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ある人が妻を離縁し、彼女が再婚した場合、
彼女が再び戻って来ても妻にすることはできない
という法律がある。
彼女は汚れた者となっているからだ。
だが、おまえたちは、わたしを置き去りにして
幾人もの恋人と結婚しておきながら、
あつかましくも、またわたしのもとへ帰ると言っている。
ほかの神々を拝む姦淫の罪で汚れていない所は、
国中どこにもない。
おまえたちは売春婦のように道ばたに座り込み、
相手が来るのを待っている。
荒野のベドウィン族のように、
たった一人で座っている。
おまえたちは、赦しがたい淫行の罪で
地を汚してしまった。
今は春の雨も降らなくなった。
おまえたちが恥知らずの売春婦だからだ。
4-5 それでもなお、おまえたちは臆面もなく言う。
『神よ。あなたは、これまでずっと私の夫でした。
だから、こんな小さなことで
お怒りになるはずはありません。
私の罪など、きれいさっぱり忘れてくださるはずです。』こう言って、相も変わらず、
ありとあらゆる悪事を積み重ねている。」

不誠実なイスラエル

ヨシヤ王の時代に、私に次のような主のことばがありました。「おまえは、イスラエルのしていることを見たか。ほかの男に体を許すみだらな妻のように、イスラエルはすべての丘の、すべての木の下で、ほかの神々を拝んできた。 いつかはわたしのもとへ帰り、わたしのものになってくれると思っていたのに、とうとう帰って来なかった。不真実な妹であるユダも、イスラエルがいつも神に逆らっているのを見た。 ユダは、わたしが背信のイスラエルを離縁したのを見ていながら、少しも気にかけなかった。それどころか、自分もわたしを置き去りにして、淫行に身をゆだねた。彼女も、ほかの神々を拝んだ。 しかも、木や石で作った偶像を拝むなど、彼女にとっては、いとも簡単なことだった。そのため、国中がひどく汚れた。 10 あとになってこの背信の女は、涼しい顔をしてわたしのところへ帰って来た。彼女は悲しんだふりをしただけだ。

11 事実、背信のイスラエルのほうが、裏切り者のユダよりはいくらかましだ。

12 だから、出かけて行って、イスラエルにこう言いなさい。

ああ、罪深いわたしの民イスラエルよ、
もう一度、わたしのもとへ帰って来るがよい。
わたしはあわれみ深い。
いつまでも怒っているわけではない。
13 ただ、罪を認めよ。
神であるわたしに逆らい、
すべての木の下で偶像を拝み、
わたしに姦淫の罪を犯したことを認めよ。
わたしに従おうとしなかったことを告白せよ。

14 ああ、罪深い子らよ、帰って来なさい。おまえたちの主人であるわたしは、ここから一人、あそこから二人とおまえたちを集め、再びイスラエルの地に連れ戻す。 15 また、わたしの心にかなった指導者を与える。彼は知恵と知識をもって、おまえたちを導く。 16 こうして、イスラエルが再び人で満ちあふれる時、おまえたちは、神の契約の箱があったころの『古き良き時代』がなつかしいなどと言わなくなる。当時のことは思い出されず、契約の箱を作り直すこともない。 17 わたしがおまえたちの内にいるので、エルサレム全市は主の御座となり、世界中の人がそこでわたしに会い、二度と以前のようにひどく悪い思いのままに生活しなくなるからだ。 18 その時、ユダとイスラエルの民は肩を組み、捕虜として連れて行かれた北の国から、わたしが彼らの先祖に与えた永遠の相続地へ戻って来る。

19 わたしは、おまえたちがわたしの子らといっしょにこの地にいるのは、どんなにすばらしいことかと考えていた。おまえたちに、世界で一番美しいこの国の一部を与えようと思っていた。また、おまえたちがわたしを「父」と呼ぶ日を待ちわび、おまえたちが二度とわたしから離れないと考えていた。 20 ところが、おまえたちはわたしを裏切った。おまえたちはさまよい出て、夫のもとを去る不貞の妻のように多くの外国の神々に身をゆだねた。

21 吹きさらしの高い山の上から、泣き叫ぶ声が聞こえる。

神に背き、遠くへさまよい出た
イスラエルの子らの泣き声だ。
22 わたしの背信の子らよ、
もう一度わたしのところへ戻って来なさい。
そうすれば、おまえたちの罪という病を治そう。」
この神の呼びかけに、彼らはこう答えます。
「帰ります、神よ。神は私たちの主だからです。
23 丘の上で偶像を拝んだり、
山の上でお祭り騒ぎをするのはもううんざりです。
私たちは悪い夢を見ていました。
神だけに、イスラエルの助けと救いがあるのです。
24 私たちは子どものころから、
先祖のものであった羊や牛の群れ、それに息子、娘が、
偶像や異教の祭司の食い物になるのを見てきました。
25 私たちは恥と不名誉の中に伏しています。
私たちも先祖も、子どものころから神に罪を犯し、
従わなかったからです。」

「イスラエルよ、本気でわたしのもとへ帰りたければ、
偶像を完全に捨てよ。
もしおまえが、
生ける神であるわたしによってだけ誓い、
誠実できよく正しい生活を始めるなら、
おまえは世界の国々へのあかしとなる。
こうして、諸国の民はわたしのもとへ来て、
わたしの名をあがめるようになる。」
主はユダとエルサレムの人たちに、こう告げます。
「固くなったおまえたちの心を耕せ。
そうでなければ、良い種がいばらにふさがれて
だめになる。
体だけでなく、心と思いもきよめよ。
そうでなければ、おまえたちの罪のために
わたしの憤りが爆発し、
おまえたちを黒こげにしてしまう。
誰ひとり、その火を消すことはできない。

北からもたらされる災難

エルサレムとユダに向かって叫べ。
国中に響くように警報を鳴らせと言いなさい。
『いのちが危ないから、走って逃げるのだ。
要塞で固めた町へ逃げ込め。』
エルサレムから合図を送りなさい。
『すぐ、逃げ出せ。ぐずぐずするな。』
主であるわたしが、北から、
とてつもなく大きな破滅をもたらすからだ。
ライオンのように国々を滅ぼす者が
住みかから出て来て、おまえたちの国へ向かっている。
町々は住む者もなく、廃墟となる。」
喪服を着て、胸も張り裂けんばかりに泣きなさい。
主の激しい怒りが、まだ私たちから去らないからです。
「その日には、王や指導者は恐ろしさで震え、
祭司と預言者は恐怖に顔をこわばらせる」と、
主は言います。
10 そこで、私は申し上げました。
「ですが神よ。
民は、あなたのおことばにだまされました。
確か、エルサレムに大きな祝福がくるとの
お約束だったのに、
今になっても剣が住民に突きつけられています。」
11-12 その時、神は荒野から、
すさまじい勢いで吹きまくる熱風を送ります。
こうして、滅亡の時がきたことを宣告するのです。
13 敵は嵐のように襲いかかります。
その戦車は竜巻のようで、
その馬はわしよりも速く走ります。
ついに滅亡の時がきたのです。
ああ、なんという大きな災いでしょう。
14 エルサレムよ、
手遅れにならないうちに心をきよめなさい。
今ならまだ、悪い思いを捨てれば、救われます。
15 ダンから、エフライムの山から、
あなたの滅びが言い渡されました。
16 ほかの国々に知らせなさい。
遠い国から敵が来て、
エルサレムとユダの町々に叫びながら向かって来ます。
17 彼らは、野獣に立ち向かう羊飼いたちのように、
エルサレムを包囲します。
「それは、わたしの民がわたしに背いたからだ」と、
主は言います。
18 あなたの行いが、この災いを招いたのです。
それはあなたにとって苦い薬で、
腹の底までしみわたります。
19 私は苦痛のため身もだえします。
心臓は激しく波打っています。
とても黙ってはいられません。
敵のラッパの音と雄たけびを聞いたからです。
20 破壊に次ぐ破壊の波が押し寄せ、
国土はすっかり荒れ果ててしまいます。
一瞬のうちに、
家は一軒残らず押しつぶされます。
21 いつまで、このような状態が続くのでしょう。
いつまで、
戦いと死を見続けなければならないのでしょう。
22 「わたしの民が愚かなことをやめるまでだ。
彼らは、わたしの言うことを聞こうとしない。
理解力のない子で、判断力がない。
悪いことをするとなると素早いが、
正しいことをする才能など、
まるで持ち合わせていない。」
23 彼らの地を見下ろすと、見渡す限りの廃墟で、
空は真っ黒です。

24 山々は震え、揺れ動いていました。

25 なおもよく見ると、人々はいなくなり、

鳥は飛び去っていました。
26 よく肥えた谷間は荒野となり、
町という町はことごとく、破壊され、
神の激しい憤りによって押しつぶされていました。
27 滅ぼせという主の命令が、
全地に行き渡っているのです。
しかし、神は宣言します。
「それでも、わたしの民はほんの少しだけ残る。
28 地は嘆き悲しみ、天は真っ暗になる。
わたしが、滅ぼせとの勅令を出したからだ。
わたしはいったん決心したことは、絶対に変更しない。」
29 町中の者は
近づいて来る軍隊の行進の音におびえ、逃げ出します。
草むらに隠れ、山へ逃げます。
住民は恐ろしさのあまり、われ先にと逃げるので、
町にはだれもいなくなります。
30 どうして晴れ着をまとい、
宝石を身につけ、飾り立てるのですか。
そんなことは、何の役にも立ちません。
同盟軍はあなたがたをさげすみ、殺してしまいます。
31 「わたしは、初産の女の陣痛のような、
大きなうめき声を聞いた。
それは、殺そうとする者の前にひれ伏し、
あえぎながら助けを請う、わたしの民の叫びだ。

ラザロの死

11 1-2 さて、ラザロという名前の人が病気にかかっていました。彼はマリヤとその姉マルタの兄弟で、ベタニヤという村に住んでいました。このマリヤは、イエスの足に高価な香油を注ぎ、それを髪でぬぐったことで知られる女性です。そのマリヤの兄弟ラザロが床に伏していました。 マルタとマリヤが、イエスのもとに使いをよこしました。「先生。あなたが心にかけてくださっているラザロが重い病気にかかり、明日をも知れない状態です。」 この知らせを聞いたイエスは言われました。「この病気は、ラザロの死で終わるものではありません。神の栄光が現されるためです。それによって神の子が、栄光を受けるのです。」 イエスは、マルタたち三人を心から愛しておられました。 けれども、なぜか、なお二日間そこにとどまって、なかなか腰を上げようとはなさいません。 二日たって、ようやく、「さあ、ユダヤに行きましょう」と弟子たちに言われました。 ところが、もうれつな反対が返ってきたのです。「なんてことを、先生! つい先日、ユダヤ人の指導者たちが先生を殺そうとしたのをお忘れですか。それなのに、またのこのこと出かけて行くおつもりですか。」 「昼間は十二時間あります。その間に歩けば安全で、つまずくこともありません。 10 ところが、夜歩いたらとても危険です。暗くて足を踏みはずすかもしれませんから。」イエスはこう言って、 11 さらに続けられました。「友のラザロが眠っています。彼を起こしに行かなくては。」 12-13 これを、ラザロがぐっすり眠ったものと勘違いした弟子たちは、「じゃあ、病状はよくなっているんですね」と言いました。しかしイエスは、ラザロが死んだと言われたのです。 14 そこで、今度ははっきりと言われました。「ラザロは死んだのです。 15 わたしがその場に居合わせなくてよかったのです。これでまた、あなたがたがわたしを信じる機会が増えるのですから。さあ、彼のところへ出かけましょう。」 16 そこで、「ふたご」とあだ名が付けられているトマスが、「みんなで行って、危ないことがあるなら、先生とごいっしょに死のうじゃないか」と、仲間の弟子たちに言いました。

17 一行がベタニヤに着いてみると、ラザロはすでに墓に葬られ、四日もたっていました。 18 ベタニヤは、エルサレムからわずか三キロほどの所だったので、 19 エルサレムからも大ぜいのユダヤ人たちが弔問に詰めかけていました。マルタとマリヤが慰めのことばを受けているところへ、 20 イエスの到着が知らされました。マルタはそれを聞くと、取る物も取りあえず、迎えに行きました。ところが、マリヤは家の中にじっと座ったままでした。 21 マルタはイエスに向かって訴えました。「先生。あなたがいてくださったら、ラザロは死なずにすんだでしょうに。 22 今でも、あなたが神様にお求めになるなら、神様はそのとおりにしてくださるでしょう。」 23 イエスは言われました。「そのとおりです。ラザロは生き返るのです。」 24 マルタは言いました。「はい。いつかすべての人が復活する日には、もちろん……。」 25 しかし、イエスは言われました。「このわたしが、死人を生き返らせ、もう一度いのちを与えるのです。わたしを信じる者は、たとえほかの人と同じように死んでも、また生きるのです。 26 わたしを信じて永遠のいのちを持っている者は、決して滅びることがありません。このことを信じますか、マルタ。」 27 「はい、先生。あなたこそ、長いあいだ待ち続けてきた神の子キリストだと信じております。」 28 マルタは家に戻り、マリヤをわきへ呼んでそっと耳うちしました。「先生がすぐそこにいらしていて、あなたを呼んでおられるわよ。」 29 そこでマリヤは、すぐにイエスのところへ出て行きました。

ラザロが生き返る

30 さて、イエスはまだ村に入らず、マルタが出迎えた場所におられました。 31 マリヤを慰めていたユダヤ人たちは、彼女がそそくさと出て行くのを見て、きっと墓へ泣きに行くのだろうと思って、あとについて行きました。 32 マリヤはイエスのところまで来ると、くずおれるように足もとにひれ伏し、涙ながらに言いました。「ああ、先生。あなたさえいてくださったら、ラザロは、ラザロはまだ生きていたでしょうに。」 33 イエスは、目の前でマリヤが泣き伏し、ユダヤ人たちもいっしょに嘆き悲しんでいるのに強く心を動かされ、 34 「ラザロはどこですか」とお聞きになりました。「来て、ごらんください。」 35 イエスの目に涙があふれました。 36 そこで、ユダヤ人たちはこう言い合いました。「お気の毒に。どんなにラザロを愛しておられたことだろう。」 37 しかし、「盲人の目を開けたこの人が、ラザロを生かしておくことはできなかったのかね」と、非難めいて言う人もいました。

38 これを聞いたイエスは、またも心に深い憤りを感じながら、墓に着きました。それはほら穴で、入り口には重い石が立てかけてありました。 39 「さあ、石をわきにどけなさい。」イエスは人々をうながされました。マルタがあわてて止めました。「でも、もうひどいにおいがしています。なにしろ、死んでから今日で四日ですもの。」 40 イエスはマルタにおっしゃいました。「もし信じるなら神のすばらしい奇跡を見る、と言ったはずです。」 41 人々は言われるままに石を取りのけました。イエスは天を見上げ、「父よ。願いを聞いてくださってありがとうございます。 42 あなたがいつもわたしの願いを聞いてくださることはわかっています。ただ、あなたがわたしをお遣わしになったことを、ここに立っているみんなが信じるように、こう申し上げたのです」と祈られました。 43 それから、大声で、「ラザロよ。出て来なさい!」とお命じになりました。 44 すると、どうでしょう。ラザロが、手足を布で巻かれた姿のまま出て来たではありませんか! 顔も布で包まれたままです。イエスはあっけにとられている人々に言われました。「さあ、早く布をほどいてやって、帰らせなさい。」

45 マリヤについて来てこの出来事を見た多くのユダヤ人が、イエスを信じるようになりました。 46 しかし、パリサイ人たちのところへ行き、事細かにこのことを報告する者も何人かいました。

47 そこで祭司長やパリサイ人たちは、この問題を協議するため、さっそく議会を召集し議論しました。「あの男が奇跡を行っているというのに、いったい何をぐずぐずしているのか。 48 このまま放っておいたら、国民一人残らずあの男を信じるようになってしまうぞ。そんなことにでもなったら、ローマ軍が踏み込んで来てわれわれを殺し、われわれの土地も国民も乗っ取るだろう。」 49 すると、その年の大祭司カヤパが、業をにやして言いました。「ばかを言うな。こんなこともわからないのか。 50 全国民の代わりに、彼一人に死んでもらえば事はすむのだ。国民全体が滅びるなんて、冗談じゃない。」 51 イエスが全国民の代わりに死ぬことを、大祭司が預言したのです。カヤパは別の動機から、無意識のうちに、そのように言ったのです。 52 これはイエスが、イスラエル人ばかりか、世界中に散らされているすべての神の子どもたちのためにも死んでくださるという預言でした。 53 この時から、ユダヤ人の指導者たちは、イエスを殺す計画をあれこれ練り始めました。

54 そんなこともあって、イエスはユダヤ人の間でおおっぴらに活動することをやめ、エルサレムをあとにされました。そして荒野に近いエフライムの村で、しばらく弟子たちと共に身を潜めておられました。

55 ユダヤ人の過越の祭りが近づきました。この時は、多くの人々が各地からエルサレムに集まります。みな祭りの始まる前にきよめの儀式をすませようと、数日前には着くように出かけて来るのです。 56 人々は、イエスに会いたいと思いました。宮のあちこちで、「どうだろうね。あの方は祭りにいらっしゃるかな」と、しきりにうわさし合う声が聞こえます。 57 一方、祭司長やパリサイ人たちはイエスを逮捕することしか頭になく、「イエスを見かけた者は直ちに届け出よ」という命令を出していました。