さてピラトは、毎年、過越の祭りには、人々の願うままにユダヤ人の囚人を一人、釈放してやることにしていました。 たまたまこの時、暴動で人殺しをし、投獄されていた暴徒たちの中に、バラバという男がいました。 群衆はピラトの前に押し寄せ、例年どおり囚人を釈放するよう迫りました。 そこで、ピラトは尋ねました。「『ユダヤ人の王』を釈放してほしいのか。おまえたちが赦してほしいのはこの男か。」 10 ピラトがこう言ったのは、イエスが捕らえられたのは、彼の人気をねたむ祭司長たちのでっち上げによるとにらんだからです。

11 ところが、祭司長たちも抜かりはありません。たくみに群衆をけしかけ、イエスではなくバラバの釈放を要求させたのです。

12 「バラバは釈放するとして、おまえたちが王と呼んでいるあの男はいったいどうするつもりか。」

13 「十字架につけろ!」

14 「なぜだ。あの男が、いったいどんな悪事を働いたというのだ。」それでも群衆はおさまりません。なおも大声で、「十字架につけろ!」と叫び続けます。 15 ピラトは群衆のきげんをそこねたくなかったので、結局、バラバを釈放することにしました。イエスのほうは、先端に鉛のついたむちで打たせてから、十字架につけるために引き渡しました。

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イエスを釈放しようとするピラト

マタイ27:15-31; ルカ23:13-25; ヨハネ18:39–19:16

毎年、過越祭すぎこしさいの日には人々が選んだ囚人しゅうじんを1人、釈放する習慣があった。 監獄かんごくには、バラバという名の囚人しゅうじんがいた。バラバは、彼の仲間とともに殺人を犯した罪状ざいじょうで牢屋に入れられている悪党であった。

人々がピラト総督のもとにきて、いつものように囚人しゅうじんを解放するようにと頼んだ。 ピラト総督は群衆に尋ねた。「俺にユダヤ人の王を釈放してほしいか?」 10 ピラトはさっしていた。イエスが連行されたのは祭司長たちの嫉妬心ジェラシーのみが原因だと。 11 とんでもない!と慌てた様子で祭司長たちは、イエスではなく悪党バラバを釈放するようにと民衆にうながした。「バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ!バ〰ラ〰バ・・・・・・!」

12 ピラト総督は群衆にもう一度聞いた。「それならおぬしらは、このユダヤ人の王という男をどうしてほしいのだ?」

13 群衆は叫んだ。「十字架で殺せぇ〰〰〰〰!」

14 ピラト総督は聞いた。「なに?なぜだ?こやつが一体何をしたと言うのだ?」

しかし、群衆はさらに大きな声で叫んだ。「じゅ〰じ〰か!じゅ〰じ〰か!!じゅ〰じ〰か!」

15 ピラト総督は人々を喜ばせたかったので、悪党バラバの釈放を承認した。そして、イエスをムチで打ち、極悪人にのみが受ける十字架で処刑することを兵士に命じた。

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