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ベツレヘムから出る約束の王

軍を結集せよ。
敵がエルサレムを包囲している。
彼らは、イスラエルを治める者の頬を杖で打つ。

「ベツレヘム・エフラテよ。
あなたはユダの小さな村にすぎないが、
永遠の昔から生きている、
イスラエルの支配者が生まれる地となる。」
神は、子を産む女が男の子を産むまで、
ご自分の民を敵に渡す。
そののち、彼の同胞、
捕囚の地で生き残ったイスラエル人が、
ついに故国の兄弟たちのもとに帰る。
その王は立ち上がり、主の力によって、
彼の神、主の御名の威光によって群れを養う。
民は、そこで平安な生活を営む。
この方が全世界からほめたたえられるからだ。
この方は私たちの平和となる。
アッシリヤが攻め入り、
私たちの領土を踏みにじる時、
この方は、
七人の牧者と八人の指導者を立てる。
彼らは抜き身の剣でアッシリヤを支配し、
ニムロデの地(バビロニヤ)の門に入る。
アッシリヤ人が私たちの国に侵入する時、
この方が私たちを救い出す。
その時、イスラエルの国民は、
そっと下りる露や待ちに待った雨のように、
世界を潤してさわやかにする。
彼らはもはや人に望みを置かない。
イスラエルはライオンのように強くなり、
その前で、世界の国々は羊のようにおとなしくなる。
イスラエルが敵の前に立ちはだかると、
敵はひとたまりもない。

10 主はこう告げます。

「その日、あなたが頼みにしている武器を
一つ残らず破壊し、
11 城壁を破壊し、要塞を取り壊そう。
12 わたしはいっさいの魔術の息の根を止める。
運勢を占う易者はどこにもいなくなる。
13 また、すべての偶像を壊す。
あなたはもう二度と、
自分たちで造った物を拝まない。
14 わたしがあなたの間から異教の宮を取り除き、
偶像の宮がある町々を破壊するからだ。
15 わたしは、わたしに従うことを拒む国々に復讐し、
思い知らせよう。」

イスラエルに対する主の訴え

さあ、主がご自分の民に話そうとしていることを
聞きなさい。
「立ち上がって、わたしに対する反対を
述べてみるがいい。
山や丘を呼び寄せて、
あなたの訴えについて証人になってもらえ。
山々よ、主の訴えに耳を傾けよ。
主はご自分の民イスラエルに、言いたいことがある。
主は彼らを容赦なく告訴する。
わたしの民よ、なぜ、わたしに背くのか。
わたしがどんな悪いことをしたというのだ。
なぜ我慢できなくなったのか。
はっきり答えよ。
わたしはあなたをエジプトから連れ出し、
奴隷の鎖を断ち切った。
あなたを助けるために、
モーセ、アロン、ミリヤムを送ったのだ。
わたしの民よ、忘れたのか。
モアブの王バラクが、ベオルの子バラムにのろわせて、
あなたを滅ぼそうとした時のことを。
わたしはバラムに、あなたをのろうどころか、
かえって祝福させたのだ。
このように幾度も、あなたに好意を示した。
シティムやギルガルで起こったことも、
そこであなたを祝福したことも、
みんな忘れてしまったのか。」

あなたは尋ねます。

「私たちがやったことを、どうしたら償えるでしょうか。
一歳の子牛をささげて、
主の前にひれ伏したらよいのですか。」
そうではありません。
主は、幾千の雄羊と、幾万の川となるくらいの
オリーブ油をささげたら、喜ぶでしょうか。
満足するでしょうか。
長子をいけにえとしてささげたら、
主を喜ばせることになるでしょうか。
そして、罪を赦してもらえるでしょうか。
もちろん違います。
神は望んでいることをあなたに告げたました。
すなわち、えこひいきせず、公平で、
あわれみ深くあること、
また、謙遜にあなたの神と共に歩むことです。

イスラエルの罪と罰

主の声はエルサレム中に響き渡ります。
賢い人は主に耳を傾けなさい。
「侵入軍がやって来る。
主がそれを送っているのだ。
10 あなたの罪があまりにもひどいからだ。
人をだまして金を巻き上げることを、いつやめるのか。
悪者の家は、
汚らわしい財宝といんちきな量りでいっぱいだ。
11 人を欺く偽りの重りを使う商人に、
わたしは『それでよい』などと言うだろうか。
公正である神が、どうしてそんなことを言えようか。
12 金持ちは、脅しと暴力で富を得ている。
市民は、偽りを言うことに慣れているので、
その舌は真実を語れない。
13 それゆえ、あなたを痛い目に会わせよう。
罪を犯した罰に、みじめな思いをさせる。
14 あなたは食べても満腹せず、
いつも飢えで苦しみ、空腹感に悩まされる。
いくら金をためようとしても、何も残らない。
ほんのわずかな蓄えも、
わたしはあなたを征服する者に渡す。
15 種をまいても収穫することはなく、
オリーブを絞っても自分の体に塗るほどの油も出ない。
ぶどうを踏んでも、
ぶどう酒を作るだけのぶどう液は得られない。
16 あなたがたはオムリの命令しか守らず、
アハブの例にならうだけだ。
それゆえ、見せしめのためにあなたがたを滅ぼす。
あなたがたは世界中の物笑いになる。
あなたがたを見る者はみな、さんざんあざけるだろう。」

イスラエルの悲惨さ

1-2 ああ、悲しいことだ。
正直者を見つけるのがこんなにも困難だとは。
まるで、収穫期を過ぎてから、
ぶどうやいちじくの実を見つけるようなものだ。
どんなに欲しくても、
ぶどう一ふさ、初なりのいちじく一個もない。
正しい人は地上から消えてしまった。
誠実な人は一人も残っていない。
みな人殺しで、
自分の兄弟まで手にかけようとしている。
彼らは、あらゆる手段を用いて悪を働いている。
しかも、その手口のうまいこと。
政治家も裁判官も、わいろを求める。
金持ちは彼らを買収し、じゃま者を消す相談をする。
正義はゆがめられてしまった。
一番ましな者でも、いばらのようにとげとげしい。
最もまっすぐな者でも、
いばらの垣根よりねじれている。
そんなあなたをさばく日が、すばやくやってくる。
処罰の時がそこまできている。
混乱と破滅と恐怖があなたに起こる。
だれも信用するな。
親友も、妻でさえも。
息子は父親をばかにし、
娘は母親に逆らい、嫁はしゅうとめをのろう。
まさに、敵は自分の家の中にいる。
それでも、私は主に助けを求め、
神が私を救い出すのを待ち望む。
神は私の言うことを聞いてくださる。

イスラエルは立ち上がる

敵よ、私のことで喜ぶな。
私は倒れても、また起き上がるからだ。
たとえ暗闇の中に座っていても、
主が私の光となる。
主から罰を受けている間、私はじっと耐えていよう。
私が主に罪を犯したからだ。
そののち、私を敵の手から守り、
彼らが私にしたすべての悪を罰する。
神は私を暗闇から光の中へ連れ出し、
私は神のいつくしみを見る。
10 その時敵は、神が私の味方であることを認め、
「おまえの神はどこにいるのか」
とあざけったことを恥ずかしく思う。
今すでに、彼らが道の土のように
踏みつけられるさまが見えている。
11 神の民よ。あなたの町々は建て直され、
前よりも大きくなり、繁栄する。
12 アッシリヤからエジプトまで、
エジプトからユーフラテス川まで、海から海まで、
遠い山と丘から、多くの国の人々が来て、
あなたをほめる。
13 しかしまず、恐ろしい滅亡がイスラエルに臨む。
それはイスラエルの民のはなはだしい悪のためだ。

祈りと賛美

14 主よ、来て、あなたの民を治めてください。
あなたの群れを養い、
平和で豊かな生活を送らせてください。
昔のように、バシャンとギルアデの肥沃な牧草地を
楽しませてください。
15 主はこう答えます。
「そうしよう。
エジプトで奴隷となっていたおまえを
連れ出した時のように、
おまえのために力強い奇跡を行おう。
16 全世界はわたしのすることに驚き、
自分たちの力が取るに足りないものであることを知って
困惑する。
恐れのあまり口もきけず、
周囲のことは何も耳に入らない。」
17 彼らは、蛇や穴からはい出す虫けらのように、
みじめな自分に気づく。
そして、私たちの神、主に会うため、
自分たちのとりでから震えながら出て来る。
彼らは主を恐れかしこんで、立ち尽くす。

18 あなたのような神が、ほかにいるでしょうか。
あなたはご自分の民の中で生き残った者の
罪を赦してくださいます。
あわれみを好み、
ご自分のためをいつまでも怒ってはおられません。
19 再び、私たちにあわれみをかけてくださいます。
私たちの罪を踏みつけ、海の底に投げ込まれます。
20 昔ヤコブに約束したように、
私たちを祝福してくださいます。
先祖アブラハムに約束したように、
私たちを愛してくださいます。

イエスは永遠の大祭司

メルキゼデクは、サレムの町の王で、非常に高貴な神の祭司でした。アブラハムが多くの王たちとの戦いに勝って凱旋した時、メルキゼデクは出迎えて祝福しました創世14・18-20 その時アブラハムは、戦利品の十分の一をメルキゼデクに差し出しました。メルキゼデクという名前の意味は「正義」であり、サレムという町の名は「平和」を意味していました。ですから、彼は正義の王であり、平和の王です。 メルキゼデクには父も母もなく、先祖の記録もありません。また誕生も死もなく、そのいのちは神の子のいのちに似ています。それゆえ、彼は永遠に祭司なのです。

メルキゼデクがどんなに偉大な人物であるか、考えてみましょう。神がお選びになった人の中で最も尊敬されていたアブラハムでさえ、メルキゼデクには、王たちからの戦利品の十分の一をささげました。 メルキゼデクがユダヤ人の祭司であったなら、アブラハムのこの行為もうなずけます。後に神の民は、血のつながった部族(レビ族)である祭司のために献金することを、律法によって義務づけられたからです。 ところが、メルキゼデクはアブラハムの一族ではないのに、アブラハムからささげ物を受け、アブラハムを祝福しました。 言うまでもなく、祝福を与える人は、祝福を受ける人よりも偉大なはずです。 またユダヤ人の祭司たちは、やがては死ぬべき人間であるにもかかわらず十分の一のささげ物を受けましたが、メルキゼデクは、永遠に生きていると言われています。 さらに、十分の一を受けるユダヤ人の祭司の先祖であるレビ自身も、アブラハムを通してメルキゼデクに十分の一をささげたと言えるでしょう。 10 なぜなら、レビはまだ生まれてはいませんでしたが、メルキゼデクに十分の一をささげた、アブラハムの直系の子孫だからです。

11 もし、ユダヤ人の祭司と律法に私たちを救う力があるとしたら、なぜ神は、あえてアロンの位に等しい祭司〔ユダヤ人の祭司はすべてアロンの位を受け継いでいる〕ではなく、メルキゼデクの位に等しい祭司であるキリストをお立てになったのでしょうか。 12-14 新しい家系の祭司が立てられる時、それを受け入れるために、律法も改められなければなりません。キリストがレビ族とは別の部族であり、モーセが祭司として任命したこともないユダ族の出身であったことは、周知の事実です。 15 そういうわけで、私たちは、これまでの神の秩序に大きな変更があったことを認めざるをえません。キリストが、メルキゼデクの位に等しい、新しい大祭司として立てられたからです。 16 この新しい大祭司は、古い律法に属するレビ族からではなく、尽きることのない、いのちからほとばしる力を基として立てられたのです。 17 詩篇の作者は、はっきりキリストのことを指して、「あなたは、永遠にメルキゼデクの位に等しい祭司です」詩篇110・4と証言しています。

18 家系を重んじる古い祭司職の制度は廃止されました。それは人々を救う力のない無益な制度でした。 19 だれも、祭司によっては神との正しい関係を結べなかったのです。しかし、今は違います。私たちは、もっとすぐれた希望を与えられています。キリストによって神に受け入れられた私たちは、神に近づくことができるのです。

20 神は誓いをもって、キリストを永遠の大祭司としてお立てになりました。 21 かつて祭司たちを立てるのに、神が誓われたことはありません。しかしキリストに対してだけは、「主は、立てた誓いを変えることは決してない。あなたは、永遠にメルキゼデクの位に等しい祭司である」と誓われたのです。 22 この誓いのゆえに、キリストは、新しく、かつすぐれた約束が確かであることをいつまでも保証してくださるのです。

23 古い契約のもとでは、大ぜいの祭司が必要でした。祭司が年老いて死ぬと、跡継ぎを立てて祭司を絶やさないようにしました。 24 しかし、キリストは永遠に存在されるので、いつまでも祭司です。 25 また、ご自分を通して神のもとに来る人々を、完全に救うことがおできになります。永遠に生きておられるキリストは、いつも神のそばで、ご自分の血によって彼らの罪が帳消しになるようにとりなしていてくださるのです。

26 このような大祭司こそ、私たちが必要としていた方です。この方はきよく、少しの欠点も罪のしみもなく、罪人によって汚されることもありません。 27 古い大祭司は、神の前に出る時、まず自分の罪をきよめるために、そして人々の罪のために毎日、動物のいけにえの血をささげる必要がありました。しかしキリストには、その必要が全くありません。なぜなら、主ご自身が十字架にかかってご自分をいけにえとしてささげ、ただその一度の行為で、すべてを成し遂げてしまわれたからです。 28 古い祭司制度のもとでは、彼らは大祭司であっても、自らを悪から守ることのできない罪ある弱い人間でした。しかし後に、神は誓いをもって、ご自分の御子という完全なお方を、永遠の大祭司に任命されたのです。