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サウル殺害のチャンス

24 ペリシテ人との戦いから戻ったサウル王は、ダビデがエン・ゲディの荒野に向かったと知らされました。 そこで三千の兵をよりすぐり、野生のやぎのたむろするエエリムの岩のあたりで、ダビデを捜し回りました。 羊の群れの囲いに沿った道まで来た時、王は用を足すため、とあるほら穴へ入って行きました。ところが、なんとそのほら穴こそ、ダビデとその部下の隠れ家だったのです。 ダビデの部下の一人が、「絶好の時です。主が、『わたしはサウルをあなたの手に渡す。思いどおりにせよ』とおっしゃっているではありませんか。今がその時です」とささやきました。そこでダビデは、はうように近づき、王の上着のすそをそっと切り取りました。 しかし、そのことで彼の良心は痛みだしたのです。 「ああ、なんということをしてしまったのだ。神様が王としてお選びになった人にそのようなことをするなど、大それたことではなかったか。」

7-8 このダビデのことばには、みなにサウル殺害を思いとどまらせるのに十分な説得力がありました。

王がほら穴から出て行くと、ダビデも背後からついて行き、「王よ!」と大声で呼びかけました。王が振り向くと、目の前でダビデが地にひれ伏しているではありませんか。 9-10 「あなたはなぜ、私が謀反を企てているなどという、人々のことばに耳をお貸しになるのですか。たった今、それが根も葉もないことだとおわかりになったはずです。先ほどのほら穴の中で、主は、あなたが私に背を見せるようにしてくださったのです。配下の者は、あなたのおいのちをちょうだいするようにと勧めました。しかし、私はそうしませんでした。『王に危害を加えてはならない。この方は、神様がお選びになった王なのだから』と。 11 さあ、これをよくごらんください。あなたの上着のすそです。私はこれを切り取りはしましたが、おいのちには手をかけませんでした。これでもまだ、私があなたをねらっているとお思いでしょうか。たとえあなたが私のいのちをつけねらわれても、私は謀反の罪など犯してはいないことを、どうかわかっていただきたいのです。 12 私たちの間のことは、主がおさばきくださるでしょう。もしあなたが私を殺そうとなさるなら、主の御手があなたに下ります。私は決して、あなたに手を下したりしません。 13 『悪は悪人のすること』ということわざがあります。たとえあなたが悪いとしても、私は手を下すようなまねはしません。 14 いったいイスラエルの王は、だれを捕まえるおつもりなのですか。なぜ、息絶えた犬や一匹の蚤にすぎない者を追いかけ回して、時間をむだになさるのですか。 15 どうか主が、どちらが正しいかをさばき、罪を犯した者を罰してくださいますように。主が私を弁護してくださり、あなたの手から救い出してくださいますように。」

16 「ああダビデよ。ほんとうにおまえはダビデなのか。」王は声を上げて泣きました。 17 「おまえのほうが正しい。私の悪行に善をもって報いてくれた。 18 今日、おまえはなんと深い情けをかけてくれたことか。主が私をおまえの手に渡されたのに、助けてくれたのだ。 19 敵を手中に収めながら逃がしてくれる者が、この世にいるだろうか。今日のこの情けに、主が十分報いてくださるように。 20 これで、よくわかった。おまえは必ず王になる人物だ。イスラエルはおまえが治めるべきなのだ。 21 さあ、主にかけて誓ってくれ。おまえが王になっても、私の家族を殺さず、家系も絶やさないと。」

22 ダビデはそれを約束しました。サウルは自分の家に帰って行き、ダビデは部下を従えてほら穴に戻りました。

ベニヤミンの子孫(その2)

1-2 ベニヤミンの子は年齢順にあげると、次のとおり。長男ベラ、次男アシュベル、三男アフラフ、四男ノハ、五男ラファ。

3-5 ベラの子はアダル、ゲラ、アビフデ、アビシュア、ナアマン、アホアハ、ゲラ、シェフファン、フラム。

6-7 捕虜となってマナハテへ移された、ゲバ在住の氏族の長エフデの子は次のとおり。ナアマン、アヒヤ、それにヘグラムとも呼ばれたウザとアヒフデの父ゲラ。

8-10 シャハライムは、妻のフシムとバアラを離縁したのち、再婚した新しい妻ホデシュによって、モアブの地で次の子をもうけました。ヨバブ、ツィブヤ、メシャ、マルカム、エウツ、サケヤ、ミルマ。これらの子は、みな一族の長となりました。

11 シャハライムの先妻フシムは、アビトブとエルパアルを産みました。

12 エルパアルの子はエベル、ミシュアム、オノとロデと周辺の村々を建てたシェメデ。

13 このほか、同じくエルパアルの子ベリアとシェマはアヤロンに住む氏族の長で、ガテの住民を追い払いました。

14 エルパアルには、さらに次の子がいます。アフヨ、シャシャク、エレモテ。

15-16 ベリアの子はゼバデヤ、アラデ、エデル、ミカエル、イシュパ、ヨハ。

17-18 エルパアルには次の子もいます。ゼバデヤ、メシュラム、ヒズキ、ヘベル、イシュメライ、イズリア、ヨバブ。

19-21 シムイの子は次のとおり。ヤキム、ジクリ、ザブディ、エリエナイ、ツィルタイ、エリエル、アダヤ、ベラヤ、シムラテ。

22-25 シャシャクの子はイシュパン、エベル、エリエル、アブドン、ジクリ、ハナン、ハナヌヤ、エラム、アヌトティヤ、イフデヤ、ペヌエル。

26-27 エロハムの子はシャムシェライ、シェハルヤ、アタルヤ、ヤアレシュヤ、エリヤ、ジクリ。

28 彼らはエルサレムに住む諸氏族の長でした。

29 ギブオンの父エイエルはギブオンに住み、妻はマアカといいました。 30-32 彼の長男はアブドンで、以下、次の子たちが続きます。ツル、キシュ、バアル、ナダブ、ゲドル、アフヨ、ゼケル、シムアの父ミクロテ。この家族はみなエルサレムの近くに住んでいました。

33 ネルはキシュの父、キシュはサウルの父。サウルの子の一部は次のとおり。ヨナタン、マルキ・シュア、アビナダブ、エシュバアル。

34 ヨナタンの子はメフィボシェテ。

メフィボシェテの子はミカ。

35 ミカの子はピトン、メレク、タアレア、アハズ。

36 アハズはエホアダの父。エホアダは次の子たちの父。アレメテ、アズマベテ、ジムリ。ジムリの子はモツァ。

37 モツァはビヌアの父。ビヌアの子孫はラファ、エルアサ、アツェル。

38 アツェルの六人の子はアズリカム、ボクル、イシュマエル、シェアルヤ、オバデヤ、ハナン。

39 アツェルの兄弟エシェクには次の三人の子がいました。長男ウラム、次男エウシュ、三男エリフェレテ。

40 ウラムの子はみなベニヤミン族に属し、弓の名手として評判が高く、百五十人の子と孫がいました。

57 ああ神よ、あなただけを頼りにしているこの私を、
あわれんでください。
嵐が過ぎ去るまで、御翼の陰に潜ませてください。
私は、天におられる神、
奇跡を行ってくださる神に叫びます。
すると、愛と真実の神は、
天から手を差し伸べて救ってくださいます。
私を亡き者にしようと、必死になっている
うそつきどもから、救ってくださるでしょう。
私は、獰猛なライオンに囲まれているかのようです。
彼らは、まるで槍や矢のように鋭い歯をして、
気炎を上げています。
その舌は、まさしく剣です。
主が、天より高くあがめられますように。
ご栄光を地上高く現してください。
敵が罠をしかけたので、
私は言いようのない恐怖にとらわれています。
彼らはまた、私の通る道に落とし穴を掘りました。
しかし、そこに落ちたのは彼らのほうだったのです。

ああ神よ。私の心は平安で、確信に満ちています。
あなたをたたえる歌が、自然に口をついて出ます。
私のたましいよ、目を覚ませ。
十弦の琴と竪琴よ、身を起こせ。
さあ、歌って夜明けを待とう。
私は国中を巡り、
人々の前で神に感謝をささげます。
諸国を行き巡り、あなたをたたえる歌を歌います。
10 あなたの恵みと愛は、天そのもののように広大無辺です。
あなたの真実は、空よりも高くそびえています。
11 ああ神よ。
あなたの名が天よりも高くあがめられますように。
ご栄光が全世界を照らしますように。

58 1-2 権力をふるう高慢なおまえたち政治家に、
正義ということばの意味がわかるのか。
おまえたちのうち、
公平のかけらでも持ち合わせている者がいるのか。
おまえたちの取り引きは不正だらけで、
わいろと引き替えに「正義」を売り渡している。
こんな者たちは生まれながらの罪人で、
最初に覚えたのがうそをつくことなのです。
4-5 彼らは毒蛇のように口に毒を含み、
熟練した蛇使いの声にさえ耳をふさぐ蛇のようです。

ああ神よ、彼らの牙を折り、
若いライオンの歯のようなその歯を
引き抜いてください。
乾ききった地に吸い込まれる水のように、
影も形もなくしてください。
彼らの手の武器を、へし折ってください。
塩をかけられて溶けるなめくじのように、
日の光を知らない死産の子のようにしてください。
神は、老いも若きもいっしょに掃き捨て、
あっという間に滅ぼされます。
10 神を敬う人は、ついには正義が勝つのを見て喜び、
殺された悪者どもの血のしたたる野原を歩きます。
11 こうして、地上には公平にさばく神がおられ、
善人に必ず報いてくださることが、
だれの目にも明らかになるのです。

病気を治す

イエスが山を降りると、大ぜいの群衆がついて来ました。

その時です。ツァラアト(皮膚が冒され、汚れているとされた当時の疾患)の人が一人、イエスに駆け寄り、足もとにひれ伏しました。「先生。お願いですから、私を治してください。お気持ちひとつで、治すことがおできになるのですから。」

イエスはその男にさわり、「そうしてあげましょう。さあ、よくなりなさい」と言われました。するとたちまち、ツァラアトはあとかたもなくきれいに治ってしまいました。

「さあ、まっすぐ祭司のところに行き、体を調べてもらいなさい。モーセの律法にあるとおり、ツァラアトが治った時のささげ物をしなさい。完全に治ったことを人々の前で証明するのです。」

5-6 イエスがカペナウムの町に入られると、ローマ軍の隊長がやって来て、「先生。うちの若い召使が中風で苦しんでおります。とてもひどく、起き上がることもできません。どうか治してやってください。お願いします」としきりに頼みました。

「わかりました。では、行って治してあげましょう」とイエスは承知されました。

ところが、隊長の返事はこうでした。「先生。私には、あなたを家にお迎えするだけの資格はありません。わざわざ来ていただかなくても、ただこの場で、『治れ』と言ってくださるだけでけっこうです。そうすれば、召使は必ず治ります。 と申しますのは、私も上官に仕える身ですが、私の下にも部下が大ぜいおります。その一人に私が『行け』と言えば行きますし、『来い』と言えば来ます。また奴隷に『あれをやれ。これをやれ』と命じると、そのとおりにします。私にさえそんな権威があるのですから、先生の権威で、病気に『出て行け』とお命じになれば、必ず治るはずです。」

10 イエスはたいへん驚き、群衆のほうをふり向いて言われました。「これほど信仰深い人は、イスラエル中でも見たことがありません。 11 いいですか、皆さん。やがて、この人のような外国人がたくさん世界中からやって来て、神の国で、アブラハム、イサク、ヤコブといっしょに席に着くでしょう。 12 ところが、神の国はもともとイスラエル人のために準備されたのに、多くのイスラエル人が入りそこねて、外の暗闇に放り出され、泣いてくやしがることになるのです。」

13 それから、ローマ軍の隊長に、「さあ、家に帰りなさい。あなたの信じたとおりのことが起こっています」と言われました。そして、ちょうどその時刻、召使の病気はいやされていたのです。

14 イエスがペテロの家に行かれると、ペテロのしゅうとめが、高熱でうなされていました。 15 ところが、イエスがその手におさわりになると、たちまち熱がひき、彼女は起き出して、みんなの食事のしたくを始めました。

16 その夕方のことです。悪霊につかれた人たちが、イエスのところに連れて来られました。イエスがただひとことお命じになると、たちまち悪霊どもは逃げ出し、病人はみな治りました。 17 こうして、イエスについてイザヤが、「彼は、私たちの痛みを身に引き受け、私たちの病を負った」イザヤ53・4と預言したとおりになったのです。

嵐を静める

18 イエスは、自分を取り巻く群衆の数がだんだんふくれ上がっていくのに気づき、湖を渡る舟の手配を弟子たちにお命じになりました。

19 ちょうどその時、ユダヤ教の教師の一人が、「先生。あなたがどこへ行かれようと、ついてまいります」と申し出ました。

20 しかし、イエスは言われました。「きつねにも穴があり、鳥にも巣があります。しかし、メシヤ(救い主)のわたしには、自分の家はおろか、横になる所もありません。」

21 また、ある弟子は、「先生。ごいっしょするのは、父の葬式を終えてからにしたいのですが」と言いました。

22 けれどもイエスは、「いや、今いっしょに来なさい。死んだ人のことは、あとに残った者たちに任せておけばいいのです」とお答えになりました。

23 それから、イエスと弟子たちの一行は舟に乗り込み、湖を渡り始めました。 24 すると突然、激しい嵐になりました。舟は今にも、山のような大波にのまれそうです。ところが、イエスはぐっすり眠っておられました。

25 弟子たちはあわてて、イエスを揺り起こし、「主よ。お助けください。舟が沈みそうです」と叫びました。

26 するとイエスは、「そんなにこわがるとは、それでも神を信じているのですか」と答えると、ゆっくり立ち上がり、風と波をおしかりになりました。するとどうでしょう。嵐はぴたりとやみ、大なぎになったではありませんか。 27 弟子たちは恐ろしさのあまり、その場に座り込み、「なんというお方だろう。風や湖までが従うとは」と、ささやき合いました。

28 やがて、舟は湖の向こう岸に着きました。ガダラ人の住む地方です。と、そこに二人の男がやって来ました。実はこの二人は悪霊に取りつかれ、墓場をねぐらにしている人たちでした。何をされるかわかったものではないので、だれもそのあたりには近寄りませんでした。

29 二人は、イエスに向かって大声でわめき立てました。「おれたちをどうしようというんだ。確かに、おまえは神の子だ。だが、今はまだ、おれたちを苦しめる権利はないはずだ。」

30 ところで、ずっと向こうのほうでは、豚の群れが放し飼いになっていました。 31 そこで悪霊たちは、「もし、おれたちを追い出すのなら、あの豚の群れの中に入れてくれ」と頼みました。

32 イエスが、「よし、出て行け」とお命じになると、悪霊たちは男たちから出て、豚の中に入りました。そのとたん、豚の群れはまっしぐらに走りだし、湖めがけていっせいにがけを駆け降り、おぼれ死んでしまいました。 33 びっくりした豚飼いたちが近くの町に逃げ込み、事の一部始終を知らせると、 34 町中の者が押しかけ、「これ以上迷惑をかけてもらいたくないから、この地を立ち去ってくれ」とイエスに頼みました。