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祝福とのろい

26 偶像を造ってはならない。彫像だろうが、石像だろうが、石の柱だろうが、偶像を拝んではならない。わたしがあなたがたの神、主だからだ。 安息日の定めを守り、幕屋(神がイスラエルの民と会う聖所)を重んじなさい。わたしは主である。

わたしのおきてに従って歩むなら、 4-5 季節ごとに雨を降らせ、豊作をもたらす。麦の脱穀はぶどうの時期までかかり、ぶどうの取り入れは次の種まきの時まで続く。不自由なく安心して暮らせるだろう。 少しの心配もない平和な毎日を送ることができる。危険な野の獣はわたしが追い払おう。戦争で国土を荒らされることもない。 あなたがたは敵を追い払い、さんざん打ちのめす。 五人で百人を、百人で一万人を追い散らし、敵の息の根を完全に止める。 わたしは契約どおり、あなたがたを増やし、心にかける。 10 刈り入れ時がきても、まだ前の収穫が残っていて困るほどになるだろう。 11 わたしはあなたがたと共に住む。あなたがたを嫌ったりはしない。 12 共に歩み、あなたがたの神となる。そして、あなたがたはわたしの民となる。 13 わたしがあなたがたをエジプトから救い出し、奴隷の鎖を断ち切ったのだ。だから、胸を張って堂々と歩きなさい。

14 しかし、わたしの言うことを聞かず、従おうともせず、 15 おきてを無視するなら、 16 あなたがたを罰する。突然、恐怖が襲いかかり、結核や熱病が猛威をふるうだろう。目は衰え、生きる気力もなくなる。種をまいても、収穫は全部、敵が横取りする。 17 わたしの責任ではない。敵に追い散らされても助けはしない。あなたがたは憎しみに燃えた敵に支配され、追いかけられもしないのに逃げ出す。

18 それでもなお従わないなら、七倍の罰を加える。 19 自分の力に頼ろうとする思い上がりを、粉々に砕く。思い知るがいい。天は鉄のように、地は青銅のようになり、一滴の雨も降らず作物も実らない。 20 いくら耕し、手入れをしても、収穫は全くない。

21 それでもなお従わず、言うことを聞かないなら、さらに七倍の災害で苦しめる。 22 野の獣を放って子どもたちや家畜を殺させ、人口を減らす。こうしてイスラエルは荒れ果てる。

23 しかしなお行いを改めず、反抗し続けるなら、 24 わたしは黙ってはいない。その罪の重さを、いやと言うほど思い知らせる。この手で七倍も強く打ちのめす。 25 契約の違反は戦争で罰する。町に逃げ込んでも、町中に疫病がはやり、結局は敵に征服されてしまう。 26 食べ物は底をつき、十家族分のパンを焼くのに、一つのかまどで間に合うほどになる。配給はわずかで、とうてい腹を満たすことはできない。

27 しかしなお聞き従わないなら、 28 もう容赦はしない。さらに七倍も重い罰を加える。 29 あなたがたを、わが子の肉まで食べるほどに飢えさせる。 30 あなたがたが偶像として拝む山の祭壇を打ち壊し、香の祭壇を切り倒す。偶像に混じって、あなたがたの死体がそこここに転がり、腐り果てていくのを黙って眺めよう。わたしはあなたがたを忌み嫌う。 31 町々を廃墟とし、礼拝所を打ち壊す。ささげ物でなだめようとしても、ふだんは受け入れる香りさえ嗅ぐ気もしない。 32 国はすっかり荒れ果て、代わって住みついた敵でさえ、あまりのひどさに驚き恐れるだろう。

33 あなたがたは散り散りに国外へ逃げ、行く先々でも戦いに敗れる。国はすっかり荒れ果て、町々は廃墟と化す。 34-35 こうして、ようやく土地を休ませることができる。あなたがたが利用できるだけ利用し尽くした土地を、敵の捕虜となっている間、ずっと休ませよう。あなたがたが住んでいた時、七年ごとに一年の休みを与えなかった分を、まとめて取り戻す。

36 生き残った者は、捕虜や奴隷として遠い国へ連れて行かれる。外国でおびえながら暮らすのだ。風に舞う木の葉の音にもおびえ、剣で追い立てられるように逃げ惑う。追いかけられもしないのに倒れる。 37 戦いで弱気を起こし、敵前を逃げ惑うように、追いかけられもしないのに力なく恐怖におののく。 38 あげくの果ては敵地であえない最期を遂げる。 39 運よく生き残った者も、自分と先祖たちの犯した罪の重さに耐えきれず、見る影もなくやつれ果てるだろう。

40-41 しかし最後には、自分たちの裏切りを認める。苦しい思いをするのも、元はと言えばわたしに反抗したからだ。それで、わたしも黙ってはおらず、あなたがたを敵の手に渡した。だが、みなが悪かったと反省し、素直に罰を受けるなら、 42 アブラハム、イサク、ヤコブと結んだ契約を思い出し、荒れ果てたイスラエルをもう一度心に留めよう。 43 その間に国土は十分に地力を回復する。一方、国民は神のおきてを破り、定めを軽んじた罰を受け入れるようになる。 44 彼らの行状は目に余ったが、わたしは誠実に契約を守り、完全に滅ぼすことはしなかった。わたしは彼らの神、主だからだ。 45 わたしは彼らの先祖と結んだ契約を思い出す。彼らの神となるという契約である。周囲の国々が驚き見守る中で、彼らの先祖をエジプトから救い出したのは、このわたしだ。わたしは彼らの神、主である。」

46 以上は、シナイ山で神がモーセに語った、イスラエルの民の守るべきおきて、定め、指示です。

祝福とのろい

26 偶像を造ってはならない。彫像だろうが、石像だろうが、石の柱だろうが、偶像を拝んではならない。わたしがあなたがたの神、主だからだ。 安息日の定めを守り、幕屋(神がイスラエルの民と会う聖所)を重んじなさい。わたしは主である。

わたしのおきてに従って歩むなら、 4-5 季節ごとに雨を降らせ、豊作をもたらす。麦の脱穀はぶどうの時期までかかり、ぶどうの取り入れは次の種まきの時まで続く。不自由なく安心して暮らせるだろう。 少しの心配もない平和な毎日を送ることができる。危険な野の獣はわたしが追い払おう。戦争で国土を荒らされることもない。 あなたがたは敵を追い払い、さんざん打ちのめす。 五人で百人を、百人で一万人を追い散らし、敵の息の根を完全に止める。 わたしは契約どおり、あなたがたを増やし、心にかける。 10 刈り入れ時がきても、まだ前の収穫が残っていて困るほどになるだろう。 11 わたしはあなたがたと共に住む。あなたがたを嫌ったりはしない。 12 共に歩み、あなたがたの神となる。そして、あなたがたはわたしの民となる。 13 わたしがあなたがたをエジプトから救い出し、奴隷の鎖を断ち切ったのだ。だから、胸を張って堂々と歩きなさい。

14 しかし、わたしの言うことを聞かず、従おうともせず、 15 おきてを無視するなら、 16 あなたがたを罰する。突然、恐怖が襲いかかり、結核や熱病が猛威をふるうだろう。目は衰え、生きる気力もなくなる。種をまいても、収穫は全部、敵が横取りする。 17 わたしの責任ではない。敵に追い散らされても助けはしない。あなたがたは憎しみに燃えた敵に支配され、追いかけられもしないのに逃げ出す。

18 それでもなお従わないなら、七倍の罰を加える。 19 自分の力に頼ろうとする思い上がりを、粉々に砕く。思い知るがいい。天は鉄のように、地は青銅のようになり、一滴の雨も降らず作物も実らない。 20 いくら耕し、手入れをしても、収穫は全くない。

21 それでもなお従わず、言うことを聞かないなら、さらに七倍の災害で苦しめる。 22 野の獣を放って子どもたちや家畜を殺させ、人口を減らす。こうしてイスラエルは荒れ果てる。

23 しかしなお行いを改めず、反抗し続けるなら、 24 わたしは黙ってはいない。その罪の重さを、いやと言うほど思い知らせる。この手で七倍も強く打ちのめす。 25 契約の違反は戦争で罰する。町に逃げ込んでも、町中に疫病がはやり、結局は敵に征服されてしまう。 26 食べ物は底をつき、十家族分のパンを焼くのに、一つのかまどで間に合うほどになる。配給はわずかで、とうてい腹を満たすことはできない。

27 しかしなお聞き従わないなら、 28 もう容赦はしない。さらに七倍も重い罰を加える。 29 あなたがたを、わが子の肉まで食べるほどに飢えさせる。 30 あなたがたが偶像として拝む山の祭壇を打ち壊し、香の祭壇を切り倒す。偶像に混じって、あなたがたの死体がそこここに転がり、腐り果てていくのを黙って眺めよう。わたしはあなたがたを忌み嫌う。 31 町々を廃墟とし、礼拝所を打ち壊す。ささげ物でなだめようとしても、ふだんは受け入れる香りさえ嗅ぐ気もしない。 32 国はすっかり荒れ果て、代わって住みついた敵でさえ、あまりのひどさに驚き恐れるだろう。

33 あなたがたは散り散りに国外へ逃げ、行く先々でも戦いに敗れる。国はすっかり荒れ果て、町々は廃墟と化す。 34-35 こうして、ようやく土地を休ませることができる。あなたがたが利用できるだけ利用し尽くした土地を、敵の捕虜となっている間、ずっと休ませよう。あなたがたが住んでいた時、七年ごとに一年の休みを与えなかった分を、まとめて取り戻す。

36 生き残った者は、捕虜や奴隷として遠い国へ連れて行かれる。外国でおびえながら暮らすのだ。風に舞う木の葉の音にもおびえ、剣で追い立てられるように逃げ惑う。追いかけられもしないのに倒れる。 37 戦いで弱気を起こし、敵前を逃げ惑うように、追いかけられもしないのに力なく恐怖におののく。 38 あげくの果ては敵地であえない最期を遂げる。 39 運よく生き残った者も、自分と先祖たちの犯した罪の重さに耐えきれず、見る影もなくやつれ果てるだろう。

40-41 しかし最後には、自分たちの裏切りを認める。苦しい思いをするのも、元はと言えばわたしに反抗したからだ。それで、わたしも黙ってはおらず、あなたがたを敵の手に渡した。だが、みなが悪かったと反省し、素直に罰を受けるなら、 42 アブラハム、イサク、ヤコブと結んだ契約を思い出し、荒れ果てたイスラエルをもう一度心に留めよう。 43 その間に国土は十分に地力を回復する。一方、国民は神のおきてを破り、定めを軽んじた罰を受け入れるようになる。 44 彼らの行状は目に余ったが、わたしは誠実に契約を守り、完全に滅ぼすことはしなかった。わたしは彼らの神、主だからだ。 45 わたしは彼らの先祖と結んだ契約を思い出す。彼らの神となるという契約である。周囲の国々が驚き見守る中で、彼らの先祖をエジプトから救い出したのは、このわたしだ。わたしは彼らの神、主である。」

46 以上は、シナイ山で神がモーセに語った、イスラエルの民の守るべきおきて、定め、指示です。

ささげ物の評価

27 1-2 主はまた、モーセに命じました。「人々に言いなさい。主に身をささげるという誓願を立てる者は、その代価として次の額を納める。 3-4 二十歳から六十歳までの男子は銀五十シェケル(一シェケルは十一・四グラム)、女子は三十シェケル。 五歳から二十歳までの少年は二十シェケル、少女は十シェケル。 一か月から五歳までの男児は五シェケル、女児は三シェケル。 六十歳以上の男子は十五シェケル、女子は十シェケル。 貧しくて全額を払いきれない者は祭司に申し出ること。事情を話し合ったうえで、祭司が決めた額を払えばよい。

主にささげると誓ったいけにえの家畜は、そのとおりささげなければならない。 10 一度誓った以上、むやみに変えてはいけない。良い家畜を悪いものに取り替えることはもちろん、悪いものを良いものに取り替えるのもいけない。もしそうするなら、両方とも主のものになる。 11-12 ささげ物がいけにえにできない汚れた家畜の場合、持ち主は祭司に申し出て適当な値をつけてもらい、その金額を代わりに支払う。 13 いけにえにできる家畜の場合でも、買い戻したいときは、祭司がつけた値の二割増しを支払えばよい。

14-15 家を主にささげたが買い戻したくなったときは、祭司が評価した額の二割増しを支払いなさい。そうすれば、また自分のものになる。

16 畑の一部を主にささげるときは、まく種の量で評価する。大麦の種二三〇リットルをまける広さの土地は、銀五十シェケル。 17 ヨベルの年に畑をささげる場合は、評価額の全額を支払う。 18 ヨベルの年以後は、次のヨベルの年まであと何年あるかによって決める。 19 買い戻したいときは、祭司が決めた評価額の二割増しを支払う。それでまた自分のものになる。 20 ただし買い戻さないと決めるか、すでに人手に渡っている場合はもう取り戻せない。 21 その畑はヨベルの年に、主にささげられた土地として祭司のものになる。

22 もともとの所有地でなく、買った土地の一部を主にささげる場合は、 23 祭司が決めたヨベルの年までの評価額を直ちに支払わなければならない。 24 ヨベルの年には、土地は元の持ち主に戻る。 25 代金はすべて通貨で支払う。

26 牛や羊の初子をささげてはならない。初めから主のものだからだ。 27 いけにえにできない家畜の初子の場合は、祭司がつけた評価額の二割増しを支払う。持ち主に買い戻すつもりがないなら、祭司はほかの者に売ってかまわない。

28 しかし、人であれ家畜であれ畑であれ、主に完全にささげたものは、売ることも買い戻すこともできない。それは主のもので、最も神聖なものだからだ。 29 死刑を宣告された者は、代わりに罰金を支払って免れることはできない。必ず死刑となる。

30 穀物でも果実でも、農産物の十分の一は主のもので、神聖なものである。 31 十分の一の穀物や果実を買い戻したいときは、評価額の二割増しを支払わなければならない。 32 牛であれ羊であれ、家畜はすべて十頭ずつ数え、十頭目が主のものとなる。 33 質の良し悪しで選んではならない。取り替えてもいけない。取り替えた場合は両方とも主のものになる。もちろん買い戻すこともできない。」

34 以上は、シナイ山で主がモーセに告げた、イスラエルの民への命令です。

ささげ物の評価

27 1-2 主はまた、モーセに命じました。「人々に言いなさい。主に身をささげるという誓願を立てる者は、その代価として次の額を納める。 3-4 二十歳から六十歳までの男子は銀五十シェケル(一シェケルは十一・四グラム)、女子は三十シェケル。 五歳から二十歳までの少年は二十シェケル、少女は十シェケル。 一か月から五歳までの男児は五シェケル、女児は三シェケル。 六十歳以上の男子は十五シェケル、女子は十シェケル。 貧しくて全額を払いきれない者は祭司に申し出ること。事情を話し合ったうえで、祭司が決めた額を払えばよい。

主にささげると誓ったいけにえの家畜は、そのとおりささげなければならない。 10 一度誓った以上、むやみに変えてはいけない。良い家畜を悪いものに取り替えることはもちろん、悪いものを良いものに取り替えるのもいけない。もしそうするなら、両方とも主のものになる。 11-12 ささげ物がいけにえにできない汚れた家畜の場合、持ち主は祭司に申し出て適当な値をつけてもらい、その金額を代わりに支払う。 13 いけにえにできる家畜の場合でも、買い戻したいときは、祭司がつけた値の二割増しを支払えばよい。

14-15 家を主にささげたが買い戻したくなったときは、祭司が評価した額の二割増しを支払いなさい。そうすれば、また自分のものになる。

16 畑の一部を主にささげるときは、まく種の量で評価する。大麦の種二三〇リットルをまける広さの土地は、銀五十シェケル。 17 ヨベルの年に畑をささげる場合は、評価額の全額を支払う。 18 ヨベルの年以後は、次のヨベルの年まであと何年あるかによって決める。 19 買い戻したいときは、祭司が決めた評価額の二割増しを支払う。それでまた自分のものになる。 20 ただし買い戻さないと決めるか、すでに人手に渡っている場合はもう取り戻せない。 21 その畑はヨベルの年に、主にささげられた土地として祭司のものになる。

22 もともとの所有地でなく、買った土地の一部を主にささげる場合は、 23 祭司が決めたヨベルの年までの評価額を直ちに支払わなければならない。 24 ヨベルの年には、土地は元の持ち主に戻る。 25 代金はすべて通貨で支払う。

26 牛や羊の初子をささげてはならない。初めから主のものだからだ。 27 いけにえにできない家畜の初子の場合は、祭司がつけた評価額の二割増しを支払う。持ち主に買い戻すつもりがないなら、祭司はほかの者に売ってかまわない。

28 しかし、人であれ家畜であれ畑であれ、主に完全にささげたものは、売ることも買い戻すこともできない。それは主のもので、最も神聖なものだからだ。 29 死刑を宣告された者は、代わりに罰金を支払って免れることはできない。必ず死刑となる。

30 穀物でも果実でも、農産物の十分の一は主のもので、神聖なものである。 31 十分の一の穀物や果実を買い戻したいときは、評価額の二割増しを支払わなければならない。 32 牛であれ羊であれ、家畜はすべて十頭ずつ数え、十頭目が主のものとなる。 33 質の良し悪しで選んではならない。取り替えてもいけない。取り替えた場合は両方とも主のものになる。もちろん買い戻すこともできない。」

34 以上は、シナイ山で主がモーセに告げた、イスラエルの民への命令です。

23 パウロは議会の面々をじっと見つめ、口を開きました。「皆さん。私はいつでも神の前で、少しも良心に恥じない生活を送ってまいりました。」

これを聞いただけで、大祭司のアナニヤは、パウロのそばに立っている者たちに、「やつの口を打て」と命じました。

パウロは、しっかりアナニヤを見すえて言いました。「神に罰せられるのは、あなたのほうだ。うわべだけは取りつくろっても、自分で律法を破っている。私を打てとは、なんという裁判官か。」

「それが大祭司様に対することばか!」そばにいた者たちが叫びました。

「あの人が大祭司ですって? それは知りませんでした。聖書には確かに、『指導者の悪口を言ってはならない』と書いてありますが。」

そう言ってパウロは、議会にはサドカイ人もいれば、パリサイ人もいることに気づき、こう叫びました。「皆さん。私は先祖代々のパリサイ人です。私が今ここでさばかれているのは、死者の復活を信じているからなのです。」

このことばで、議会はパリサイ派とサドカイ派に真っ二つに分かれてしまいました。 サドカイ派が復活も天使も信じず、永遠に生きる霊もないと主張する一方、パリサイ派は、それらを全部信じていたからです。

議会は大混乱に陥りました。ユダヤ人の指導者の中にも、パウロは正しいと論じる人が現れて、彼らは大声で言いました。「この人は別に悪いことなんかしていない。たぶんダマスコへ行く途中で、何かの霊か天使が語りかけたのだろう。」

10 叫び声はますます大きくなり、人々はパウロを両方から奪い合おうとします。パウロが引き裂かれるのではないかと心配になった司令官は、兵士たちに、力ずくでパウロを人々から引き離させ、兵営に連れ帰りました。

11 その夜、主がパウロのそばに立って、こう言われました。「パウロよ。心配はいらない。あなたは、このエルサレムでと同じように、ローマでもわたしのことを人々に証言するのだ。」

12-13 翌朝、四十名以上のユダヤ人が集まり、パウロを殺すまでは飲み食いをしないと誓い合いました。 14 彼らは、祭司長と長老たちのところへ行ってその決意を告げ、 15 「もう少しパウロを尋問したいと言って、彼をもう一度議会に立たせるよう、司令官に頼んでいただけないでしょうか。あとは私たちが途中で待ち伏せて、うまく始末します」と願い出ました。

16 ところが、この陰謀を、パウロの甥が知ったのです。彼は急いで兵営に駆け込み、このことをパウロに知らせました。

17 パウロは士官の一人を呼び、「この青年を、司令官に会わせてやってください。重大な報告があるそうですから」と頼みました。

18 士官はすぐに、青年を連れて司令官のところへ行き、「囚人のパウロが、この青年をお引き合わせするようにと申しております。何か報告があるそうで……」と伝えました。

19 司令官は青年の手を取り、だれもいないところへ連れて行って、「いったいどんな用件か」と尋ねました。

20 「ユダヤ人たちが、もう少し取り調べたいことがあるようなふりをして、明日パウロをもう一度議会に呼び出すことを願い出ます。 21 しかし、どうか許可なさいませんように。四十名以上の者が、パウロを襲い、殺そうと待ち伏せているからです。彼らは、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い合っています。今、彼らは外で、あなたの許可が下りるのを待っているのです。」

22 司令官は、「このことはだれにも口外するな」と言い含めて、青年を帰しました。 23-24 それからすぐ彼は、士官を二人呼び、「今夜九時、カイザリヤに向けて出発できるよう準備せよ。兵士は二百名だ。それと槍兵二百名、騎兵七十名も同行させよ。パウロを馬に乗せ、総督ペリクス閣下のもとへ無事に送り届けるのだ」と命じました。

25 このとき司令官が総督に送った手紙は、次のようなものでした。 26 「クラウデオ・ルシヤから、総督ペリクス閣下に、ごあいさつを申し上げます。 27 この者は、ユダヤ人に捕らえられ、危うく殺害されるところを、本官が兵を率いて駆けつけ、救出した者でございます。それというのも、れっきとしたローマ市民であったからです。 28 その後、議会で真相を調べましたところ、 29 問題はユダヤ人の信仰上のことであり、この者を投獄したり、死刑にしたりするような事件ではないことが判明いたしました。 30 しかし、この者のいのちをねらう陰謀が巡らされているとの情報をつかみましたので、彼の身柄を閣下のもとに送ることにいたします。また、この者を訴えたければ、以後は閣下の前で訴えるようにと、その旨指示しておきました。」

31 その夜のうちに、兵士たちは命令どおりパウロをアンテパトリスまで護送し、 32 翌朝、そこからカイザリヤまでは騎兵隊に任せて、兵営に引き返しました。

33 カイザリヤに着くと、騎兵隊は、司令官からの手紙といっしょにパウロを総督に引き渡しました。 34 手紙を読み終えた総督が出身地を尋ねたので、パウロはキリキヤだと答えました。

35 総督は、「おまえを訴える者たちが来てから、くわしく取り調べよう」と申し渡し、ヘロデの官邸内の牢獄に、パウロを入れておくよう命じました。

23 パウロは議会の面々をじっと見つめ、口を開きました。「皆さん。私はいつでも神の前で、少しも良心に恥じない生活を送ってまいりました。」

これを聞いただけで、大祭司のアナニヤは、パウロのそばに立っている者たちに、「やつの口を打て」と命じました。

パウロは、しっかりアナニヤを見すえて言いました。「神に罰せられるのは、あなたのほうだ。うわべだけは取りつくろっても、自分で律法を破っている。私を打てとは、なんという裁判官か。」

「それが大祭司様に対することばか!」そばにいた者たちが叫びました。

「あの人が大祭司ですって? それは知りませんでした。聖書には確かに、『指導者の悪口を言ってはならない』と書いてありますが。」

そう言ってパウロは、議会にはサドカイ人もいれば、パリサイ人もいることに気づき、こう叫びました。「皆さん。私は先祖代々のパリサイ人です。私が今ここでさばかれているのは、死者の復活を信じているからなのです。」

このことばで、議会はパリサイ派とサドカイ派に真っ二つに分かれてしまいました。 サドカイ派が復活も天使も信じず、永遠に生きる霊もないと主張する一方、パリサイ派は、それらを全部信じていたからです。

議会は大混乱に陥りました。ユダヤ人の指導者の中にも、パウロは正しいと論じる人が現れて、彼らは大声で言いました。「この人は別に悪いことなんかしていない。たぶんダマスコへ行く途中で、何かの霊か天使が語りかけたのだろう。」

10 叫び声はますます大きくなり、人々はパウロを両方から奪い合おうとします。パウロが引き裂かれるのではないかと心配になった司令官は、兵士たちに、力ずくでパウロを人々から引き離させ、兵営に連れ帰りました。

11 その夜、主がパウロのそばに立って、こう言われました。「パウロよ。心配はいらない。あなたは、このエルサレムでと同じように、ローマでもわたしのことを人々に証言するのだ。」

12-13 翌朝、四十名以上のユダヤ人が集まり、パウロを殺すまでは飲み食いをしないと誓い合いました。 14 彼らは、祭司長と長老たちのところへ行ってその決意を告げ、 15 「もう少しパウロを尋問したいと言って、彼をもう一度議会に立たせるよう、司令官に頼んでいただけないでしょうか。あとは私たちが途中で待ち伏せて、うまく始末します」と願い出ました。

16 ところが、この陰謀を、パウロの甥が知ったのです。彼は急いで兵営に駆け込み、このことをパウロに知らせました。

17 パウロは士官の一人を呼び、「この青年を、司令官に会わせてやってください。重大な報告があるそうですから」と頼みました。

18 士官はすぐに、青年を連れて司令官のところへ行き、「囚人のパウロが、この青年をお引き合わせするようにと申しております。何か報告があるそうで……」と伝えました。

19 司令官は青年の手を取り、だれもいないところへ連れて行って、「いったいどんな用件か」と尋ねました。

20 「ユダヤ人たちが、もう少し取り調べたいことがあるようなふりをして、明日パウロをもう一度議会に呼び出すことを願い出ます。 21 しかし、どうか許可なさいませんように。四十名以上の者が、パウロを襲い、殺そうと待ち伏せているからです。彼らは、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い合っています。今、彼らは外で、あなたの許可が下りるのを待っているのです。」

22 司令官は、「このことはだれにも口外するな」と言い含めて、青年を帰しました。 23-24 それからすぐ彼は、士官を二人呼び、「今夜九時、カイザリヤに向けて出発できるよう準備せよ。兵士は二百名だ。それと槍兵二百名、騎兵七十名も同行させよ。パウロを馬に乗せ、総督ペリクス閣下のもとへ無事に送り届けるのだ」と命じました。

25 このとき司令官が総督に送った手紙は、次のようなものでした。 26 「クラウデオ・ルシヤから、総督ペリクス閣下に、ごあいさつを申し上げます。 27 この者は、ユダヤ人に捕らえられ、危うく殺害されるところを、本官が兵を率いて駆けつけ、救出した者でございます。それというのも、れっきとしたローマ市民であったからです。 28 その後、議会で真相を調べましたところ、 29 問題はユダヤ人の信仰上のことであり、この者を投獄したり、死刑にしたりするような事件ではないことが判明いたしました。 30 しかし、この者のいのちをねらう陰謀が巡らされているとの情報をつかみましたので、彼の身柄を閣下のもとに送ることにいたします。また、この者を訴えたければ、以後は閣下の前で訴えるようにと、その旨指示しておきました。」

31 その夜のうちに、兵士たちは命令どおりパウロをアンテパトリスまで護送し、 32 翌朝、そこからカイザリヤまでは騎兵隊に任せて、兵営に引き返しました。

33 カイザリヤに着くと、騎兵隊は、司令官からの手紙といっしょにパウロを総督に引き渡しました。 34 手紙を読み終えた総督が出身地を尋ねたので、パウロはキリキヤだと答えました。

35 総督は、「おまえを訴える者たちが来てから、くわしく取り調べよう」と申し渡し、ヘロデの官邸内の牢獄に、パウロを入れておくよう命じました。