ルツは言われたとおりボアズの足もとに寝ましたが、夜明け前に起きました。ボアズが、「この打ち場に来たことをだれにも知られないように」と注意したからです。 15-18 「あなたの肩掛けを持って来なさい。」ボアズはそう言うと、しゅうとめへのみやげにと、大麦六杯をその中へ入れてルツに背負わせました。こうしてルツは町へ帰りました。

帰宅すると、ナオミが「どうだったの?」と尋ねました。聞かれるままにあったこと全部を話し、ボアズから受け取った大麦を渡しました。そして、「何も持たずに帰ってはいけない」と言ったボアズのことばも、忘れずに伝えました。ナオミはうなずきました。「そう、ではどうなるのか、何か知らせがあるまでおとなしくしていましょう。ボアズさんのことですもの、決着がつくように最善を尽くしてくださるわ。きっと、今日にもめどをつけてくださいますよ。」

ルツの結婚

さて、ボアズはさっそく広場に出かけ、目ざす相手を見つけました。「ちょっと折り入ってお話ししたいことがあるのですが、いいですか。」

二人は並んで腰をおろしました。 それからボアズは町の指導者十人を招き、証人になってくれるように頼みました。 万事の手はずが整うと、ボアズは相手に話を切り出しました。「モアブから帰って来たナオミのことは、ご存じですね。実は、あの人が私たちの身内のエリメレクの畑を売りたいと言っています。 そのことをお耳に入れるべきだと思ったのです。ここに証人の方々もおられるので、よかったら、畑を買ってください。いかがですか? はっきりしたお返事を頂きたいのです。もし、そうされないなら私が買いましょう。ただ、一番にそれを買い戻す権利はあなたにあって、私はその次なのです。」

その親戚の者は言いました。「いいだろう。買うことにしよう。」

そこで、ボアズは言いました。「ところで、ナオミから畑を買い戻すとなると、ナオミの嫁ルツを妻に迎えてもらわなければなりません。ルツは子どもをもうけ、その地を相続させて、亡き夫の名を残さなければなりませんから。」

すると彼は言いました。「そんなことなら、私は降りる。生まれてくる子にまで財産を分けてやるなんて、それは困る。あなたが買ってくれないか。」

当時イスラエルでは、人が買い戻しの権利を譲る時は、くつを脱いで相手に渡す習慣がありました。こうして、すべての取り引きが公認となるのです。 その人はボアズに「あなたに譲る」と言って、くつを脱ぎました。 ボアズは、同席の証人や長老たちに向かって言いました。「では皆さん。今日、私がナオミから、エリメレクおよびキルヨンやマフロンの全財産を買い取ったことを、お認めいただけますね。 10 また、マフロンの未亡人でモアブ人のルツも、妻として譲り受けることになります。ルツの産む子どもは亡くなった夫の家名を継ぐことができるのです。このことの証人になっていただけますか。」

11 すると、その場に居合わせた人々は、証人として答えました。「喜んで証人となりましょう。どうか主が、あなたがお迎えになる女に、イスラエル国民の母ラケルとレアのように、子どもを大ぜいお授けくださるように。またあなたも、ベツレヘムで大いに栄えられますように。 12 その昔、主がわれらの先祖ペレツを、タマルを通してユダにお与えくださったように、あなたもこの若い女を通して子どもを授かり、末長く繁栄されますように。」

孫を授かったナオミ

13 こうしてボアズはルツと結婚し、まもなく彼女は男の子を授かりました。 14 女たちはナオミに言いました。「よかったわね。主がこんなにかわいいお孫さんを授けてくださるなんて。きっとこの子はイスラエルでその名が知られるようになるわ。 15 おかげで、あなたは若返り、老後の心配もありませんね。何しろ、あんなに母親思いで、七人の息子にもまさるあなたのお嫁さんから生まれた子どもなんだもの。」

16-17 ナオミはその赤ん坊を手塩にかけて育てました。近所の女たちは、「ごらんなさいよ。あのナオミさんに、また男の子が生まれた」と言って、その子にオベデ(「仕える者」の意)という名をつけました。オベデはエッサイの父で、ダビデ王の祖父となった人です。

ダビデの系図

18-22 先祖ペレツから始まるボアズの家系は次のとおりです。ペレツ、ヘツロン、ラム、アミナダブ、ナフション、サルモン、ボアズ、オベデ、エッサイ、ダビデ。

64 1-2 神よ、この訴えに耳を傾け、
残忍な悪者どもの企みから守ってください。
彼らの舌は、剣のように研ぎすまされていて、
私をひどく傷つけます。
情け容赦ないことばを矢のように、
この胸に射かけてくるのです。
彼らは待ち伏せては、
罪のない者を不意打ちにしますが、
何かを恐れるということもありません。
彼らは互いに励まし、悪事を行うのです。
ひそかに示し合わせては罠をしかけ、
「まさか、気づかれるはずがない」と言っています。
目を光らせて悪事を重ねる機会をねらっているのです。
いくらでも時間をかけて、際限のない悪知恵を働かせ、
策略を巡らします。

しかし、神から不意に矢が飛んで来て、
彼らを突き刺します。
彼らはよろめいてのけぞり、
敵対していた相手の手によって、
息の根を止められるのです。
それを見ていた人々はみな、あざ笑います。
同時に、すべての人は恐れに取りつかれ、
神の奇跡の偉大さを口にするのです。
こうして、神は驚くべきことをなさるお方だと
思い知ります。
10 正しい人は主を信頼して喜び、
賛美のことばを惜しみません。

65 1-2 ああ、シオンに住まわれる神。
私たちは賛美を内に秘めながら、
あなたを待っています。
そして、私たちの誓いを果たします。
神は祈りに答えてくださるお方なので、
あらゆる人が願い事を携えて集まります。
たとえ私の心が罪に占領されていようと、
あなたはすべての罪を赦してくださいます。
聖い天幕の内庭で神とともに住むようにと
選ばれた人は、 なんと幸いなことでしょう。
そこには、すべての良いものに加えて、
大いなる喜びが待ちかまえているのです。
神は、恐怖におののかせるような行為や、
恐ろしい力を用いて、
私たちを敵から救い出してくださいます。
神は、世界中の人々にとって、唯一の望みです。

神は底知れない力で山々をお造りになりました。
また、怒濤さかまく海原を静め、
世界中の騒動を鎮圧なさいます。
地の果てに住む人々は、
神のまばゆいばかりの行いに驚き恐れます。
夜明けと日没は喜びの声を張り上げます。
神は水をまいて、肥沃な土地に変えられます。
神の川からは水がなくなることがありません。
また神は、ご自分の民のために大地を整え、
大豊作をもたらされます。
10 水路は十分な雨で潤います。
夕立が大地をやわらげ、土のかたまりをほぐして、
田畑はいっせいに芽吹くのです。
11-12 こうして、大地は緑の絨毯で覆われ、
荒れ地にはみずみずしい牧草が生い茂り、
小高い山の木々は嬉々として花を咲かせます。
13 牧草地には羊が群がり、
谷間には麦の穂が波打ちます。
全世界が喜びの声を張り上げて歌っています。

神と共に働く者としてお願いします。神の恵みをむだに受けないように気をつけてください。 神様はこう言われるからです。

「恵みの時に、
あなたの叫びはわたしに届いた。
救いが差し出されている日に、
わたしはあなたを助けた。」イザヤ49・8

まさしく今、神様はあなたを喜び迎えようとしておられます。今日、あなたを救おうとしておられます。

私たちは、自分たちの行動がだれかをつまずかせたり、主との出会いを妨げたりすることがないように、また、主を非難する口実に用いられないように気をつけています。 あらゆる点で、自分がほんとうに神に仕える者であることを示そうと努めているのです。次から次へと襲って来る悩み、苦しみ、困難にも、しんぼう強く耐えています。 むちで打たれたことも、投獄されたことも、怒り狂う暴徒に取り囲まれたこともありました。ある時は力尽きるまで働き、ある時は一睡もせずに夜を明かし、また食べる物のない日もありました。 健全な生活と福音に対する理解と忍耐とによって、自分の口に偽りがないことを証明してきました。いつも親切にし、愛に富み、聖霊に満たされてきました。 何をするにも、神の力に助けられて、真実を貫いてきました。神を敬う人に備わる義の武器を、いつも手にしていました。 人に尊敬されようと軽蔑されようと、あるいは非難されようと賞賛されようと、主への忠誠に変わりはありません。人からはうそつきと呼ばれようと、私たちは正直です。 この世から無視されても、私たちは神に認められています。死に直面しながらも、このとおり生きています。傷つけられたこともありますが、死を免れてきました。 10 心に痛みがありますが、同時に主の喜びも持っています。貧しいように見えても、霊的に多くの人を富ませています。何も持っていなくても、あらゆるものに満たされています。

11 愛するコリント教会の皆さん。私は心にあることをみな、お話ししました。私は心の底から、あなたがたを愛しているのです。 12 今なお私たちの間に冷たい空気があるとしても、私に愛が欠けているせいではありません。あなたがたの愛があまりにも少なくて、私まで届かないのです。 13 今、実の子どもに対するように、あなたがたに話しています。どうか心を開いてください。私たちの愛にこたえてください。

いっさいの悪と縁を切る

14 神を愛していない者の仲間入りをしてはいけません。神の民と罪の民との間に、いったいどんな共通点があるでしょう。光と暗闇とが、どうして共存できるでしょう。 15 キリストと悪魔との間に、何の調和があるでしょう。クリスチャンが、信じていない人とどうして手をつなぐことができましょう。 16 神の宮と偶像との間に、何の一致があるでしょう。あなたがたは神の宮であり、生ける神の住まいなのです。神様はあなたがたについてこう言われました。

「わたしは彼ら(神の民)のうちに住み、
その間を歩む。
わたしは彼らの神となり、
彼らはわたしの民となる。」レビ26・12
17 それゆえ、主はこう言っておられます。
「彼ら(神の民)から立ち去り、縁を切れ。
その汚れたものに触れてはならない。イザヤ52・11
そうすれば、わたしはあなたがたを迎え入れ、
18 あなたがたの父となり、
あなたがたはわたしの息子、娘となる。」ホセア1・10イザヤ43・6