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アロンの杖

17 1-3 それから、主はモーセに命じました。「族長たちに、自分の名を彫った杖を持って来させなさい。アロンの名はレビ族の杖に彫る。 十二本の杖を幕屋の契約の箱の前、わたしがあなたと会う場所に置きなさい。 この杖で、わたしがだれを選ぶかを決めよう。わたしの選んだ者の杖は芽を出すのだ。これだけはっきりさせれば、彼らも不平は言わなくなるだろう。」

十二人の族長は、それぞれモーセのところに杖を持って来ました。アロンの杖も入っています。 モーセは、幕屋の奥の主の前にそれを置きました。

翌日そこへ行ってみると、レビ族を代表するアロンの杖が芽を出し、花が咲き、アーモンドの実がなっているではありませんか。 それを持って来て見せると、人々はあっけにとられ、ただ見つめるばかりです。それでも族長たちは気を取り直し、自分の杖を引き取りました。

10 「アロンの杖を、この事件の苦い思い出として、いつまでも契約の箱のそばに置きなさい。アロンの権威を疑う者がまた出たら、それを見せてやりなさい。そうすれば、民が不平を言っていろいろな災難を被らずにすむだろう。」主がそう命じたので、 11 モーセはそのとおりにしました。

12-13 しかし人々は、それでもこりずに不平を言うのでした。「これでは、みんな死んだも同然だ。幕屋に近づくだけで死ぬのなら、だれも助かるわけないではないか。」

祭司とレビ人

18 主は、今度はアロンに言いました。「あなたとあなたの一族は、どんな事情であっても、聖所が汚されたら責任を負わなければならない。祭司の仕事で失敗したときも同じだ。 2-3 あなたと同族のレビ人にも手伝わせるが、幕屋での神聖な務めは、あなたの一族しかできない。他のレビ族の者が祭壇の神聖な用具にさわらないように注意しなさい。気をつけないと、あなたもあなたの一族も、罰せられて死ぬことになる。 レビ族でない者には絶対に手伝わせてはいけない。 聖所や祭壇で奉仕するのは祭司だけである。このとおりにすれば、わたしのおきてを破って、そのためにわたしが人々に罰を下すこともなくなる。 くり返すが、同族のレビ族に幕屋での仕事を手伝わせよう。 しかし、祭壇や聖所の垂れ幕の内側での仕事や神聖な務めはすべて、祭司であるあなたとあなたの息子たちが行わなければならない。あなたがただけが祭司として選ばれたからだ。他の者で不要な手出しをする者は、必ず死ななければならない。」

主は続けてアロンに命じました。「わたしにささげられた物はみな、祭司に与える。イスラエル人のすべての聖なるささげ物はみな、あなたとあなたの子らのものとなる。これはいつまでも変わらぬ定めである。 穀物の供え物、罪の赦しのためのいけにえ、それに罪過を償ういけにえも、祭壇で焼いてわたしにささげる一部を除いては、全部あなたがたのものだ。これは最も神聖なものだから、 10 最も神聖な場所で食べなければならない。しかも、食べることができるのは男だけだ。 11 イスラエル人の奉納物はみな、あなたと家族全員に与えよう。男でも女でもおきてどおり身をきよく保っているなら、だれでも食べられる。

12 初物としてささげられる、最良のオリーブ油、ぶどう酒、穀物、 13 他の収穫物もみな、あなたがたのものだ。おきてどおり身をきよく保っているなら、家族はそれを食べてよい。 14-15 わたしへの奉納物はみな、あなたがたのものだからだ。イスラエル人の長男も、家畜の初子もみな、あなたがたのものだ。 16 しかし、長男や食べてはいけない家畜の初子の場合は、代金で受け取りなさい。一人あるいは一匹につき銀五シェケル(一シェケルは十一・四グラム)を、生後一か月過ぎたら持って来させるのだ。

17 ただし、牛、羊、やぎの初子は、いけにえとしてささげなさい。その血を祭壇に振りかけ、脂肪を火で焼くささげ物とする。わたしはそれを受け入れよう。 18 肉はあなたがたの分としてかまわない。祭壇で揺り動かしてささげる胸や右のももの肉もそうだ。 19 人々が持って来る奉納物はみな、あなたに与える。それを家族全員の食物としなさい。これは、わたしがあなたとあなたの子孫に対して結ぶ、永遠の契約である。

20 祭司は相続地もなく、他の収入もない。必要な物はみな、わたしが与える。 21 同族のレビ族には、幕屋での仕事の報酬として、イスラエル中からささげられる中から十分の一のささげ物を与えよう。 22 もうこれからは、祭司とレビ人以外の者は、だれも聖所に入ってはならない。もし入ったなら罪を犯した罰として死ぬ。 23 聖所で働けるのはレビ人だけだ。その彼らも、間違ったことをすれば罰せられる。これは永遠の定めである。彼らには相続地が与えられない。 24 その代わり、イスラエルの奉納物である十分の一のささげ物を与える。彼らが相続する財産はそれだけで、ほかに相続地を持つことはできない。」

25-26 主はまた、モーセに告げて言いました。「レビ人に、人々から受け取る物の十分の一を、わたしに奉納物としてささげるよう命じなさい。 27 それをレビ人の財産の十分の一とみなし、穀物の初物やぶどう酒の代わりに受け取ろう。 28-29 その場合、人々から受け取る十分の一のささげ物の中でも、最も良い物を選び、祭司アロンに与える。 30 それは穀物の粉やぶどう酒の代わりである。 31 アロンとその家族は、ささげた物の残りを、家でもどこででも食べてかまわない。幕屋で仕事をした報酬だからだ。 32 レビ人は、受け取った物の十分の一、それも最も良い物を祭司にささげるなら、その残りのささげ物を食べても罪にはならない。しかし、それは人々の神聖なささげ物だから、大事に扱いなさい。注意しないと、罰せられて死ぬことになるからだ。」

29 御使いたちは主をほめたたえなさい。
主の栄光と力をほめたたえなさい。
まぶしいばかりの御名の栄光を覚えて、
主をほめたたえなさい。
きよい衣を着て主の前に出なさい。

主の御声は雲間から響きます。
栄光の神は大空に雷鳴をとどろかせます。
主の声は力強く、威厳に満ちています。
5-6 主の声は杉の木をなぎ倒し、
レバノンの巨木を引き裂きます。
また、レバノン山とシルヨン山を揺り動かし、
子牛のように跳びはねさせます。
主の声は、いなずまを光らせ、とどろき渡ります。
砂漠にこだまし、カデシュの荒野を揺るがします。
そして巨大な樫の木を倒します。
また、大風を巻き起こして森を激しくゆさぶり、
丸裸にします。
しかし神の宮では、
「栄光あれ。神に栄光あれ」と、
すべてのものがほめたたえる声がするのです。

10 大洪水をもたらして、
全宇宙の支配者であることを示された主は、
引き続きその力を顕示しておられます。
11 主はご自分の民に力を与え、
平安をもたらし、祝福を与えてくださいます。

神の国のたとえ話

イエスが湖のほとりで教えておられると、またもや多くの群衆が集まって来ました。それでイエスは小舟に乗り、そこに腰をおろして、お話しになりました。 イエスが人々に教えられる時には、たとえ話を使うのが普通でしたが、この日の話は次のようなものでした。

「よく聞きなさい。農夫が種まきをしました。畑に種をまいていると、 ある種はあぜ道に落ちました。すると鳥が来て、その種を食べてしまいました。 別の種は土の浅い石地に落ちました。初めは勢いよく成長した種も、 土が浅いため、根から十分養分を取ることができず、強い日差しの中で、すぐに枯れてしまいました。 また、いばらの中に落ちた種もありましたが、いばらが茂って成長をはばみ、結局、実を結べませんでした。 けれども中には、良い地に落ちた種もありました。その種は、三十倍、六十倍、いや百倍もの収穫をあげることができたのです。 聞く耳のある人はよく聞きなさい。」

10 その後、イエスが一人になられると、十二人の弟子とほかの弟子たちが、そろってイエスに尋ねました。「先生。さっきのお話はどういう意味でしょう。」

11 イエスはお答えになりました。「あなたがたには、神の国の真理を知ることが許されていますが、ほかの人には隠されているのです。 12 預言者イザヤが言ったように、『彼らは見もし、聞きもするが、悔い改めて神に立ち返り、その罪を赦していただくことはない』イザヤ6・9のです。 13 それにしても、こんな簡単なたとえがわからないのですか。そんなことで、これから話すほかのすべてのたとえは、どうなることでしょう。

14 いいですか。農夫とは、人々に神のことばを伝える人のことです。このような人たちは、聞く人の心に良い種をまこうとします。 15 初めの種が落ちた踏み固められたあぜ道とは、神のことばを聞いても心を堅く閉ざした人のことです。すぐにサタンがやって来て、そのことばを忘れさせてしまうのです。 16-17 土が浅く石ころの多い地とは、最初は喜んで神のことばを聞く人の心を表しています。ところが、そんな地に落ちた種は、根を深くおろすことができません。だから、初めのうちこそうまくいっても、迫害が始まると、たちまちぐらついてしまうのです。

18-19 いばらの地とは、神のすばらしい知らせに耳を傾け、それを受け入れる人の心を表しています。けれども、すぐにこの世の魅力、金もうけの楽しさ、欲望のとりこになり、神のことばなどは心からはじき出されて、実を結ぶまでには至らない人です。

20 良い地とは、神のことばをまちがいなく受け入れて成長し、神のために、三十倍、六十倍、百倍もの収穫をあげる人の心を表しています。」

21 イエスは、続けてお話しになりました。「せっかくあかりをともしたランプに箱をかぶせ、光をさえぎる人がいるでしょうか。もちろんいません。それでは意味がありませんから。ランプは台の上に置き、あたりを照らしてこそ、存在価値があるのです。

22 いま隠されているものはみな、いつかは明るみに出されます。 23 聞く耳のある人はよく聞きなさい。 24 また、聞いたことは必ず実行しなさい。そうすればするほど、わたしの言ったことがわかるようになります。 25 持っている人はさらに与えられ、持っていない人は、持っているわずかな物さえ取り上げられてしまうのです。

26 神の国のたとえを、もう一つ話しましょう。

ある農夫が畑に種をまいて、 27 家に帰りました。日がたつにつれて、別に何もしなくても、種はどんどん成長しました。 28 土が種を成長させるからです。まず芽が出て、次に穂、そして最後に穂の中に実が入ります。 29 すると、さっそく農夫が刈り取るのです。」

30 また、こうも言われました。「神の国をどう説明し、何にたとえたらいいでしょう。 31 それは、小さなからし種のようです。からし種は種の中でも最も小さいものですが、 32 成長すると、とても大きくなり、鳥が巣を作れるほどになります。」

33 このように、イエスは多くのたとえを使って、人々の理解力に応じて教えられました。 34 たとえを使わずに話をなさることはありませんでした。ただ弟子たちにだけは、その意味を解き明かされました。

35 夕闇の迫るころ、イエスは弟子たちに、「さあ、湖の向こう岸に渡ろう」と言われました。 36 弟子たちは群衆をあとに残し、イエスの乗られた小舟をこぎ出しました。あとからついて来る舟も、何そうかありました。 37 ところが、まもなく恐ろしい嵐が襲って来たのです。小舟は大波にほんろうされ、舟は水浸しです。 38 イエスを見ると、船尾のほうで眠っておられます。弟子たちは気が気ではありません。すっかり動転して、イエスを呼び起こしました。「先生! 舟が沈みかけているのに、よく平気でいられますね!」

39 イエスはゆっくり起き上がると、風をしかり、湖に「静まれ」と言われました。するとどうでしょう。たちまち風はやみ、湖は何事もなかったかのような大なぎになりました。

40 イエスは弟子たちに言われました。「どうしてそんなにこわがるのですか。まだわたしが信じられないのですか。」

41 弟子たちは、ただもう恐怖に打ちのめされて、「ああ、なんというお方だ。風や湖までが従うとは」と、ささやき合いました。