創世記 32:9-32
Japanese Living Bible
9 やるだけのことはしました。あとは主に祈るだけです。「祖父アブラハムも信じ、父イサクもお従いする神様。国へ帰れと私に命じ、必ず祝福すると約束してくださった神様。 10 神様はいつもお約束どおり、私に恵みを与えてくださいました。そんな資格は私には全くありませんのに。実家を出た時、私は杖しか持っていませんでした。しかし、今は違います。あの二つに分けた財産はみな、私のものです。 11 神様、どうかお助けください。兄はどんな手荒なことをするかわかりません。私たち一家を皆殺しにするかもしれないのです。考えただけでもぞっとします。 12 神様は、私を祝福し、子孫を海辺の砂のように多くしてくださる、と約束されました。今そのお約束を思い出してください。」
13-15 その夜はそこに泊まり、彼は兄エサウへの贈り物を用意しました。雌やぎ二百頭、雄やぎ二十頭、雌羊二百頭、雄羊二十頭、乳らくだ三十頭とその子、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭。
16 ヤコブは召使たちに、ひと足先に群れを追って行くように指示しました。また、それぞれの群れの間に距離を置くようにも言いました。 17 先頭の群れを追う男たちには、特に念を押しておかなければなりません。兄エサウと出会ったらきっと、「どこへ行くのか。主人はだれで、この家畜はだれのものだ」と聞かれるだろうから、 18 「エサウ様ですね。これはみな、あなた様のしもべヤコブのもので、ご主人のあなた様に差し上げる贈り物でございます。ヤコブもすぐあとからまいります」と答えるように、と言い含めました。 19 あとに続くグループにも同じようにし、同じことを言うように指示しました。 20 顔を合わせる前にまず贈り物をして、エサウをなだめようというのです。「こうすれば、いくら兄さんでも手荒なことはしないだろう。」 21 贈り物を持って行かせたあと、その夜はテントで寝ることにしました。
22-24 しかし、やはり心配でなかなか眠れません。まだ夜中だというのに起き出し、二人の妻と二人のそばめ、十一人の子どもたちを連れてヨルダン川を越えました。全員が無事にヤボクの渡しを渡り終えるのを見届けると、ヤコブは一人で、もう一度テントに戻りました。もう全く一人きりです。と、そこへ一人の人が現れ、二人は明け方まで格闘を続けました。 25 なかなか勝負がつきません。その人はヤコブに勝てないとわかると、ヤコブの腰を打って関節をはずしてしまいました。
26 「もう行かせてくれ。じきに夜が明ける。」その人が頼みました。
しかしヤコブは、はあはあと息を切らせながら答えました。
「私を祝福してくださるまでは絶対に放しません。」
27 「あなたの名前は何というのか。」
「ヤコブです。」
28 「いや、もうヤコブではない。神と戦い、人と戦って強さを示したのだから、イスラエルと変えるがいい。」
29 「よろしければ、お名前を聞かせてください。」
「いや、それはできない。」そう答えると、その人はその場でヤコブを祝福しました。
30 ヤコブはそこをペヌエル〔「神の顔」の意〕と名づけました。彼が、「神様と直接お会いしたのに、死なずにすんだ」と言ったからです。
31 さあ、出発です。日も昇りました。しかし、腰の関節がはずれていたので、足を引きずらなければなりませんでした。 32 イスラエル人が今でも腰のすじ肉を食べないのは、ここに由来があります。
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