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24 バラムは、主がイスラエル人を祝福することがもうよくわかっていたので、これまでのように、わざわざ主に会おうとはしませんでした。その代わり、すぐさまイスラエル人の宿営を眺めに行きました。 見ると、部族ごとに一まとまりになった天幕の列が、平原を横切って、はるかかなたまで延びています。

その時、神の霊がバラムに下り、 3-9 こう預言しました。

「ベオルの子バラムが知っていることは、こうだ。
私は目のよく見える者。
私は神のことばを聞き、
全能の神がお見せくださったものを見た。
神の前にひれ伏すと、
それまで見えなかったものが見えるようになった。
ああ、イスラエルはやがて繁栄し、大いに祝福される。
緑に覆われた谷間のように、家々は建ち並び、
川辺の豊かな果樹園のように、
主が植えたかぐわしいアロエのように、
川のそばに植えた杉の木のように、
水を吸って大きくなり、
ますます領地を広げていく。
彼らの王はアガグよりも偉大で、
人々は口々にイスラエルのすばらしさを褒める。
神は彼らをエジプトから連れ出された。
イスラエルは野牛のように強く、
敵対する国々をことごとく滅ぼす。
敵をさんざん打ち負かし、雨あられと矢を射かける。
ライオンのようにうずくまり、眠っているイスラエル。
だれがその目を覚まさせられよう。
イスラエルを祝福する人は幸せになり、
のろう人は不幸になる。」

10 あまりのことばに、王は怒りに身を震わせ、もうたくさんだとばかりに声を荒げて言いました。「いいかげんにしろ! おまえを呼んだのは、やつらをのろわせるためだ。それが口を開けば祝福ばかりだ。それも一度や二度でなく、三度もだ。 11 もうよい、とっとと国へ帰れ。手厚くもてなすつもりだったが、主がじゃまだてするのではどうにもならぬ。」

12-13 「王様、あの時、使いの方に、『たとえ金銀で飾り立てた宮殿を頂いても、神様のおことばには背けません。勝手に自分の考えを言うわけにはまいりません。ただ神様の言われることだけを申し上げましょう』と念を押したはずです。 14 おっしゃるとおり、帰らせていただきます。しかしその前に、お国がこれからどんな目に会うか申し上げましょう。」

15-19 バラムは王に預言しました。

「ベオルの子バラムが知っていることは、こうだ。
私は目のよく見える者。
私は神のことばを聞き、その考えを知り、
そのなさることを見た。
神の前にひれ伏すと、目が見えるようになり、
イスラエルの将来が見通せた。
いつか、ずっと先、
イスラエルから一つの星が輝き出る。
一人の王が起こり、モアブ人を打ち破り、
セツの子孫を滅ぼす。
エドムとセイルの全土は、イスラエルのものとなる。
イスラエルは向かうところ敵なく、
その全地を治め、町々を滅ぼす。」
20 このあとバラムは、アマレク人の住む地方を見渡して預言しました。
「これまで最も強国だったアマレク。
そのアマレクもやがて滅びる。」
21-22 次に、ケニ人の国を見渡して言いました。
「ケニ人の国は堅固で、回りを岩山に囲まれている。
しかしこの国も、いつかは滅びる。
アッシリヤの王が大挙して攻め寄せ、
国民を捕らえ、外国へ連れ去る。」
23-24 最後にバラムは、こう締めくくりました。
「神がこのとおりにしたら、だれ一人、生き残れない。
力を誇ったエベルやアッシリヤも
キプロスから攻め上る船団に手を焼き、
ついには、ひとたまりもなく滅びる。」

25 預言し終えると、バラムはさっさと国へ帰り、バラク王も自分のところへ帰りました。

ペオル山での偶像礼拝

25 さて、イスラエルの民がモアブのシティムに野営していた時のことです。青年たちの何人かが、土地の娘とふしだらな関係を持ち始めました。 モアブ人の信じる神々にいけにえをささげる儀式に加わるようそそのかされ、彼らは宴会に連なるばかりか、ほんとうの神でない偶像を拝むようになりました。 やがてイスラエル人は、ペオル山で、進んでモアブの神バアルを拝むほどになったのです。主の怒りが燃え上がったのは言うまでもありません。

そこで、主はモーセにきびしく命じました。「族長たちを死刑にせよ。白日のもとで、さらし者とするのだ。そうすればあなたがたを赦そう。」

モーセは、バアルを拝んだ者を一人残らず処刑するよう命じました。

ところが、人々が幕屋の入口に集まって泣いているところへ、モーセをはじめ国民全員の目の前に一人の男がミデヤン人の娘を連れて来ました。 エルアザルの子で祭司アロンの孫に当たるピネハスは、それを見るなり槍を取り、 その男のあとを追いました。天幕の中に駆け込むと、ピネハスは奥で寝ていた二人を間髪を入れず突き刺しました。槍は男の背を抜け、女の腹をも刺し貫きました。これで神罰はやみましたが、 すでに二万四千もの人が死んでいました。

10-11 このことがあってから、主はモーセに告げて言いました。「ピネハスは見上げたものだ。わたしの怒りを思って、悪事に目をつぶらず、手加減もしなかった。それでわたしの怒りも治まり、これ以上罰を下すのはやめたのだ。 12-13 だからわたしは、彼に約束しよう。彼の子孫は永遠に祭司の職に就く。あんなにもわたしのことを思い、勇気を出して人々のいのちを救ったからだ。」

14 ところで、ミデヤン人の娘といっしょに殺された男はジムリといって、シメオンの族長サルの息子でした。 15 女のほうはミデヤン人の王子ツルの娘で、コズビといいました。

16-17 主はモーセに命じました。「ミデヤン人を打ち滅ぼしなさい。 18 向こうもあなたがたを滅ぼそうと策略をめぐらしているからだ。彼らはバアルを拝ませて道を誤らせようとしている。コズビの事件がいい例だ。」

第二回人口調査

26 罰がやんだあと、主は、モーセとアロンの子エルアザルとに告げて言いました。 「部族ごと、氏族ごとに、二十歳以上の男の数を調べなさい。戦いに出られる者が何人いるか確かめるのだ。」

3-4 そこで二人は、族長全員に調査を命じました。ちょうど、ヨルダン川の東側、エリコの向かいあたりにあるモアブ平原に野営している時でした。

5-11 ルベン族――四万三、七三〇人。ルベンはヤコブの長男です。この部族は、エノク族、パル族、ヘツロン族、カルミ族の四つの諸氏族に分かれますが、その先祖はみなルベンの子です。パルの子の一人エリアブから、ネムエル一族、アビラム一族、ダタン一族が出ました。このダタンとアビラムは、コラと手を組んでモーセとアロンに盾突き、主に逆らった反逆者です。彼らにはたちまち神のさばきが下り、地面が裂けて、のみ込まれてしまったのです。その日はまた、全国民への警告として、彼らの誘いにのった二百五十人の者も焼き滅ぼされました。

12-14 シメオン族――二万二、二〇〇人。この部族には、シメオンの子から興された五つの諸氏族があります。ネムエル族、ヤミン族、ヤキン族、ゼラフ族、サウル族。

15-18 ガド族――四万五〇〇人。この部族に含まれる諸氏族は七つで、みなガドの子から出たものです。ツェフォン族、ハギ族、シュニ族、オズニ族、エリ族、アロデ族、アルエリ族。

19-22 ユダ族――七万六、五〇〇人。この部族に属する氏族は、ユダの子の名を受け継いでいますが、カナンで死んだエルとオナンは含まれません。シェラ族、ペレツ族、ゼラフ族。この調査には、さらにペレツから出た、ヘツロン族、ハムル族の一族も含まれていました。

23-25 イッサカル族――六万四、三〇〇人。この部族には四つの氏族があり、それぞれイッサカルの子の名を受け継いでいます。トラ族、プワ族、ヤシュブ族、シムロン族。

26-27 ゼブルン族――六万五〇〇人。この部族の氏族はゼブルンの子が興したもので、セレデ族、エロン族、ヤフレエル族の三氏族です。

28-37 ヨセフの子孫は、エフライム族が三万二、五〇〇人、マナセ族が五万二、七〇〇人。マナセ族には、先祖マキルの名を継いだマキル族があります。マキルからは、さらにギルアデ族が出ました。ギルアデ族は次のとおりです。イエゼル族、ヘレク族、アスリエル族、シェケム族、シェミダ族、ヘフェル族。ヘフェルの子ツェロフハデには息子がなかったので、娘の名を挙げておきます。マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァ。

エフライム族で登録された三万二、五〇〇人の中には、次のような諸氏族があります。みなエフライムの子の名を受け継いだものです。シュテラフ族、ベケル族、タハン族。シュテラフ族からは、その子エランの名をとったエラン族が出ました。

38-41 ベニヤミン族――四万五、六〇〇人。この部族では、ベニヤミンの子が次の氏族を興しました。ベラ族、アシュベル族、アヒラム族、シェフファム族、フファム族。ベラの息子たちが興した一族は次のとおりです。アルデ族、ナアマン族。

42-43 ダン族――六万四、四〇〇人。この部族には、ダンの子シュハムが興したシュハム族があります。

44-47 アシェル族――五万三、四〇〇人。この部族では、アシェルの子から次の諸氏族が興りました。イムナ族、イシュビ族、ベリア族。ベリアの子が興した一族は、次の二つです。ヘベル族、マルキエル族。アシェルにも、セラフという名の娘がいました。

48-50 ナフタリ族――四万五、四〇〇人。この部族は四つの諸氏族に分かれます。それぞれナフタリの子が興したものです。ヤフツェエル族、グニ族、エツェル族、シレム族。

51 以上、戦いに出られる者の数は全部で六〇万一、七三〇人でした。

52-53 調査の結果がわかると、主はモーセに命じました。「調べた人数の割合で、各部族に土地を割り当てなさい。 54 人数の多い部族には広い土地を、少ない部族には狭い土地を与えるのだ。 55-56 大きい部族の間では広い土地が当たるくじによって、小さい部族の間では狭い土地が当たるくじによって分配しなさい。」

57 さて、レビ族で氏族ごとに登録された者は、次の三つです。ゲルション族、ケハテ族、メラリ族。

58-59 レビ族諸氏族は、次のとおりです。リブニ族、ヘブロン族、マフリ族、ムシ族、コラ族。レビには、かつてエジプトでヨケベデという娘が生まれました。この娘がのちに、ケハテの子アムラムの妻になったのです。こうして、アロン、モーセ、ミリヤムが生まれました。 60 アロンの息子は、ナダブ、アビフ、エルアザル、イタマルの四人です。 61 しかしナダブとアビフは、主の前で規定に反した火をささげたために死にました。

62 この調査では、レビ族の生後一か月以上の男の数は、全部で二万三千人でした。レビ族は他のイスラエル人とともには登録されませんでした。彼らには土地が与えられていなかったからです。

63 以上が、ヨルダン川の東、エリコに向かい合ったモアブ平原で、モーセとエルアザルが行った人口調査の結果です。 64-65 シナイの荒野での調査で登録された者は、ここでの調査では一人もいませんでした。当時の大人はみな、主が言われたとおり、荒野で死んでしまったからです。ただ、エフネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアは別でした。

女性による相続

27 1-2 さて、ある日のこと、ツェロフハデの娘マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァの五人が、幕屋の入口に来て、モーセ、エルアザル、族長たちをはじめ、そこに居合わせた者たちに願い出ました。この娘たちは、ヨセフの子マナセの部族の者で、先祖はマナセの子マキルでした。彼女たちの曾祖父ギルアデは、マナセの孫に当たります。父親のツェロフハデはヘフェルの息子で、ギルアデには孫になります。

3-4 「私たちの父は荒野で死にました。コラの反逆に加わったわけではありませんが、とにかく死んだのです。困ったことに、父には跡取り息子がいませんでした。でも、男の子がいないからといって、父の家系を絶やしたくありません。私たちにも伯父たちと同じように、土地を割り当てていただけないでしょうか。」

モーセはこの訴えをどう扱ったらよいか、主に尋ねました。 6-7 主の答えはこうでした。「ツェロフハデの娘たちの言うとおりだ。土地を与えなさい。父親が生きていたら受け取るはずの土地を分けてやるのだ。 こんな時のために、次のことを定めなさい。息子のない人が死んだら、遺産は娘が相続してよい。 もし娘もいなければ彼の兄弟に、 10 兄弟もいなければ伯父に、 11 伯父もいなければ、一番近い親戚の者に相続させなさい。」

モーセの後継者ヨシュア

12 またある日、主はモーセに言いました。「アバリム山に登り、川向こうの、わたしが与えると約束した土地を見渡しなさい。 13 そのあと、あなたは兄のアロンと同じように天に移される。 14 ツィンの荒野で、わたしの命令に従わなかったからだ。人々が水が欲しいと騒いだ時、わたしは岩に命じて水を出すよう言ったのに、そのとおりにしなかった。そうして、彼らの前で、わたしが聖なる者であることを示さなかった。」それは、ツィンの荒野にあるカデシュでのメリバの水の事件のことでした。

15 モーセは主に言いました。 16 「すべての人間の心を支配なさる神、主よ。死ぬ前にお願いがあります。私が死んだら、だれが民を指導するのでしょう。 17 戦いを指揮し、民を守る指導者を選んでください。どうか、主が特別に目をかけてくださるこの民を、飼い主のない羊のようにしないでください。」

18 「では、ヌンの子ヨシュアを呼びに行きなさい。ヨシュアは神の知恵と力を持っている。 19 彼を祭司エルアザルのところへ連れて行き、全国民の前で指導者に任命しなさい。 20 あなたの権威を正式に譲り渡し、すべての民が彼に従うようにするのだ。 21 わたしの指示が必要になったら、彼は祭司エルアザルに相談する。エルアザルがウリム(神意を伺う一種のくじ)を使って聞けば、わたしは答えよう。それを、エルアザルはヨシュアと民に知らせる。このようにして、わたしはこれからもイスラエルを導こう。」

22 モーセは言われたとおり、ヨシュアを祭司エルアザルのもとに連れて行きました。そして人々の前で、 23 ヨシュアの頭に手を置き、新しい指導者に任命しました。

最もすぐれたものは愛

13 たとえ私に、異言で話す賜物があり、また、天と地のあらゆることばを話すことができても、愛がないならただの騒音にすぎません。 同様に、預言(託された神のことばを語る)の賜物があり、あらゆることに通じていても、また山を動かすほどの強い信仰を持っていても、愛がないなら、何の価値もないのです。 そして、自分の財産を全部、貧しい人たちに分け与えても、また福音を宣べ伝えるために火あぶりの刑を受けても、愛がなければ、何の価値もありません。

愛は寛容であり、親切です。愛は決してねたみません。また、決して自慢せず、高慢になりません。 決して思い上がらず、自分の利益を求めず、無礼なふるまいをしません。愛は自分のやり方を押し通そうとはしません。また、いら立たず、腹を立てません。人に恨みをいだかず、人から悪いことをされても気にとめません。 決して不正を喜ばず、いつも真理を喜びます。 愛は、どんな犠牲をはらっても誠実を尽くし、すべてを信じ、最善を期待し、すべてを耐え忍びます。

神からいただいた賜物や能力は、いつかは尽きます。しかし、愛は永遠に続きます。預言すること、異言で語ること、知識などの賜物は、やがて消え去ります。 たとえ特別な賜物が与えられていても、いま私たちの知っていること、預言することは、ほんの一部にすぎません。 10 しかし、私たちが完全な存在とされる時、これら不完全な賜物は不要になり、消え去ってしまうのです。 11 それは、こんなことから説明できるでしょう。子どもの時の私は子どものように話し、子どものように考え、子どものように判断していました。しかし、大人になると考え方も成長し、今では子どもっぽいこととは縁を切りました。 12 同様に、今の私たちの神に対する知識や理解は、そまつな鏡にぼんやり映る姿のようなものです。しかし、やがていつかは、面と向かって神の完全な姿を見るのです。いま私が知っていることは、おぼろげで、ぼんやりしています。しかしその時には、いま神様が私の心を見通しておられるのと同じように、すべてがはっきりわかるでしょう。

13 いつまでも残るものが三つあります。信仰と希望と愛です。その中で最もすぐれているものは愛です。