Add parallel Print Page Options

神は最後にご自分の民を救う

32 見よ。正義の衣をまとった王が、
忠実な部下を引き連れて来ます。
王はイスラエルを嵐と風から守ります。
イスラエルを砂漠を流れる川のようにし、
日照りで乾ききった地にある、
大きな岩の涼しい陰のようにします。
その時になって、
イスラエルの目は神に向かって大きく開かれ、
民は御声に耳を傾けます。
性急な者も沈着冷静になり、
口ごもる者もはっきり話せるようになります。
その時には、神を敬わない無神論者は
賞賛されません。
たとえ金持ちでも、人をだます者は、
りっぱな人とは呼ばれません。
だれもが見たとたん、これは悪人だとわかります。
偽善者は、もう誰もだませません。
神についてのうそも、飢えた人へのあざむきも、
一目瞭然だからです。
悪者の巧妙な手口も難なくあばかれます。
法廷で貧しい人を脅すための偽証も、
例外ではありません。
しかし、正しい人は他の人に寛大で、
何をしても神に祝福されます。

エルサレムの女

何もせずに怠けている女は、
私の言うことを聞きなさい。
その報いがどんなものか話してあげよう。
10 あと一年少しで、大変なことが起こります。
収穫期になっても作物がとれなくなるのです。
その時になってあわてても手遅れです。
11 女たちよ、のんきにかまえていないで、
無頓着な態度を改めなさい。
美しい服を脱ぎ、悲しみの日に備えて
荒布をまといなさい。
12 涙を絞って嘆きなさい。
よく肥えた畑は見る影もなくなり、
かつては実をいっぱいつけたぶどうの木は、
見る影もなくなるからです。
13 土地にはいばらや野ばらが生い茂り、
笑い声の絶えなかった家や、活気に満ちていた町は、
あとかたもなくなります。
14 宮殿や邸宅は荒れ果て、にぎわっていた町も
廃墟となります。
見張り塔のあった山の上では、
野生のろばややぎが草を食べるようになります。

15 しかしついには、天から御霊が注がれ、
再び見渡す限りの黄金の穂波が
見られるようになります。
16 その時、正義が全地を支配し、
17 正義が平和をつくり、
平穏と信頼がいつまでも続きます。
18 私の民はいっさいの危害から守られ、
静かに落ち着いて暮らします。
19 しかしアッシリヤは滅び、その町々は破壊されます。
20 神はご自分の民に豊かな祝福を注ぎます。
どこに種をまいても作物は豊富に実り、
牛やろばは緑の牧場で草を食べるのです。

絶望と救い

33 ああ、回りのものを手当たりしだいに破壊したが、
自分は痛い目に会ったことのないアッシリヤ人たち。
あなたがたは、人々には約束を守ることを
期待しながら、自分は彼らを裏切ります。
今度はあなたが裏切られ、滅ぼされる番です。
しかし主よ、私たちはあなたを待ち望んできましたから、
お心にかけてください。
毎日私たちの力となり、
苦難のときには救いとなってください。
主が大声を上げると、敵は逃げ、神が立ち上がると、
国々の民は散って行きます。
いなごが畑やぶどうの木を丸裸にするように、
エルサレムは、アッシリヤの敗残兵から奪い取ります。
主は偉大な方で、天に住み、
エルサレムを正義と恵みの住まいにします。
ユダのためには、あふれんばかりの救いが、
知恵と知識、それに神への尊敬とともに、
安全な場所に用意されています。

しかし今は、あなたがたの使者は
大いに失望して泣いています。
アッシリヤが和平の申し入れを退けたからです。
街道は荒れ果て、
旅人は裏道を遠回りしなければなりません。
アッシリヤ人は平和協定を破ります。
証人の前で取り決めた約束など
何も気にかけていないのです。
相手がだれであれ、手かげんしません。
イスラエル全土が苦難に巻き込まれます。
レバノンは滅ぼされ、シャロンは荒れ地となり、
バシャンとカルメルは略奪されます。

10 しかし主は宣言します。

「わたしは立ち上がり、大きな力を天下に示す。
11 おまえたちアッシリヤ人は、どれほどがんばっても、
何一つ手に入れることはできない。
かえって自分の息の炎で焼き殺されるだけだ。
12 自慢の軍隊は、いばらが切り払われ、火に投げ込まれるように、
焼かれて石灰になる。
13 遠い国々は、わたしのしたことを聞け。
近隣の国々は、わたしの力の偉大さを知れ。
14 わたしの民のうちの罪人は、
恐れに取りつかれて身震いし、口々に叫ぶ。
『すべてのものを焼き尽くす永遠の火の前に、
だれが立ちはだかれよう。』
15 それができるのは、
正直で公正な者、詐欺でもうけない者、
わいろが差し出されたとき、すぐに手を引っこめる者、
殺人の計画に耳をふさぐ者、
いっさいの誘惑に目をつむる者だ。
16 このような者は高い所に住む。
山の岩が、彼らを守る頑丈なとりでとなる。
食べ物は十分にあてがわれ、
欲しいだけの水が補給される。」

17 あなたの目は美しく着飾った王を見、
はるかかなたの御国を見ます。
18 また、アッシリヤの将校たちが
城壁の外で塔の数を数え、この都を占領したら
どれだけの分捕り物があるだろうかと考えていた、
あの恐ろしい時を思い浮かべます。
19 しかし彼らを見るのも、あとわずかです。
訳のわからないことばを話す荒くれ男たちは、
どこかへ行ってしまいます。
20 代わりにあなたがたは、
平和なたたずまいのエルサレムを見ます。
それは神を礼拝する場所で、
どんなことがあっても揺るがない都です。
21 栄光の主が大河となって私たちを守るので、
敵は一歩も近づけません。
22 主はさばく方、立法者、また王となって、
私たちを救います。
23 敵の船の帆は折れたマストに垂れ下がり、
船具は役に立ちません。
戦利品は神の民が分配し、
足の弱っている人も割り当てにあずかります。
24 イスラエルの民は二度と、
「病が重く、頼るものもない」とは言いません。
主が彼らの罪を赦し、彼らを祝福するからです。

諸国へのさばき

34 国々と、世界のすべてのものは、
私のことばを聞きなさい。
主の激しい怒りの炎が、
国々の軍隊に向けられたからです。
主は彼らを徹底的に打ち、
虐殺する者の手に渡します。
死体は放り出されたまま腐って、
悪臭が満ち、山々は血の海となります。
その時、天は溶けて巻物のように巻かれ、
星は木の葉や熟しきった実のように落ちて来ます。

「わたしの剣が天で一暴れしたあとどうなるか、
よく見ているのだ。
それは、わたしが滅亡の宣言をしておいた
エドム人の上に落ちる。
剣には血がしたたっている。
いけにえの子羊ややぎを裂いたときのように、
血をたっぷり吸っている。
わたしがエドムで大がかりないけにえをほふり、
大虐殺するからだ。
最強の勇士も倒れ、
若者も経験を積んだ者も共に滅びる。
地はたっぷり血を吸い、脂肪でよく肥える。
さあ、復讐の日だ。
エドムのイスラエルへの仕打ちに報復する時だ。
エドムの川には燃えるピッチがあふれ、
地は一面の火に包まれる。」
10 エドムのさばきは終わりがありません。
煙はいつまでも立ち上り、
地は何世代にもわたって荒廃します。
誰ひとり住みつく者もありません。
11 人間の代わりにペリカンや針ねずみが住み、
ふくろうやからすが巣を作ります。
神がこの地を見て、
滅ぼす以外にないと考えたからです。
そこの貴族たちのありさまを見て、
生きている資格はないと判断したのです。
その地は「虚無の地」と呼ばれ、
12 王子たちはみな姿を消します。
13 宮殿にはいばらが生い茂り、
要塞にはいらくさが一面に生えます。
こうして、山犬のねぐら、
だちょうの住みかとなるのです。
14 荒野の野獣が山犬といっしょになり、
その遠吠えが夜通し聞こえます。
夜の怪物はぶきみな叫び声を上げ、
悪鬼がそこを休み場にします。
15 蛇も巣を作って、卵を産み、
それをかえして、大事に育てます。
鳶のつがいもそこに来ます。
16 主の書を調べて、
主がこれからどうするかに目を留めなさい。
ただの一つも欠きません。
その地には、つがいでないものはいません。
主がそう命じ、主の御霊が、
そのとおりになるようにしたからです。
17 主はこの地を調べて区分し、
これらの生き物の住みかと定めました。
彼らは、代々にわたって、この地を所有します。

救われた者の喜び

35 その日には、荒野や砂漠さえ喜びます。
荒野には花が咲き乱れます。
いっせいに花が咲き競い、
歌声と喜びの声がわき上がります。
荒野はレバノン山のように緑に囲まれ、
カルメル山の牧場やシャロンの牧草地のように、
美しい景色になります。
そこは神の栄光の舞台となるからです。
この良い知らせで、絶望した人を元気づけ、
怖がっている人を励ましなさい。
「さあ、元気を出しなさい。怖がることはありません。
神が敵を滅ぼしに来ます。
あなたがたを救いに来ます」と伝えなさい。
神が来れば、盲人の目は見えるようになり、
耳の聞こえない者の耳は聞こえるようになります。
足の不自由な者は鹿のように跳びはね、
口のきけなかった者は大声で叫び、歌います。
荒野には泉がわき、砂漠には川が流れます。
乾いた地は池となり、
日照りのために地割れした所から水がわき上がります。
荒野の山犬の住みかは、葦やいぐさの茂みになります。
かつては荒野だった所に主要道が通ります。
それは「聖なる道」と呼ばれ、
心の汚れた者は通れません。
神が共に歩むので、
どんなに愚かと言われる人でも道に迷いません。
道にライオンが潜んでいることもなく、
危険な目に会うこともありません。
罪を赦された者だけが、そこを通ります。
10 彼らは喜び歌いながら、
この道を通ってシオンへ帰るのです。
悲しみもため息もみな過去のものとなります。
あるのは、喜びと楽しみだけです。

えこひいきはいけない

愛する皆さん。人をえこひいきし、相手が金持ちか貧しいかによって態度を変えていながら、どうして臆面もなく、「私は主イエス・キリストを信じています」などと言えるでしょう。 たとえば教会に、金の指輪をはめたりっぱな身なりの金持ちと、みすぼらしい身なりの貧しい人が入って来たとします。 その時、金持ちには気を遣い、「こちらの良い席へどうぞ」と言って案内し、貧しい人には、「そこで立っているか、床にでも座っていなさい」と言ったとしたら、どうでしょう。 そのような態度は、クリスチャンとしての信仰を根本から疑わせるもので、悪い考えで人を差別し、さばいている証拠です。

皆さん、よく聞いてください。神は貧しい人を選んで、豊かな信仰を持つ者としてくださいました。神の国は、そういう人のものです。神の国は、神を愛する者に約束されたものだからです。 それなのに、あなたがたは貧しい人を軽蔑したのです。あなたがたをひどい目に会わせ、裁判所に訴えるのは、裕福な人たちではありませんか。 また、あなたがたが仕えるイエス・キリストの尊い御名をあざ笑うのも、彼らではありませんか。 あなたがたがほんとうに、「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい」レビ19・18という最高の律法を守っているならりっぱなことです。 しかし、もし人をえこひいきしているなら、あなたがたは罪を犯していることになります。 10 律法全体を注意深く守っていても、一点ででもつまずけば、その人はすべてを破った者となるのです。 11 なぜなら、「他人の妻と通じてはならない」出エジプト20・14と言われた神は、「殺してはならない」出エジプト20・13とも求められるのです。ですから、性的な罪を犯さなくても、だれかを殺せば律法の違反者になります。そして、罪ある者として神の前に立たせられます。

12 あなたがたは、キリストの命令を守る者にふさわしく語り、行動しなさい。 13 思いやりのない人には、思いやりのないさばきが下ります。しかし、あわれみ深い人には、神のあわれみがあるのです。

本物の信仰は行いを伴う

14 愛する皆さん。自分には信仰があると言っても、それを行動で表さなかったら、どうしてその信仰を実証できるでしょう。そのような信仰が、人を救うことができるでしょうか。 15 あなたがたの仲間に、着る物もなく、その日の食べ物にも事欠いている人がいて、 16 その人に、「それはお困りですね。でも神様が祝福してくださいますよ。暖かくして、お腹いっぱい食べてください」と言うだけで、必要なものを何もあげないなら、何の役に立つでしょう。 17 このように、信仰に行いが伴わなければ、その信仰は死んだも同然です。

18 さらに、こう言う人もいるかもしれません。「行いのないあなたの信仰の正しさを見せてください。私は、私の行いによって、自分の信仰を見せましょう。」 19 あなたは、神はただひとりだと信じています。それはりっぱなことです。しかし、悪魔もそう信じて、神を恐れているのです。

20 ああ、あなたは、なんと愚かであわれな人でしょう。みことばを実行しなければ、信じることなどむなしいことを、いつになったら悟るのですか。行いを伴って初めて本物と言えるのです。 21 先祖アブラハムでさえ、その行いによって神の前に正しい者と認められたではありませんか。彼は、息子イサクを供え物として祭壇にささげよと神に命令された時、いさぎよく従いました。 22 アブラハムは心から神を信じていたので、どんなおことばにも喜んで従ったのです。こうしてアブラハムの信仰は、実際の行動によって完全なものと認められました。 23 ですから、「アブラハムは神を信じた。それで神の目に正しい者と認められた」創世15・6という聖書のことばどおり、彼は、「神の友」と呼ばれるまでになったのです。 24 人は信仰だけでなく、行いによって神に正しいと認められることがわかるでしょう。 25 売春婦ラハブも同様です。彼女はイスラエルの使者たちをかくまい、別の道から安全に逃がしてやりましたヨシュア2章)。この行為によって、彼女は神に認められたのです。 26 たましいのない体が死んだものであるように、行いのない信仰は死んだも同然です。