大切なのは心

ある日、ユダヤ人の宗教的指導者たちが数人、イエスを調べてやろうと、わざわざエルサレムから出向いて来ました。 そして、イエスの弟子の中に、ユダヤの食前のしきたりを守らない者がいるのを見つけました。 そのしきたりというのは、ユダヤ人の中でも、特にパリサイ人たちがやかましく守っているものでした。古くからの言い伝えで、食事の前には必ず、腕からひじにかけて水を注ぐ決まりだったのです。 また市場から帰って来た時には、食べ物に触れる前に必ず体に水を注ぎかける決まりもありました。そのほかにも、水差し、なべ、皿を洗うことなど、何世紀ものあいだ守り続けてきた、こまごまとしたおきてやしきたりがあったのです。 そこで、彼らはイエスに、「どうしてあなたの弟子は、昔からの言い伝えを守らないのか。手も洗わないで食事をするとはけしからん」と言って、詰め寄りました。

イエスはお答えになりました。「そう言うあなたがたこそ偽善者です。預言者イザヤが言ったのは、あなたがたのことだったのです。

『彼らは口先ではわたしを敬うが、
心はわたしから遠く離れている。
彼らがわたしを拝んでも、むだなことだ。
神の命令の代わりに、
人間の規則を教えているのだから。』イザヤ29・13

なんと的を射たことばでしょう。

あなたがたは神のほんとうの戒めをないがしろにして、自分たちの言い伝えとすり替えているのです。

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14 イエスは、もう一度群衆を呼び寄せて、「さあ、よく聞いて、その意味を考えなさい。 15-16 人は決して外から入る食べ物によって汚されるのではありません。むしろ、内から出て来ることばや思いによって汚されるのです」と言われました。

17 それから群衆と別れ、家に入られました。すると弟子たちが、「さっきのおことばは、どういう意味でしょうか」と尋ねました。

18 イエスはお答えになりました。「あなたがたまでわからないのですか。食べ物は人を汚さないということが、そんなに不思議なのですか。 19 いいですか。食べ物は人の心に入るわけではないでしょう。腹に入って、外へ出るだけではありませんか。」イエスは、あらゆる食べ物がきよいものであることを示し、 20 さらに続けて言われました。「人の内側から出るもの、それが問題です。 21 肉欲、盗み、殺人、姦淫、 22 貪欲、邪悪、あざむき、好色、ねたみ、悪口、高慢、あらゆる愚かさ、それらのものはみな、人の心の中からあふれ出ます。 23 この内側から出て来るものが人を汚し、神にふさわしくない者とするのです。」

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